『魔法使いの夜』プレイレビュー! 緻密な演出とともに楽しむふたりの魔女と田舎育ちの少年の物語

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『魔法使いの夜』プレイレビュー! 緻密な演出とともに楽しむふたりの魔女と田舎育ちの少年の物語

PlayStation®4用ソフトウェア『魔法使いの夜』は、「Fate」シリーズ、「月姫」などを手掛けるTYPE-MOONのビジュアルノベル。2012年に発売されたPC版を、フルボイス・フルHDグラフィックで新たに蘇らせている。

ストーリーのベースとなるのは、シナリオライター・奈須きのこ氏による未発表小説。ゲームにおいても奈須氏自身がシナリオ・監督を務め、キャラクターデザイン・原画・グラフィック総監督をこやまひろかず氏が担当している。

本編には選択肢やルート分岐が存在せず、テキストを読み進めれば誰でもエンディングまでたどりつける。ストーリーは章立てになっており、各章をクリアすると「書庫」モードからいつでも過去の章を振り返ることが可能。特定の章を読み終えると新たな本が出現し、本編とは異なる番外編を楽しむこともできる。なお、他のTYPE-MOON作品と一部の登場人物が共通しているが、予備知識がなくてもまったく問題ない。この作品単体で楽しめる。

今回のプレイレビューでは、冒頭のストーリーについて触れているので要注意。ネタバレを極力避けつつ作品の雰囲気を知りたい人は、配信中の体験版をプレイするのがおすすめだ。

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CHECK POINT①
山奥育ちの少年が都会の魔女と出会ったら……?

『魔法使いの夜』は、1980年代の地方都市・三咲町で幕を開ける。三咲高校で生徒会長を務める蒼崎青子は、創立記念日の朝、1本の電話で学校に呼び出される。教師によると、転入生の案内役を請け負ってほしいそう。聞けばその人物は、生まれてからこのかた電気も通っていないような山奥で暮らしていたため、ちょっとズレたところがあるという。

だが、実際会ってみるとその人物──静希草十郎は、「ちょっとズレている」どころではなかった。まるで過去からタイムスリップしてきたかのような、極度の世間知らず。性格も純朴すぎるせいか、悪気なく失礼なことを言ったり、嫌味が通用しなかったりして青子を苛立たせる。自宅に帰ってからも、青子は同居している久遠寺有珠に草十郎について愚痴るのだった。

そんな青子と有珠には、大きな秘密があった。それはふたりが魔術師だということ。有珠は生まれた時から魔術師だったが、青子は高校1年生の時に魔術師になったばかり。ふたりはその正体を隠して、坂の上の屋敷でひっそり暮らしていた。だが、ある夜、公園で自動人形と戦っていたところを草十郎に見られてしまう。青子は目撃者を消そうとするのだが……。

……というのが、冒頭のストーリー。伝奇ファンタジーではあるが、現代日本を舞台にしているため世界観に入りやすく、同級生と繰り広げるテンポのいい掛け合いは学園コメディのよう。静かな時が流れる洋館では、魔女たちのひそやかな暮らしぶりを楽しむこともできる。

この物語において、異彩を放つのが草十郎のキャラクターだ。山奥で育ったため文明に取り残されており、何かおかしなことが起きても「都会ならそういうこともあるか」と素直に納得してしまう。常識はずれな言動に、無敵の生徒会長・青子もペースを乱されっぱなしだ。彼の存在が、青子と有珠の暮らしにどんな波風を立てるのか。そこが大きな見どころのひとつになっている。

CHECK POINT②
キャラCGやカットインを巧みに使用した動きのある演出

キャラクターCGを組み合わせた、見事な演出も『魔法使いの夜』の大きな特徴だ。一般的なビジュアルノベルは、画面上にキャラクターのバストアップCGとテキストが表示され、主人公の一人称視点で物語が進むことが多い。モニターの向こう側にいるキャラクターが、プレイヤーに話しかけてくるような構図と言えば、わかりやすいだろうか。

だが、『魔法使いの夜』はストーリーも演出も三人称視点。キャラクターCGを拡大・縮小させ、巧みなレイアウトによって青子たちの動きを演出している。演出を担当したつくりものじ氏の手腕が光る手法だ。

さらに、カメラを細かく切り替えることで、躍動感も生まれている。ビジュアルノベルは画面が単調になりがちだが、凝りに凝った演出によりプレイヤーをまったく飽きさせない。この物語が、なぜ小説でもアニメでもなくゲームというメディアで表現されたのか、演出を見ればその理由がわかるはずだ。

しかもPS4版は、グラフィックがフルHDになったうえ、フルボイスに。戸松遥さん、小林裕介さん、花澤香菜さんといった豪華キャストの好演により、物語への没入感はさらに深まっている。PC版をすでにプレイした人ほど、新鮮な感動を味わえるはずだ。

CHECK POINT③
スピード感、緊迫感あふれる圧巻のバトルシーン

穏やかな日常シーンも見どころだが、TYPE-MOON作品と言えばやはりバトルシーンだろう。前述した演出が特に映えるのも、魔術を駆使したバトル。めまぐるしくカットが切り替わるビジュアルによってスピード感、緊迫感を演出するとともに、音響やBGMも迫力を伝えてくれる。

まだ魔術師見習いながらも、破壊に特化した魔弾でその力を見せつける青子、童話をモチーフにした使い魔を使役する有珠と、ふたりの戦い方の違いも見どころ。時には、このふたりが力をぶつけ合うこともあり、目が離せない。ラテン語による詠唱、マザーグースの詩を引用する場面などは、ボイスがついたことによってさらに雰囲気が伝わりやすくなっている。

序盤の山場は、廃墟と化した遊園地でのバトル。やむにやまれぬ事情から、戦いを繰り広げることになった青子と有珠。満身創痍の青子は、有珠の使い魔にどう立ち向かっていくのか。青子と行動をともにしていた草十郎は、どんな行動を取るのか。ヒリヒリするような戦いを、五感をフル動員して堪能してほしい。

奈須きのこ氏による伝奇青春ストーリーに、キャラクターCGとカメラワークで動きをつけた演出、豪華声優陣によるフルボイス、「ジムノペディ」や「愛の夢」といったクラシック曲を取り入れたBGM、効果音を加え、ゲームならではの体験を生み出した『魔法使いの夜』。その完成度は、まさにビジュアルノベルの最終進化形と言えるだろう。今後、劇場版アニメの公開も予定されているので、予習もかねてぜひプレイしてはいかがだろうか。

『魔法使いの夜』プレイレビュー! 緻密な演出とともに楽しむふたりの魔女と田舎育ちの少年の物語

魔法使いの夜

・発売元:TYPE-MOON
・販売元:アニプレックス
・フォーマット:PlayStation 4
・ジャンル:ビジュアルノベル
・発売日:好評発売中
・価格:パッケージ版 希望小売価格 通常版 6,600円(税込)
    パッケージ版 希望小売価格 初回限定版 7,700円(税込)
    ダウンロード版 販売価格 通常版 6,600円(税込)
    ダウンロード版 販売価格 デジタルデラックス版 7,150円(税込)
・プレイ人数:1人
・CERO:C(15才以上対象)


PS Blogの『魔法使いの夜』記事はこちら


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©TYPE-MOON

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