『Returnal』(リターナル)のユーザーエクスペリエンスに迫る——ゲームプレイを阻害しないデザイン、UI、配色とは…開発者が語ります!

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『Returnal』(リターナル)のユーザーエクスペリエンスに迫る——ゲームプレイを阻害しないデザイン、UI、配色とは…開発者が語ります!

※本記事は英語版PlayStation®.Blogの日本語翻訳記事です。

こんにちは。私は、先日発売されたばかりの『Returnal』(リターナル)のUI/UXデザイナーを務めた、ヨハネス・コスキです。本作における私の役割は、デザインを起こし、かつデザインチーム全体の仕事を監督することでした。本作は素晴らしいデザイナー、アーティスト、プログラマー、そしてオーディオ専門家といった多様なスペシャリストの仲間たちと協力して開発されています。本日は、『Returnal』のUX(ユーザーエクスペリエンス)についてお話しできることに非常にワクワクしています。

ゲームプレイ最優先

本作のUI(ユーザーインターフェース)は、”プレイヤーを導き、ゲームをサポートすること”というシンプルな目的の元に作り上げられています。言い換えれば、ゲームの世界観を表現したうえで、ゲームのメカニズムを理解して楽しむために必要な情報をプレイヤーに分かりやすく伝えること。この目的を実現するために、全体プランニング、UIのデザイン、コンセプト制作、ユーザビリティ(有用性)の研究、アートの選定、モーションデザイン、オーディオ開発、最適化、プログラミング、チュートリアルデザインなど、膨大な時間をかけて作業を行いました。

私たちのデザインにおける基本方針は、”ゲームプレイ最優先”です。翻訳のUXデザインにおいて重要な目標のひとつは、スピーディなゲームプレイ体験から邪魔なものをできるだけ取り除くことでした。メニューはすべて極力すっきりとした最小限のものを目指し、さらにタイトル画面やメインメニューを一切作らないことで、プレイヤーが毎回直接アクションに飛び込めるようにしました。

また、激しい銃撃戦のなかでも、プレイヤーがゲームプレイに不可欠な情報を常に把握できるように、HUDに表示するすべての要素を微調整するのに時間を費やしました。完璧なアニメーションのタイミング、直感的に”分かる”配色、どんなゲームプレイの状況下で見ても分かりやすい情報配置など、何度も繰り返し検討しています。

最も重要な情報は、プレイヤーの視覚的なフォーカスポイント、つまり照準の近くで表示する必要があります。一部の重要な情報は、プレイヤーのキャラクターモデルや実際のゲーム世界の中に表示しています。また、スピーディなアクションの最中に確認する必要がない情報は、HUDの周辺に表示しています。

瀕死の状態など、最も危険な状況下では、プレイヤーの複数の感覚に向けて訴えかけるようにデザインしています――たとえばHUDのバイザーガラスのひび割れや、デジタル機器に現れるバグ風のアニメーション、視界を狭める脅迫的なビネット、点滅する警告アイコン、プレイヤーの宇宙服に内蔵された警告灯、ゲーム画面へのエフェクト、体力ゲージの色分け、プレイヤーキャラクターの動き、キャラクター音声、VFX、緊急時の警音、それらに呼応するハプティックフィードバックなどです。

3Dマップ

私たちは特に、ユニークな3DマップとHUDミニマップの出来栄えに満足しています。『Returnal』の世界のマップは上下に広がりがあるので、コンパスや従来の2Dマップでは不十分でした。ランダムに生成される世界を、正確に捉えて、かつ見た目もスタイリッシュでありつつ、プレイヤーのパフォーマンスに影響を与えないマップシステムを作るのはなかなか骨が折れました。ゲーム内のマップは、プレイヤーの誘導と戦闘の流れを計画する上で非常に役立つはずです。

オーディオとハプティックフィードバック

本作では、3Dオーディオ、そしてDualSense™ ワイヤレスコントローラーのオーディオとハプティックフィードバック機能を最大限に活用することで、プレイヤーは戦闘とサバイバルに集中している時でも、自身や周囲の状況を認識できるようになっています。例えば、「発射モード」の充電具合をプレイヤーに伝える、上昇するチャージを表現するUIサウンドを実装したことで、完全に充電された時にはUIオーディオの合図とハプティックフィードバックの振動がはっきりと感じられます。この機能のハプティックフィードバックは、ゲームプレイのなかでも優先的に伝えられるようになっていて、最も重要な戦闘の合図が出るのです。

他にも、有害なアイテムにプレイヤーが近づくと心臓の鼓動のような振動を発する機能も実装されています。これにより、特別なアイテムに関連するリスクと報酬の感覚を強調し、他のアイテムとの差別化を図ることができます。

「パラサイト」は、音声とハプティックフィードバックがカスタマイズされたもうひとつの機能です。拾ったパラサイトがスーツに付着すると、パラサイト特有の振動と音声合図がプレイヤーに伝えられます。これにより、拾ったパラサイトの効果が発動していること、そして悪影響を及ぼしている場合にはそのことを再度伝えてくれます。

また、新しいアイテムをスキャンする際に表示されるホログラムのプロジェクションには、ハプティックフィードバックと音響効果が加えられています。対象物をスキャンする際のザラザラとした感覚や、触覚的な重みを感じることができるはずです。これらのサウンドをコントローラーのスピーカーからも流すことで、プレイヤーはより物理的でリアルなスキャン体験を楽しむことができます。

