『CRISIS CORE –FINAL FANTASY VII– REUNION』『タクティクスオウガ リボーン』の開発メンバーにインタビュー!

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『CRISIS CORE –FINAL FANTASY VII– REUNION』『タクティクスオウガ リボーン』の開発メンバーにインタビュー!

PSP®「プレイステーション・ポータブル」の名作2本が進化を遂げてPlayStation®5とPlayStation®4に登場!

『CRISIS CORE –FINAL FANTASY VII– REUNION』と『タクティクスオウガ リボーン』は、ただのリマスター作品ではありません。拡張、追加機能などを備えた、全く新しい体験です。

『FINAL FANTASY VII』の前日譚である『CRISIS CORE –FINAL FANTASY VII–』では、豪華なビジュアルアップグレードが施され、戦闘システムも大幅に刷新。より高速でスムーズなプレイを楽しめるようになりました。

一方『タクティクスオウガ リボーン』は、名作『タクティクスオウガ』のビジュアルとサウンドを拡張。戦闘やカスタマイズシステムに改良を加えたことで、プレイはより直感的になり、戦略性にはさらなる奥深さが生まれています。また、完全な新作コンテンツも用意。タクティカルRPGジャンルの名作がさらに磨き上げられました!

しかし、PSPの作品を現代のプラットフォームでリマスターするには、どのような課題があるのでしょうか? 『タクティクスオウガ リボーン』が発売され、『CRISIS CORE –FINAL FANTASY VII– REUNION』の発売日が迫るなか、開発チームの皆さんにお話しを伺ってみました!

この会談に参加するのは以下の方々です:

· 北瀬佳範氏(『CRISIS CORE –FINAL FANTASY VII– REUNION』プロデューサー)
· 佐藤万里子氏(『CRISIS CORE –FINAL FANTASY VII– REUNION』プロデューサー)
· 加藤弘彰氏(『タクティクスオウガ リボーン』プロデューサー)
· 片野尚志氏(『タクティクスオウガ リボーン』ディレクター)
· 高橋直之氏(『タクティクスオウガ リボーン』リードゲームデザイナー)

『CRISIS CORE –FINAL FANTASY VII– REUNION』『タクティクスオウガ リボーン』の開発メンバーにインタビュー!

※映像は英語版です。

『CRISIS CORE –FINAL FANTASY VII–』と『タクティクスオウガ』を現代プラットフォーム向けに開発しようとご決断されたのはなぜでしょうか?

加藤弘彰氏(『タクティクスオウガ リボーン』プロデューサー):
PSP版を遊んでいただいたユーザー皆さんのご意見を踏まえつつ、いつかのタイミングで『タクティクスオウガ』の開発にあらためて携わりたいという強い思いがありました。

転機となったのは、私自身が担当した『FINAL FANTASY XII THE ZODIAC AGE』の開発になります。オリジナル版『FINAL FANTASY XII』からの映像表現力の向上、新規の音声収録を含めたサウンド表現力の向上、バトルデザインの改良、プレイアビリティの向上を経て、「今なら、このノウハウを活かすことで新たな『タクティクスオウガ』を生み出せるのでは」という考えに至り、開発することを決断しました。

北瀬佳範氏(『CRISIS CORE –FINAL FANTASY VII– REUNION』プロデューサー):
残念ながらPSPのハードは既に生産を終了していますので、当時発売されたPSP専用のゲームは今ではプレイすることが難しくなっています。もちろんクラウド・コンピューティングなどの技術によって当時のスペックそのままに遊ぶことは可能かもしれませんが、『FINAL FANTASY VII REMAKE』によってファンの方のグラフィックに対する要求が高くなっているのも事実です。

それら期待に応えるためにも現代プラットフォームへのリマスター移植は価値があると考えています。

『CRISIS CORE –FINAL FANTASY VII– REUNION』『タクティクスオウガ リボーン』の開発メンバーにインタビュー!

原作の開発に携わられた方も多いと思いますが、当時の思い出はありますか?

