『忘れられた都市 - The Forgotten City』プレイレビュー! あなたの決断が、黄金の呪いに縛られた都市の運命を決める!

0 0
『忘れられた都市 - The Forgotten City』プレイレビュー! あなたの決断が、黄金の呪いに縛られた都市の運命を決める!

PlayStation®5/PlayStation®4用ソフトウェア『忘れられた都市 – The Forgotten City』は世界的な脚本家賞を受賞し、300万ダウンロードを突破したMOD作品を再構築したミステリーアドベンチャー。音声は英語のみだが、字幕は日本語に対応している。ダウンロード版は一度の購入でPS5版とPS4版の両方を入手可能だ。

“罪”を意識した会話とタイムループで呪われた都市の謎に迫るミステリーアドベンチャー

さまざまな事情によって翻弄されながらも生にしがみつく23人の男女が暮らす、神秘的な地下都市。そこは”ひとりが罪を犯すとすべての住人が死に絶える”という謎の呪い「黄金律」に支配されていた。

『忘れられた都市 – The Forgotten City』公式解説動画

『忘れられた都市 - The Forgotten City』プレイレビュー! あなたの決断が、黄金の呪いに縛られた都市の運命を決める!

あなたはタイムトラベラーとして2000年前の古代ローマ帝国に引き寄せられ、都市に住む住民の最後の1日を繰り返しながら体験することになる。探索や聞き込みによって真実に迫ると、やがて繰り返される1日の行動も変化。都市にまつわる謎を解き明かしてこの世界から脱出するためには、タイムループを利用した行動と選択が必要だ。

本作は自らの手で物語を切り開く体験を重視した作品のため、できるだけネタバレを避けながらプレイレビューをお届けする。扱う具体的な例は序盤の内容のみに絞っているものの、ここまでの紹介ですでに興味をそそられた人は、今すぐブラウザを閉じて、この都市と「黄金律」の謎に挑んでほしい。

CHECK POINT①
古代ローマを再現したリアルな街並みと、そこに流れる不穏な空気

ゲームを始めると、現代を舞台としたプロローグがスタート。カレンという女性に助けられ、イタリアにあるテベレ川のほとりで目を覚ましたプレイヤーは、彼女の依頼で近くの遺跡にアルという男性を探しに行くことになる。遺跡の内部は崩壊しており、時刻が夜ということもあって薄暗い。そんな不気味な遺跡の中で目を引くのが、ところどころに置かれた黄金の像だ。

実際の人間のように精巧な黄金像に不穏な空気を感じながらも奥へと進んでいくと、発光する謎の球体(ポータル)を発見。それに近づくと、プレイヤーは約2000年前となるローマ時代の人々が住む、さっきまでいた遺跡とよく似た都市に飛ばされていた。

ここからは都市を探索したり住人たちの話を聞いたりしながら、この世界の謎に挑んでいくことになる。ギリシア建築に影響を受けた神殿はもちろん、さまざまな公共施設や薄暗い路地など、Unreal Engineによって再現された古代ローマの町並みはリアルかつ神秘的で、ただ歩いているだけでワクワクしてくる。

裏道を行けば、古代ローマの高度な水道施設として有名な公衆トイレがちゃんと用意されていた。調べてみると解説が表示されるのも、トリビアを得られた気がしてちょっとうれしい(笑)。

また、住人たちにはさまざまな行動パターンが用意されているようで、時間帯によっては移動したりNPC同士で会話をしていたりすることも。美麗なグラフィックや綿密な時代考証によって、2000年前の人々の営みを垣間見ることができる。

しかし、どうしても気になるのが、都市の随所で見かける黄金像。それらは遺跡にあったものと同じく精巧な出来映えで、建築物の一部や調度品のように飾られているものもあれば、「なぜこんなところに?」と首をかしげてしまうような場所に置かれているものまでさまざまだ。

都市を取り仕切る政務官のセンティウスによると、黄金像はもともと人間だったという。この都市では誰かひとりでも罪を犯すと、すべての住人が黄金像に変えられてしまうのだとか。住人たちはこのルールを「黄金律」と呼んでおり、都市のあちこちにある黄金像は、かつてこの都市で暮らしていた人々の成れの果てだと考えている。

はっきりと断言できないのは、それを実際に試してみることができないから。残された文献や黄金の像から「黄金律」という呪いがあるとされながらも、それが本当なら住人全員が命を落としてしまうため確かめることができない。住民の中には「黄金律」など存在しないと主張する人もいるが、この「黄金律」によってこの都市では犯罪や争いが起こらず、平和な生活を送れているのだという。

とはいえ、どんな行動が「黄金律」を破る罪にあたるのか。盗難や暴力、殺人などは間違いないだろう。なら、嘘はどうなのか? 言葉巧みに人をだます詐欺行為は? 人の弱みにつけ込んで大金をせびる行為は? この都市に住む人々は自分の行動が罪にあたるのか、そしてほかの誰かがいつか罪を犯すのではないかと怯えながら暮らしている。そしてこのルールは、都市を訪れたばかりのプレイヤーにも適応されるかもしれない。「黄金律」という絶対かつ不明瞭なルールが平和をもたらす歪な理想郷……それがこの都市の正体だ。

