『The Library of Babel』プレイレビュー! 人類なき世界での探索行を描くステルスアクション!

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『The Library of Babel』プレイレビュー! 人類なき世界での探索行を描くステルスアクション!

PlayStation®5/PlayStation®4用ソフトウェア『The Library of Babel』は、スペインのバルセロナを拠点とするTanuki Game Studioが開発を手掛けたSFステルスアクションアドベンチャーだ。人類絶滅から2万年後、ロボットたちが社会を営む世界で起きた事件をきっかけに、捜索係(シーカー)ロボットのルドヴィクが繰り広げる探索行が描かれる。

緑に覆われたジャングルの中に築かれたロボットだけの集落。そこで起きた謎だらけの殺人(殺ロボット?)事件を追い、行く手を阻む敵やトラップから身を隠しつつ入り組んだフィールドを探索する探索行。ダークな雰囲気に満ちた独自の世界観と、パズル的な要素も存在する緊張感に満ちたステルスアクションが楽しめる作品だ。

CHECK POINT①
ジャングルに潜むカルト教団を追い、ルドヴィクの探索が始まる!

ホルヘ・ルイス・ボルヘスの短編小説『バベルの図書館』にインスパイアされた『The Library of Babel』。世界を支配するのはロボットたちで、かつて彼らを創造した人類のことはほぼ忘れ去られている。プレイヤーの分身となるシーカーロボットのルドヴィクが、指令を受けてジャングルエリアの集落を訪れるところから物語は始まる。

集落を統治する「女神」のもとを訪ねたルドヴィクは、そこで赤い服に身を包んだ「カボリストカルト教団」のメンバーが集落の兵士を殺害し、自らの頭を撃ちぬいて死ぬショッキングな場面を目撃する。この武装カルト団体を設立したカボール大佐と呼ばれる人物に起きた異変と、目的を探るため、ルドヴィクは緑深いジャングルを探索することになる。

開発スタジオの公式サイトによれば、本作のストーリーは『バベルの図書館』だけでなく、映画『地獄の黙示録』や、浦沢直樹氏の漫画『PLUTO』といったさまざまな作品からもインスピレーションを得て生まれたものとのこと。あらゆる情報が納められた図書館、狂気に捕らわれた者との対峙、意識や感情を備えたロボット同士のやり取りなど、興味深いテーマがルドヴィクの探索を通じて徐々につなぎ合わされていき、独自の世界観を形作っている。

また、独創的なグラフィックもポイント。ロボットが支配する世界といえばサイバーな大都市などを想像させるが、本作はうっそうとした木々に囲まれたジャングルや洞窟、石造りの遺跡のようなフィールドが主な探索の舞台となる。登場する機械類もサイバーというよりはスチームパンク風の要素が強く、従来のディストピア系作品とはまた違った雰囲気を楽しめるものになっている。

CHECK POINT②
敵の目を避けながらマップを巡るステルス探索アクション

ルドヴィクの探索は一般的な2D探索型アクションと同様の形式で行なわれ、入り組んだつくりのフィールドを移動やジャンプを使って駆け巡り、目標であるカボール大佐や、カボリストカルト教団の情報を集めていく。拠点となるのはジャングルの集落で、探索中に出会った人から情報を得たり、カードキーのような鍵アイテムを入手して探索できるエリアが広がっていく。ちなみにコントロールポイントを稼働することで、各エリア間を一瞬で行き来することもできる。

フィールドには、離れた場所の扉を開けるためのスイッチやエレベーター、触れると死んでしまう罠などのギミックが随所に存在。加えて、死んでしまった時の再スタート場所になるコントロールポイントが存在しており、これを稼働させておけば、やられてしまっても探索中に手に入るデータクリスタルを消費して復活が可能となっている。

さらには、武器を手にしたカボリストカルト教団の兵士が巡回している場所も。ルドヴィクは調査・探索を主眼としたロボットで一切の攻撃能力を持たないため、敵に発見されるとなすすべもなくやられてしまう。そこで重要なのが「しゃがみ」を使ったステルス行動だ。しゃがむことでフィールド上の木箱や土のうの影に身を隠し、敵に見つからないようやり過ごしながら進むのが重要になる。