北瀬佳範氏(『CRISIS CORE –FINAL FANTASY VII– REUNION』プロデューサー):
当時はエグゼクティブプロデューサーだったのですが、ゲームデザイナーが足りなかったために途中から現場の製作にも参加しました。

神羅屋敷の内部のレベルデザインやニブル魔晄炉で対峙するクラウドとセフィロスの演出などオリジナルの『FINAL FANTASY VII 』と同様の場所を担当し、懐かしさを感じました。

片野尚志氏(『タクティクスオウガ リボーン』ディレクター):
PSP版の開発では技術ディレクターでしたので技術面のお話になりますが、運命の輪 CHARIOTやWORLDのプロトタイプ実装がされたときが一番印象に残っています。

この実装が技術的には一番のチャレンジでしたので、プレイ状況がバトルやプレイ進行そのものを巻き戻せるこのプレイ感覚は当時新しい感覚だったのを覚えています。

加藤弘彰氏(『タクティクスオウガ リボーン』プロデューサー):
PSP版の楽曲に関して、ゲーム起動時のタイトル曲、プロローグムービー、オープニングムービーの3曲をオーケストラの生演奏で収録し実装しています(他の楽曲はシンセサイザーによる打ち込みのみ、または打ち込みにプラスして一部で生演奏をミックスしています)。

当時、納品された3曲のデータを聴いて、オーケストラ編成による生演奏の迫力と臨場感に圧倒されたことをよく覚えています。今回の『タクティクスオウガ リボーン』では全曲をオーケストラの生演奏でリレコーディングしているので、プレイされる方にはゲーム全編を通してその迫力と臨場感を味わっていただきたいです。

当時の開発メンバーではなかった皆さんは、原作をプレイされましたか? どんな感想をお持ちですか?

佐藤万里子氏(『CRISIS CORE –FINAL FANTASY VII– REUNION』プロデューサー):
はい、もちろんプレイしてました! 当時は、(ザックスって、『FINAL FANTASY VII』に少し出てきたキャラだっけ?)と、ふわっとした感じでプレイしたのですが、まさかあんなにザックスに感情を揺さぶられることになるとは……。

高橋直之氏(『タクティクスオウガ リボーン』リードゲームデザイナー):
ストーリーの選択肢の重みや、バトルなど非常に骨太なゲームだと感じていました。

ゲームが終わりに近づいても、ユニットの育成やエンドコンテンツなど、ずっと遊んでいられるという驚きもありました。

どちらの作品にも、多くの改善や新機能が追加されています。ゲームにどのような新要素を追加するかを、どのように決定されましたか?

高橋直之氏(『タクティクスオウガ リボーン』リードゲームデザイナー):
初めに開発メンバー全員でオリジナル版をプレイし、良い点や改善したい点をリストアップしました。それをベースにメンバーでディスカッションを行ない、何を追加するか候補を決めました。その後は開発が進むにつれて、実際にどう仕上げるか具体化しつつ、新たに追加したほうが良い要素が出てくればそちらの対応を進めるという形で決まっていきました。

加藤弘彰氏(『タクティクスオウガ リボーン』プロデューサー):
あらためてPSP版をやり込み要素含めプレイし直し、人生のなかで一番プレイ時間を費やしたゲームになっています。何度プレイしても飽きずに楽しめることがこのゲームの魅力のひとつで、今回の『タクティクスオウガ リボーン』においても、見直す点や新たに盛り込む要素をリストアップし実装できたことで、新鮮な気持ちでテストプレイを楽しく進めていました。

片野尚志氏(『タクティクスオウガ リボーン』ディレクター):
PSP版を遊ばれた方のご意見から、プロジェクト開始時に成長をクラスからユニットに戻すことやAIの一新など最初にやろうと決めていたこともありました、もちろん、すべてが予定調和で進められたわけではなくサウンドエフェクトの大幅な差し替えについては、後半に弊社サウンド部に頑張ってもらうなど開発が走りながら確定していった要素もあります。

佐藤万里子氏(『CRISIS CORE –FINAL FANTASY VII– REUNION』プロデューサー):
基本的にはクリエイティブディレクターの野村さんとどのような方針にするか決めたり、開発会社のトーセさんから案をもらったりして、決めました。

PSP専用ゲームを現代のコンソール向けに新しく開発するにあたり、何が最大の難関でしたか?

佐藤万里子氏(『CRISIS CORE –FINAL FANTASY VII– REUNION』プロデューサー):
たくさんありますが、大きいところでは見た目の調整ですかね。当初は、そのまま移植をしようかと思っていたのですが、いざ大型モニターでオリジナル版を表示して見たら、気になる箇所が多々ありまして……。

また、当時のままのバトルスタイルでは、昨今の他タイトルのアクションバトルと比較したときに、少し遊び辛い点もありましたので、オリジナルの良さも残しつつ、遊びやすくするという調整にもかなり苦労しました。

見た目に関しては、色々話し合った結果『FINAL FANTASY VII REMAKE』に近しい印象にしようとプロジェクト内で指針を決めました。ただ3Dモデルの差し替えだけでは、うまくいかない部分もあったので、ひたすら調整の日々でした。

