『ソニックフロンティア』インタビュー! 目指したのは"第三世代のソニックゲーム"という"フロンティア"【特集第2回】

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『ソニックフロンティア』インタビュー! 目指したのは"第三世代のソニックゲーム"という"フロンティア"【特集第2回】

11月8日(火)の発売が目前に迫った、PlayStation®5/PlayStation®4用ソフトウェア『ソニックフロンティア』。本作はソニックならではの超音速アクションで広大な島を自由に駆け回る、縦横無尽な新境地アクションアドベンチャーだ。メインストーリーの舞台は、古代文明が眠る未知の島々「スターフォール諸島」。謎に満ちた遺跡と不気味な敵が徘徊する島で、ソニックの新たな冒険が始まる。

特集第2回では、『ソニックフロンティア』を手掛けたセガの川村幸子プロデューサーと岸本守央ディレクターのインタビューをお届けする。本作の開発に至った経緯やテーマ、世界観、探索やバトルの見どころなどについてうかがった。

【右】『ソニックフロンティア』 川村幸子プロデューサー
【左】『ソニックフロンティア』 岸本守央ディレクター

特集第1回はこちら!

『ソニックフロンティア』発売直前! 新境地アクションアドベンチャーの魅力を総まとめ!【特集第1回】

世界の頂に挑戦するために──『ソニックフロンティア』インタビュー

──『ソニックフロンティア』の企画は、いつ、どのような経緯でスタートしたのでしょうか?

岸本:企画の立ち上げは今から5年前の2017年で、前作『ソニックフォース』の開発が終わった直後となります。私は2010年発売の『ソニックカラーズ』でソニックゲームのディレクターとしてデビューしましたが、私が外から見ていたソニックチームは”世界の頂で戦うスタジオ”というイメージだったんです。

『ソニックカラーズ』以来、私は”ソニックチームが、ソニックファンに向けて、ソニックの最新作をつくる”ということをやってきました。しかし、それを循環させることが、果たして世界の頂で戦うことなのかというと、何か違うな……と思ったんです。私が憧れていたソニックチームの姿ではないという想いが、だんだんと募ってきました。では、私が憧れていたソニックチームは、私が入ってからはもうないのか? それともやっていないだけなのか? と考え、そこにチャレンジしたくなって、『ソニックフロンティア』の企画がスタートしました。

川村:ひとつのタイトルの開発が終われば次回作を……となるのは普通なのですが、前作『ソニックフォース』は作り手として反省点の残るものでした。ここで大きく変化しないとソニックは駄目になってしまうのではという空気と、岸本の熱意もあり、ソニックゲームのあり方をあらためて考え直すという勢いが生まれました。

岸本:実は5年前の『ソニックフォース』の開発が終わったとき、次回作の企画書がすでに用意されていたんですよ。次はその企画をやってほしいと言われましたが、考え直す機会をもらいました。我々ソニックチームが次につくるに値するゲームはこれなんです! と、『ソニックフロンティア』を立ち上げたんです。

──用意されていた企画というのは、これまでのソニックゲームを踏襲したものだったのですか?

岸本:いわゆるいままでのソニックシリーズと同じステージクリア型アクションで、新作だったら当然新しいアクションが入ってくるよね、新しい要素が入ってるよね、というところまでのゲームでした。これでは世界を相手に戦うどころか、差がひらく一方だと思ったんです。

川村:私は入社のときからずっとソニックに関わっており、よかった頃はもちろん駄目になっていた頃も全部見てきました。なぜ振るわないんだろう? と思うこともたくさんあったのですが、やはり同じことをやっていても同じ結果しか得られないと感じていたんです。岸本はこれまで”ソニックはこうあるべき”というところはきっちりと守っていたのですが、それを一度ぶち壊すという気概を感じたんです。そして、それにはものすごく同感でした。

