『Ghost of Tsushima』のコンセプトアートを一挙公開! キャラクター、風景、建造物など、サッカーパンチが制作秘話を語る!

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『Ghost of Tsushima』のコンセプトアートを一挙公開! キャラクター、風景、建造物など、サッカーパンチが制作秘話を語る!

※本記事は英語版PlayStation®.Blogの日本語翻訳記事です。

こんにちは、サッカーパンチ・プロダクションズでリードコンセプトアーティストを務めているイアン・ジュン・ウェイ・チュウです。本日は『Ghost of Tsushima』に開発当初から携わった私が、本作のコンセプトアートとその制作についてご紹介します。

『Ghost of Tsushima』は鎌倉時代の日本を舞台としているため、アメリカのシアトルにスタジオを構える私たちにとって、制作にあたり多くの課題もありましたが、同時に新たなビジュアルデザインを探求する、大変興味深い機会になりました。

本作の物語の主なインスピレーションの源は、蒙古襲来(いわゆる「元寇」)のうち、1274年に起こった「文永の役」です。主人公の境井仁は戦に敗れるも生き残り、故郷を守るために絶望的な状況に立ち向かっていきます。このあらすじがプレイヤーの体験する物語の核であり、スタジオの全員にとっての制作の指針となりました。制作にあたって、私たちはまず、鎌倉時代、日本文化、古い時代劇の映画、対馬への侵攻について、できるだけ多くの研究やコンテンツに触れることから始め、それがキャラクター、衣装、風景、建築などの最終的なデザインに繋がりました。収集した資料の多くは博物館の展示品や、対馬と日本本土で取材したスタジオのチームが撮影したものです。

キャラクター

キャラクターの参考資料を集めるのには、膨大な時間を費やしました。時代劇映画はもちろん、オンラインでアクセスできる書籍や資料、博物館での展示品の撮影などから、複雑に作られた侍の甲冑や豪華な鎧から粗末な盗賊の鎧までさまざまな鎧の資料を集めました。

たいていの場合、キャラクターのコンセプトは出演者のキャスティングよりずっと前に固めておきます。その上でキャラクターの大まかな雰囲気や役回りの情報を事前に導入しつつも、そのキャラクターの性格に合った特徴のある役者を選定するという手法をとっています。この事前の準備がキャスティングをする際に役立ちます。キャスティングが完了すると、今度はその顔に衣装のデザインを合わせていく作業に移りますが、そこから出演者が自らの感覚でキャラクターの個性やニュアンスを捉えて反映させるという重要な工程を経て、キャラクターが磨き上げられていきます。このように、キャラクター制作の全体的なプロセスは、キャラクターの大まかな物語を作り、リサーチして参考資料を集め、簡潔なスケッチを描くという作業を繰り返し、技術的な問題があれば修正を加えていくという形をとっています。

仁と個性豊かな仲間たち

仁のコンセプトアートを作成し始めた初期の段階で、“陰に潜む存在”という憧れを満たしつつも、侍の甲冑やその美しさから発想された外見を備えたキャラクターを作り上げたいと思っていました。歴史上のさまざまな時点でひそかに暗殺を行ってきた者がいたことは確かですが、最初の暗殺者がいつ生まれたのかについての記述は多くはありませんでした。必要に迫られたことで伝統を捨てて新たな存在へと進化していくキャラクターを作りたいと考えていた私たちは、このような新しい戦士の誕生をフィクションの物語として描くことができるのではないかと考えたのです。冥人の鎧については、よくある黒装束の暗殺者らしい出で立ちではなく、侍が身に着ける甲冑の要素を取り入れることで、キャラクターにリアリティを持たせました。誉れ高き侍から、誉れを捨てた冥人へと変わっていく仁の姿は、繊細で複雑な衣装の模様と共に伝統的な鎧の要素を交ぜて作られた冥人の鎧など衣装でも表現されており、中世日本という時代設定からも大きく外れないよう描かれています。

仁が着用する伝統的な侍の衣装については、鎌倉時代や平安時代の大鎧などを参考にしました。威厳を感じさせる衣装のデザインは仁の物語ともマッチしており、冥人の鎧の暗く落ち着いた配色とのコントラストが際立つデザインになっています。仁は一人前の武士として登場し、落武者となり、やがて冥人として生まれ変わります。伝統的な大鎧に見られる、分厚く角張った無骨な具足と、冥人の鎧の軽やかで俊敏さを感じる作りにもコントラストが現れています。

