※本記事は英語版PlayStation®.Blogの日本語翻訳記事です。
来週7月27日(木)発売のPC版『ラチェット&クランク パラレル・トラブル』。これまで皆さんには、本作で利用したテクノロジーや推奨スペックの詳細について、たくさんの質問をいただきました。本日はこれらの質問にお答えするとともに、ワクワクする新機能も紹介します。
次元間のスムーズな行き来を実現するため、PC版『ラチェット&クランク パラレル・トラブル』では、データ圧縮技術GPU decompressionを含むDirectStorage 1.2を実装しました。
Richard van der Laan氏、Nixxes Softwareシニアリードプログラマー:
「次元間を移動する際、素早いロードと一瞬の切り替えを実現するにはアセットを素早くロードする必要があります。DirectStorageは素早いロード時間を実現でき、またGPU decompressionは高品質のグラフィック設定においてプレイ中にアセットをバックグラウンドでストリームするために使用されます。従来はこの解凍はCPUが行なっていましたが、GPUにこの処理を行なわせることで、ストレージからグラフィックカードにアセットをストリーミングする際の、データの帯域を広げることができるのです。本作ではこういった機能を利用して、高品質なテクスチャや細部まで描かれた環境を素早くロードしています」
Alex Bartholomeus氏、プリンシパルプログラマー:
「PC版『ラチェット&クランク パラレル・トラブル』には、リアルタイムで利用可能なハードウェアを計測するアダプティブストリーミング機能を追加しており、どんな設定でもできる限り最高のテクスチャをストリーミングするよう、テクスチャの表示設定を調整しています。DirectStorageでは、高速なNVMe SSDとGPU decompressionを利用することで、グラフィックが最高設定でも、すばやくテクスチャのストリーミングができるようになっています」
DirectStorageは、高速なPCIe NVMe SSDの速度をフル活用するために開発されましたが、この技術はSATA SSDや従来のハードディスクドライブにも適用可能です。PC版『ラチェット&クランク パラレル・トラブル』では、システムのストレージデバイスに関係なく、データのロードの際に同じテクノロジーが利用可能になりました。
レイトレーシングによるアンビエントオクルージョンとXeGTAO
PC版『ラチェット&クランク パラレル・トラブル』を初めて発表した際には、レイトレーシングによる反射と新たに追加されたレイトレーシングシャドウを実装し、屋外での自然な照明を演出することをお伝えしました。本日は、ゲーム内での照明のリアリズムをさらに加速させる、追加のオプションを公開します──さまざまな品質レベルから選べる、レイトレーシングによるアンビエントオクルージョン(RTAO)です。
Menno Bil氏、グラフィックプログラマー:
「アンビエントオクルージョンは、間接照明がゲーム内の環境にどのように影響を与えるかをシミュレートするテクノロジーです。間接照明とは、直接でない照明の一種で、ほかの面から反射された光を意味します。この効果は、しわ、ひび割れ、角など、面同士が近くにある部分で多く現れます。一般的に使用されているアンビエントオクルージョンテクノロジーは、SSAO(スクリーンスペースアンビエントオクルージョン)とHBAO+(ホライゾンベースアンビエントオクルージョン)です。これらはハードウェアの要求スペックは高くはありませんが、物理的に正確なシミュレート結果を生み出すわけではありません。RTAOは、レイトレーシングをさらに活用し、ゲーム内でアンビエントオクルージョンのリアリズムをさらに拡張します。RTAOは、レイトレーシングに対応したハードウェアと高い処理能力を持つハイエンドなシステムをお持ちの方向けに、追加で実装しました」
またMenno氏とチームは、Intelが実装したGround-Truth Ambient OcclusionのXeGTAOも実装しています。SSAOやHBAO+と同様に、この機能は画面空間に基づいています。そのため、この技術はRTAOが実現するようなリアリズムは作り出せませんが、動作コストは遥かに低く、HBAO+と同等です。XeGTAOはゲーム内のオプションで選択可能で、全販売元からのグラフィックカードで動作します。
Menno氏:
「XeGTAOは非常に高解像度のアンビエントオクルージョンを作り出し、形状の非常に小さな細部をも感じさせます。全般的にXeGTAOの出力品質は非常に高く、心地よい見た目に仕上がっています」
推奨スペック
PC版『ラチェット&クランク パラレル・トラブル』の全機能の詳細をご紹介したので、次は推奨スペックの詳細についてお伝えします。PC版ゲームを作るとき、私たちはスケーラビリティ(拡張性)に多くの労力を費やしました。レイトレーシングによる影、レイトレーシングによるアンビエントオクルージョン、トリプルモニターへの対応は、最新かつ最高のハードウェアをお持ちの方が、システムを限界まで活用することを目的としています。また、高度なカスタマイズが可能なグラフィック設定や機能により、最新のシステムをお持ちでなくても、できるだけ多くの方に遊んでいただけるようになっています。以下は、さまざまなグラフィックプリセット向けの、推奨スペックの概要です。
※画像は英語版です。
PC版『ラチェット&クランク パラレル・トラブル』は、HDDや最低限のスペックで楽しんでいただくこともできますが、ゲームの特徴である瞬間的な次元間移動のゲームプレイを原作の意図通りに体験するには、推奨以上のスペックとSSDの組み合わせを推奨します。
AMD製GPUにおけるレイトレーシングの対応に関する詳細は、後日発表いたします。
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ラチェット&クランク パラレル・トラブル
・発売元:ソニー・インタラクティブエンタテインメント
・フォーマット:PC(Steam / Epic Games)
・ジャンル:アクション
・発売日:2023年7月27日(木)予定
・価格:ダウンロード版 販売価格 7,590円(税込)
・プレイ人数:1人
・CERO:B(12才以上対象)
PS Blogの『ラチェット&クランク パラレル・トラブル』記事はこちら
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