『Horizon Forbidden West』では敵の裏をかく戦術が重要!戦闘のヒントや制作秘話を開発スタジオがご紹介します!

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『Horizon Forbidden West』では敵の裏をかく戦術が重要!戦闘のヒントや制作秘話を開発スタジオがご紹介します!

※本記事は英語版PlayStation®.Blogの日本語翻訳記事です。

壮大な風景や廃墟が息を呑むほど美しい『Horizon Forbidden West』の世界――しかしそこは、あらゆる場所に脅威が潜む危険な土地です。主人公「アーロイ」には、前作にも増して人間や機械獣の敵が立ちはだかることでしょう。運搬型の機械獣の群れや、戦いを求める逆族の部隊、森のなかに潜む「ストーカー」の群れなどに遭遇したとき、新たな戦闘の機会が生まれると同時に、戦いの中で逆転のチャンスも生まれます。

注意:本記事には『Horizon Zero Dawn』の一部ストーリーとネタバレを含みます。

進化した戦闘

私たちゲリラが本作で掲げた目標のひとつは、前作『Horizon Zero Dawn』の戦闘デザインを大幅に進化させながらも、オープンワールドでの遭遇において、プレイヤーが選択できる自由を原則とすることは変わらずに構築することでした。

「アーロイは賢く機敏な狩人です」とコンバットデザイナーのチャールズ・ペレインは語ります。「『Horizon Forbidden West』では、アーロイが自由に使えるツールによって、全身を鎧で覆った人間から超大型の機械獣まで、物理的に強い相手との交戦するためのさまざまな戦術が生まれます。」。

「私たちはアーロイの戦闘デザインを考える際、彼女のアイデンティティに忠実であることを心がけました。まず、ゲームプレイにさらなる深みを与え、近接コンボや「勇技」などのスキルによって、プレイヤースキルの限界を押し上げることを考えました。時間をかけて戦闘スキルを磨くプレイヤーであれば、効率的かつスタイリッシュに敵を倒す方法にたどり着くはずです。次に、さまざまなプレイスタイルに対応するべく、選択の自由を重視しました。「作業台」でアップグレード可能な新しい武器や衣服によって、プレイヤーは自身の戦術を反映させることができます。そして、プレイヤーが能力やスキルをフルに発揮できるような、手ごたえの感じられる敵をデザインしたいと考えました。全く新しい機械獣や、一筋縄ではいかない人間の敵が登場する本作では、手に汗握るゲームプレイが楽しめるでしょう!」。

ゲリラのゲームプレイアニメーションディレクターを務めるリチャード・ウードは、「『Horizon Zero Dawn』や『Horizon Zero Dawn: 凍てついた大地』での旅を経て、アーロイは技術や自信を身につけて成長しました。それをプレイヤーに感じてもらうことが重要でした」と言います。「アーロイは多くの経験を積んだので、それをアニメーションで表現する必要がありました。私たちが目指したのは、アーロイがより軽快に荒野を移動できるようになったことを表現することです――もちろん、アーロイが人間である以上、全てが完璧に物事が運ぶわけではないのですが……「プルキャスター」がその良い例でしょう。アーロイはより機敏で臨機応変に行動できますが、同時に大きな傾斜で引っ張られるときの肉体的な苦労も表現しています」。

戦闘システムの改善、特に難易度の向上には、AIチームが大きな役割を果たしています。「私たちは、敵(と仲間)が険しい地形を横断できるようにするなど、動きの流動性と連続性を向上させることで、AIをよりリアルに感じられるようにしたいと考えました。『Horizon Zero Dawn』のAIは、すでにいくつかの起伏のある地形変化に対応していましたが、これをさらに向上させ、ジャンプやクライミングを行動の一部としてシステム的に追加したいと考えました。ゲームをプレイしていると、AIはこれまで面倒な遠回りをしていたところでも、近道する方法を探すようになります」とリードAIプログラマーのアリエン・ベイが語ります。

「その他の例としては、泳ぐ能力を持った機械獣が増えて、水中に潜ってアーロイを追いかける能力を持っています。水陸両用の敵はジャンプして水に出入りすることもできるので、運が悪ければ逃げたつもりでも追撃をくらってしまうでしょう」。

リアルなアニメーション

過去の記事で紹介したように、スキルツリーが一新されたことで、さまざまなプレイスタイルやコンボが可能となり、強化する新しいアビリティが多数追加されました。アニメーションの観点から見ると、アーロイと敵の可能性が広がったことによって生まれた新たな難題がチームを待っていました。

