憧れの魔法界で自分だけの冒険を楽しめるオープンワールド・アクションRPG『ホグワーツ・レガシー』。PlayStation®5版は2月10日(金)、PlayStation®4版は4月4日(火)に発売が予定されている。本作のメディア向け体験会が行なわれ、ゲームの一部をプレイすることができた。開発スタッフへの質疑応答を含め、その内容を紹介していこう。
【レビュー】再現された魔法界を歩き、おなじみの呪文を操るワクワク感
『ホグワーツ・レガシー』は、「ハリー・ポッター」の世界を舞台にしたオープンワールド・アクションRPG。プレイヤーは古代魔術を操るホグワーツ魔法魔術学校の5年生となり、原作よりはるか前、1800年代のホグワーツを冒険する。
今回の体験会ではPS5版を使い、日本語ボイス、日本語表示でプレイ。あらかじめ用意されたいくつかのシーンを体験した。通しプレイではないため、ストーリーの前後関係などはわからないところが多かったが、ホグワーツ魔法魔術学校を散策し、原作で見た数々の呪文を使って戦えることは純粋にワクワクできた。
自分だけの主人公をクリエイト
まずはキャラクタークリエイトからスタート。さまざまなパターンのプリセットから選べるほか、顔、髪型、肌の質感、目の色や眉毛などを細かく調整できる。ここで作成した主人公キャラクターで魔法界を冒険するのだから、気合を入れて納得するまで作り込みたいところだが、今回は時間が限られているのでプリセットから選ぶことにした。
キャラクターの確定画面では、音声のトーンやピッチなども選択可能。また、難易度設定もここで行ない、4段階から選べるようだ。
ホグワーツ城を散策。箒に乗って空も飛べる!
次のシーンではホグワーツ城を散策。映画で見たロケーションを歩くだけでも感慨深いが、中庭や城内各部屋がシームレスにつながっており、その構造を実際に体感できることがすごい。たくさんの蔵書が収められた図書館、草木や花でいっぱいの植物園といった施設も確認できた。また、中庭では宙に浮いた鋏が植え込みを選定し、図書館では羽根ペンが記録を取っているなど、魔法学校ならではの光景が。生徒たちも賑やかに過ごしており、原作で見たあの場所にいるという実感がわいてくる。
そして、箒に乗って空を飛ぶこともできる。高度を上げれば城の周りに広がる世界が見えるし、城壁や地面スレスレを飛んでスピード感を味わうのも気持ちいい。今回のプレイでは体験できなかったが、箒でレースをする要素もあるとのことで、このスピードと浮遊感で競い合うのは間違いなく楽しそうだ。
呼び寄せ試合と決闘を体験。魔法バトルは予想を上回る本格アクション!
中庭でひとりの生徒に話しかけると、「呼び寄せ試合」の対戦を申し込まれた。「呼び寄せ試合」とは、物体を引き寄せる呪文「アクシオ」を使ってボールを呼び寄せ、止まった位置に応じた得点を競うゲーム。なるべく手前近くまで呼び寄せ、それでいて盤面から落としてはならない。また、相手のボールを弾いて動かすこともできる。呼び寄せるコースと強さの加減が意外と難しく、本気になったら時間を忘れてのめり込んでしまいそうだ。
散策中はサブクエストに挑戦することもできた。発生したクエストは、決闘クラブ「杖十字会」に招待され、その試合に出場するというもの。クエストの目的地までは、ガイド機能となる光の線が案内してくれる。方角や距離だけでなく道順を完璧に教えてくれるので、複雑な構造の城内でも迷子になる心配はない。
杖十字会のデビュー戦は2対2のタッグマッチ。友人であるセバスチャン・サロウとともに、相手ペアを倒せば勝利だ。魔法バトルではR2ボタンで基本攻撃となる魔法の射撃を放つほか、ボタンの組み合わせ操作で炎の呪文「インセンディオ」や浮遊魔法「レヴィオーソ」なども使える。「レヴィオーソ」は相手を浮かせる呪文だが、相手が展開している盾を消し、動きを封じることが可能。呪文の特性を理解して活かすことが、魔法バトルのポイントになるようだ。
相手の攻撃は、○ボタンのローリング回避や、△ボタンの防御呪文「プロテゴ」で防ぐ。「プロテゴ」で防いだあとはカウンターで痺れの呪文「ステューピファイ」につなぎ、反撃に転じることができる。
実際にプレイしてみると、本作の魔法バトルがスピーディで本格的なアクションであることを実感できる。原作に登場した呪文の数々を使えるのはもちろん魅力的だが、単純なファン向けのコンテンツではなく、アクションゲームとして高いクオリティを持っている。戦う魔法使いとしての腕を磨かないと、簡単には勝たせてもらえないようだ。
密猟者からドラゴンを救え! 多数の敵との熾烈なバトル!