70年代風の印象的な工業デザイン

『Returnal』のUIアートディレクションでは、主人公「セレーネ」がどのような人物で、どのような組織に勤めていて、どのような技術を使用しているのかを考え、主な方向性を築き上げました。そこで考えついた方向性が、”工業的かつ機能的”です。ゲーム内の技術は、CRTモニター、手首のコンピュータディスプレイなど、表示されるデバイスが原因で、破損や不具合エラーの影響を受けやすくなっています。

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70年代のアートスタイルとSFホラーのコンビネーションは非常に馴染み深いものがあります。多くの人がそういった映画を見て育ち、その懐かしさが心に残っているからなのかもしれません。私たちのUI/HUDの主要な色には、印象的な緑が買った青色の色合いを使用しています。これは、初期のモノクロのブラウン管コンピュータモニターや戦闘に使われる暗視装置にインスピレーションを受けていて、この幽霊を彷彿させる色を使うことで、迫り来る恐怖を不気味に表現しています。

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(『Returnal』のコンセプトアート、「Mighty Canvas」)

伝統的な産業で使われている古い機器を参考に見てみると、各コンポーネントごとに機械が別れており、ほとんどの表示項目はシンプルで、派手なグラデーションやトランジション、エフェクトがありません。視覚的な華やかさなどは感じられず、がっしりと無骨な印象です。

私たちはこのイメージを参考に、使用するエフェクトを限定しました。そのため、動きはほとんどなく、すべてが点灯あるいは消灯しかしません。また、画面に奥行きは一切作らないことにしました。そのため、画面上にポップアップするUIなどの、技術的に発展しすぎている機能は採用していません。またカラーパレットは最小にとどめ、エフェクトやアンビエントアニメーションはブラウン管の美しさを再現するためにのみ使用しています。

アクセシビリティとカスタマイゼーション

コントローラーのカスタマイズについては、できるだけ直感的に編集できるようにしたいと考え、オプションメニューに入って最初に表示されるのがコントローラーマップになるように設定しました。皆さんに別のコントローラープリセットを試したり、自分のプレイスタイルに合わせたオリジナルの配置を作成してほしいと思ったからです。

また私たちは、アクションの配置をわかりやすく、そして使いやすくすることに重きを置きました。特定のアクションがどのボタンに配置されているかをすぐに把握できるように、右のダイナミックグラフィックには、コントローラのどこに、どのアクションが配置されているかが表示され、入れ替える場合においても、どの入力と入れ替えるかが表示されます。

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さらにアクションの配置を動かしたり、DualSense ワイヤレスコントローラーのレイアウトを変更したりする際には、リマッピングから直接すべての変更を簡単に確認できるようにしています。ボタンをひとつ押すだけで、コントローラーすべての配置が表示され、いつでも自身のカスタムセットアップを確認することができます。

この変更内容のプレビュー方法は、他の設定にも応用されており、変更のたびにゲームプレイに戻ることなく変更内容を簡単に確認できるようになっています。例えば、カスタムプリセットを使用しているときにコントローラー全体を回転させると、右側の列のプレビューにそれが反映されます。また、右スティックのデッドゾーンを変更している場合は、プレビューでスティックをハイライトして、どのスティックを変更しているかを明確にしています。

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『Returnal』には、操作、ゲームプレイ、オーディオ、ビデオに関するさまざまな設定がありますが、これらのカテゴリーのなかには、アクセシビリティのために開発された機能があります。しかし私たちは、これらの機能を”アクセシビリティ”のカテゴリーに分けないという理念に基づいて取り組みました。というのも、さまざまなニーズを持ったプレイヤーがいるなかで、これらの機能を希望するすべての人が利用できるようにすることで、特定のプレイヤーを分けるのではなく、受け入れるためです。

また、「カラーブラインドモード」では、幅広い選択肢を用意しました。強度を変更するスライダーを追加することで、実際に試して自分に合った強さを選べるようにしています。さらに、UIの特定の色について、3つの代替カラーパレットを作成しました。これらの色は、第一、第二、第三色覚異常の3つの主要な色覚異常のタイプに対する視認性と明瞭性に基づいて用意しています。これらのオプションは、プレイヤーが実際に試して、HUDの要素やテキストの明快さや視認性を高めるのに役立つと感じた場合に使用してもらえるように追加しました。収集アイテムのビームの色についても同様に、選択肢を用意しています。

また、私たちはテキストをカスタマイズする際に、複数のオプションを提供したいと考えました。サイズ、色、言語、話者名の追加、背景の不透明度などは、すべて字幕を読みやすくするために用意しています。すべての変更はオプションメニューでプレビューできるので、ゲーム画面に戻って変更内容を確認する必要はありません。


Returnal(リターナル)

・発売元:ソニー・インタラクティブエンタテインメント
・フォーマット:PlayStation 5
・ジャンル:ローグライクTPS
・発売日:好評発売中
・価格:パッケージ版 希望小売価格 8,690円(税込)
    ダウンロード版 通常版 販売価格 8,690円(税込)
    ダウンロード版 デジタルデラックス版 販売価格 9,790円(税込)
・CERO:C(15才以上対象)


PS.Blogの『Returnal』記事はこちら

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