人間とドラゴン──種族を越えた絆を描いた感動RPG『わるい王様とりっぱな勇者』プレイレビュー!

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人間とドラゴン──種族を越えた絆を描いた感動RPG『わるい王様とりっぱな勇者』プレイレビュー!

PlayStation®4用ソフトウェア『わるい王様とりっぱな勇者』は、勇者に憧れる少女ゆうと、その育ての親である王様ドラゴンが織りなすRPG。小さなゆうの微笑ましい冒険、種族を超えた親子愛を、絵本のように繊細なグラフィックとともに楽しむことができる。

企画・キャラクターデザインを手掛けるのは、『嘘つき姫と盲目王子』で高い評価を得た小田沙耶佳氏。とはいえ、その続編ではなく完全新作なので、予備知識なく楽しむことができる。

人間とドラゴン、異種族間で育む絆の物語

物語の主役は、人間の少女・ゆう。亡き勇者の忘れ形見で、今は王様ドラゴンに育てられている小さな女の子だ。ゆうが毎晩おやすみ前に王様ドラゴンにせがむのは、かつて世界を救った勇者のお話。パパの冒険譚に心を躍らせるうち、いつしかゆうはパパのような立派な勇者になりたいと願うようになっていった。

だが、その夢には大きな問題があった。実は、ゆうの育ての親である王様ドラゴンこそ、かつて勇者に倒された魔王だったのである。勇者に力の源である角を切り落とされた魔王と、そんな魔王をいたわる勇者。気づけばふたりは、親友になっていた。そんなある日、瀕死の重傷を負った勇者から魔王に託されたのが、まだ赤ん坊のゆう。それから数年、王様ドラゴンは自分がかつて父親と戦った魔王だとゆうに告げることなく、彼女との暮らしを続けていた。

今、王様ドラゴンにできるのは、ゆうが夢を叶える手伝いをすること。実の娘のように大切なゆうを眺め、王様ドラゴンは心に誓う。「この子を立派な勇者へと育てるのだ──いつか君に倒されることになっても」。

そんな冒頭のストーリーだけでも、切ない展開を予見してグッとくる人も多いのではないだろうか。そう、このゲームの魅力は、胸に迫るストーリーと優しい世界観。まずゲームを始めて、最初に心をつかまれるのが主人公ゆうの愛らしさだ。勇者を目指して「しゅぎょう」に精を出すものの、手にしているのは木の枝、頭にかぶっているのはお鍋。まだまだ頼りないけれど、それでも世のため人のために頑張る姿がいじらしい。無邪気な笑顔を見れば、誰しも彼女を応援したくなるはずだ。

王様ドラゴンも、なんとも愛すべきキャラクターだ。ゆうを実の娘のようにかわいがり、威厳あふれる姿からは想像がつかないほどの心配性。冒険に出かけるゆうのことが気にかかり、こっそり後をつけるという過保護っぷりだ。モンスターとのバトルでは、ゆうが「かえん斬り」を発動するタイミングで、こっそり木の陰から炎を吐き、あたかもゆうが技を出したかのように見せかけるという小細工までやってのける。娘に甘いお父さんのようで、実に微笑ましいではないか。

ゆうと王様ドラゴン、ふたりの種族を越えた親子愛も大きな見どころだ。ゆうが、王様ドラゴンの素性を知る日は訪れるのか。もしその日が来たら、ふたりの関係はどうなってしまうのか。詳しくは語れないが、終盤に向けてほろりとする展開が待っている。

「絵本を旅するRPG」というジャンル名どおり、童話の世界に入り込んだかのような感覚を味わえるのもこのゲームならでは。小さな女の子が懸命に頑張る姿、繊細で温かみのある画風、ページをめくるような演出など、すべてが絵本のようで心癒される。志方あきこさんの主題歌やBGMも素晴らしく、この箱庭のようなかわいらしい世界にずっと浸っていたくなる。

数ある演出の中でも、特にユニークなのがナレーションだ。通常なら、ゆう、王様ドラゴンなど、役柄ごとにそれぞれ異なる声優が演じるところだが、本作ではすべてひとりのナレーターが朗読。これが、絵本を読み聞かせてもらっているような、ノスタルジックな感覚を生み出している。ナレーションを担当する声優・近藤玲奈さんの声も、優しく落ち着いたトーンで耳に心地いい。物語は章立てになっており、1章を1~2時間ほどでプレイできるので、寝る前に1章ごとにプレイすれば、ゆうのようにすやすやと眠れそうだ。