続いて体験したのは、友人の生徒ポピー・スウィーティングとともにするクエスト。魔法生物を捕獲しているという密猟者たちの同行を探るため、森の中に入っていく。目的地までの道中には密猟者の見張りが複数いて、これを突破しなければならない。正面から突撃してもいいが、ここでは「目くらまし術」を使ってみた。自分の姿を透過させて見つかりにくくし、こっそり近づいてから奇襲をかける作戦だ。攻撃が目的ではない呪文でも、ステルス的な戦略で活用することができる。
見張りを突破して目的地のテントに忍び込むと、そこは捕らえたドラゴンを戦わせて客に見せる闘技場になっていた。しかも、運営している密猟者は、小鬼(ゴブリン)と協力関係にあるようだ。
密猟組合の動物もどきが率いる集団とのバトルは、これまでよりもさらに激しいものとなった。敵の数が多いため、死角からも容赦なく攻撃が飛んでくるし、「レヴィオーソ」で動きを封じられることもある。しかし、杖十字会の決闘のときとは違い、このクエストではこちらも使える呪文が増えている。敵の武器を奪う呪文「エクスペリアームス」や爆発する呪文「コンフリンゴ」、敵の呪文を妨害する「デパルソ」、そして闇の魔術のひとつ「クルーシオ」も!? 呪文の操作パレットを切り替えることで8種類の呪文を使い分けが可能で、慣れてくれば自由で多彩な戦闘スタイルを構築できるだろう。また、特定の条件下では超強力な古代魔術まで放つことができた。
バトルアクションは本格的で歯応えがあるが、呪文の豊富なバリエーションやエフェクトの迫力は、操作しているだけで楽しい。「ハリー・ポッター」シリーズのファンがその世界観を堪能できるのはもちろん、アクションゲームとしてもしっかり遊べる作品になっているようだ。
【インタビュー】見える場所すべてに行ける世界を作り、プレイヤーそれぞれが自由に遊べるように
試遊の終了後は、開発スタッフへの質疑応答が行なわれた。アバランチスタジオのテクニカルゲームデザイナーであるスティーブン・ドナ氏が語った、開発のこだわりや苦労を紹介する。
Stephen Dona(スティーブン・ドナ)
アバランチスタジオ テクニカルゲームデザイナー
──1800年代のホグワーツらしさを再現するために、どのような工夫をしましたか?
お城を再現することは本当に大変でしたが、本物の場所のような臨場感を出せるよう努めました。みなさんが本物のお城のようだと感じて、窓や扉の向こうに行きたいと思えるような本物感を出したいと思ったのです。ホグワーツ城という魔法のお城を再現するために、青写真を描いて作り始めました。また、魔法界の歴史も正確に再現したいと思い、魔法界を担当しているチームと一緒になって作り上げました。
──ホグワーツにはたくさんの秘密が隠されていますが、そのすべてをゲームに実装するのは難しいと思います。どのように取捨選択をしていったのでしょうか。
おっしゃるとおり、非常に難しいところでした。作品に魅了されているファンのためにも、すべては実装できないにしても、できるかぎり多くを入れたいと思いました。ただ、この魔法の世界観を楽しんでいる方はとてもたくさんいますので、全く同じものを提供するのではなく、予期していない新しいものを取り入れたいと思いました。
──アバランチスタジオにとって、これまでにない規模の開発になったと思いますが、どのような苦労がありましたか?
これほどの規模のゲームを開発するのはもちろん大変なことですが、私たちにもたくさんのチャレンジや困難がありました。その中でも大変だったのはデザインチームが取り組んだ、目に見えるところには行けるようにしなくてはならない、ということです。映画などほかのメディアなら、目に見えても行けない背景はたくさんありますが、ゲームでは何とかしたい。そこで、その場所には誰が住んでいて、どんな問題を持っているのか、そういうところから調べて作っていきました。誰かに会ったとき、その人に付いていった道の先には何があって、どういうことが起きるのか? 世界観を表現するため、本当に人が住んでいて現実にある場所なのだというフィーリングを出そうとしたのです。
また、こうして作り上げた本物の世界で、プレイヤーにできるだけ多くの選択肢を与えたいと考えました。たくさんの選択肢の中から自由に選び、プレイしてほしいと思っています。
──「ほとんど首無しニック」のほかにも、原作の小説や映画に登場したキャラクターはいますか?
