※本記事は英語版PlayStation®.Blogの日本語翻訳記事です。
ロビン・フッド伝説は、決してひとりの伝説ではありません。長年にわたり、数々の実在する人物や架空の人物が、その伝説に貢献してきたのです。どんな素晴らしい物語でもそうであるように、この伝説はさまざまな聴衆や政治的動機に都合が良いように、調整され、誇張されてきました。
そこで私たちは、基本に戻ろうと考えました。初期の物語を調べてみるとロビン・フッドは、躊躇なく盗みと殺害を繰り返す、残忍な無法者でした。弱きを助ける英雄となったのは、ずっと後のことなのです。
そこでもし、HBOがロビン・フッドを「ゲーム・オブ・スローンズ」風に作ったらどうなるのだろうという疑問が湧いてきました。ただドラゴンの戦いというよりは、シーズン6エピソード9「落とし子の戦い」のような感じです……。
『Hood: Outlaws & Legends』では、新しい聴衆であるプレイヤーの皆さんと、私たち自身の目的のため、伝説に再び手を加えています。確固たる人物像が存在しない、パッチワークのようなロビン・フッドの原点は、マルチプレイヤーゲームを作る土台として、完璧だと感じたのです。
ロビン・フッドはひとりの人間ではありません――それはアイデアであり、シンボルです。いうなれば、ブラックパンサーやバーソロミュー・ロバーツと同じ、伝説を維持するべく引き継がれていった役目なのです。
私たちは、後継者のいない現役のロビン・フッドが突然死んでしまうとどうなるのか、自分たちに問いました。誰がその空白を埋めるのでしょうか? 1980年代の英国ドラマ「Robin of Sherwood」シリーズを見た方であれば、ご存じと思いますが、ロビン・フッドの後継者としてふたりの有力候補が存在します――「Robin of Loxley」、そして「Robin of Huntingdon」です。
そこで私たちは、人々から本物の”ロビン・フッド”として認められることを望み、大胆な強盗の腕を競い合っている無法者のギャング2組を生み出しました。
無法者
大衆が抑圧されている世界では、無法者はヒーローになることができます。しかし私たちの無法者は、完全に利他的というわけではありません。それぞれが社会からのはぐれものであり、権利を剥奪され、敬遠され、勘当された者たちなのです。無法者には、人としての権利はなく、目の前で殺されてもおかしくありません。そして、それぞれが「State」に復讐する理由を持っています。金持ちへの復讐のために、金持ちから盗むのです。
『Hood: Outlaws & Legends』に登場する他のプレイアブルキャラクターは、ロビン・フッド同様、伝説から利用できるものを取り出し、ゲームプレイのニーズに合わせてデザインしています。
スキルを組み合わせて大胆な強盗を成功させることができる、多様なチームが必要だったのです。
ロビン・フッドはもちろん遠距離攻撃に長けたレンジャーです。影に隠れ、高い窓際に位置取り、遠くからチームをサポートします。またロングボウでターゲットを狙い撃ち、抹消することも得意分野です。彼の矢の能力は、集団に壊滅的なダメージを与え、恐ろしい「Sheriff」をダウンさせることさえも可能です(少なくともしばらくの間は……)。
リトル・ジョンは、ブロウラー、近接戦闘のスペシャリスト、そして攻撃を受けるタンク役として「John Nailer」に生まれ変わりました。Johnの恐ろしいハンマーは、一撃で敵を殺め、「Wrath」アビリティはJohnを無限のスタミナを持った、止まることのない怪人へと変貌させます。 Johnはチームが窮地に陥り、希望が失われてしまった時にその状況をぶち破り、チームの脱出ルートを開くことができる唯一の存在です。
タック修道士は、傷を負った元「State inquisitor」の「Tooke」として創造し直しました。Tookeのフレイルは近・中距離の戦闘に強く、神秘的な能力でチームの回復や、サポート、そして近くの敵の位置を明らかにすることも可能です。
乙女マリアンは、いくつかの伝記にも載っているように、苦難の乙女から戦士、そしてリーダーとなっています。マリアンのバーストファイアクロスボウと暗殺スキルは敵を恐怖に陥れ、発煙手榴弾とステルス能力は、どんな強盗にも有利に働きます。
「The State」と広大な世界
本作では意図的に、特定の時代と、現実世界に実在する場所を再現しないようにしています。その結果、歴史的、そして地理的な忠実性に縛られずに、私たちが望むゲームプレイを自由に創造することができたのです。
敵は「The State」と呼ばれる名のない権力で、強盗の際に両チームに対抗するAIの警備員とSheriffがこれに当たります。実在した歴史的な派閥などではなく、腐敗した権力と権威を表していて、権力で意志を大衆に押し付ける存在です。The Stateの建物には、権力が誇張して投影されており、当時の建物よりもはるかに大きいサイズは、ゲームプレイをより楽しくする工夫のひとつです。
実際“楽しさを追求する”ことは、開発を通して意識してきた信念です。武器や防具については、他の文化や近い時代のものを真似してみたり、マリアンのトリプルクロスボウのようにカッコいいものを一から作り上げてみたりと、忠実性の観点では、おおざっぱに取り組んできました。
マップと環境は、またしても見た目重視でゲームプレイに最適なものを選びました。巨大な要塞や、イギリスでは簡単に見つからない雪山などを取り入れています。ただし、ロビン・フッドの伝説を実感したいプレイヤーのためにバーンズデール前哨地やフォーンティンデールなども用意しています。
まとめ
『Hood: Outlaws & Legends』では、古い世界の神話や迷信が人為的な力や腐敗と衝突した伝統的な伝説を、暗く残忍なものとして再現したいと考えています。また、マルチプレイヤークライムジャンルに、新しくフレッシュなひねりを加えたいと思っています。
本作では、ロビン・フッドが誰であるのか説明したり、ひとりの人物としてのストーリーを設定していないため、ある意味一番伝承に忠実な作品なのかもしれません。つまり、私たちは史実、あるいは歴史的フィクションさえも語る気がないということです。これはただ、伝説についての物語なのです。
※本記事で紹介しているトレーラーは英語版となります。
『Hood: Outlaws & Legends』はPlayStation®5とPlayStation®4で2021年5月10日(月)に発売。予約すると、予約特典および、発売3日前の5月7日(金)からから遊ぶことができる「アーリーアクセス」を入手できます。
※販売するタイトルは国・地域によって異なる場合があります。
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