岸本:川村のプロデューサーとしてのデビューは本作『ソニックフロンティア』なのですが、『ソニックアドベンチャー』からソニックゲームに関わっているレジェンドです。そんな人が、私と同じような問題意識を持っていました。今のソニックでは満足できないという価値観も一致していたので、どうしてもプロデューサーをやってほしいと拝み倒したんです。私ひとりが「ソニックチームが世界に挑戦!」と言っても、それはただの意気込みレベルの話になってしまう。そうではなくプロジェクトとしてソニックチーム全体で会社に向けて動くという意味で、どうしても川村の力を借りたかったんです。

──”新境地アクションアドベンチャー”と銘打たれた本作のコンセプトやテーマについて、あらためてお聞かせください。

岸本:我々は、初代『ソニック・ザ・ヘッジホッグ』からの2Dによるハイスピードアクションシリーズをソニックゲームの第一世代、3Dになった『ソニックアドベンチャー』から始まったシリーズを第二世代と考えています。そして10年、20年と、ずっと第二世代のままでシリーズを続けてきました。ここで新たに第三世代のソニックゲームとして『ソニックフロンティア』をつくり、世界にチャレンジしたいという想いがありました。

──ちなみに本作のタイトルは、なぜ『ソニックフロンティア』に決まったのでしょうか?

岸本:本作のタイトルを名付けたのは、「ソニック」シリーズプロデューサーの飯塚です。私のディレクションタイトルはいつも飯塚に名付けてもらうのですが、今回は私の想いをタイトルに込めてほしいとお願いしました。そして、本作の特徴である「オープンゾーン」という意味での”フロンティア”と、ソニックチームが新たな大地に立つという意味での”フロンティア”という、ふたつの意味をタイトルに込めてもらったので、とても気に入っています。

──確かに、ここまでのお話をうかがっていて”フロンティアスピリッツ”という言葉が頭をよぎっていました(笑)。

川村:日本語としても理解しやすいですし、海外でも同じような意味でちゃんと受け取ってもらえましたね。グローバル展開という観点からも、いいタイトルだと私も思います。

ステージクリア型のアクションにオープンワールドを組み込む苦労とは?

──これまでのシリーズ作品にはない大きな特徴として、「遊べるワールドマップ」として登場するオープンゾーンと、従来のようなステージクリア型アクションの融合があります。互いに相反する要素かとも思えるのですが、実現に至るまでにどのような経緯があったのでしょうか?

岸本:ソニックチームが世界のリングに上がるには、AAAといわれるタイトルが当たり前のように使いこなしているオープンワールドという仕組みを、ステージクリア型のアクションにもってこなければならないと思っていたんです。そのため、オープンワールドらしい要素の採用は最初から決めていました。

では、オープンワールドをどうやってステージクリア型のアクションに組み込むのかを考えました。例えば、スゴロクのようなマスがあるワールドマップを採用したゲームでは、その上をプレイヤーであるコマが進んでいき、特定のマスに止まるとそのステージに挑むというような仕組みがありますよね? そのワールドマップ自体を3Dにしてオープンワールドにし、自由に走り回って遊べるようにして、そのなかでステージを自由に選ぶ、というものにしようと考えたんです。

岸本:そしてプロトタイプをつくり、子どもからティーン、アダルトまで、北米のユーザーを対象にしたテストを行なったのですが……これがまあとても評判が悪く、ボロクソに叩かれました(笑)。プロトタイプでは、自分がいる場所から目的のステージまでの間に、草原しかなかったんです。移動中に何も起こらないため、面倒なだけで退屈だと言われました。これまでのソニックゲーム、つまりステージクリア型のアクションを求めるユーザーにとっては「何これ?」という感じだったんです。

移動の時間からすでに面白くなくては駄目だ、ということで試行錯誤を重ねました。我々が”オープンワールド”と言わず”オープンゾーン”と謳っているのは、既存のオープンワールドにはない、新しいオープンワールドの遊び方のフォーマットをつくりあげることができたという確信を持てたからなんです。

──オープンゾーンが今の形になるまでに、具体的にどのような試行錯誤があったのですか?

