『ラチェット&クランク パラレル・トラブル』開発秘話──新キャラクターや新システムはこうして生まれた!

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『ラチェット&クランク パラレル・トラブル』開発秘話──新キャラクターや新システムはこうして生まれた!

銀河級アクション「ラチェット&クランク」シリーズ最新作として6月11日(金)発売予定のPlayStation®5用ソフトウェア『ラチェット&クランク パラレル・トラブル』。先日、開発を手掛けたインソムニアック・ゲームズのスタッフによるメディア向けのオンラインプレビューイベントが行なわれた。PS Blogもゲームメディアの立場でイベントに参加することができたので、その模様をレポートしよう。

本イベントでは、最新ゲームプレイデモが上映されたのち、「ストーリー制作」「PS5ならではの特長」「世界観の創造」「次元を超えた楽曲たち」という4つのテーマに分けて、それぞれの開発に関わるスタッフによるプレゼンテーションが行なわれた。また、各テーマのプレゼンテーション終了後、参加メディアからの質問にスタッフが回答するQ&Aセッションも。

なお、本作のポイントとプレゼンテーションの内容については、「State of Play」で公開されたゲームプレイ映像が参考になるので、まだ見ていない方はぜひチェックしておこう。

※『ラチェット&クランク パラレル・トラブル』の映像は2:47から。

プレビューイベント参加スタッフ

マーカス・スミス
クリエイティブ・ディレクター

マイク・ダリー
ゲームディレクター

マイク・フィッツジェラルド
コア・テック・ディレクター

リンジー・トンプソン
シニア・アニメーター

ローレン・ミー
リード・ライター

ダニエル・バージンスキー
オーディオ・リード

グラント・ホリス
アートディレクター

アダム・ヌーンチェスター
リード・ゲームプレイ・プログラム

【新しい「ラチェット&クランク」のストーリー制作】

最初のテーマはストーリー制作。本作の新しい物語を作り上げるためにどのようなアプローチがあったのか、また新しく登場する女性ロンバックスのリベットをはじめとするキャラクターなどについて解説された。

シリーズファンにも新規プレイヤーにも愛される作品を目指して

物語の時系列は『ラチェット&クランク INTO THE NEXUS』に続くどこか。壊れた「ディメンジョネイター」は、クランクがこっそり持ち帰っていた。ひょっとしたら直せるかも。そうしたら、ラチェットがほかのロンバックスと会えるかもしれない──。

それから何年も、このあとの展開への疑問に答えが与えられることはなかったが、『パラレル・トラブル』ではそういった疑問に答え、過去作品を知っているとより楽しめるポイントもいくつかある。しかし同時に、過去作の知識を前提にした作りにもなっていない。

「ラチェット&クランク」のストーリーは全世界共通で共感できるものであり、家族、友情、ヒーローといった要素や、それら3要素の組み合わせからできている。過去に敬意を払いつつ、できるだけ余計なものを取り払って新しいファンが入りやすくした。銀河を舞台に友情で結ばれたコンビが大逆転で宇宙を救うという大枠に、現代らしいストーリーテリングの技術を加えて、長年のファンにも新規プレイヤーにも愛される作品を目指しているという。

懐かしくも新鮮なキャラクターたちと、もうひとりの新たな主人公リベット

ドクター・ネファリウスが「ディメンジョネイター」を盗んで、ラチェットとクランクを「ワシが絶対に勝つ次元」に送ったことで、プレイヤーは過去の懐かしいキャラクターの異次元バージョンと出会う。「あのキャラクターだ」とわからせつつもヒネリを加えることで、過去作のファンにも今作からのプレイヤーにも、等しく新鮮なものになるという。

たとえば、ホバーボードチャンピオンのスキッド・ミックマークス。異次元では「ファントム」と呼ばれている。レジスタンスの戦士であり、この世界を支配する皇帝ネファリウスの邪悪な計画に立ち向かっている。ハッカーであり、発明家でもあり、ラチェットたちの世界のスキッドとは全く違う人生を送ってきた。

ラスティ・ピートも登場する。いつも酔っぱらって「にょ~」という語尾で話す、歌が大好きな海賊だが、異次元ではだいぶ様子が違っている。こちらも海賊ではあるが、名前は「ピエール・ルフェール」。気取り屋で歌を歌うよりも仲間をけしかけて戦うのが大好きだ。