「私たちは、キャラクターの解剖学的構造と運動能力を理解するために、さまざまな研究を行っています」とリチャードは説明します。人間と機械獣のアニメーションには多くの違いがありますが、私たちが両方で実現したいことの根本的な部分は非常によく似ていました」。

「まず、プレイヤーにとっての分かりやすさを追求しました。人間の分類や機械獣は、それぞれ明確なゲーム上の機能を中心にデザインされており、アニメーションチームは、それをアクション、姿勢、動きを通してプレイヤーに伝えています。敵の動きを予測したり、反応したりすることができるよう、プレイヤーが認識できるシルエットや行動を採用しています。これらの動きのタイミングを調整することで、プレイヤーが攻撃したり、ブロックしたり、逃げたりする機会を作るだけでなく、アニメーション自体に個性を持たせるようにしています」。

「次に、プレイヤーと敵の反応があります。私たちはゲームデザイナーと密接に協力して、キャラクターのリアリティを維持しながら、楽しくて手ごたえのあるゲームプレイを実現するよう努めています。敵は通常、何かをしかける時にその予備動作をするので、プレイヤーはそれに合わせて反応し、入力から(ほぼ)即時に対応することができます」。

「最後に、戦闘シナリオをより面白くするために人間と機械獣、その両方のフロー(流れ)とリズムに注目しました。例えば、さまざまな距離(短い、長い)、方向(前、横、上など)、スピードとタイミング(速い、または遅い攻撃)、強さ(小さな、または大きな一撃)などを試しています」。

戦闘の明確性と意図を見せることは、アニメーションチームにとって単なる目標ではありませんでした。「敵の状態を、態度や姿勢、発声から表現できるよう取り組みました」とアリエンは言います。「見つかるまでの間は、敵が近づいてくることで表現しています。敵は、矢が近くに刺さっていたり、倒された機械獣を発見したりといった違和感を見つけて調査します」。

「また、敵の視界から消え、隠れながら逃げることで、戦闘を避けることもできます。敵はアーロイが予想していた場所にいないことに気づくと、捜索を開始します。人間の敵は、複数人が集団となってプレイヤーを探し、チームリーダーが指示を出して管理します。アニメーションと状況に応じたセリフにより、プレイヤーは次の行動を考えるための手がかりを多く得ることができるのです!」。

これにより、戦闘中にチャンスを生み出すこともできます。「本作では、効率的に戦闘を進める方法がたくさんあります――プレイヤーがどのように戦うかは、戦いの長さ、リスク、リソースのコストに大きく影響します」とチャールズは言います。「あるプレイヤーは静かに敵を片付けることを好み、またあるプレイヤーは「フォーカス」を使用して相手を分析し、効率的に倒すための最適な戦術を見つけるでしょう。あるいは、リスクを冒してでも槍や弓で真っ向勝負を挑みたいという方もいるかもしれません!」。

戦いに命を吹き込む

戦闘を作り上げるのは、視覚的なものだけではありません――ゲリラのオーディオチームは、これらの壮大な戦いに命を吹き込む重要な役割を担っています。シニアサウンドデザイナーのピナル・テミズは、「Horizon」シリーズの世界のユニークな敵である機械獣が、なぜ適切な音を出す必要があるのかを説明します。

「前作『Horizon Zero Dawn』で確立された音の特性と、『Horizon Forbidden West』で新たに登場する環境や機械獣の新鮮さや複雑さとのバランスをとることが、今回の機械獣における最大の課題でした。西部の大地では、より表現力の高いアニメーションや明確な役割を持った機械獣が登場するため、それに合わせてさらに緻密なサウンドデザインが必要になります。前作でうまくいったことをベースに、「Horizonらしさ」を保ちながら、それぞれの機械獣に命を吹き込むサウンドパレットを構築していきました」。

「機械獣には、プレイヤーが近接攻撃と特定の遠距離攻撃を区別できるようにデザインされた、ユニークな音のキューが存在します。近接攻撃はインパクトの瞬間に向けて高まる独特のサウンドで伝えられ、遠距離攻撃は武器特有のチャージされる音や発射物の音で伝えられます。特に、複数の機械獣がプレイヤーを取り囲んでいるような状況では、これら音のキューがプレイヤーの注意を最も危険な物事に向けさせ、時間内に対応することを可能にします」。