CHECK POINT②
選ぶ言葉は慎重に! 状況や人々に合わせた会話が謎に迫る鍵となる

「黄金律」を破る人物を探し出すために、政務官センティウスはプレイヤーをこの世界に呼んだという。依頼を完遂すれば「黄金律」を破る人間がいなくなるためセンティウスがプレイヤーを呼ぶ理由がなくなり、逆説的にもとの世界へ帰れるというのだが……。

先に紹介したように、この都市に流れている平和な空気はうわべだけのもの。深部では人間関係のもつれや、金銭の絡むトラブルなどが渦巻いている。プレイヤーは都市を探索して住人たちの話を聞きながら、さまざまな問題を解決していかなければならない。

その際に重要となるのが、会話における選択だ。住人たちとの会話ではさまざまな選択肢が登場し、プレイヤーに決断を迫らせる。ここで気をつけておきたいのが、選択肢の総当たりではうまくいかないということ。選んだ内容によっては住人の機嫌をひどく損ねてしまうこともある。そして機嫌を損ねた住人は、プレイヤーと話をしてくれなくなってしまうのだ。さらに、機嫌を損ねるだけならまだしも、プレイヤーの選択によって誰かが罪を犯し「黄金律」が破られることだってある。

突っ込んだ内容の会話をしないと得られない情報もあるため、当たり障りのない言葉だけでは不十分。ときには自殺しようとしている住民を説得したり、道徳的なジレンマに陥りながら言葉を選んだりするシーンもある。脅したりウソをついたりすることすらできるものの、それが果たして「黄金律」に抵触するのか悩みどころ。いったい何が正解なのかと頭を抱えることもあったのだが、間違った言葉は選べないという重さや、選択の結果として何かが起こるかもしれないという緊張感が、逆に楽しくもあった。

とはいえ、本作は進行状況が自動的に記録されるオートセーブに加えて、任意にセーブデータを作成することも可能。こまめにセーブしておけば簡単にやり直すことができるので、会話に失敗したからといって最初からやり直す必要がないのはうれしい。

武器を使った戦闘も緊張感を演出するアクセントに

会話における選択を重視した本作ではあるものの、弓と矢を用いたアクションシーンも用意されている。探索と会話のみのミステリーアドベンチャーだと思っているとビックリするかもしれないが、物語の緊張感を演出するいいアクセントとなっていた。その際に登場する敵は撃退しても「黄金律」を破ったことにはならない。また、シビアな操作やスーパープレイが要求されるものではないため、アクションが苦手な人も安心してほしい。

CHECK POINT③
入手した情報やアイテムを持ち越せるタイムループを駆使した解決法も

プレイヤーもしくは住人の誰かが「黄金律」を破ると景色の色彩が変化し、あちこちにある黄金像が動き出して弓でプレイヤーや住人を攻撃してくる。

その際に、この都市で最初に訪れた場所に発生するポータルへ飛び込むと、初めて都市を訪れた場面に戻ることができる。これが、本作の大きな特徴のひとつであるタイムループだ。

それまでに入手したアイテムやお金、そして情報を持ち越せるのがポイントで、それによって会話の選択肢が増える場合もある。また、機嫌を損ねてしまった住人とのやりとりが”なかったこと”になっているため、再び会話することもできてしまう。

このタイムループを駆使すれば、ひとつの問題に対してさまざまなアプローチが可能になる。たとえば、あとから危険だとわかった場所から住人を避難させたり、そこへ誘導したりすることができる。高値で売っているアイテムの盗難はもちろん、盗んで手に入れたお金で取引することさえ可能に。欲しかったアイテムを入手したうえで、そこに至るまでの罪を”なかったこと”にできるのだ。

これに気づくと、プレイヤー自身が「黄金律」という呪縛から解放されたような気分になってくる。何をしても”なかったこと”にできるのだから、今までは道徳が邪魔してできなかったことを試してみてもいいのでは? などと思ってしまう。もちろん、これまでのように何が罪なのかを自問自答しながらゲームを進めることもできるのだが……。

本作はマルチエンディングとなっており、それらに辿り着くまでの道のりや問題の解決法はプレイヤーによってさまざま。タイムループという強力な武器と免罪符を手にしたことにより、罪に対する意識に変化があるのかということも、もしかしたら開発陣が意図したテーマなのかもしれない。

『忘れられた都市 – The Forgotten City』プレイ動画

『忘れられた都市 - The Forgotten City』プレイレビュー! あなたの決断が、黄金の呪いに縛られた都市の運命を決める!

忘れられた都市 – The Forgotten City

・発売元:オーイズミ・アミュージオ
・フォーマット:PlayStation 5 / PlayStation 4
・ジャンル:ミステリーアドベンチャー
・発売日:好評発売中
・価格:パッケージ版 希望小売価格 6,578円(税込)
    ダウンロード版 販売価格 5,980円(税込)
・プレイ人数:1人
・CERO:Z(18才以上のみ対象)

※ダウンロード版ご購入の際のご注意
このコンテンツをPS Storeでご購入いただくには、クレジットカードによる決済が必要です。


『忘れられた都市 – The Forgotten City』公式サイトはこちら

『忘れられた都市 – The Forgotten City』をPS Storeで購入する

The Forgotten City © 2021 Plug In Digital. Trademarks belong to their respective owners. All rights reserved. Licensed to and published in Japan by Oizumi Amuzio Inc.

コメントの受付は終了しました。

お客様の生年月日を入力してください。

Date of birth fields