岸本:まずオープンゾーンでの「移動がつまらない」ことに対しては、テストしていただいたユーザーからの意見をもとにアスレチック的な仕掛けをいっぱい用意しました。オープンゾーンのあらゆる方向、どこに行っても何かしらの遊びが用意されていて、それらにアクセスすることで何か楽しいことが起こるようにしたんです。目的地へ一直線に最短距離で行ってもいいけれど、寄り道をしたら寄り道したなりの面白いことが起こるようにしました。そうして再びテストを行ない、やっと「移動が楽しい」と言われるようになったんです。

しかし、移動が面白くなったら、今度は「バトルがつまらない」と言われました。そしてバトルにメスを入れて面白くなると、今度は「謎解きがつまらない」、謎解き要素を改善したら次はステージクリア型アクションの「ステージがつまらない」と言われました。最初の段階ではステージが一番評判よかったんですけどね(笑)。川村も、「これはいつ終わるんだろう?」と心配していたと思います。

川村:「この間までこれは評判よかったのになぜ?」という感じですね。評価が低かった要素の評判が上がると、それまで評価のよかった要素の評判が相対的に下がってしまうことがよくあったんです。

岸本:私も自分で企画書を書いておきながら、最初は「ソニックで謎解きってどうなんだろう……」という気持ちもありました。ソニックを愛する人たちが、果たして謎解きをやるためにこのゲームを買ってくれるのか? それを望んでいるのだろうか? ですが、つまらないという意見をもとに思い切りメスを入れたら、評判がとても伸びたんです。最初は”頭の体操”のような謎解きばかりだったんですが、ソニックのハイスピードアクションを駆使して挑む謎を増やす形にシフトしました。ソニックとしての謎解きとはどうあるべきか、オープンゾーンのおかげであらためて確認できたという感じです。

今までのソニックにはない「寂寥感」がテーマのシリアスな世界と物語

──本作の世界観はどのように決定されたのでしょうか?

岸本:近年のソニックゲームの世界観は「明るく、楽しく、元気」ですよね。王道を掲げる他のアクションゲームでも普通はそうです。ストーリーはわかりやすく、原色バリバリの色使い、そしてなんかワクワクするような感じ……という。しかし、今回はそういった部分にも挑戦していきたいと考えていました。ゲームシステムだけでなく、見た目も「今までのソニックとは違うぞ」ということを感じてほしく、デザイナーには「寂寥感」というテーマを与えたんです。「明るく、楽しく、元気」とは真逆ですよね。

しかし、ソニックというカッコイイタイプのキャラクターであれば、寂寥感を強く感じる風景の中に立っていても溶け込めるというか、なじめるだろうと思ったんです。また、その寂寥感によって風景がリアルになることで、目の肥えたゲーマーの方にも、本作が子どもだけではなくゲーマーにも遊んでほしい、というメッセージにもなるのではと考えました。

──本編を少しプレイさせていただいたのですが、確かにオープニングにて”曇り空の下で雨に打たれているソニック”の姿を見て「あれ、このソニック、なんかいつもよりカッコよくない?」と、思っていました。

岸本:そうでしょう? まさにそれを狙っていたんです(笑)。

川村:日本のユーザーにも売れてほしかったんですよね。どうしても子ども向けというイメージが強いためか、欧米とは違って日本ではあまりソニックというキャラクターが浸透していないんです。ゲーマーの方にも「おっ」と思ってもらえるようなグラフィックにすることで、日本のユーザーにも響くものを目指しました。

──世界に打って出たいという気持ちと、日本でも売れてほしいという気持ちが同居していたんですね。

岸本:メインストリームのソニックゲームは開発チームが日本人なので、日本人でありながら欧米でうけるソニックゲームをつくることに関しては、もう百戦錬磨なんです。しかし、日本という市場で考えると、正直全然駄目なんですよ。でも逆に考えると、一番伸びしろがあるじゃないですか。本作ではそこを深掘りしたいと、強く意識していました。

川村:欧米での売れゆきに関しても、今のままで満足してはいけないという共通認識もありましたね。

──緑豊かな自然や古代の遺跡などがある「スターフォール諸島」と、デジタルで未来的な雰囲気を持つ「電脳空間」とが同居するという全体の構成は、「ソニック」シリーズとしてはなじみ深い世界だとも感じました。やはりソニックらしさを意識して、そういった構成にされたのですか?