サウンドデザイナーのロヴィーサ・ベルグダールは、「粘着」系のエフェクトを表現するにあたり、非常に実践的なアプローチが必要だったと語ります。「粘着のエフェクトは、最初は液体で泡だらけの気持ち悪いものですが、徐々に固まりはじめ、やがてひびが割れて剥がれます。この音を表現するため、私は何日もかけてスライムで遊んだり、サウンドライブラリを調べたりして、最もヌルヌルでベチョベチョした音を探しました。ゴムを伸ばしたり、液体とスライムを混ぜたものを勢いよくこぼしたりして録音した自分の音源や、サウンドライブラリからのもの、同僚が録音した音を使いました。一言で言えば、気持ち悪くて楽しかったですね」。

特殊な能力を持つ圧倒的存在感の機械獣

『Horizon Forbidden West』の機械獣が前作にも増して印象強く脅威的に感じる理由は、音だけではありません。

「チームは、敵の核となる性格や特徴を理解するために、多くの調査を行いました。これは、世界を可能な限りリアリティあるものにし、没入感を高めるためです」とリチャードは言います。「通常は、敵の全体像を把握することから始めます。そこには、敵の長所と短所、そのキャラクターに当てはまるキーワードや特徴が含まれます。そして、自然ドキュメンタリーや長編映画、百科事典、コミック、コンセプトアートなど、キャラクターの核心に迫ることができるものなら何でも勉強し始めます」。

「その全体像が完成すると、ムードボードビデオを作成し、意図した個性、動作、行動をチームに明確に共有します。例えば、高速で俊敏な「クローストライダー」は、遭遇すると非常に凶暴で攻撃的です――警戒心が強く、計画的な動きをするこの機械獣のアニメーションを作成するのはとても楽しかったです。プレイヤーがクローストライダーの本質を理解できるように、細かいですが個性的なジェスチャーを加えています」。

ピナルはこう付け加えます。「プレイヤーが機械獣に近づいたとき、相手が気付いていようといまいと、機械獣の出す鳴き声はそれらのステータスを認識するのに役立ちます。機械獣が落ち着いた状態の場合は、より穏やかで、不定期で、自然な発声を聞くことができ、これらは個々の個性を反映しています」。

新たな敵との戦い

禁じられし西部でアーロイが遭遇するのは、脅威となる機械獣だけではありません――「テナークス族」の一派である「レガーラ」の逆族など、人間の敵も増えています。そのため開発スタジオのゲリラでは、人間との遭遇をより深く掘り下げた戦闘システムに注力し、独自の戦闘行動や機能を持つ敵クラスを新たに追加しました。

リチャードはこう語ります。「目標は、人間の戦闘を機械獣との戦闘と同じくらい深く、やりがいのあるものにすることでした。そのためには、戦闘システムを拡張し、人間の敵との遭遇方法にバリエーションを持たせる必要がありました。プレイヤーには、遠距離戦を好むか、近距離戦を好むかなど、自分のプレイスタイルに合わせて戦いに参加できる選択肢を与えたいと考えています。戦略を切り替える際には、スムーズで反応の良い移行アニメーションを多用しました」。

「戦闘チームは、遠距離攻撃と近接攻撃を交互に切り替えて使用する価値を見出すために、新しい機能を追加しました」とチャールズは語ります。「「レゾネーターブラスト」では、槍でコンボを行うメリットを作りました――アーロイが近接攻撃を行うと、槍に装備されたレゾネーターにエネルギーが蓄積されます。このエネルギーは、敵に向けて放つことができ、短い時間、敵に付着します。消滅する前に矢で撃てば、大ダメージを与えることができます! この仕組みにより、接近攻撃と遠距離攻撃の間に強力な相乗効果が生まれ、プレイヤーは両者をスムーズに行き来することができます」。

「人間の敵には新たなタイプが多く登場するので、これらのキャラクターに命を吹き込むために、さまざまなモーションキャプチャーのセッションを行いました」とリチャードは語ります。「私たちは、激しいスタントにも対応でき、さまざまな戦闘スタイルや性格を表現することに長けた、経験豊富なモーションキャプチャー俳優と協力して開発に取り組みました。そのキャラクターに対して、どのようにアイデアを広げていけるかを確認するため、私たちは特定のクラスのアイドリング状態の行動を探求しました。例えばリーダー格のクラスでは、自信に満ちた経験豊富なキャラクターとして見せることが重要でした。そのため、俳優は冷静な動きを取り入れ、相手の防御の隙を探し、目を離さずにぐるぐると回りながら、絶えず近づく演技をしました。その姿はまさに獲物を狙うオオカミでしたね!」。

