※本記事は英語版PlayStation®.Blogの日本語翻訳記事です。
昨年の「N7 Day」に『Mass Effect™ Legendary Edition』を発表し、今年の初めに内容を初公開してからというもの、皆さんから寄せられる情熱と期待に満ちた声に感動を覚えています。そこで今回は、このリマスターの内容をもう少し詳しくお伝えするとともに、ゲームプレイやバランスの調整などの最新情報をお届けします。
以下は、今回ご紹介する変更点の概要です:
● 戦闘の調整(『Mass Effect』)
● ゲームプレイの改善(3部作すべて)
● 「Mako」について(『Mass Effect』)
● 3部作の統一とアップデート(3部作すべて)
● 銀河戦争のバランスの再調性(『Mass Effect 3』)
戦闘の調整
「Mass Effect」シリーズの戦闘は、シリーズを重ねるごとに進化し続け、作品ごとに異なる体験を生み出してきました。リマスターするにあたっては、全体的なエクスペリエンスの向上を目指す一方で、それぞれのタイトルに詰まったファンの皆さんの思い出を不必要に変えることは避けたいと考えました――ここで私たちは、ユニークな”壁”にぶつかることになりました。というのも1作目のゲームプレイや戦闘は、2作目や3作目と大きく異なっているのです。1作目の『Mass Effect』は、サイコロのランダム性や、紙とペンで行うステータス構築といった、伝統的なRPGの仕組みに大きな影響を受けています。その結果、『Mass Effect』の武器は、『Mass Effect 2』や『Mass Effect 3』の銃器に比べて、精密性や信頼性に欠けると感じられる場面が多かったのです。
また、アサルトライフルを数発撃つと、いきなりレティクル(スコープの照準)が画面の大部分にまで拡大してしまうのはストレスがたまるという意見が絶えず寄せられていました。そこで、オリジナルの精神を完全に損なわない範囲で、より良い操作性を実現するためにシステムの調整を実施しています。
1作目『Mass Effect』では、精密性(レティクルの広がりや武器の揺れなど)をすべての武器で調整することで、プレイヤーは弾数とオーバーヒートメーターを管理さえすれば、安定した火力を維持できるようになりました。また、スコープでエイムする際のカメラビューを改良して、(2作目、3作目と同様に)スコープのエイムがより正確になるように、戦闘中の照準をタイトにしました。、また、エイムアシストを改良することでさらに精度を高めました。これらの細かな調整により、、戦闘体験がよりスムーズになり、プレイヤーの手により多くのコントロールが委ねられています。
さらに、1作目のアビリティのバランスを再調整しました。たとえば、「イミュニティ」というアビリティには、無限に続く少量のバフの代わりに、短時間発生する強力な防御の増加効果を付与しています。
以下のリストは、1作目『Mass Effect』を2作目と3作目のゲームプレイへと近づけるために行った変更の概要です:
● 主人公「シェパード」が戦闘以外の場面でもダッシュ可能に
● 近接攻撃をボタンに割り当てたことで、敵との距離によって自動で発生するのではなく、ボタンを押して攻撃するように変更
● 武器の精度とハンドリングを大幅に改善
○ レティクルの拡大を控えめに変更
○ スナイパーライフルのエイム中の揺れを除去
○ エイムダウンサイト/「正確に照準を合わせる」のカメラを改良
○ 目標捕捉のためのエイムアシストの向上
● 『Mass Effect』の関連するすべての敵がヘッドショットダメージを受けるように変更
○ これまでは人型の敵を含む一部でしか、このダメージを受けなかった
● 弾薬関連のモジュール(対生物、対機械生命体など)がゲーム全編を通してドロップするように修正
○ これまでは、プレイヤーのレベルが一定値を超えるとドロップしなかった。
○ 商人からも購入できるように変更
● 全クラスで、すべての武器をペナルティなしで装備できるように変更
○ しかしスペシャライゼーション(特定の武器を強化、またはアップグレードする機能)は、これまで通りクラスに依存
● 武器がクールダウンするまでの時間を大幅に短縮
● メディ ジェル(回復アイテム)の改善
○ 基本クールダウンを短縮
○ レベルアップのボーナスが増加
○ リアラのクールダウンに対するボーナスが増加
● インベントリーの管理機能が向上
○ アイテムを「ジャンク」(不用品)としてマークすることが可能に
○ ジャンクアイテムは、まとめてオムニ ジェルに変換するか承認に売却することができます
○ インベントリーとストアにアイテムをソートできる機能を追加
● 一部のアビリティを再調整
● 武器の能力(武器のタイプ別のスキルツリーでアンロック可能)を改良
○ 効果、強さが増加(場合によっては持続時間が短くなる)
○ パワー使用時に熱(オーバーヒートや命中力の低下)がリセットされるように変更
その他のゲームプレイの改善
