PlayStation®5/PlayStation®4用ソフトウェア『ローグ・レガシー2』は、カナダのCellar Door Gamesが送り出した本格ローグライトアクションのシリーズ最新作。PlayStation®Plus「ゲームカタログ」に追加されているので、PlayStation Plus エクストラおよびプレミアムに加入している人は、すぐにダウンロードして楽しむことができる。
名作『ローグ・レガシー』から、約10年を経て送り出された本作。プレイヤーは無数の敵と危険な罠が待ち受ける巨大な城塞を、謎の契約に従う一族となって探索していく。特徴的なディフォルメキャラクターが目を引くグラフィックは、前作の2Dスタイルから手描きの背景と3Dキャラクターが融合した2.5Dスタイルとなり、より滑らかさを増している。前作でも好評だった軽快なアクションも、新クラスやアビリティが加わって深みを増し、ローグライトの基本である繰り返しプレイをより楽しめるものにしている。
CHECK POINT①
謎の城塞を攻略する一族となり、危険な探索に挑め
“河の守り人”たちが潜む、巨大城塞の探索に臨む一族の冒険を描く本作。オープニングでは城塞への渡し守・カロンのボートに乗り、騎士らしき姿の人物がたったひとりで城に乗り込む光景が描かれていく。本編も、ややコミカルな見た目に反してダークな雰囲気が感じられ、プレイヤーの興味を掻き立ててくれる。
ローグライトゲームということで、プレイするたびに部屋の構造や、敵・トラップなどの配置が変化するマップを探索していくのがゲーム進行の基本。プレイヤーは探索者たちを操作して複雑につながった部屋をくまなく巡り、敵を倒し、財宝や新たなアビリティを手に入れながら、ひたすら城塞の奥を目指すことになる。
プレイヤーキャラクターの基本アクションは、武器による基本攻撃、特殊な攻撃や防御の技を繰り出す秘技、MPを消費して放つスペル、ジャンプ、ダッシュ、最後に空中で繰り出せるスピンキックの6種類。操作の感触はとても軽快で、キャラクターがボタンにキビキビ反応してくれる爽快なアクションを楽しめる。
基本の攻撃はキャラクターのクラス(職業)で決定され、ナイト(騎士)なら大剣、レンジャーは弓、ヴァルキリーはなぎなたのようなフォシャール、バーサーカーなら双刃斧など、異なる攻撃アクションを持つ15のクラスが用意されている。最初に選べるのはナイトだけだが、先に進むにつれて増やしていける。
それぞれの武器は個性がはっきりと分けられており、オーソドックスで使いやすい大剣に対して、斧は動きに少しクセがあるがジャンプ中に空中の全方位に攻撃できる回転攻撃があるなど、選んだクラスで異なる立ち回りが可能だ。遠距離武器の弓も密着されると厳しいが威力が高く、狙ってクリティカルが出せるなど、それぞれ特徴がある。
攻撃が直線的なものの、上下左右に選んで攻撃を出し分けられるヴァルキリーのフォシャールも、使っていて楽しい武器だ。リーチが十分にあり、足場の上にいる敵を下から突き上げたり、敵の頭上から襲いかかったりと、高低差がある場所ではほかの武器より楽に敵を倒せる印象を受けた。
特殊攻撃といえる秘技とスペルは、それぞれクールタイムがあったり、MPが必要だったりと使用条件があって連発はできないが、そのぶん効果や威力は強力。ダメージ必至の強敵との戦いや、大勢に囲まれてしまった時などに使うとピンチをひっくり返せる。ビリヤードの玉を打ち出すといったユニークなものがあるのも面白い。
攻撃以上に重要なアクションが、ダッシュとスピンキック。敵から距離を取りたいときや、罠をかわすときに使えるのはもちろん、これらを活用することで一見届かなそうな足場に簡単にたどり着けたりもする。それぞれの効果を強化する家宝と呼ばれるアイテムも存在しているので、先に進むためにぜひ使いこなせるようになっておこう。
クラスごとにしっかりと個性を付けられた攻撃アクションと、テクニカルな操作で難所を切り抜けていける奥の深い移動アクション。直感的な操作で両者を使いこなし、道を切り開いていくマップの探索はとても楽しく、何度も繰り返しプレイしたくなる手触りになっている。
CHECK POINT②
道半ばで倒れても、個性豊かな子孫が探索の跡を継ぐ
探索中にプレイヤーキャラクターが命を落とすと、そこまでに稼いだお金や素材などを子孫が引き継ぐことになる。引き継ぎ時は3人の世継ぎ候補が提示され、その中からひとりを選んで城の入り口から新たな探索を始める仕組みだ。新たな主役となる世継ぎは、アクションを決定するクラスのほかに個別の特性を持つ者がおり、それらがキャラクターの個性になっている。
特性は、入手できるお金の額が増える代わりにドロップアイテムが消えるまでの時間が短くなる「健忘症」などメリットやデメリットが設定されたものから、能力には変化がないがマップ全体がクリスマスチックな雰囲気になる「祝祭好き」や、なぜかすべての敵にモザイクがかかる「潔癖症」といった笑えるものまで多種多様。怖いもの見たさで、つい奇妙な特性を持つ世継ぎを選んでしまうこともあるはずだ。