倒す? 見逃す? かわいい魔物たちとのバトル

冒険中、ゆうが魔物に遭遇するとバトルが発生する。ターン制のコマンドバトルで、難しい操作は一切なし。「こうげき」「とくぎ」「どうぐ」などのコマンドを選ぶ、シンプルでオーソドックスなシステムになっている。

「とくぎ」を出す時には、気力を消費する。気力は1ターンごとに1ずつ回復していくが、そもそも気力の上限値がそこまで高くないため、連続して「とくぎ」を出すのは難しい。しかも、バトルが終わっても、気力がフルに回復するわけでもない。強力な「とくぎ」でスカッと勝てば爽快感を味わえるが、そこまで強くない魔物を「とくぎ」で倒した直後に複数の強敵に囲まれ、「あの時、我慢しておけばよかった……」と後悔することも。そんなちょっとした駆け引きも、バトルの面白さにつながっている。

また、魔物たちには弱みがあり、特定の属性や行動を嫌がることがある。ゆうの「とくぎ」から「ようすを見る」を選ぶと、弱点のヒントが見つかることも。発見した弱点は、魔物図鑑でいつでも振り返ることができる。

弱みを突かれた魔物は戦意喪失するので、それ以上戦わずに見逃すこともできる。そもそもゆうの父親である勇者は、魔王にとどめを刺さず、見逃した過去がある。ゆうも魔物を見逃せば、勇者にちょっとだけ近づいたような気分を味わえる。そもそも魔物たちは、倒すのがかわいそうになるほどのかわいさ。時には見逃してあげると、なんだかいいことをした気分になるはずだ。

各章ごとに頼れる仲間が登場

冒険を進めていくと、ときには仲間に出会うことも。各章ごとに雪ぎつねのコンコ、王様ドラゴンの家来サカサ、人間のお姫様フローラが相棒になってくれるので、彼らと一緒に冒険することに。3人の中でも、フローラは体力がなく、敵にすぐ倒されてしまう。そのため、防御をうまく使ったり、敵から隠れながら戦ったりと、戦術を考えるのも楽しい。それぞれの「とくぎ」をうまく使いこなし、ゆうと連携しながらバトルに勝利すると爽快感をより強く味わえる。

また、フィールドを探索する時も、仲間たちが力になってくれる。地面に埋まったお宝を掘り出してくれるコンコ、空中に浮かんだ宝箱を投げナイフで落としてくれるサカサ、傘を広げて崖の向こうに連れて行ってくれるフローラと、それぞれ異なる能力でゆうの冒険をサポート。「そういえば、あそこに崖があったはず」と、あちこち寄り道しながらのんびり冒険を楽しみたい。

「ゆうのひとだすけ」で、村人たちの悩みを解決!

メインストーリーを進めるだけでなく、サブクエストに挑戦する楽しみも待っている。山のふもとにある魔物の村には、さまざまな悩みごとを抱えた住人たちが集まっている。彼らに話しかけると、素材集めや魔物退治などを頼まれることも。それが「ゆうのひとだすけ」。小さなゆうがみんなの役に立とうと奮闘する姿は、まるで初めてのおつかいを見守っているような気分。ゆうへの愛着も増すはずだ。

クリアすると、冒険に役立つアイテムがもらえるだけでなく「星のかけら」も手に入る。この「星のかけら」を一定数集めると、「コレクション」画面で設定画やイメージスケッチをアンロックできる。

ストーリーに重点を置いているためか、システムはシンプルでとにかく親切。今いる場所、次にすべきこと、フィールド上の宝箱や仕掛けのありかなど、すべてがマップ画面に表示されるので行き詰まることもない。まさに絵本のページをめくるように、ストーリーに没頭できるだろう。柔らかで優しい世界観に惹かれた人、心温まる物語を楽しみたい人なら、きっとお気に入りの作品になるはずだ。

『わるい王様とりっぱな勇者』プレイ動画
※記事内のプレイ動画に追加シーンを加えたものです。


わるい王様とりっぱな勇者

・発売元:日本一ソフトウェア
・フォーマット:PlayStation 4
・ジャンル:絵本を旅するRPG
・発売日:好評発売中
・価格:パッケージ版 希望小売価格 通常版 7,678円(税込)
    パッケージ版 希望小売価格 初回限定版 9,878円(税込)
    ダウンロード版 販売価格 7,678円(税込)
・プレイ人数:1人
・CERO:A(全年齢対象)


PS Blogの『わるい王様とりっぱな勇者』記事はこちら


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©2021 Nippon Ichi Software, Inc.

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