「アイドリング状態の行動を起点とし、その演技を特定の動物に結びつけることで、チームにとってさまざまなアプローチが明確になりました」とリチャードは続けます。「逆族の兵士は、ハイエナのような行動をします。その結果、コントロールされず荒々しい動きをする、乱暴で統制のない動きになりました。姿勢は猫背で、集団では攻撃的ですが、少数ではあまり積極的ではなくなると考えています。戦闘やAIの観点からは必ずしも正確にこのような行動をとるわけではありませんが、このようにチームはキャラクターに対する理解を深め、ポーズや攻撃、性格における選択肢を明確にすることができました」 。

”禁じられし西部”へ突入する前に

さまざまな危険が潜む西部の地ですが、アーロイは手強い敵に直面する前に、装備を整えて準備することができます。自分のスキル、周囲の環境、そして世界が与えてくれる手がかりを使って、どのように状況に対処するかは、プレイヤー次第です。

「戦闘に備えてプレイヤーができることはたくさんあります」とチャールズは言います。「アーロイに適切な衣服と武器を身につけさせ、作業台を使ってそれらをアップグレードし、追加のステータスやスキル、矢弾の種類をアンロックしましょう」。

「『Horizon Zero Dawn』からあるフォーカスによるスキャン機能は健在で、相手の弱点だけでなく、移動ルートも視覚化してくれます。万が一の事態に備えて、回復薬を作成して、薬のポーチをいっぱいにしておくこともお忘れなく。そして最後に、新しい道具や戦闘システムを組み合わせて、素晴らしいアクションを生み出してください!」。

「プレイヤーには、敵との戦いを楽しんでもらいたいと思っています」とアリエンは語ります。「最初は数に圧倒されてしまうかもしれません――ですが、敵が出すヒントから解決策を模索していってください。機械獣はそれぞれが独自の攻撃をしてくる手ごわい敵ばかりですが、プレイヤーはさまざまな戦術を駆使して状況をコントロールすることで、勝利することができるはずです。近接戦闘は大幅に進化しており、レゾネーターブラストシステムとの組み合わせで、かっこいい技を連発することができるでしょう」。

リチャードも続けます。「プレイヤーが新しい機械獣と、その性能を発見することをとても楽しみにしています。私たちは、”禁じられし西部”に向かうプレイヤーのために、さまざまなゲーム体験を提供することに重点を置き開発に取り組みました。新しい人間の敵や機械獣、特に「トレマータスク」のような威圧的な機械獣に遭遇したときのプレイヤーの反応を見るのが楽しみです!」。

前作をプレイされた方には、ゲームプレイに親しみを感じていただきながら、新しく追加された戦闘システムによって広がる戦闘の幅と深みをぜひ体験してもらいたいです。本作から新しく始めるプレイヤーには、さまざまな戦闘との遭遇に満ちた没入感と手ごたえのある戦闘を楽しんでいただけると信じています。

『Horizon Forbidden West』の詳細については、こちらをご覧ください。

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Horizon Forbidden West

・発売元:ソニー・インタラクティブエンタテインメント
・フォーマット:PlayStation 5 / PlayStation 4
・ジャンル:オープンワールド・アクションRPG
・発売日:2022年2月18日(金)予定
・価格:PS5 パッケージ版/ダウンロード版 スタンダードエディション 希望小売価格:8,690円(税込)
      パッケージ版 スペシャルエディション 希望小売価格:9,790円(税込)
    PS4 パッケージ版/ダウンロード版 スタンダードエディション 希望小売価格:7,590円(税込)
      パッケージ版 スペシャルエディション 希望小売価格:8,690円(税込)
    PS5・PS4用 ダウンロード版 デジタルデラックスエディション販売価格:9,790円(税込)
      パッケージ版 コレクターズエディション 希望小売価格:24,200円(税込)
      パッケージ版 レガーラエディション 希望小売価格:31,350円(税込)
・プレイ人数:1人
・CERO:D

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PS Blogの『Horizon Forbidden West』記事はこちら


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Horizon Forbidden West™ ©2021 Sony Interactive Entertainment Europe. Published by Sony Interactive Entertainment Europe Ltd. Developed by Guerrilla. “Horizon Forbidden West” is a trademark of Sony Interactive Entertainment Europe. All rights reserved.

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