なお本作は、探索中にキャラクターのレベルが上がって強くなるなどローグライトの一般的な成長システムを採用してはおらず、基本的にプレイヤーキャラクターは城塞に入ったときの強さのままで探索が進んでいく。代わりに採用されているのが、倒されたキャラが集めた所持金で一族の拠点を強化する「スキルツリー」方式だ。
スキルツリーでアンロックされる要素は、体力や攻撃力など子孫の能力を直接強化したり、新たなクラスを使えるようにしたり、探索に役立つさまざまな施設を港に出現させたりと、メリットだらけ。地道に所持金をためてスキルツリーに使えば、次に探索に旅立つプレイヤーキャラクターを強くできる仕組みだ。
「鍛冶屋」と「付術師」では所持金と素材を消費し、装備品である武装とルーンストーンを作ってキャラクターの能力を上げられる。ただし、キャラクターが装備できる重量には上限があり、強力な装備を使う場合は注意が必要だ。スキルツリーで登場する施設には、入手できるお金を減らす代わりに前回の探索時と城塞の構造を同じにする「アーキテクト」も。最初から探索しなおすのが面倒なときなどは、とても便利だ。
CHECK POINT③
城塞内の各エリアには強力なボスも待ち受ける
探索の舞台となる城塞は、最初に訪れるエリアであるアガルタ要塞跡をはじめ、多数のさまざまな形の部屋が組み合わさった6エリアから構成されている。これらのエリアはシームレスにつながっているが、先に進むには家宝を入手すると使える特殊な移動アクションや、特定のエリアのボスを倒す必要がある。離れた場所を瞬時に移動できる転送装置が要所にあるので、それらもうまく活用して効率よく探索を進めよう。
マップを構成する部屋には多数のザコ敵やトラップが配置されているが、敵は一度倒すとその回の探索中は復活しない。部屋を何度も行き来して復活した敵を倒し、所持金を稼ぐといったことはできないので注意しよう。また、攻撃すると壊れる燭台やランタンなどのオブジェクトも一度壊すとなくなったままになる。これらは足場として宝箱の入手に必要になることがあるので、壊す前にちょっと周りを確認しておくといいだろう。
部屋の構造にもさまざまなバリエーションがあり、ダッシュやスピンなどを活用しないと先の部屋にたどり着けない場所も。特に、ルーンなどの貴重なアイテムが入ったフェアリーチェストのある部屋は、たった1回のミスで宝箱が取れなくなるパズルのような作りなので注意が必要だ。移動アクションを強化する家宝を入手するときも、特別なパズル風のステージに挑戦させられるので、そうした場所ではどんな行動が正解か、先に考えてから挑むべきだろう。
さらにちょっと面白いのが、プレイヤーキャラの特性と同じ効果を持つ「レリック」がふたつ置かれた場所。どちらかのレリックを取るともう片方は消えてしまうため、性能をきちんと比較して取りたいが、未入手のレリックの場合は効果がわからないので最初のうちはギャンブル気分で選ぶことも多くなる。調子よく進んでいるときに、デメリットしかないハズレのレリックを選んでしまうとなかなかショックだが、このドキドキする手探り感も本作の楽しさだ。
そして各エリアのクライマックスといえるのがボス戦。荘厳な扉の中で待ち受ける巨大なボスたちは、いずれもひとクセある攻撃方法を備えており、きちんとキャラクターを強化しておかないとそう簡単に勝たせてはもらえない。勝負までにエリアをくまなく探索して、準備万端で挑もう。
クラスや特性の組み合わせから生まれる個性的なキャラクターを操り、緊張感あふれる探索と軽快なアクションを気軽に楽しめる。これぞまさにローグライトといえる内容の『ローグ・レガシー2』。遊びごたえのあるアクションゲームを求めている人にはぜひ注目してほしい作品だ。基本的にデフォルトの難易度は高めだが、キャラクター育成システムはプレイしたぶんだけ強くなれるものであり、設定のハウスルールを使えば敵との接触時にダメージを受けないようにできたりと、きめ細かく難易度を調整できる。アクションゲームが苦手な人も、興味を持ったらトライしてみてほしい。
『ローグ・レガシー2』プレイ動画
ローグ・レガシー2
・発売元:Cellar Door Games
・フォーマット:PlayStation 5 / PlayStation 4
・ジャンル:アクション
・発売日:好評配信中
・価格:ダウンロード版 販売価格 2,750円(税込)
・プレイ人数:1人
・レーティング:IARC 7+(7才以上対象)
※IARC(the International Age Rating Coalition)は、世界のゲーム評価機関により管理される国際年齢評価連合です。
※ダウンロード専用タイトル
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