そして新たなキャラクターの中でも、開発スタッフが一番の傑作と自負するのがリベットだ。初公開時から「女性ロンバックス」「ラチェットの異次元バージョンでは」と言われてきたキャラクターは、ネファリウスが支配する次元で、ラチェットとは全く違う人生を送ってきた。彼女はずっとひとりで生きてきて、勝って祝ってくれる友達も苦しいときに支えてくれる友達もいなかった。

そんなリベットのキャラクター作りは、「彼女は何者なのか」というところから始まった。強くて変わり者という部分をベースに、こんな危険な世界に一匹狼でいるとどんな風になるだろうと考えられた。ずっとひとりだったから、誰かと仲良くなれそうなチャンスがあっても臆病になってしまうかもしれない。でも、芯の部分では優しいに違いない。意志が強くて知恵が回るけれど、分別を忘れはしない。平然と敵を倒して、自慢の知恵とパワーにかなう敵はいないと思っている。

何人ものアニメーターによって手が加えられていく中で、「彼女が何者なのか」も明らかになっていった。タフな外見と内面の冷静さはあるが、皮肉、陰鬱、残酷といった要素はない。社交的な場面で最適な行動をとれないことはあっても、シャイなタイプではない。善良な使命に燃え、自分自身やほかの住民たちを、皇帝ネファリウスとその手下の支配から守ろうとしている。

こうして初期のキャラクター構築にたっぷりと時間をかけたのは、リベットが本当に重要なキャラクターだったからだ。彼女を生み出すために各部署が連携し、とくにストーリーとアニメーションチームは緊密に、密接に協力した。その共同作業はとても有意義で、数えきれないほどの楽しいエピソードがあるそうだ。

Q&Aセッション

──リベットの登場で、ラチェットとクランクの関係はどう変わると思いますか?

ネタバレせずに回答するのは難しいですが……すべてのキャラクターはお互いから学ぶようになっています。リベットはクランクとしばらく一緒に過ごすことになりますが、彼女はラチェットとも違って、クランクとはとても異なります。ラチェットとクランクは自分たち自身について学ぶことになるし、ラチェットとクランクによってリベットも自分自身について学ぶことになります。お互いに教え合う感じです、何度も何度も(笑)。(ローレン・ミー)

──すでに確立されたキャラクターがいる中で、リベットの性格構築はどれくらい難しかったでしょうか?

「ラチェット&クランク」のストーリーは、どこでも誰でも共感できる話だと思いますし、シリーズの「らしさ」の中に新しいキャラクターたちを入れるのは、そこまで難しくありません。これまでの伝統をしっかりと理解したうえで、その世界を崩さずにどうやって自分たちチームの魂を込めて、うまく新キャラクターを入れられるかという挑戦は非常に楽しかったですね。(ローレン・ミー)

──『ラチェット&クランク THE GAME』ではなく『ラチェット&クランク INTO THE NEXUS』の続編にしたのはなぜでしょうか?

私たちは「ラチェット&クランク」の全部の物語に一貫性を持たせようとしています。『THE GAME』は、初代ラチェットの物語をキャプテン・クォーク視点から語った設定なので、初代と違うところも多いです。それにクォークの話なんてあまり信用できませんよね(笑)。そこで、過去20年にわたって続けてきた時系列に沿った話を作ることにしたのです。(マーカス・スミス)

単独でも楽しめるとはいえ、ずっと愛してきてくれたファンが続きだと感じてもらえるものを作りたいと思いました。マーカスが言ったように、『THE GAME』は初代へのオマージュのようなもので、本来の物語の続きが気になっていたファンがいるストーリーの続きを語れるのは本当にワクワクしました。(ローレン・ミー)

──本作でユーザーに一番体験してほしい要素は?

いろいろとありすぎますが、やっぱりリベットです。全体としてストーリーにはグッとくるし、映画のように感情的に満足できる体験になっています。実際、悪い意味ではなく「映画を作っているみたい」と思うことが何度もありました。私の意見にはかなり個人的な思いが入っていますが、きちんとプレイヤーの心に響くストーリーになるように細心の注意を払って作っています。(リンジー・トンプソン)

キャラクターには、まだ発表していないサプライズ要素もたくさんあります。それは発売まで発表しないつもりですが、とにかくみんながプレイしてキャラクターたちと出会ってくれるのが楽しみです。(マーカス・スミス)

──プレゼンテーションで「リベットは別次元でのラチェット」だと言っていましたが、本当ですか?