また敵には、探知用のレーザーを照射しながら空中を移動するやっかいなものも。このレーザーはルドヴィクが止まった状態なら照射されても平気だが、移動しながら触れると即死するというくせものだ。兵士と一緒に登場する場所などでは簡単に身動きできない状況になることも多く、タイミングを読んだ慎重な行動が重要になる。

アクション自体はシンプルながら、起伏あるマップ構成と仕掛けや敵の組み合わせで、考えなければ進めない難所がそこかしこに存在する本作。つねに緊張感を持って攻略していく必要があるが、一方で難所をクリアできた時は確かな達成感を味わえるはずだ。また、難所の前後にはたいていコントロールポイントがきちんと配置されていて、やり直しもそれほど苦ではない。アクションが苦手という人も、焦らず敵や仕掛けの動きを読んで行動すれば、必ず道が開けるバランスになっている。

CHECK POINT③
アイテムの組み合わせやパズルなど謎解き要素も豊富!

ストーリーを進めていくために謎解きやパズルのような要素がたっぷり用意されているのも本作の見どころ。集落などにいる人と会話することで、いわゆるクエストのようなさまざまな目的が出現し、それをクリアすることがゲーム進行のカギになってくる。まずは会話できる住民を見落とさないよう注意しよう。

目的をクリアするために、探索中に入手したアイテムを組み合わせて新しいアイテムを作る、アドベンチャーゲームでは定番のひとつ「組み合わせ」システムも存在する。組み合わせのヒントは、住民との会話だけでなく、アイテムを使うべき場所を観察した際のメッセージなどにもそれとなく示されているので、注意深く見ておこう。

探索フィールドのなかでよく見られるのは、動かせる箱を利用したパズルだ。足場にしたり、床に配置されたスイッチに乗せたりとさまざまな箱の使い方が必要な場面が登場する。場所によってはエレベーターや動く床などを活用し、かなり遠くまで箱を運ぶ仕掛けなどもあるので要注意。探索が行き詰まったと思ったときは、ひっそり置かれた箱を探してみるのもひとつの手だ。

また、探索の際に必ず手に入れておきたいのが集落の「バザール」で買える「探知機」だ。これを使用した状態でフィールドを巡ると、隠されたアイテムがある場所に近づくことでアラームのような音が発せられ、ルドヴィク単体では見つけられないアイテムを発見・入手できる。購入にはデータクリスタルが必要なので、しっかり集めておこう。

ほかに、新たなエリアにつながる扉を開くためのパズルも存在する。特に解説もなくノーヒントで挑戦することになるこちらのパズルだが、基本的にはパネルを動かしてエネルギーの通り道をつなげるというもの。ただし、ルート上にある赤と青のランプの点灯数もクリアの条件になっているので、ちょっと頭をひねる必要があるはずだ。

敵から身を隠しながらの緊張感あふれるステルス要素と、多彩なギミックを活用して先を目指すフィールド探索に、アイテムの組み合わせが重要になる多彩な謎解き要素を融合させた『The Library of Babel』。アクション面を見てもテクニックよりも慎重さが重要で、どちらかといえば謎解きや探索をじっくり楽しむタイプの作品といえるだろう。少しレトロな印象もある日本語ローカライズのテキストも相まって、独特の雰囲気を味わえるので、探索アクション好きはもちろん、SFアドベンチャーファンもぜひ一度プレイしてみてほしい。

『The Library of Babel』プレイ動画

『The Library of Babel』プレイレビュー! 人類なき世界での探索行を描くステルスアクション!

The Library of Babel

・発売元:NEON DOCTRINE
・フォーマット:PlayStation 5 / PlayStation 4
・ジャンル:アクションアドベンチャー
・発売日:好評配信中
・価格:PS5 ダウンロード版 販売価格 1,870円(税込)
    PS4 ダウンロード版 販売価格 2,420円(税込)
・プレイ人数:1人
・レーティング:IARC 12+(12才以上対象)

※IARC(the International Age Rating Coalition)は、世界のゲーム評価機関により管理される国際年齢評価連合です。
※ダウンロード専用タイトル


『The Library of Babel』公式サイトはこちら(海外サイト)

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