旅の途中で手に入る装束のラインナップも豊富に用意しました。その中でも、流鏑馬をイメージした「忠頼の装束」などは、 “サムライ”への憧れに訴えるため、他の衣装よりも自由に想像力を働かせてデザインしています。他にも、「剣聖の装束」や「旅人の装束」などの布製の衣装は、まるで古い時代劇に登場する一匹狼の浪人になった気分でプレイできるようにデザインされています。また、このゲームでは“風”が大きな役目を持つため、衣装にはマントや房など風をはらむ要素を常に加えるようにしました。これにより、キャラクターと対馬の世界とのつながりをより一層感じることができます。

他のメインキャラクターとサブキャラクターについても、仁と同じ制作プロセスを適用しました。メインキャラクターと同様に、サイドキャラクターもそれぞれこだわり、考え抜いた工夫が施されています。たとえば志村の甲冑に見られる複雑な装飾の模様や、霞がかかったように記憶が薄れていく様を思わせる百合のスカーフや曇(くもり)の模様がその一例です。

コトゥン・ハーンと蒙古勢(元軍)

コトゥン・ハーンは知的で冷酷な敵将です。ハーンのこの性質を、彼の従える恐ろしく威嚇的な軍隊と共にデザインの面でも現して、頑固で規律正しい侍と対照をなすことが重要でした。

ハーンには、ふたつの衣装があります。ひとつは、有機的な模様と美的感覚を感じる伝統的な色調の鎧。そしてもう片方の衣装は、より分厚い鎧に色味を抑えて圧迫感を感じさせる角張った模様が施されています。

元軍は大きく5つの部族で構成されている設定のため、対馬の各地や物語の各段でそれぞれの部族を視覚的にも差別化する必要がありました。強大な部族になるほど、たくさんの鎧や毛皮を着込んでいます。これは、物語を進めていくと敵がどんどん手強くなることを視覚的に表すためなのはもちろん、終盤に近づくにつれて舞台が雪の積もった「上県」へと移っていくので、その地の寒さを考慮したためでもあります。それに加えて、複数の兵種があります。兵種ごとに特徴的なシルエットを持っているため、プレイヤーが遠くからでも敵の種類を見分けることができるのです。たとえば、弓兵は三角形風のシルエットなのに対し、剛兵は分厚い長方形を思わせるシルエットをしているなどといった具合です。

環境

本作の開発で私たちが最優先の目標として掲げたのは、視覚的に驚嘆を与えるゲームを作ることでした。しかし、史実を題材にした作品を作るということは、しばしば、正確さについての正しいバランスを見つけるという難問に直面します。どこまで史実に忠実に表現しどこから崩すのかを常に考える必要があったのです。本作を表すのに“リアルさ”という言葉は使いたくありません。歴史的な事件を題材にしていても、“スタイル”を持った作品を作ることが私たちの目標だったのです。1274年の日本のように感じられる世界を作りたいと考えていましたが、同時に、豊かな表現を優先したかったのです。大胆な色使いや、荒涼とした環境、プレイヤーが遭遇する印象的な状況など、その目標はさまざまな形で現れていると思います。一般的に、ゲームに実装される段階ではコンセプトからトーンダウンしたものになることが多いため、コンセプト段階からテーマや色彩をしっかりと強調することで、製品版のゲームで、よりはっきりとした表現となることを目指しました。

作中の建造物についても、田畑、集落、城などから神社や寺院に至るまで、たくさんのリサーチを行ないました。オンラインで入手できる資料の多くは鎌倉時代より後世のものであり、鎌倉時代についての資料は少なかったため苦労しました。制作中に、JAPAN Studioや、日本文化の専門家の方々のご協力を得られたのは本当に幸運でした。作中の「豊玉」にある建築のスタイルは、他のメディアでもあまり見られないユニークなもので、1274年よりはるか以前に建てられたということで年代を経た古さを感じさせる雰囲気と見た目を出すことができました。

建造物についての明白なルールを設けた後は、それをもとに薬師(くすし)の村である赤島、卯麦谷の菅笠衆の隠れ家、日吉の湯など、さまざまなテーマの地域を制作しました。基本的には、集落のストーリーやテーマを決めてから、それらの要素を取り入れた参考資料やムードボードを作成して、それから全体的な見た目や雰囲気、主人公が直面する試練のコンセプトを練って集落を作り上げていきます。

赤島の村の開発初期段階を例に見てみましょう。私たちは、神秘性を感じさせる“癒し”の村としてこの村を描きたいと考えていました。まず日本古来の伝統的な薬や治療の技術、興味深い田舎の集落や町の資料をたくさん集めて、ブレインストームすることからはじめ、そこからビジュアルレイアウトやコンセプトを練り上げていきました。何世代にもわたって受け継がれてきた教えがありそうな、穏やかで静かでありながらも、不気味さや神秘的な雰囲気も持った村にしたいと思い、そのために、白い像や、一面の壁に貼られた紙、白い石が敷き詰められた路面、鳥かご、霧深い時間帯、村の一部となっている白い水芭蕉など、コンセプトに合った小道具やセットを配置しています。これらすべてが、村全体のミステリアスで白っぽいカラーリングを強調し、他の村とは違った印象的な見た目となっています。