私がうっかり言っちゃったから、私のミス(笑)。言ってすぐに気づいて「あっ、しまった」って思いました。(ローレン・ミー)

そう。彼女はラチェットの異次元バージョンです。(マーカス・スミス)

【PS5ならではの特長】

続いてのテーマはPS5ならではの特長について。本作のプレイフィールを決定づけるべく、いかにしてPS5の機能を活かして作られたかが紹介された。

クレイジーな武器がもっと楽しく!

「ラチェット&クランク」といえば、クレイジーな武器ガラメカで有名だ。そうした武器の開発プロセスにおいては、3つの原則として「Spectacular(ド派手で楽しいか)」「Strategy(戦略的にその武器を使用する価値があるか)」「Humore/Uniqueness(武器にユーモアがあるか/個性があり差別化できているか)」が指標となっている。各武器がこのうちのひとつで10点満点中10点になるようにしているほか、人気武器の多くは、ふたつ以上の原則で卓越していることが多いという。

また、本作ではPS5のDualSense™ ワイヤレスコントローラーのアダプティブトリガーとハプティックフィードバックの機能をふんだんに使い、シリーズ史上最高の”撃っている感”が生み出された。

●ネガトロンコライダー
敵を貫通する強力なビームをチャージして発射する。ビームはしばらく照射されるため、ビームを左右に振ってまわりの敵を全滅させることも可能。巨大ビームをチャージして発射する感覚はド派手で楽しく、敵を一掃できるので戦略的にも意味がある。

従来のチャージ系武器は、ボタンを長押ししたり、押したあとに放したり、ひとつのボタンでチャージしてもうひとつのボタンで発射したりと、さまざまな操作方法があってそれなりに機能したが、チャージ武器らしさがなかった。一方でアダプティブトリガーは引っ張ると抵抗があり、プレイヤーはチャージするかすぐに撃つかを感覚的に選ぶことができ、キャンセルも簡単。リスクとリワードは維持したまま使いやすくなり、また楽しくなっている。

●エンフォーサー
双発のショットガン。トリガーの押し込みによって双発か単発かを選べる。近距離での戦略的な価値に加え、双発と単発で広範囲の制圧か単体への高ダメージかを選べる。もちろん、使用した爽快感もある。

●リコシェット
トリガーを引くと、敵の近くに浮いたボールが敵の頭を何度も叩く。さらに、ボールが開いたタイミングでボタンを押すとボーナスダメージが発生する。これまでにないユニークな武器であり、一度当てたら遮蔽物に隠れながら攻撃し続けられるという戦略的な意味もある。

●バーストピストル
遅くても正確なモードと、早いが不正確なモードを使い分けられるピストル。トリガーを押し込む深さによってモードが変わり、アダプティブトリガーの抵抗のおかげで簡単に切り替えられる。

ゲームメカニックのバラエティ

武器だけでなく、PS5の性能によってさまざまなゲームメカニックが進化した。ラチェットやリベットのアクションから、ミニゲームやアシスト機能まで、使いやすく楽しいメカニックが満載だ。

●リフトテザー
次元の裂け目を使って、別の場所にワープする。次元の裂け目は音を発しており、3Dオーディオで裂け目がある位置を感じることができる。

●ファントムダッシュ
残像を残しながら短くダッシュするアクション。瞬間的にその次元から存在を消すという設定で、ダッシュ中は敵の攻撃が当たらない。反応が非常に良く、戦闘でも移動でも選択肢が増えたのはゲームプレイに大きな変化を与える。

●ホバーブーツ
高速でホバー移動するアクション。アダプティブトリガーの抵抗で速度を変えられる。最高速度がアップしており、移動も簡単に。

●次元のポケット
別の場所にワープする次元の裂け目とは異なり、次元のポケットはさまざまなゲームメカニックを試せる小さな異次元空間。特定のアクションに対応した次元のポケットもある。

●アーマー
過去のシリーズ作品ではアーマーがひとつのセットになっていたが、本作では3つのパーツからなり、それぞれ色を変えられる。コレクション要素としても楽しく、新たに搭載されたフォトモードでも映えること間違いなし。

