開発スペシャルインタビュー: PlayStation®のシステムソフトウェアアップデートについて

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開発スペシャルインタビュー: PlayStation®のシステムソフトウェアアップデートについて

9月15日(水)に、PlayStation®5、PlayStation®4そしてPS Remote Playアプリのシステムソフトウェアアップデートを発表しました。

そこで今回は、ソニー・インタラクティブエンタテインメントでプラットフォームエクスペリエンスSVPを務める西野秀明がPlayStation®.Blogのインタビューで語った新機能の開発秘話をお届けします。PS5におけるテレビ内蔵スピーカーでの3Dオーディオ対応や、M.2 SSDストレージ拡張、そして本日9月24日(金)よりiOSとAndroid(*)で提供を開始したPlayStation®Appでのシェアスクリーン視聴など、モバイルアプリのアップデートについても触れていますので、ぜひご覧ください。

本記事ではインタビューから主要部分を抜粋してご紹介しています。フルインタビュー(英語のみ)はこちらの「Official PlayStation Podcast」からご聴取いただけます。

──まず、プラットフォームエクスペリエンスのSVPとは、どういった仕事なのかを教えてください。

西野秀明(以下、西野):ハードウェア、システムソフトウェア、ネットワーク機能やネットワークサービスを担当しています。ゲームやゲーム開発スタジオは管轄外ですが、それ以外の分野を担当しています。

──先日PS5のアップデートをリリースしましたが、西野さんが特に重要だと感じる機能はどれでしょうか?

西野:先日のアップデートではさまざまな機能をリリースしましたが、個人的にはトロフィートラッカーの機能が気に入っています。たくさんのトロフィーを集めて、見せたいというのは素直な欲求だと思いますので、自分が次に取りたいトロフィーを手軽にピンで留めることができるようになって便利になりました。

──テレビ内蔵スピーカーでの3Dオーディオ対応についても「いつ対応するのか?」というユーザーの皆さんの声が多かったように思います。

西野:そうですね。3Dオーディオは、PS5が掲げるビジョンの中でも非常に重要な要素のひとつで、映像だけでなくオーディオにおいても、本当に没入感のある体験を提供したいと常々思っていました。テレビのスピーカーで3Dオーディオをオンにすると、今までとは違う音が聞こえてきます。言葉で説明するのはなかなか難しいのですが、皆さんにもぜひ体験していただきたいですね。

耳の周りから音が聴こえてくるようにも感じますし、正面から音が出ているようにも感じるので、間違いなくこれまでとは違う体験をお楽しみいただけると思います。この3Dオーディオ体験を実現したチームをとても誇りに思います。

──PS5のストレージを(M.2 SSDを使って)拡張できる機能も多くの方が待ち望んでいたと思います。このような大きな新機能の追加には、どのような背景があったのでしょうか。

西野:非常に多くの方がPS4で遊んでくださっている中で、コンソールの使い方にはさまざまなパターンが見られることがわかっていました。PS5ではディスクドライブを搭載したモデルと、非搭載モデルの2種類を発売させていただきましたが、それはお客様に「選択肢を提供したい」というコンセプトがあったためです。

同様にPS5の内蔵ストレージについては、どのような容量を搭載したとしても、いつかは容量の限界を超えてしまう。ですので、私たちは「選択肢を提供する」という考えのもと、ユーザーの皆さんがご自身でストレージを拡張できるようにしたいと考えました。M.2 SSDの機能を設計したのは2018年のことで、そのときはGen4 SSDが登場するかどうかはわかっていませんでしたが、きっと登場するものと仮定しました。

リード・システムアーキテクトのマーク・サーニーとも議論に議論を重ねた上で、M.2 SSDによる拡張に対応することを決めました。導入に向けては社内でも多くの議論が交わされましたが、無事にホリデーシーズンに向けてこの機能をお届けできたことを嬉しく思います。

※映像は英語版です。

──システムアップデートの企画や開発はどのように進められるのでしょうか?