各エリアにどのような植物が生えているか、という点についてはたくさんのアイデアを出すことができました。というのも、ほとんどの場合、純粋にビジュアル効果だけを考えれば良かったからです。対馬全域にわたって、ひとつひとつの地域を印象強いものにするため、コンセプトチームと環境チームが一緒になって、アイデアをブレインストーミングしました。その中には、エリア内の植物群を特徴づけるものをさらに強調して他の要素を減らす作業も含まれます。これにより、自然物をより印象的で記憶に残るものにでき、地域ごとの視覚的な違いを出すことができました。ここでの目標は、現実世界を模倣することではなく、表現力豊かなひとつのアートにすること、でした。

モンゴルの建築様式などの要素は、占領地域で見られ、主に伝統的なゲル、小道具や家具、破壊の跡などで構成されます。特に農場や野営地は、それらモンゴルの要素が多く表現されている場所であり、対馬の民への抑圧と日本の建築や風景への傷跡が感じられるように意図しました。例を挙げるとすれば、踏みつけられ倒れた草、荒らされた田圃、破壊されて廃墟となった家屋などです。ゲーム内でのモンゴルの物品の多くは、対馬の物品とは全く異なり、主に木製の仮設建造物、毛皮や革製の小道具、特徴的な旗などで構成されています。蒙古勢に侵されていない地域と占拠されている地域を見比べると、その違いがよく分かるはずです。

ビジュアルアイデンティティ

初期の開発段階から、実際の伝統のみに則るのではなく、よりモダンでクラシカルなアートスタイルを追求したいと考えていました。初期の草案では、古い時代劇映画のポスター、モダンなものと伝統的なものと両方のグラフィックデザインやパッケージなどが重要なインスピレーションとなりました。私たちは、UI、ロゴ、2Dのカットシーン、さらにはグッズやマーケティング用の素材にもこのデザインを取り入れています。下の画像は、スチールブックの表紙とエンドクレジットに使用することを検討したコンセプトです。

琵琶法師が語る伝承のカットシーンは、本作での作業のなかでも楽しんだ要素のひとつです。ここでは伝統的な墨絵の感覚から離れて、荒々しくアグレッシブなデザインに挑戦しています。柔らかいエッジと薄いインクを減らし、強いコントラスト、硬いエッジ、グラフィック、そして太い筆跡を使用しました。これらの作業は、シナリオと台本を受け取るところから始まり、絵コンテを作成し、各フレームを全てペイントして、最後にアニメーションとポストプロダクション工程へとバトンタッチしています。

最後に……

コンセプトアートは、最初期から始まる開発プロセスの一部に過ぎません。『Ghost of Tsushima』のビジュアルを作り上げるために、様々な部署のアーティストと連携して、ひとつのビジョンを達成するために協力してきました。そのビジョンを実現したのは、3Dキャラクターや環境、テクスチャ、ライティング、テクノロジー、デザイナー、アニメーション、UI、ビジュアルエフェクトチームなどのすべての才能を結集したチームワークの賜物です。

お読みいただきありがとうございました!コンセプトチームが『Ghost of Tsushima』の世界をビジュアルに具現化したプロセスを、皆さんに少しでも楽しんでいただけたようであれば幸いです!


Ghost of Tsushima (ゴースト・オブ・ツシマ)

・発売元:ソニー・インタラクティブエンタテインメント
・フォーマット:PlayStation 4
・ジャンル:オープンワールド時代劇アクションアドベンチャー
・発売日:好評発売中
・価格:パッケージ版 希望小売価格 6,900円+税
    ダウンロード版 通常版 販売価格 7,590円(税込)
    ダウンロード版 デジタルデラックスエディション 販売価格 8,690円(税込)
    ダウンロード版 デジタルデラックスアップグレード(*) 販売価格 1,100円(税込)
・プレイ人数:1人
・CERO:Z(18才以上のみ対象)

*通常版をデジタルデラックスエディションにアップグレードします。

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©2020 Sony Interactive Entertainment LLC.

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2 コメント

  • 本当に最高のゲームです。すべての景色が好きだけど黄金の森が一番好き!

  • 驚く程に欠点の少ない神ゲーでした。(トロコン済み)
    オープンワールドが苦手な自分でも大満足できた素晴らしい代物で、2020年における最高傑作の1つだと思います。

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