●”グリッチ”ミッション
プログラム“グリッチ”を操ってウィルスを倒す。ふだんのアクションと違い、戦車に乗って戦うシューティングのような楽しく爽快感のあるシステムで、ゲームプレイと一体化したレベルデザインによってステージもルートを探す楽しさが加わった特製マップになっている。また、ラチェットがコンピューターをハッキングするときにグリッチの力を借りるなどストーリー内の要素とも結びつけられている。

●クランクの次元パズル
次元を修復するためにエネルギーをつなぐミニゲーム。エネルギーは”可能性”としてクランクの幻のような形で現れ、”可能性”のクランクとクランク自身を使ってパズルを解いてエネルギーを流していく。

●アシスト機能「ゲームスピード」
コントローラー設定で追加できるアシスト機能。設定したボタンひとつでゲーム速度を遅くすることができる。難しくて進めないところではゆっくりとしたスピードでプレイし、もう一度ボタンを押すと元のゲームスピードに戻る。アクションが苦手なプレイヤーも、安心して楽しく遊べる注目機能だ。

PS5の技術がゲームプレイそのものを変える

高解像度の美しいグラフィックは当然として、PS5の高速ローディングによってゲームプレイそのものも変わった。これまでは周囲の環境を事前に読み込ませていたが、PS5はローディングが速く、その時に必要なものを即座にローディングできる。そのためメモリの制限を気にすることなく、さまざまなものを入れ込んでゲーム体験の向上につなげられるようになったという。

次元の裂け目を通って一瞬で別の惑星や次元に移動したり、クリスタルをハンマーで叩くだけで別の次元に変わったり、ダイナミックな場面転換はその現れ。これはPS5の技術を無理やり使ったというわけではなく、すべてはストーリーを最大限に楽しんでもらうためだ。

Q&Aセッション

──ほかのゲーム開発から学んで取り入れたことは?

移動や武器などは、私たちが開発したほかのゲームでも「ラチェット&クランク」でもコアの部分です。移動アクションをつなぐスムーズさは、『Sunset Overdrive』や『Marvel’s Spider-man』から取り入れました。また、『Marvel’s Spider-man』用のフォトリアルなレンダリングなどで、武器をよりかっこよくできました。(マイク・ダリー)

──次元の裂け目のアイデアはどのように思いついたのでしょうか。

そのアイデアは最初からありました。PS5でローディングのアドバンテージがあるのはわかっていたので、どう使えるかを考えていたのです。「ラチェット&クランク」の物語に新しい要素として組み合わせるとき、ラチェットとクランクが分かれてしまい、別の次元で新しい友達を得たらどうなるだろうという発想から、次元の裂け目のアイデアが生まれました。(マイク・ダリー)

──PS5のゲームクオリティに驚きました。さらに次世代機になったら、ゲームはどのように進化すると思いますか?

ハードの世代が新しくなるたびにゲームが良くなっていることに満足していますが、PS5での本作のクオリティも氷山の一角です。これまでのゲームデザインは、ハードのメモリ容量との戦いでした。制限されたメモリ容量の中で何ができるかということは、ゲームデザインの大きな柱のひとつでしたが、それがなくなりました。今後、PS5の構造に最適化されたエンジンが出てきたら、ゲームデザインはさらに変わっていくでしょう。(マイク・ダリー)

これまではステージ内に出てくる敵の種類などは制限されていました。6種類の敵を出したくても、3種類までしか使えないといったように。PS5の本作では、どんな敵も好きなステージで好きなだけ使えるので、ゲームデザインはかなり変わりました。(アダム・ヌーンチェスター)

──DualSense ワイヤレスコントローラーのハプティックフィードバックについて、どのような感想を持ちましたか?

まず、振動の繊細さに驚きました。これまでも振動機能はありましたが、ニュアンスを伝えられないとゲームデザイン的には使いづらく、ゲームプレイを阻害する可能性もありました。しかし、DualSenseは違います。ボルトを獲得したときなどの細かい動きも表現でき、ゲームへの没入を邪魔しません。触覚は、これまでは使えていなかった知覚です。視覚と聴覚がメインだったところに、触覚という全く新しい知覚が加わり、プレイヤーにフィードバックできるのは非常に大きいと思います。(マイク・ダリー)