西野:PS5における大型アップデートはまだ今回で2回目です。さかのぼるとPS4は発売からすでに8年が経過し、その間、私たちはPS4を通じて多くのことを学びましたし、ユーザーの皆さんがどのようにPS4を使われていて、ゲームがどのように動作しているのかを今もなお学び続けています。どの機能が最も活用されていて、最も人気があるのか、そしてどの機能があまり使われていないのかといったことも把握しています。ですので、PS5の発売に向けては、長いリストがありました。そして、実際のところ全部やりたいと夢見ていました。

現時点でそのリストをすべて消化できているかと聞かれれば、そんなことはありません。リストには、わくわくする、素晴らしいアイデアがまだまだ残っています。また同時に、PS5を発売してからもSNSやシステムの利用データを通じてコミュニティーの皆さんから多くのフィードバックをいただいていますし、メディアの皆さん、家族や友人からもフィードバックをいただいます。

PS5を注意して見ていただいていると、ファームウェアの更新だけではなく、ネットワークを介したアップデートでUXがしばしば更新されていることに気が付かれるかもしれません。時には特定のグループのみカスタマイズを行ない、その機能がどのように使われているかを確認することもあります。つまり、PS5の体験はつねに進化しているのです。

──PS Appからシェアスクリーンを視聴できるようになったことも、今回の大きなアップデートです。PS Remote Playアプリでは、モバイルデータ通信を利用できるようになりました。モバイルでの体験に注力しているのは戦略的な理由なのでしょうか?

西野:リモートプレイは、実用性の観点から提供させていただいています。テレビの前にいないときでも、PS5やPS4を最大限に活用していただきたいという意図です。

コロナ禍の影響で、私は自宅で仕事をしているのですが、PS5はリビングに置いてあるので仕事部屋にはPS5がありません。ですが、仕事でPS5のUIをチェックする必要がありますし、息抜きでゲームを遊ぶこともありますので、仕事部屋のデスクトップPCからリモートプレイを使っています。また、天気の良い日に庭でPS5をプレイしたいときは、iPadを外に持ち出しています。テレビの前にいなくても、リモートプレイを使えばどこにいてもゲームをプレイできますし、モバイルデータ通信を利用できるようになれば、家の外でもリモートプレイをより手軽に楽しんでいただくことができます。ユーザーの皆さんにとって、より多くの選択肢を持ってゲームを楽しんでいただきたいという想いで追加した機能です。

そのほかに、シェアスクリーンの機能もあります。私はシングルプレイのゲームが大好きで、コロナ渦では『Bloodborne』にチャレンジしていました。私にとっては難易度の高いゲームで、とあるステージがクリアできないと友人にボヤいたところ「そんなに難しくないだろう、できるよ」と言われたんですよね。

そこで金曜日の夜に、友人と5人でパーティを組んでボイスチャットをすることになりました。私のPS5から画面を共有して、私が失敗したり、やられてリスポーンしたりする様子を見てみんなでひとしきり笑った後、シェアプレイ機能を使って友人にコントローラーを渡して代わりにプレイしてもらったところ、簡単にクリアしたと豪語していた友人もクリアできずで。ほかの3人はシェアスクリーンでその画面を見ながら笑いも絶えず、それはまるでみんなでひとつのソファに座って一緒にゲームをプレイしているかのような気分でした。

──20年前、ローカルマルチプレイが大流行していた頃を思い出しますね。懐かしい気持ちです。

西野:今回のアップデート以前は、PS5の前にいないとシェアスクリーンの画面を見ることができませんでした。今はモバイル端末があれば、どこからでもセッションに参加できます。ひとつのテレビの前で、友人と一緒に遊んでいた昔懐かしい瞬間がよみがえってきますね。