バトルに関しても、当時遊び辛いという意見が出ていた箇所を調査し、さまざまな案を実装して、こちらもひたすら調整していましたね。

思い返すと、本当にかなり細かい調整をしていたなと、思います。

※画像は英語版です。

片野尚志氏(『タクティクスオウガ リボーン』ディレクター):
純粋な技術的な課題はPSP版ではCLUT(Color Look Up Table)ありきのデータの持ち方をしており、CLUTの使い方が技巧的で複数の要素の組み合わせで色が決まる複雑な仕組みで実装されています。

CLUTの状態のままでは高解像度化に対しての作業の制約になったため一部データについてはフルカラー対応を行なう必要があったのですが、この条件を満たせるような再構築するのに苦労した覚えがあります。

ゲーム開発としては今回マウス操作にも対応しており、UIのマウス操作とコントローラー操作で両立するUIの設計が一番の難関でした。

アイコン化等マウス操作を意識した想定は当初からしておりましたが、コントローラー操作の利便性を損なわずにマウス操作も快適に行なえるようにすることについては、なにか特効薬があるわけではなく、プログラム実装と改善検討のイテレーションを開発終盤までやり、クリアしていきました。

PSPと比較して、PS5やPS4向けの開発には、どのような違いがありましたか?

佐藤万里子氏(『CRISIS CORE –FINAL FANTASY VII– REUNION』プロデューサー):
個人的な経験談となってしまいますが、昨今の現代プラットフォーム機は、スペックがかなり向上しており、グラフィックだけでなくさまざまな表現が可能になっていますので、どこまでも突き詰めて開発をしたくなってしまいます。携帯デバイス専用は、持ち運べてどこでも遊べる利便性があるのですが、その分スペックに限界があるので、開発もある程度の線引きが可能なため、「あれも実装したい、これも実装したい」という堂々巡りが発生しないところが、大きな違いだと感じていますね。

PS5やPS4では、PSPに比べボタンの数が増えているので、より遊びやすいボタン割り振りになっています。

そのほか、グラフィックはもちろん、解像度やFPSも向上しています。

片野尚志氏(『タクティクスオウガ リボーン』ディレクター):
大きな違いのポイントは解像度と映像が映し出されるモニターの大きさの2点になります。

『タクティクスオウガ』は見た目としてはピクセルアートのゲームであるため、モニターの解像度に大きく影響を受けます。

現代プラットフォームの高解像度に対応するためにピクセルアートの良さを活かすためにどうするかという検討を行なっていきました。

またUIの設計にも注意が必要で、携帯デバイス専用の場合は画面の大きさが固定されていることや、画面がTVに比べて小さめなため、全体的に大きめのサイズでUIを設計するのですが、現代プラットフォームにおいてはいろいろなサイズのモニターで映像が映されますのでどのサイズでも見栄えが良いようにUI設計/確認のためにいろいろな大きさのモニターを用意して確認していきました。

PSP版ではUMDの読み込みの速度向上に対していろいろ工夫しておりましたが、PS5/PS4ではプラットフォームの方で吸収してくれている点は開発者としては非常にありがたいと思いました。

PS5/PS4ではプラットフォームの動作パフォーマンスが向上しているためにさらに快適に遊んでいただくために、AIの思考処理の改善や倍速モード等でのサウンドの倍速対応等PSPのときにはできなかったことができるようになり、PSP版よりさらに快適に『タクティクスオウガ リボーン』を楽しんでいただけるように開発できたと考えております。

※画像は英語版です。

『クライシスコア』と『タクティクスオウガ』は、ファンから非常に愛されています。このことで開発中に何か影響はありましたか?

佐藤万里子氏(『CRISIS CORE –FINAL FANTASY VII– REUNION』プロデューサー):
はい、かなり人気のタイトルということは開発当初からプロジェクトメンバー一同知っていましたし、毎年クライシスコアのオリジナル発売日が来ると、多くのファンの方がSNS等でクライシスコアについて呟いているのを見て、少しプレッシャーを感じつつも、プロジェクトメンバー一同気合を入れて開発をしていたので、「早くみなさんにお届けしたい!」という気持ちがいっぱいでしたね。ファンの方の温かい言葉のおかげで、ここまで頑張れました!

ちなみに、発表時のみなさんの「ゴンガガ!」コールはかなりほっこりしました(笑)。

加藤弘彰氏(『タクティクスオウガ リボーン』プロデューサー):
ファンの方が思い出を超える体験を味わっていただけるよう、古き良き味わいは残しつつも現世代の技術や演出表現を取り入れ、より快適に遊んでいただける形になるよう注力しました。

高橋直之氏(『タクティクスオウガ リボーン』リードゲームデザイナー):
ファンの方々がどういう所を期待しているかという点を考えて開発を進めました。例えば、ストーリー上で魅力的な強敵たちがゲーム的な意味でも強敵であるようにバトルを組み立てています。

片野尚志氏(『タクティクスオウガ リボーン』ディレクター):
お客様に楽しんでいただくという骨子は変わりませんが、改良の検討内容の方向性が『タクティクスオウガ』の世界に合うものかどうかという点を松野さんとともに注意深く検討を進めておりました。

※画像は英語版です。

最後に、プレイヤーの皆さんに伝えたいことはありますか?