【世界観の創造】

PS5のパワーで生き生きと動くキャラクターや、世界観を表現するビジュアルとサウンド。これらをどのように作り上げたのかが語られた。

キャラクターアート

メインキャラクターであるクランクとラチェット、そしてリベット。彼らを魅力的に表現するため、大胆な作り直しを含めたアートディレクションが行なわれた。

クランクは、彼らしさと形は残したまま素材感をアップデート。レイトレーシング技術を活かし、ステンレススチールの反射や素材感が表現されている。

ラチェットは表情や感情表現の幅を広げるため、頭部の骨格デザインから作り直し。魅力的で映画級の毛皮デザインに加え、カッコいい表情も取り入れられている。

新プレイアブルキャラクターのリベットは、多くの試行錯誤を経て生み出された。さまざまな毛皮の色を試し、狐のような尻尾や特殊なパワーがあるロボットアームも特徴的。リベットは魅力的でヒーローらしいキャラクターだが、過去の出来事からツンケンしているところもある。

ビジュアルディレクション

最初のステージとなるコルソンVの「メガロポリス」は、クリーンエネルギーで支えられた理想的な都市。ラチェットやクランク、過去作品のヒーローのバルーンも見える。

別次元のコルソンVにある「ネファリウスシティ」は、サイバーパンク的なディストピア。ドクター・ネファリウスが惑星を作り変えてしまった。これまでサイバーパンクな表現は「ラチェット&クランク」のイメージに合わないため使ってこなかったが、少しひねりを加えて世界観に合うようにした。敵ロボットは1950年代のSFに出てくるようなレトロなデザインで、ダンスクラブでは暗い曲に合わせてノリノリで踊っているなど、ディストピアだが、面白いところもある都市だ。

アニメーション

アニメーションはあらゆるところで映画級の最高のものを目指して作られており、ムービーシーンだけでなくゲームプレイでも達成している。新しい骨格になったラチェットは表情がより豊かに。生き生きとした惑星、植生や優れたAIによって動く動物とのインタラクションで、どの次元でもゲームプレイが楽しめる。こうしたアニメーションの品質を統一するため、たとえばメインキャラにはチームで基準となる表情の静止画を大量に用意して、誰でもすぐに基準以上のものが作れるようにしたという。

オーディオ

ハードウェアがPlayStation®2の時代から開発を続けるスタッフが、PS5で最大の進化を遂げていると感じるオーディオ機能。これを「ラチェット&クランク」の世界に適用することで、映画並みの音響体験をゲームのすべてで味わってもらうことができるようになった。

コンセプトのひとつは、細かいところまでこだわること。武器ごとの効果音など、小さな違いが大きな違いを生み出す。もうひとつは、大げさなサウンドにすること。たとえばレーザービームの音を段階的に変えることで敵を怖がらせ、プレイヤーにサウンド効果を含めた満足感を与えている。

PS5の3Dオーディオは、これまでよりもはるかに没入できる新しい機能だ。プレイヤーは敵の声で距離や高低がわかり、ドクター・ネファリウスが話しかけてくるときには船の大きさまで感じることができる。

Q&Aセッション

──主人公のデザインはどのような思いで進化させたのでしょうか?

シニアコンセプトアーティストの描いた絵に近づけることを目的に作ります。架空の世界のキャラクターではありますが、ピクサーの映画のような“その世界”での現実感や、ストップモーションアニメが生み出す誇張された素材感などを目指しました。(グラント・ホリス)

──クリエイティブ面でとくに自信を持っているところはどこでしょうか?

リベットは魅力的で、かつヒーローっぽくできたと思います。彼女に感情移入できるようにするために励んだアニメーションも楽しかったですね。(グラント・ホリス)

アート、スタイル、アニメーションなど、他部署の質の高さが自分たちを動かす動機になりました。音楽が感情に与える影響、演技、ライティングも完璧だと思います。何度もプレイしているのに、プレイするたびにニッコリしてしまうんですよ。(ダニエル・バージンスキー)

──クリエイティブについて過去作品から学んで取り入れたことはありましたか?

『Marvel’s Spider-man』からは、写実的なシェーダー、素材、ライティングなどを当てはめて適用していますし、『Sunset Overdrive』からは武器の要素を取り入れています。(グラント・ホリス)

アニメーションでは、『Sunset Overdrive』での歩行や『Marvel’s Spider-man』のスイングから多くを学びました。今作での移動はさらに多様になっていて、プレイヤーは移動だけでも楽しめると思います。(リンジー・トンプソン)

──アートや敵、世界などのインスピレーションの源は?