──最後に、今後に向けて取り組んでいることについて聞かせてください。

西野:先ほど申し上げたように、やりたいことリストを振り返ると、やるべきことはまだまだ膨大にあります。コミュニティーの皆さんからいただいているリクエストもたくさんありますので、まずはこのリストに真摯に取り組んでいって、今後もさまざまなアップデートをリリースしていきたいと思います。

また、この場を借りてコミュニティーの皆さんへの感謝の気持ちもお伝えしたいです。私たちは、欲しい機能をホワイトボードに書いているだけではなく、ユーザーの皆さんのニーズに合わせて、皆さんに喜んでいただけるような方法で問題を解決したいと本気で思っています。PlayStation®コミュニティーの皆さんの愛と熱量にはいつも驚かされるばかりで、皆さんの声が私たちの原動力になっています。ユーザーの皆さんはもちろん、クリエイターの皆さんからも多くのリクエストを寄せていただいており、その素晴らしいフィードバックの数々に心から感謝しています。

ファームウェアアップデートは、私たちがただ実装するだけのものではなく、コミュニティーの皆さんと一緒に育てていくものだと思っていますので、今後も皆さんからのフィードバックをお待ちしています。私たちも皆さんにさらなる新機能をお届けするべく尽力していきたいと思います。

*Android版のアップデートは段階的に配信されるため、ご利用の端末でアップデートが利用可能になるまで一週間程度かかる場合があります。

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5 コメント

  • そうか、そうか。なるほどね~。
    Xperia1Ⅲでリモート時に十字ボタンが効かないのはAndroidは段階的にアップデートするってことなのね。
    次のアプデで十字右を解放。
    その次は十字左解放。
    みたいな?いや~焦らしますな。

    やるならちゃんとしようよ・・・。

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  • フルインタビューは視聴してませんので、そこで話題に上がってるかもしれませんが…。

    もうじきPS5発売から1年、2度の大型アプデも未だPS4で培い慣れ親しんだ使いやすさには到達してません。
    当面はPS4に追いつき並走する事を最優先しながら、PS5ならではの機能に光を当ててほしい。

    望むは
    ①フォルダ機能。今現在直近に使用した順に並んでるがココもカスタマイズしたい。
    ②テーマ機能。実装されるか否かその方向性だけでも伝えてほしい。PS4で得た資産がこのまま無駄になるのかどうなのか?
    せめて壁紙ぐらいは設定させてほしい。
    ③○×問題の解消。未だ入手出来てない人が多いので、コレを唱える人が少ないのが実情だと思う。
    多くの人に行き渡る前に、日本・アジアでPSブランドに触れてきた文化や慣れをそのまま継続出来る安心感を拡めてほしい。

    一緒に育てる想いがあるのならば、ユーザーの声を聞いてほしいし、意見を言う場を設けてほしい。

  • 以前から思っていたのですがPSのハイスペックが必要なゲームと、例外もありますが、インディーゲームとはそのスタンスに齟齬があると思います。
    大胆な発想を言えば取り付けることでスマホをPSの規格にできて、機能拡充(PS3並で十分だと思いますが)及び容量拡充(SDカード挿入可等)する装置が組み込まれた外付けコントローラー型デバイスを開発出来ませんかね?
    要するに使用しているスマホをPSの一員にしてしまうと言う発想です。勿論PSSTOREからゲームを直接スマホにダウンロード出来るようにしても良いと思います。
    これならインディーゲーももっと気軽にプレイ出来、恐らくはゲーム開発も楽になるのでは(?)。

  • 補足しますと、PS1、(2、)3、PSP、VITAのゲームも落とせると良いですね。ゲームハードの実機が手に入りにくくなり、寿命を迎えても、スマホは機種変更こそすれ、廃れない文明の財産だと思いますから。STOREを継続して頂ける事が前提となりますが。
    マニアの方々もこぞって買い集めるのではないでしょうか。若い人にも気軽に楽しんで頂きたいですし。
    以前の開発に携わった方々も喜ばれると思いますよ。
    対応スマホはXperia限定でも良いと思います。
    どうか、宜しくお願いします!

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