戦闘面では銃を使ったプレイだけでなく、敵やエンカウント(敵との遭遇)、戦闘方法などにも明確な変更を加えています。1作目を2作目や3作目に近づける方法を見出すと共に、3部作全体で使われているシステムに一部調整を加えることにしました。
新規プレイヤーにネタバレしないように例を挙げるとすると、私たちは「ノヴェリア」のボス戦を改善しました。ボスの部屋には僅かな手直しを加えていて、かつての感覚を残しつつ、窮屈さが軽減されています。また、バイオテック能力に振り回される可能性が低減しています。
その他にも、戦闘に関するアップデートを実施しています:
● 1作目の『Mass Effect』で、後の2作と同じように各隊員に個別の指示をできるように変更
● 1作目のボスや一部の敵との戦闘を、やりがいのある難易度を残しつつプレイヤーにとって理不尽でないものに調整
● 3部作を通して遮蔽物を改善
○ いくつかの戦闘に遮蔽物を追加
○ 遮蔽物に隠れる動作や、遮蔽物から出る動作がより安定するように変更
● 1作目の経験値のバランスを調整
● 『Mass Effect 2』における弾薬のドロップ率のバランスを再調整
戦闘には経験値がつきものです。1作目では、特にゲームの終盤に向けて、経験値を安定して得られるようにバランス調整をしています。これによりゲーム内のほとんどの要素をクリアしたプレイヤーは、経験値を上げるために2周目をプレイしなくても、1周目でより確実に高いレベルに到達できるようになりました。さらに、1週目のレベル上限を排除しました。
銃を使ったプレイに関連する最後の変更点として、『Mass Effect 2』の弾薬に手を加えました。オリジナル版では弾薬のドロップ率が低すぎたため、『Mass Effect 2』では弾薬のドロップ率を上昇させています。特にスナイパーライフルの弾はドロップ率が低かっため、スナイパーライフル使用時のドロップ率を上げました。
Makoについて
もちろん(悪)名高い「M-35 Mako」の話は、避けて通れません。1作目の『Mass Effect』に登場するこの伝説的な車両は、これまで以上のパフォーマンスが発揮できるように”改造”されています。オリジナルのMakoは物理的に軽すぎたため、跳ねてしまい制御不能になることがありました。今回は、変わらない”愛すべき”存在であることはそのままに、よりスムーズな乗り心地にアップデートしています。(今回も好きなだけ崖から走り“下り(落ち)”てみてください)。
機能面でもシールドのリチャージが高速化されたほか、後部に新たなスラスターを追加しています。これにより、垂直に近い崖を登りたい時に、スピードブーストを使用できるようになりました! ブーストのリチャージは、車体下部のジャンプジェットとは独立しているので、両方を同時に、または別々に使用することもできます。
”改造”したMako要素はこちらです:
● ハンドリングを改善
○ 物理的な調整によりMakoを重くしたことで、滑りを低減
● カメラコントロールの改善
○ Makoが低い角度では正確に狙えない問題を解決
● シールドのリチャージをより速くする変更
● スピードブーストのために新たなスラスターを追加
○ ジャンプジェットと独立したクールダウンを持つ
● Makoに乗っているときの経験値のペナルティを削除
● 溶岩に触れても即座に”ミッション失敗”にならず、時間経過とともにダメージを受けるように変更
3部作の統一とアップデート
『Mass Effect™ Legendary Edition』の目標は、3部作を調整することで、タイトルごとに一貫性を持たせつつ、それぞれの特徴を尊重することでした。
たとえばキャラクタークリエイトでは、シェパードのカスタマイズオプションを統一して、肌色や髪型などの新しいオプションを追加しました。キャラクタークリエイトのコード(下記画像の左下)を利用すると、どのタイトルでも全く同じカスタマイズを再現することができます。つまりシェパードは、3部作で一貫した外見を持つことも、各タイトルの開始時に外見を変更することもできます。さらに、キャラクタークリエイトのテクスチャーや髪のモデリングが更新されたことで、カスタマイズオプションやキャラクターの外見も改善されています。
またダークホースコミックスのコミック「Mass Effect: Genesis」を『Mass Effect 2』と『Mass Effect 3』の前にベースのオプションとして追加することで、プレイヤーはどこから始めても前作の選択肢を選ぶことができます。
もちろん、『Mass Effect™ Legendary Edition』には、その他のさまざまな追加機能も搭載されています:
● 3部作で統一された新しいランチャー
○ 3部作すべての字幕や言語の設定がここで変更可能
○ セーブデータはタイトルごとに独立していて、それぞれ別に管理すること可能
● アップデートされたキャラクタークリエイトオプション