「ネファリウスシティ」は映画『ブレードランナー』にインスパイアされました。サイバーパンクなディストピアは過去作品にはありませんでしたので、取り入れてみました。あとは、毛の表現などではピクサーの『ズートピア』が参考になりました。(グラント・ホリス)

アニメーションではアクション映画を常に参考にしています。マーベル作品のスーパーヒーロー、とくに最近出てきた女性ヒーローをリベットの参考にしました。もちろん、古いゲームも参考にしています。アニメーターとして、アーティストとして、ほかの作品は参考にしますし、ファンとしても楽しんでいます。(リンジー・トンプソン)

【次元を超えた楽曲たち】

本作の楽曲を手掛けるのは、著名な作曲家で、「Devo」の結成メンバーでもあるマーク・マザーズボー。最後のテーマでは、インソムニアック・ゲームズのマーカス・スミスがインタビューする形で、ゲーム音楽を制作することの特徴やプロセスが語られた。

マーク・マザーズボー
コンポーザー

スタジオが求める要素に最適だった作曲家

インソムニアック・ゲームズが作曲家を選ぶとき、基準としていることが3つある。第一に、感情を掻き立てる壮大な楽曲を作れること。第二に、「ラチェット&クランク」はみんなが驚く予想外なことも受け入れられるため、クリエイティブ的な自由さを感じられること。第三に、メインとなる楽曲はみんなが口ずさめるような、なじみのある旋律にしてほしいということだ。

マーカスはこれらに合うものとして映画『マイティ・ソー バトルロイヤル』の楽曲をイメージし、その作曲家であるマーク・マザーズボー本人に依頼し、本作への参加が実現したという。ちなみに、マーカスはマーク・マザーズボーの大ファンだ。

没入するプレイヤーの気持ちになって作曲する面白さ

マーク・マザーズボーは、ゲーム音楽の作曲についてポジティブに感じたこととして、プレイヤーがゲームの世界に入り込んでいることを挙げた。ひとつのステージで同じ旋律を聞いていても、プレイの流れによって旋律の印象が変わることがあり得る。そのためプレイヤーの気分になって作る必要があり、ふつうの作曲とはまるで違う面白さだという。

制作プロセスとしては、ストーリーやそれぞれのステージの体験を説明してもらったうえで、どうしたらその体験をより楽しくドラマティックにできるかを考えた。かつ、ゲームではメインフレーズから発展する音楽が、ひとつのステージで1時間続くこともあるため、説得力があり、飽きずにずっと楽しく聞ける曲にしなくてはならない。さらに本作は惑星(ステージ)ごとに世界観が変わり、同じ惑星に再び訪れたときにまた変わっていることがある。そのたびに新しい世界観の音楽を作るために考え方を変えていくのは、エキサイティングな経験だったそうだ。

今回は70~100人編成のオーケストラでの収録も行なわれた。マーク・マザーズボーはオーケストラを特に重要だと考えており、それは演奏家たちの人間的な要素が作品に影響するからだという。それぞれが自分なりの解釈を持って音楽を生み出すことで、作品に命が吹き込まれる。繊細でわかりにくいものかもしれないが、特に、アニメやCGなどでは生命のようなものが作品に宿ることが重要なのだという。

Q&Aセッションでの「音を出して戦う武器や、特に重視した楽器はありますか?」の質問に対しては、「ここでは言えませんが、サプライズは用意しています」(マーカス・スミス)、「今は私の家の棚に飾ってあるからゲームには出ないんじゃないかな(笑)。一番はもちろんオーケストラですが、あえて楽器を挙げるならシンセサイザーです。シンセサイザーはオーケストラでできない部分を作ることもできます」(マーク・マザーズボー)と答えた。

6月11日(金)の発売まで1ヵ月あまりとなった『ラチェット&クランク パラレル・トラブル』。さらなる情報を楽しみに待ちたい。


ラチェット&クランク パラレル・トラブル

・発売元:ソニー・インタラクティブエンタテインメント
・フォーマット:PlayStation 5
・ジャンル:アクション
・発売日:2021年6月11日(金)予定
・価格:パッケージ版 希望小売価格 スタンダードエディション 8,690円(税込)
    ダウンロード版 販売価格 スタンダードエディション 8,690円(税込)
    ダウンロード版 販売価格 デジタルデラックスエディション 9,790円(税込)
・プレイ人数:1人
・CERO:B(12才以上対象)


PS Blogの『ラチェット&クランク パラレル・トラブル』記事はこちら


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