岸本:実はそうではなく、先に決まっていたストーリーや世界設定をもとにして、そういう構成になりました。本作では、わかりやすい正義の味方や悪者がいるという、勧善懲悪な世界観をあえて採用せず、シリアスな人間ドラマというか、心にもグッと響くようなシナリオや世界観、設定にしています。草原で朽ちている建造物にも設定があり、なぜそういった形でそこにあるのかも、設定に基づいているんです。ただし、本作では寂寥感を大事にしているので、そういった設定をすべて説明的なセリフで語るのではなく、プレイするとなんとなくわかっていくというような感じを狙っています。

──本作はストーリーや設定にも、かなり力を入れているということですね。

岸本:そうですね。ソニックゲームではアメリカのシナリオライターさんが物語を書き、それを翻訳して日本版に組み込むんです。今回は海外では有名なアメコミのシナリオライターの方に「シリアスなシナリオで」とお願いし、原稿があがってきたのですが、それを読んだ際に「こんなにわかりやすい内容では日本でうけない」と思いました。お国柄なのでしょうが、行間というものがアメリカには存在しないそうなんです。もちろん、アメリカの方たちには、このように映画的でわかりやすいシナリオが素敵なんだろうなと思いながらも、すべてのセリフに手を加えました。

物語の大筋やカットシーン、映像などはそのままですが、セリフはすべて修正しています。ひとつひとつのセリフに裏があるというか、含みを持たせました。日本とアジアに向けては、我々が子どもの頃から親しんできた漫画やアニメ的な文化に沿うようチューニングを施し、日本のユーザーにも十分耐えうるシリアスなシナリオに変更しています。それほど、日本でも売りたいという気持ちが強かったんです。

オープンゾーンがもたらす自由な探索とバトル体験

──本作における探索やバトルの見どころは、どこにあると考えていますか?

岸本:オープンゾーンが、他のゲームでは味わえない『ソニックフロンティア』における唯一無二の武器というかプレイ体験と考えているので、そこをぜひ皆さんに体験していただきたいですね。従来のソニックゲームのようなステージクリア型のアクションに挑む場所はありますが、そこに到着するまでに経験する出来事は、他のゲームでは味わえないと思います。バトル、謎解き、探索、移動、それらすべてがオープンゾーンという物差しで見た際に、全然違う体験が待っているのが見どころです。

──オープンゾーンですから進め方も人によってそれぞれなので、自分だけの体験を楽しめますよね。ソニックの成長要素としてスキルツリーが初めて採用されましたが、それもオープンゾーンに関係ありますか?

岸本:そのとおりです。バトル自体もオープンゾーンの本作ならあってもいいだろう、ということで入れたんです。しかし謎解きと同じく、ソニックファンの皆さんが通常のアクションアドベンチャーのようにコンボをつなげるようなゲームをやりたいんだろうか? という疑問はありました。

最初はそういったバトルをゲームに組み込んでいたのですが、テストをしたらやはり「これじゃない」「退屈だ」という意見が多かった。でも、本作はオープンゾーンのゲームだから、バトルをしないという選択肢もプレイヤーにはあると思っていたんです。でも、当然ですが「あるならやりたい」という意見が多かったので、ソニックならではのコンボアクションを追求し、スキルツリーを採用することにしました。

すると、どんどん技が増える、ソニックらしさのある新しい技を覚える、ということに対して、とても喜んでもらえたんですよ。バトルに力は入れていますが回避してもいい。しかし、他のゲームでは体験できない、ソニックらしいバトルとなっています。バトルをもっと楽しみたいと思ったら、それに応えてくれるゲームデザインになりました。

