『FINAL FANTASY VII』を当時のディレクター北瀬佳範氏が振り返る──PS Nowで配信中の色褪せない名作への思いとは?

0 0
『FINAL FANTASY VII』を当時のディレクター北瀬佳範氏が振り返る──PS Nowで配信中の色褪せない名作への思いとは?

オリジナル版の『ファイナルファンタジーVII』(以下『FFVII』)がPlayStation™Nowでプレイできるようになったのを受けて、ディレクターを務められた北瀬佳範さんから、この不朽の名作を開発された際の悲喜こもごものお話をうかがいます。


『FFVII』は”初めてづくし”のゲームでした。

まず、PlayStation®向けに発売された最初の「FINAL FANTASY」(「FF」)タイトルでした。また、3Dで開発された最初の「FF」タイトルでもありました。CGムービーのカットシーンが実装され、ドラマティックなゲーム体験を実現したことでグローバルなユーザーに訴求することができました。

つまり、ファンにとっても、SQEXのチームにとっても、非常に特別な意味のあるゲームだったと言っていいでしょう。私はディレクターとして開発に関わりましたが、当時とは全く違う世代の人たちにこのゲームをPS Nowで体験してもらえることは大きな喜びです。

『FFVII』が初めて発売されたのは1997年のことですが、そのコンテンツは、時代を問わず、どんな人にも共感してもらえるタイムレスな魅力を備えています。そして、そのことが、『FFVII』が今なお多くのファンを抱えている理由だと思います。そして、「FF」シリーズが途切れることなく『FINAL FANTASY VII REMAKE INTERGRADE』のようなタイトルを生み出しているというのも、ファンの方々が支援してくださっているおかげです。

今回、オリジナル版がPS Nowでも遊べることになり、私も、当時の開発について思いを巡らせるようになりました。そんな折、PlayStationチームから、当時の思い出をみなさんと共有しないかというお誘いがあったのです。

『FFVII』の出発点

『FFVII』を開発していた頃は、ちょうどゲーム業界が2Dから3Dへと移行を始めていた時代でもあり、その中心になったのは欧州や北米で開発されたタイトルでした。我々としては、この新たな側面をうまく活かし、それまでの「FF」シリーズにはなかったほど鮮やかに、キャラクターやストーリーが躍動するようなタイトルを生み出したいと考えました。

また、3DのCGにも興味を持つようになりました。「FF」シリーズを、その後数十年にわたって注目を浴び続けることのできるものにしたいという欲求があったのです。

我々がこうした希望を達成することができたのは、当時のコンソール市場に新たに参入してきたゲーム機、つまりPlayStationのおかげでした。

「アバランチ」のメンバー:「ビッグス」、「ウェッジ」、「ジェシー」

PlayStationの有利な点(と不利な点)

初めてPlayStationでゲーム開発をすることになり、それまで考えたこともなかったような機会がもたらされました。その中でも大きかったのが、(少なくとも当時としては)膨大であったCD-ROMの容量でした。

『FFVII』の開発にあたり、我々は大量のムービーシーンを実装しました。それによって、ストーリーテリングが強化され、それまでのどのゲームにもなかったほど、細部までゲーム世界を描き上げることができたのです。ムービーシーンを数多く搭載するというのは、CD-ROMの誇る容量の大きさなくしては不可能な作業でした。

その一方、最新テクノロジーを駆使した開発だけに、それにともなう試練も経験しました。CD-ROMのゲームというのは、どうしてもロード時間が長くなります。バトルのスタートや終了時、また、カットシーン再生に移る際などに、ロード時間が長すぎると感じさせないよう、何とか新しい技術を導入しようと、我々としても懸命に努力しました。

ムービーを入れれば入れるほど、コストもかかり、問題も多くなる

ムービーシーンそのものも、特に私自身にとっては、良い教訓になりました。

このようなシーンを開発するため、CG業界から数多くのアーティストを雇い入れたのを受け手、グラフィックス業界特有の職場環境となり、開発現場が大きく変貌しました。私にとっては、聞いたことも経験したこともない環境であり、ディレクターとして指示を与えるのに失敗したことも数回ありました。

