PlayStation®5/PlayStation®4ダウンロード専用タイトル『シーズン 〜未来への手紙〜(SEASON: A letter to the futur)』は、三人称視点のロードトリップ・アドベンチャーゲーム。プレイヤーは人里離れた村で育った若い女性「エステル」となり、終わりゆく世界を記録するため自転車に乗って旅に出る。
開発を手掛けたのは、カナダに拠点を置く「Scavengers Studio」。ゲームは日本語音声および日本語字幕に対応している。
CHECK POINT①
美しくも儚い終末間際の世界を自転車で旅する寂寥感
主人公のエステルが住んでいるのは、ひとつの時代が”季節”と呼ばれている世界。季節は謎の大変動によって失われることがあり、これまでにいくつもの季節が始まりと終わりを繰り返してきたという。そして今、エステルが生活している季節が終わりを告げようとしているところから、物語は始まる。彼女は自分が生きた季節の文化や歴史などを記録して次の季節に残すため、母に別れを告げて故郷の村を出発し、未知の世界へ旅に出るのだった。
目の前に広がるのは、豊かな自然にあふれた牧歌的な風景。連なる山々や生い茂る木々などの絶景が、プレイヤーの目と心を引きつける。この雄大かつ色鮮やかな世界を自転車で駆け抜けるというシチュエーションに心躍る人もいるはずだ。
気になるものがあれば自転車を止め、ゆっくりと景色を楽しむのもいいだろう。自転車は押しながら移動したり、降りて歩き回ったりすることもできるため、自分のペースでゆったりと旅を楽しめる。
もちろん美しい自然の中にも道路や建物、畑や牧場、高架線、巨大なダム、クレーンなど、人間による営みの痕跡は点在する。しかし、高架線の一部は崩れ落ち、倒壊しているレーンもあるなど、ひとつの文明や歴史が季節の終わりとともに自然のなかへ埋もれつつある様子もうかがえる。季節の終わりに備えて避難しているのか、人の姿があまりないのも物悲しい。
エステルの旅路は村を出発した朝から始まり、夕暮れから夜へと移りゆく。物語が進むにつれて次第に薄暗くなっていく風景が、静かに終わりへ向かう世界を感じさせてくれる。この美しくも儚い終末間際の世界、その最後をしっかりと目に焼き付けながら旅をしよう。
CHECK POINT②
撮影&録音した記録を用いて自由に日記を作成できる
エステルはカメラとレコーダーを所持しており、写真撮影や録音が可能だ。撮影や録音したものに対して、エステルがコメントしてくれることもある。コメントの内容はさまざまで、その内容からこの季節や世界のことをより深く知ることができるようになっている。人々との会話では撮影や録音したものを用いて質問に答えるシチュエーションも。カメラのフィルムやレコーダーの電池などは気にする必要がないため、気になるものがあればどんどん記録していこう。
先に紹介したように本作には美しい景色が多数登場するうえに、文明や歴史を感じさせる痕跡に満ちあふれているため、写真撮影には事欠かない。また、この世界には”記憶の花”というものがあり、レコーダーを向けるとかつてそこにいた住人たちの声を録音できるようになっている。
旅の道中では写真や手紙、チラシなどを発見することもあるので、見かけたら拾っておこう。そうしたアイテムや撮影した写真、録音したテープなどの品々は、日記の作成時に使用できる。
本作の大きな特徴となるのが、この日記作成。手に入れたさまざまな記録やコメントの引用テキストを、訪れた地域ごとに用意された見開きに貼り付けることができる。写真をはじめとするさまざまな素材は、拡大や縮小はもちろん、回転も可能。貼り付けた音声データは再生することもできる。引用テキストは内容こそ変えられないものの、改行についてはある程度の融通がきくこだわりぶりだ。
ただし、貼り付けることができるスペースには限りがあるため、用いる素材やコメントの取捨選択は必要だ。どの記録を残すかだけでなく、見栄えのいい写真をじっくり選んだりレイアウトを思案したりなど、こだわって没頭してしまうこともしばしば。日記はいつでも閲覧できるので、記録の確認だけでなく旅の思い出を振り返る際に役立つのもうれしい。
CHECK POINT③
残った人々との会話から、この世界の秘密に迫ろう
終わりが迫るこの季節ではあるが、各地には今もなお生活を営む人々が少なからず存在する。人々を避難させようとしている地域団体や、避難する際に持って行く物を決めかねて荷造りが終わらない母子、最後の作品を完成させようとしているアーティストなど、彼らとの会話も、この季節や世界を知るうえで重要となるポイントだ。
ゲーム開始当初は”季節の終わりは時代の終わり”といわれても今ひとつピンと来なかったが、残された物を調べたり、残っている人々と会話したりすることで、この世界のことが少しずつ理解できていく構成はとても秀逸。派手な展開やアクションなどはないものの、静かに語られる物語や練り込まれた世界観にグイグイとひきこまれていく。
情報やアイテムの有無によって出現する会話や選択肢も存在するため、探索はとても重要だ。本作は訪れていない地域があったり不足している情報があったりしてもエンディングまで辿り着けるつくりになっているが、物語をより深く理解するために世界を隅々まで旅し、周囲をよく観察して、さまざまなものを記録、収集しておきたい。
季節とはいったい何なのか。なぜ終わろうとしているのか。そして次の季節が訪れたとき、世界はどうなってしまうのか……? 終わりゆく季節の記録をもとにした、次の季節へ伝える日記──”未来への手紙”をつづるあなただけの旅に、ぜひ出かけてみよう。
『シーズン 〜未来への手紙〜』プレイ動画
シーズン 〜未来への手紙〜(SEASON: A letter to the future)
・発売元:COVALENT MEDIA
・フォーマット:PlayStation 5 / PlayStation 4
・ジャンル:アドベンチャー
・配信日:好評配信中
・価格:ダウンロード版 販売価格 4,389円(税込)
・プレイ人数:1人
・レーティング:IARC 3+(3才以上対象)
※IARC(the International Age Rating Coalition)は、世界のゲーム評価機関により管理される国際年齢評価連合です。
※ダウンロード専用タイトル
『シーズン 〜未来への手紙〜』公式サイトはこちら(海外サイト)
SEASON: A LETTER TO THE FUTURE © 2023 SCAVENGERS STUDIO. ALL RIGHTS RESERVED.
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