佐藤万里子氏(『CRISIS CORE –FINAL FANTASY VII– REUNION』プロデューサー):
今作は、PSP版でオリジナル版をプレイした方も(途中で挫折した方や忘れてしまった方も)、懐かしい気持ちと新鮮な気持ちで楽しめるように調整に調整を重ねましたので、ぜひプレイしていただきたいです。

また、今作をプレイしていただけますと、『FINAL FANTASY VII』オリジナルはもちろん、『FINAL FANTASY VII REMAKE』、そしてこれから発売『FINAL FANTASY VII REBIRTH』もより楽しめると思います!

北瀬佳範氏(『CRISIS CORE –FINAL FANTASY VII– REUNION』プロデューサー):
PSPはPlayStation®2世代のグラフィックク技術だったので3世代の格差があります。

本作『CRISIS CORE –FINAL FANTASY VII– REUNION』は最新作の『FINAL FANTASY VII REMAKE』に近いグラフィッククオリティを実現しているのでより新鮮に、感動的なプレイを体験できると思います。

加藤弘彰氏(『タクティクスオウガ リボーン』プロデューサー):
かつてプレイされた方は、年齢の積み重ねとともに、カットシーンのフルボイス対応や楽曲の生演奏で臨場感がアップしたことで、新たな感想を抱かれるかもしれません。そしてより快適になったゲームデザインにより、緻密に作り上げられたヴァレリア島の世界をさらに深く楽しんでいただけると幸いです。

初めてプレイされる方は、かつてプレイされた方がそうであったように、世界観とお話に引き込まれながら、自由度の高いキャラクター育成とどう攻略していくかを都度ちょっと考えながら進めていくことが楽しいタクティカルバトルを存分に味わっていただきたいです。

高橋直之氏(『タクティクスオウガ リボーン』リードゲームデザイナー):
PSP版から一味変わったプレイ感になっていると思います。ボイスも追加され、ストーリー面でも新しさが感じられると思いますので、ぜひもう一度『タクティクスオウガ』をお楽しみいただければと思います。

片野尚志氏(『タクティクスオウガ リボーン』ディレクター):
PSP版では日本では日本語のみ、日本以外では英語のみの対応でしたが、『タクティクスオウガ リボーン』は英語、フランス語、ドイツ語、スペイン語、日本語、ハングル、繁体字、簡体字に対応をしており、ボイスは英語と日本語の切り替えができるようにしてあります。そのため多くの方に楽しんでいただけると思いますのでぜひお手に取って楽しんでいただければと思います。


PSPの名作を再構築するにあたっての考えや想い、体験を共有してくださった開発メンバーの方々に感謝を申し上げます。

『CRISIS CORE –FINAL FANTASY VII– REUNION』と『タクティクスオウガ リボーン』は、単なるリマスターの遥かに上をいく作品です。PSPで名作たらしめた要素をそのままに、ワクワクする最新のゲームプレイを提供してくれます!

『タクティクスオウガ リボーン』は、PS5およびPS4で発売中、『CRISIS CORE –FINAL FANTASY VII– REUNION』はPS5およびPS4で2022年12月13日(火)発売予定です。

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タクティクスオウガ リボーン

・発売元:株式会社スクウェア・エニックス
・フォーマット:PlayStation 5 / PlayStation 4
・ジャンル:タクティカルRPG
・発売日:好評発売中
・価格:パッケージ版 希望小売価格 通常版 5,480円(税込)
    ダウンロード版 販売価格 スタンダードエディション 5,478円(税込)
    ダウンロード版 販売価格 デジタルプレミアムエディション 8,778円(税込)
・プレイ人数:1人
・CERO:B(12才以上対象)

CRISIS CORE –FINAL FANTASY VII– REUNION
(クライシス コア -ファイナルファンタジーVII- リユニオン)

・発売元:スクウェア・エニックス
・フォーマット:PlayStation 5 / PlayStation 4
・ジャンル:アクションRPG
・発売日:2022年12月13日(火)予定
・価格:パッケージ版 希望小売価格 6,820円(税込)
    ダウンロード版 販売価格 通常版 6,820円(税込)
    ダウンロード版 販売価格 デジタルデラックス版 10,120円(税込)
・プレイ人数:1人
・CERO:C(15才以上対象)


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