──ソニックらしいバトルとは、具体的にどういったものでしょうか。

岸本:コンボアクションをウリにした他のゲームのキャラクターは、頭身が高く手足が長いことが多いので、パンチやキック、もしくは剣などの武器を使ったアクションが映えるんです。しかし、ソニックは3頭身ちょっとの体型なので、パンチやキックだけではとても映えないというか、グッとこないんですよ。

ソニックの特徴といえば、スピードを活かしたアクションです。ループやスパイラルといった、そんな動作をうまくコンボに盛り込みました。また、単純な力押しだけではなく、覚えたアクションを工夫して使うといった、アクションゲームならではの遊びにもこだわっているのがポイントです。

川村:ステージクリア型のソニックゲームでは、敵という存在は無視して走り抜けることが多かったんです。しかし、本作はオープンゾーンになったことにより、敵とも戦ってみたいというゲームになったと感じました。バトルで得られるものがあるとわかっているので、無視せずにむしろ敵を探してしまうくらいです。

──その感覚は確かに今までのソニックゲームとは違いますね。

岸本:あるタイミングで川村にプレイしてもらったら「バトルが楽しい!」と言われました。川村に面白いと言ってもらえるなら自信を持っていいのではと、手応えを感じました。

ファンはもちろん、これまで触れていなかった人にもソニックゲームの楽しさを

──本作にはバトルの難易度や、プレイスタイルに関する設定が多数用意されているとのことですが、やはり幅広いターゲットを想定してのことでしょうか?

岸本:ソニックファンに向けて、『ソニックフロンティア』がシリーズ最新作であり、新世代のソニックゲームであることを喜んでもらうと同時に、ソニックゲームに触れたことがない人や目の肥えたゲーマーの人たちに、ソニックゲームの楽しさをぜひ知ってほしかったんです。アクションゲームなのでRPGのようにレベルを上げて火力でなんとかするというわけにはいかないのですが、そのハードルを下げた難易度も用意しました。

また、ソニック=速い、というイメージが圧倒的に強く、ソニックファンもそのスピード感や疾走感、非日常的な速さを求めています。ですが、今までソニックゲームに触れたことがない人には、あまりにも怖いスピードなんですよ。まるで、クルマの免許を取り立ての人に時速300kmで走ってください、というような。それでは制御できず、操作性が悪いゲームだと思われてしまいます。そのため、「ハイスピードスタイル」と「アクションスタイル」という、ふたつのスタイルを用意しました。

岸本:ハイスピードスタイルは、とにかくスピード感を求める人や、従来のソニックファンに向けたスタイルです。アクションスタイルは新たにソニックゲームをプレイする人向けですね。ソニックの速度自体は速いのですが、安心して制御できるようになっています。本当はどちらのユーザーもともに楽しめるひとつのスタイルを探っていたのですが、最後のテストに至っても両立は無理でした。ただし、選択したスタイルによってまったく別の体験になることは決してありません。「ソニックの速度についてこられない人はついてこなくていい」ということは一切ないので、ぜひその部分にも注目していただきたいと思います。

──最後のテストの段階まで模索していたとなると、そのタイミングからふたつのスタイルに分けるのは大変だったのでは?

岸本:開発の後半でしたので「今からやるんですか、それ!?」と、プログラマーはとまどっていました。しかし、これをやらないとソニックゲームに触れたことがない人や目の肥えたゲーマーたちに訴求できないと考えました。

──確かに「新しいソニックだから遊んでみよう」というユーザーがついていけないのでは意味がありませんよね。

岸本:そうなんです。そういった人たちに訴求できるポテンシャルが本作にあると、テストで十分に感じていました。スタイル選択以外にもさまざまなオプションがあり、スピード自体も設定によっては、いつものソニックの半分ほどにできるようにしています。スピード以外にも、旋回力やカメラの画角、カメラの距離、慣性の強さなども設定可能です。スタイルはあくまでオススメの設定を簡単に選べるもので、そこからさらに自分好みの細かい設定を追求できます。

──「東京ゲームショウ2022」には試遊版が出展されましたが、手応えはありましたか?