例えば、あるムービーシーンの最初の編集カットができあがってきた時のことを今でも覚えています。そのシーンを見た私は、別の考えを思いついたので、それを担当アーティストに提案してみました。ゲーム開発においては、こうしたやり直しを行うのは日常茶飯事で、珍しいことではなかったのですが、CGの世界では違ったのです。

その時の私は、映像をわずか1秒分だけ作り直すだけでも数百万円単位のコストがかかるなどとは考えてもいませんでした。「なかなかタフな経験になった」とだけ申し上げておきます。

キャラクターのゲーム

『FFVII』の開発中、プレイヤーを興奮させ、RPGというジャンルを進化させることができるよう、我々は必死で働きました。例えば、「マテリアシステム」の構築です。このシステムでは、プレイヤーがキャラクターアビリティをかなり自由に操作できるため、それぞれ違ったストーリーや背景を持ち、魅力あふれるキャラクターを数多く生み出すことができます。

私のお気に入りは「ヴィンセント・ヴァレンタイン」です。仲間にすることもできるキャラクターなので、今回PS Nowで初めて『FFVII』をプレイするという方には、「ある屋敷をくまなく探索してみてください」とだけ申し上げておきます。

ヴィンセントが好きな理由としては、よくホラー映画に登場するような一種の”ダークヒーロー”であり、それまでの「FF」タイトルにはいなかったタイプのキャラクターだからです。

『FFVII』がついに発売となった時、それまでの努力が果たして実を結ぶのか、我々としては不安でした。

遅れてきた喜び

『FFVII』は運よくヒットしました。今、販売データを見ると、世界各国で販売本数を伸ばしたように見えますが、当時としては、日本国外のファンと交流する機会もなく、どの程度気に入ってもらえたのかはよく分かりませんでした。

それを本当に理解できたのは、5年後の2002年、『FINAL FANTASY X』がPlayStation®2向けに発売された時のことです。

私は、プロモーションツアーで初めてヨーロッパと北米を訪れました。海外のファンに実際に会うのはそれが最初だったのですが、『FFVII』を会場に持参し、サインを求めてきたファンの方が大勢いました。その時になって初めて、自分たちの成功がどれほど大きなものだったかが実感できたのです。私にとって忘れられない経験になりました。

最後のひと言

今回、『FFVII』がPS Nowで遊べるようになり、私も感激しています。ハードが新しい世代に移行し、昔のゲームがプレイできなくなってしまう可能性は、開発スタッフにとっても、プレイヤーにとっても常に不安としてつきまといます。ですから、PS Nowの配信技術によって、いつでも好きな時に過去の名作で遊べるのは、私にとっても非常に嬉しいことなのです。

『FFVII』については、今でもプレイヤーに多くのものを与えることのできるゲームだと考えています。ビジュアルの点では、現在のプレイヤーにはやや古めかしく映るかもしれませんが、こうしたポリゴンモデルというのは、プレイする者に対し、想像力を使うという重要な余地を残してくれる存在です。オリジナル版が発売された当時の雰囲気を少し感じながら、楽しく遊んでもらえたら嬉しいです。


FINAL FANTASY VII

・発売元:スクウェア・エニックス
・フォーマット:PlayStation®4
・ジャンル:RPG
・配信期間:2021年9月7日(火) ~ 終了日未定

PS Now 1ヶ月利用権をPS Storeで購入する

PS Now 3ヶ月利用権をPS Storeで購入する

PS Now 12ヶ月利用権をPS Storeで購入する

※18歳未満の方はPS Nowの利用権を購入できません。
※PS Storeでの購入にはクレジットカードが必要です。

PS Nowの利用権は、店頭でもお買い求めいただけます。詳しくは公式サイトをご確認ください。

PS Nowの公式サイトはこちら

©1997,1998,2015 SQUARE ENIX CO.,LTD. All Rights Reserved
CHARACTER DESIGN: TETSUYA NOMURA.

コメントの受付は終了しました。

お客様の生年月日を入力してください。

Date of birth fields