ネタバレになるのであまり多くは語れませんが、ファンのみなさんが見てきた世界観から離れているようにはしたくないので、やはりこの世界だと感じてもらえるよう意識しました。1800年代という舞台なので、原作でおなじみのキャラクターはまだいません。ただ、「この時代ならいるのでは?」と思うキャラクターには会えることがあるかもしれませんね。
──「エクスペリアームス」「アクシオ」など、おなじみの呪文を使った魔法バトルのこだわりを教えてください。
魔法を使ったバトルは、このゲームの大切な部分です。そのデザインは非常に難しかったのですが、「長距離のフェンシング」という考えに至ったとき、いろいろなアイデアが浮かんできて、シームレスなゲームプレイというものを実現できました。
こだわりとしては、敵に攻撃を当てやすいポジションにしながら、自分も守れるポジションにすること。また、プレイヤーが思うような戦いを自由にできることにこだわりましたし、呪文もひとつやふたつだけを選ぶのではなく、たくさんの中からいろいろ選べるようにしました。
──戦闘では通常の呪文のほかに、いわゆる必殺技のような呪文もあるのでしょうか。
戦闘では、プレイヤーがさまざまなアイデンティティをもって戦えるようにしたいと考えました。学校の授業の伝統的な呪文、薬草学や魔法薬学など、自分で興味を持ったものを学び、それを戦闘に活かせるようにしたかったのです。もちろん、魔法界には闇の魔術があることも忘れてはいけません。古代魔術、許されざる呪文とも呼ばれる闇の魔術も使うことができます。そして本作のユニークな部分として、主人公となるみなさんのキャラクターが、古代魔術の謎を解いていくことになるのです。
──マップ全体の広さはどれくらいありますか?
先ほども述べたように、画面に見えた場所には行けるようにしたいという考えでマップを設計しました。何かが遠くに見えたとき、そこまで行ってみようとプランを立て、シームレスにプレイをして、今いる場所からその場所に移動できるようにするのです。それは、非常に崇高なゴールでした。お城やホグズミード村だけでなく、それよりはるかに広い範囲が含まれるのですから。実際にプレイすればすぐにわかると思いますが、戦闘を終えて先の角を曲がると、また知らない光景が広がっている、といった体験を味わえるはずです。質問にお答えするなら、「とても大きなマップ」という表現になるでしょう。
──メインのストーリーのほか、多くのサイドクエストが収録されているとのことですが、一度のプレイですべてのサイドクエストを体験することはできますか?
みなさんがプレイする中では、いくつかの選択肢があり、その選択によって世界が変わっていくようにしたいと考えました。そのため、それぞれのプレイでユニークな体験ができるようになっています。一度のプレイですべてのストーリーラインに触れることはできますが、みなさんが触れたストーリーラインは、ほかのプレイヤーが触れたストーリーとはまた違うかもしれません。
──やり込み要素やエンドコンテンツとしては、どのようなものが用意されているのでしょうか。
これもネタバレになるので話せませんが、私たちが実現したかったのは、プレイヤーのみなさんが自由で好きなように遊べることです。何を勉強して、どう成長するのか。闇の魔術のどんなことを学べるのか。みなさんそれぞれでプレイスタイルは違うと思いますが、成長の喜びを感じてもらいたいと考えてきました。その結果、メインストーリーが終わったあとでも、箒に乗って飛ぶなどアクティビティが盛りだくさんに楽しめます。
──発売を楽しみにしているユーザーへのメッセージをお願いします。
アバランチスタジオのメンバー全員が、みなさんにお披露目することを楽しみにしています。ぜひプレイしていただきたいと思います。さまざまな楽しみ方があり、ひとりひとり違ったプレイスタイルで遊べるので、そこは私たちも楽しみです。みなさんがプレイした感想を、ぜひ聞かせてください。そしてどうか、闇の魔術にはお気を付けください。
ホグワーツ・レガシー
・発売元:WB Games
・フォーマット:PlayStation 5 / PlayStation 4
・ジャンル:オープンワールド・アクションRPG
・発売日:PS5 2023年2月10日(金)予定(※)
PS4 2023年4月4日(火)予定
・価格:PS5 パッケージ版 希望小売価格 9,878円(税込)
パッケージ版 希望小売価格 デラックス・エディション 10,978円(税込)
ダウンロード版 販売価格 通常版 9,878円(税込)
ダウンロード版 販売価格 デラックス・エディション 10,978円(税込)
PS4 パッケージ版 希望小売価格 通常版 8,778円(税込)
パッケージ版 希望小売価格 デラックス・エディション 9,878円(税込)
ダウンロード版 販売価格 通常版 8,778円(税込)
ダウンロード版 販売価格 デラックス・エディション 10,978円(税込)
・プレイ人数:1人
・CERO:C(15才以上対象)
※PS5『デラックス・エディション』は2023年2月7日(火)よりプレイすることができます。
HOGWARTS LEGACY software © 2023 Warner Bros. Entertainment Inc. Developed by Avalanche Software. WIZARDING WORLD and HARRY POTTER Publishing Rights © J.K. Rowling. PORTKEY GAMES, HOGWARTS LEGACY, WIZARDING WORLD AND HARRY POTTER characters, names and related indicia © and ™ Warner Bros. Entertainment Inc.
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