川村:31台もの試遊台を設置してくれたということもあるのですが、たくさんのお客さんにプレイしていただき、とても盛り上がりました。120分待ちの行列なんて、ソニックゲームでは初めてなのではないでしょうか。そして、会社がここまでしてくれたのにSNSで皆さんからのネガティブな反応が多かったら、私たち開発のせいだな……と思っていたのですが、マイナスの意見はほとんど見当たらなかったんです。

これまでにテストは何度も繰り返していたので、冒頭の15分が面白いことには自信を持っていました。そんなにボロクソに言われることはないだろうとは思っていたのですが、実際にポジティブな意見を目の当たりにすることができて、ホッとしました。

岸本:実は前作『ソニックフォース』では、試遊台は6台しかなかったんです。気になって私も様子を見に行ったのですが、それでもガラガラだったんですよ。1、2時間経っても変化がなかったのでいたたまれなくなり、試遊台でプレイしました。アテンドの方は私の顔を知らないので、試遊後に「ありがとうございました」とステッカーをもらってしまいました。

川村:新作を開発したのにセガのブースには試遊台が用意されてなかったこともありましたね……。『ソニックフロンティア』では今までにない手応えを「東京ゲームショウ2022」で感じることができました。

──最後に『ソニックフロンティア』に注目しているユーザーに向けてメッセージをお願いします。

岸本:ソニックを愛するユーザーには、ソニックゲームの最新作であり、最良のタイトルであり、新世代を目指すソニックゲームとなっています。皆さんの期待に応えるのはもちろん、予想を上回る驚きを用意しています。また、アクションゲームを愛する人たちには、オープンゾーンと我々が呼んでいるものにより、皆さんが知っている古典的なステージクリア型のアクションが進化する瞬間に立ち会う絶好のチャンスです。ぜひこの瞬間を生で体験してください!

川村:日本国内で言えば、ソニックって今までこんなにやってたかな、というほどのプロモーションを打っていただきました。ここ何作かはテレビCMもありませんでしたし。CMやこのインタビュー記事などを見て少しでもピンときた方には、間違いなく面白い作品になっていると思います。本作はゲーマーや日本のユーザーに向けて開発したという話はしましたが、もちろんソニックファンや欧米のファンの期待も裏切らないだけの内容になっています。そのうえで、ソニックゲームにこれまで触れたことがない人も、ぜひプレイしていただければと思います。

『ソニックフロンティア』スペシャルラッピングカーを特別展示中!

本体価格32,330,000円(メーカーオプション込 新車車両価格)の“Audi R8 Coupé V10 performance 5.2FSI quattro S tronic”を、世界でひとつだけの『ソニックフロンティア』オリジナルデザインでラッピング! 各地で特別展示中!

【今後の展示スケジュール】
2022年11月8日(火)~ 11月13日(日):Audi横浜港北
2022年11月15日(火)~ 12月末    :Audi Approved Automobile日吉

※11月以降の展示期間/場所は変更になる場合があります。詳しくは展示店舗までお問い合わせください。
※本スペシャルカーは後日、現物1台限定の販売を予定しています。詳しい販売方法や価格に関しては、11月以降にアウディ正規ディーラー 株式会社フォーリングスまでお問い合わせください。

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ソニックフロンティア

・発売元:セガ
・フォーマット:PlayStation 5 / PlayStation 4
・ジャンル:新境地アクションアドベンチャー
・発売日:2022年11月8日(火)予定
・価格:パッケージ版 希望小売価格 6,589円(税込)
    ダウンロード版 販売価格 通常版 6,589円(税込)
    ダウンロード版 販売価格 デジタルデラックス 7,689円(税込)
・プレイ人数:1人
・CERO:A(全年齢対象)


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