○ 『Mass Effect 3』の女性シェパードを、3部作の新しいデフォルトの女性オプションとして採用(オリジナルの女性シェパードのデザインは、プリセットオプションとして利用可能)。
● 3部作のトロフィーをアップデート
○ 新たなトロフィーの追加
○ 一部の進行状況が3部作全体で引き継がれる仕様を追加(例:3部作全体で敵を250体倒す)
● トロフィーがまとめられ、不要なものを削除
○ トロフィーの目標、説明、名前を更新
● 武器と防具のDLCパックを統合
○ 武器と防具のDLCパックは、最初からすぐにアンロックできるのではなく、ゲームの進行に応じて、商人から購入するか、探索により入手できるようになり、ゲームプレイに自然に組み込まれるようになりました。これにより、『Mass Effect 2』と『Mass Effect 3』の全体的なバランスと進行性が確保されます
○ 「Recon Hood」(『Mass Effect 2』)と「Cerberus Ajax Armor」(『Mass Effect 3』)は各ゲームの開始時に入手可能
● 追加されたゲームプレイおよび、快適性の向上
○ 3部作を通して音声をリミックスし、強化
○ オリジナルに存在した何百ものバグを修正
銀河戦争のバランス調性
プレイヤーはシェパード少佐として、リーパーを倒して銀河系を滅亡から救うという、非常に困難な任務を与えられています。『Mass Effect 3』は、銀河系が統一される際にヤマ場を迎えるのですが、誰がプレイヤーの味方に付くかは3部作を通してのプレイヤーの選択に左右されます。銀河戦争により、プレイヤーはリーパー戦争の中心として、ノルマンディーの戦闘指揮所からその行方を見守ることになりますが、『Mass Effect™ Legendary Edition』ではそのバランスが見直されています。たとえば、マルチプレイヤーや『Mass Effect 3』のかつてのコンパニオンアプリのような、コレクションに含まれていない外部要因の影響を受けなくなりました。ただし、だからといってリーパーを倒すのが容易になるとは限りません。
3部作を通してより多くのコンテンツをクリアすればするほど、クライマックスでの戦いに備えることができるようになっています。『Mass Effect 3』だけをプレイする場合、銀河系の大規模な損失を避けるエンディングを迎えるためには、ゲーム内に用意されているほぼすべてのコンテンツをクリアしなければなりません。前2作をプレイして進行状況を引き継ぐことが、リーパー戦争でより良い結末を迎えるための最も確実な方法なのです。ちなみに、オリジナル版の『Mass Effect 3』をDLC「Extended Cut」と一緒にプレイするのよりも、『Mass Effect™ Legendary Edition』で最後の戦いに完全に備えることの方がより困難になっています。なお、「Extended Cut」のエンディングは、『Mass Effect™ Legendary Edition』のデフォルトエンディングとなっています。
しかし、オリジナル『Mass Effect 2』のパラゴン/レネゲイドシステムに見られた大きなバグを修正して、バックエンドを改善したことにより、銀河系軍の準備は少し楽になってます。私たちは、正確な名声スタッツの表示を妨げ、特定のダイアログオプションが選択できなかった問題を解決しました。これにより、『Mass Effect 2』では達成が困難だった(『Mass Effect 3』にも影響を与えていた)重要な場面をより確実にクリアできるようになり、ストーリーの最終局面でより良い結果をもたらすことができるようになっています。
「Mass Effect」シリーズのルーツ、つまり25周年を迎えた私たちのルーツに戻ることは、非常にノスタルジックで感動的な体験でした。これは『Mass Effect™ Legendary Edition』をプレイすることで、皆さんにも共感していただけると思います。私たちは、オリジナル3部作を今でもプレイしたいという、多くの方の声を聞いてきました――中にはプレイしたことのない方もいれば、”もう一度 ”(多すぎて数える必要はありませんよね)プレイしたいという方もたくさんいます!
すべてが始まった場所に戻り、メンバーが10年以上も前の作品を再訪することは、少し現実離れした感覚もありましたが、正しいことだとも感じていました――これは長年応援していただいたファンの皆さんへの感謝を伝える、パッションのプロジェクトです(また、次の作品までの日々を過ごす一助になるかもしれませんね!)。ビジュアル面での変更点を含め、まだまだお伝えしたいことはありますので、ぜひお楽しみに! また、本作は皆さんのおかげで実現した作品です――皆さんの想いに深く感謝しています。
「Mass Effect」チーム一同より、
少佐殿、グッドラック!
©2021 Electronic Arts Inc.
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