PS5™『Demon’s Souls』のアクションに命を吹き込む、モーションキャプチャーの制作秘話を公開!

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PS5™『Demon’s Souls』のアクションに命を吹き込む、モーションキャプチャーの制作秘話を公開!

※本記事は英語版PlayStation®.Blogの日本語翻訳記事です。

私にとってモーションキャプチャーの経験は、PS5™『Demon’s Souls』が初めてではありません。世界でもトップクラスに有名なゲームのモーションキャプチャーや、スタントコーディネーターを過去に経験していた私は、『Demon’s Souls』の収録スタジオに堂々と入っていきました。言うなれば自分は”モーションキャプチャー道”の黒帯で、何でもできると思っていたのです。 しかし、すぐさま『Demon’s Souls』は一筋縄ではいかないことを思い知らされました――20年来のスタントマンが再び動作というものを学ぶこととなったのです。

クリエイティブディレクターのギャビン・ムーアとアニメーションディレクターのクリス・トーレスは、オリジナルの感触を正確にリメイクに引き継ぎつつ、ゲームプレイの中核に忠実でありながらも、それを革新的な方法で拡張することを任されていました。『Demon’s Souls』のオリジナルアニメーションは、すべてモーションキャプチャーで制作しなければいけなかったため、私は1年半にわたって、ふたりのインスピレーションの源という役割も担うこととなりました。

『Demon’s Souls』の戦闘システムをモーションキャプチャーすることは、非常に精密な作業でした。ゲーム内の攻撃、移動、回避、そして「致命の一撃」は、オリジナルに忠実かつ操作感がよく、視覚的にも優れていなければなりません。動きが早すぎると、弧やシルエットがはっきりせず、また遅すぎると、重量感や慣性が失われてしまいます。ギャビンはその動きの意図とテクニックを指示し、クリスはタイミングがオリジナルに正確に合っているか確認をしていました。

キャラクターの移動は、20種類の武器クラスごとに、歩行、走行、ダッシュ、回転、スタート、ストップ、ターン、横移動など、すべてメトロノームに合わせて撮影しなければなりませんでした。私たちは、これらの動きを組み合わせて複雑なパターンを作り、それを”ダンスカード”と呼びました。クリスの提案で、午前中はウォーミングアップを兼ねて歩行の撮影をして、その後ダッシュを撮影し、午後私が疲れ始めると、所持重量オーバーした主人公の動きを撮影することにしました。最初のダンスカードを制作するのには丸一日かかりましたが、徐々にコツを掴み最終的には、70分でひとつ完成させられるようになっていました。

戦闘アニメーションには順に、開始ポーズ、予備動作、攻撃、復帰、終了ポーズの5段階の動作が含まれています。“予備動作”は、他のプレイヤーが動きを予想できるように、攻撃と合わせる必要があり、復帰は軽い攻撃の場合は短く、重い攻撃の場合は長くします。また日本のゲーム作りの“魂”(ソウル)を持つ『Demon’s Souls』の動きは、ポーズが多いのが特徴です。ここではギャビンから、個性を出した、乱暴な攻撃をすることに注力するのではなく、個性を抑えて、終了ポーズを意識するように指示を受けていました。

ギャビンとクリスは、武器の重さがプレイヤーに伝わることに強くこだわり、ときには撮影の小道具として、実際に重い武器を持つこともありました。

また私たちは、NPCやカットシーンのモーションキャプチャーも担当していました。PlayStation®5向けにリメイクされたビジュアルと雰囲気では、これまでとはまったく異なるパフォーマンスが求められます。クリスは地面の反射や天候の効果、葉の表情などで世界を彩り、ギャビンは”遠くの教会の鐘の音”や”近くの淀んだ堀の悪臭”など、演技上の注記で世界に命を吹き込みますが、それらにどう反応するべきなのかは、パフォーマーを信じて一切助言しませんでした。モーションキャプチャーのパフォーマーは、白い部屋の中で赤外線カメラに囲まれ、シーンに入り込むことが仕事です。このように、パフォーマーを信頼した演出こそが、“モーキャプパフォーマー”に必要なものなのです。

『Demon’s Souls』のスタントコーディネーターとしての役割は、オープニングムービーのコーディネートでした。これには、主役が8体の敵を次々と倒す、途切れのないシーンがあり、ハリウッドのトップクラスのスタントマンを起用して、ふたつの異なる設定で撮影に挑みました。ここでもギャビンとクリスは、ゲームのダークな雰囲気が演技でも確実に感じられるようにこだわり抜いていました。

リメイクされた『Demon’s Souls』では、新たな「致命の一撃」がいくつか追加されています。これは、敵の正面または背後から実行することができる攻撃で、ゲーム内の武器セットごとに異なるモーションが楽しめます。これらを追加するにあたって、私たちは女性主人公のムーブセットを担当していたマギー・マクドナルドの協力を得て、何十もの致命の一撃を協力して行ないました。ここでは、動きの重さと強さを最大限に引き出し、ゲーム内で気持ちのいい最後の一撃を与えられることを目標に取り組みました。

『Demon’s Souls』のような細部にまでこだわったアニメーションを実現するには、熟練したプロによるモーションキャプチャーが不可欠ですが、それは全体の一部にしか過ぎません。またスタントパフォーマーとして、幸運にもこのようなプロジェクトに携わり、アクションの目が肥えた監督やアニメーターと仕事をすることで、新しい動作を学ぶことができます。『Demon’s Souls』で新しい動作を学び、歌舞伎など何世紀にもわたって進化してきたポーズやシルエットを重視した日本のアクションやアニメーションの良さを再認識することができたことは、私にとって非常に嬉しい体験でした。『Demon’s Souls』で動作を学ぶことで、”動作”を全く新しい視点で見て、そして理解するという良い経験ができました。

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Demon’s Souls

・発売元:ソニー・インタラクティブエンタテインメント
・フォーマット:PlayStation 5
・ジャンル:アクションRPG
・発売日:好評発売中
・価格:パッケージ版 希望小売価格 8,690円(税込)
    ダウンロード版 通常版 販売価格 8,690円(税込)
    ダウンロード版 デジタルデラックスエディション 販売価格 10,890円(税込)
・プレイ人数:1人(オンライン時:最大6人)
・CERO:D(17才以上対象)


PS.Blogの『Demon’s Souls』記事はこちら


『Demon’s Souls』公式サイトはこちら

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