『Sable』プレイレビュー! 開放的な砂漠を渡り歩くアーティスティックな探索行

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『Sable』プレイレビュー! 開放的な砂漠を渡り歩くアーティスティックな探索行

PlayStation®5用ソフトウェア『Sable』は、広いオープンワールドとして構築された世界をたったひとりで渡り歩く、少女の探索行を描くオープンワールドアドベンチャーだ。過去の文明の名残が残る遺跡や、素朴で穏やかな人々が暮らす集落をめぐって自分のペースで自由な探索を楽しめる、世界的にも高い評価を集める作品だ。

少し色あせたような独特の雰囲気に満ちたグラフィック、浮遊感あふれるホバーバイクでの移動、敵との戦闘がいっさい発生せず、自分の思うままにゲームを進めていけるゆったりしたプレイフィールと、独自の特徴を備える本作。手に汗握る冒険を描く一般的なオープンワールドゲームにはない、解放感に満ちた本作の魅力を紹介しよう。

CHECK POINT①
遊牧民族の通過儀礼に臨む少女・セーブルとなって旅立とう

プレイヤーの分身となる主人公・セーブルは、遊牧民族のアイベックス族として育った少女。彼女が「グライディング」と呼ばれる一族の通過儀礼のため、旅に出る日からゲームはスタートする。グライディングとは、ホバーバイクに乗ってたったひとりで世界を渡り歩く巡礼の旅のようなもの。この「自分探し」とも言える旅路でセーブルが目指すのは、さまざまな人々と出会い、彼らとの交流を通じて「マスク」を手に入れ、自分の進む道を決めることだ。

旅の舞台となる世界は砂に覆われた荒野が中心だが、荒廃した雰囲気は感じられず、むしろ明るく静謐で、優しい雰囲気を感じさせる。点在する集落には個性的な人々が暮らし、ところどころに石造りの古代遺跡や、高度なテクノロジーを感じさせる宇宙船の残骸らしきものが存在している。砂漠の真ん中にそびえる奇岩など、とても見晴らしのいい場所が多いのも注目したいところで、高いところに登ると絶景に思わずあたりを見回してしまうだろう。

繊細な線と淡い色合いを組み合わせたコントラストの強いグラフィックは、いわゆるセルシェーディング技術を使ったもの。フランス生まれのコミックとして知られるバンド・デシネの巨匠・メビウスのイラストを思い起こさせるアーティスティックな映像は、本作の大きな特徴だ。また、ゆったりとした音楽も緩やかなゲームプレイにマッチしており、ただ砂漠をさまよっているだけでもリラックスできる、ほかにないプレイ感覚を味わえるはずだ。

CHECK POINT②
バトル要素はなし! ホバーバイクで自由に世界を探索できる

アクションアドベンチャー形式の本作だが、ユニークなのはバトル要素がまるでないことだ。セーブルが行なえる基本のアクションは、移動とジャンプ、何かを調べたり樽などを持ち運んだりできるインタラクトの3種類で、戦闘に関する行動は存在しない。襲い掛かってくる敵もおらず、純粋に各地を巡る旅と、遺跡などの探索を楽しむ内容になっている。

移動関係のアクションには、ジャンプボタンを押したままにすることで空中を滑空し続けられるグライドと、スタミナを消費する壁登りの要素があり、これらが探索に欠かせない。グライドに関しては空中にいる限りは制限時間なしで何度も使用可能。壁登りはスタミナがゼロになると壁に登れなくなるが、しばらく休めば回復できる。小さな足場が点在する遺跡などでは、壁登りとグライドをそれぞれ使いこなして、探索する必要がある。

そして、このゲームに欠かせないのがホバーバイクだ。セーブルはゲームスタート時に自分のバイクを持っておらず、必要なパーツを集めることでバイクを入手し、シムーンという名前を付けて愛機とする。バイクの基本的な操作はR2トリガーで加速、左スティックでハンドル操作とごくシンプル。△ボタンで近くに呼ぶこともできる優れモノだ。ハプティックトリガーに対応しており、不思議な浮遊感を感じながら砂漠を疾走するのはちょっとクセになる。

シムーンは、各地の商人から購入したりすることで手に入るパーツを付けて改造し、外見や性能を変化させられる。また塗料アイテムを入手すれば、カラーリングを変更することも可能だ。シムーンの性能でゲーム進行が大きく変わることはないので必死にパーツを集める必要はないが、長い旅の相棒となる存在だけに、カスタマイズにはつい手をかけてしまうはず。装備パーツの中には乗ったときに細かな動きをするものもあるので、いろいろな組み合わせを試してみたくなる。

CHECK POINT③
人々と交流して、多彩なクエストに挑戦しよう

セーブルの旅の目的となっているマスクは、各地で出会う人々から依頼されるクエストをこなしたり、購入することで手に入る「バッジ」を3つ集め、それを特定の場所にいるマスク職人に渡すことで入手できる。手に入るバッジは、機械工、測量士、商人などクエストを受ける相手の職業に合わせて複数あり、どれを集め、自分の進路を決めるかはプレイヤーしだいだ。

クエストの種類はさまざまだが、基本的には探索で何かを入手して誰かに届けたり、アイテムを入手して持ち帰ったりといったものが中心。遺跡での探索中はパズルのような仕掛けが用意されている場所もあり、くまなくあたりを調べてギミックを解いていく楽しさもある。なお、コンパスを表示させれば挑戦中のクエストで次に進むべきだいたいの場所が表示されるので、迷った時も安心だ。

また、クエストに関しては、本作に登場する世界の住民たちとのやりとりも楽しい。ワガママだけれど本当は寂しがりな子ども、親切にしてくれる商人、ワケあり風の老人など、住民はいずれも個性豊かで口調もさまざま。本作は日本語ローカライズにも力が入っており、各々の口調から人々の性格が見て取れるのも感心させられる。世界や部族について語られる抒情的な表現まで、しっかり翻訳されているので、メッセージからも世界にすっと入り込めるはずだ。

さらにゲーム中には釣りやカブトムシや蝶、トンボといった昆虫を捕まえるコレクション要素も。釣りは、砂漠に竿を投げ、ヒットしたら動く魚影にカーソルを合わせるミニゲーム形式で、場所に応じていろいろな魚を釣ることができ、それぞれ種類に応じて動きも変化する。昆虫も、好きな木の実などを使っておびき寄せる必要があったりして、その捕獲手段を探すのも楽しい。

広い砂漠を自由に旅しながら、たくさんの人々との出会いや絶景を楽しめる『Sable』。セーブルの旅は、ときに驚かされることもあるものの、全体的に穏やかで癒しに満ちており、プレイしているといつの間にかリラックスした気分になれる。ちょっと疲れたときなどに、ぜひのんびりとプレイしてみることをおすすめしたい。

『Sable』プレイ動画

『Sable』プレイレビュー! 開放的な砂漠を渡り歩くアーティスティックな探索行

Sable

・発売元:RAW FURY
・フォーマット:PlayStation 5
・ジャンル:アドベンチャー
・配信日:好評配信中
・価格:ダウンロード版 販売価格 2,640円(税込)
・プレイ人数:1人
・レーティング:CERO:A(全年齢対象)

※ダウンロード専用タイトル


『Sable』公式サイトはこちら(海外サイト)

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