童話の世界を旅するような心地よい体験。パズルアドベンチャー『The Last Campfire』プレイレビュー!

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童話の世界を旅するような心地よい体験。パズルアドベンチャー『The Last Campfire』プレイレビュー!

英国発のインディータイトル『The Last Campfire』がPlayStation®4で配信中! 本作は、『No Man’s Sky』を手掛けたことでも知られているHello Gamesによる新作アドベンチャーゲームだ。英語音声・日本語字幕に対応している。

旅人たちの希望の炎を取り戻す物語

本作に登場するのは、故郷へ帰るために旅する”エンバー”と呼ばれる旅人たち。主人公はエンバーのひとりであり、奇妙な生き物や謎の廃墟があふれる美しい世界を旅していく。

旅の道中、主人公は仲間のエンバーたちに出会うが、その中には故郷へ帰る希望や理由を失ってしまった者たちもいる。彼らは”フォーローン”と呼ばれ、色褪せて固まったかのように動かない。フォーローンとなってしまった者たちを助けるには、心の中にあるパズルを解き、希望の炎を解放することが必要だ。心を取り戻したフォーローンはキャンプファイヤーに集まり、希望の炎が大きく燃え上がることで、新しいエリアへの扉が開かれる。

フィールドのギミックとフォーローンの心のパズルを解きながら、この美しい世界で紡がれる物語を楽しもう。

パズルを解くスッキリ感を味わいながら、幻想的で雰囲気たっぷりの世界に浸る!

ここからは、本作を実際にプレイしたレビューを。さまざまなギミックのパズルを解く楽しさや、神秘的な雰囲気にあふれる世界の魅力を紹介しよう。

『The Last Campfire』プレイ動画

童話の世界を旅するような心地よい体験。パズルアドベンチャー『The Last Campfire』プレイレビュー!

ほどよい難易度のギミックを解きまくってサクサク進む!

プレイヤーはエリア内を探索しながらフォーローンを見つけ、彼らの希望の炎を解放。希望を取り戻した仲間たちはキャンプファイヤーの場所に集まり、一定の人数に達すると次のエリアに進めるようになる。探索中はフィールドギミックを解いて道を切り拓き、またフォーローンの心の中でもパズルに挑む。つまり、本作のゲームプレイでは、さまざまなパズルを解くことが”遊び”のベースになっているわけだ。

フォーローンの心のパズルでは、ギミックを使って足場を整え、希望の炎までたどり着けばゴールとなる。岩を転がして移動させたり、オブジェクトを運んでスイッチの上に置いたり、たいまつの火でツタを焼き払ったり。あるいは中盤で手に入る「ランタンホルン」で、大きなオブジェクトや地形そのものを動かすなど、じつに多彩なギミックが登場する。

ただ、プレイした実感として、難しくて何十分も頭を悩ませるようなパズルはほとんどなかった。どのギミックも少し試せば使い方が直感的にわかり、鋭い反射神経が求められるようなアクション要素もない。それぞれのパズルの規模もコンパクトだ。どちらかといえば、あちこち歩き回り、キーアイテムが必要となるフィールドギミックのほうが手こずるかもしれない。

もちろん、ほどよい難易度とはいえパズルを解いたときはスッキリ爽快。ちょっと悩んで、ひらめいて。頭脳明晰になったような気分を手軽に味わえるのが楽しいところだ。

仲間のために奔走する健気なエンバーに心打たれる。希望と切なさを語りかけてくる良質なストーリー

パズルを解いていくのは楽しい。しかし、最も魅力を感じたのは、キャラクターやストーリーを含めた世界観だ。じつは本作には通常のモードとは別に、ほとんどのパズル要素を取り除いて探索に集中できる「探索モード」が用意されている。このことからも、開発スタッフがいかに世界観にこだわっているかがわかるだろう。

まず、主人公のエンバーがとにかくかわいい。着ぐるみをスッポリかぶったような格好で、トコトコと歩く仕草もたまらない(×ボタンでダッシュできるが、スピードがそれほど変わらないのもまたよし)。どんな顔をしているのかわからなくても、ちょっとした目の変化や仲間を気遣う動きから、彼の優しさが伝わってくるというものだ。

そして自分自身が仲間とはぐれて迷子になっているのに、「みんなを助けたい」と奔走する姿はとても健気。巨大な体の「森の王」に希望を持つことを否定され、その迫力に屈しながらも、こっそりと助けてまわる。この物語では主人公の行動を通して、希望の大切さを訴えているのだ。しかし同時に、全員の希望を取り戻すことができないという切なさもはらんでいる。

また、エンバー族以外のキャラクターも、奇妙でありながら味がある。友であるカエルに釣りの腕でかなわないことに引け目を感じている孤独な漁師、テレビやガイコツまで食べてしまう貪欲なブタ、高みを目指すあまり思考を止めてしまったカメの料理人……。誰もが弱みを持っているが、主人公と触れ合うことで希望の炎が灯っていく。

この世界では、旅を続けるうちに疲れて傷つき、やがて希望を失って歩みを止めたフォーローンになってしまうという。ある者は誰かの助けを得て希望の炎を再び灯すが、ある者は差しのべられた手を握り返すことなく留まり続ける。まるで人生そのものだ、そう感じずにはいられない。

なお本作は、ストーリーもキャラクターのセリフも、ひとりのナレーションによって語られる。美しく幻想的に描かれるグラフィックと相まって、童話絵本を読み聞かせられ、その世界に入り込んだような感覚にもなってくる。パズルを解く楽しさだけでなく、キャラクターのかわいらしさだけでもない。心に訴えかけてくるストーリーを、ぜひ体験してほしい。


The Last Campfire

・発売元:Hello Games
・フォーマット:PlayStation 4
・ジャンル:アドベンチャー
・配信日:好評配信中
・価格:ダウンロード版 販売価格 1,430円(税込)
・プレイ人数:1人
・CERO:A(全年齢対象)

※ダウンロード専用タイトル


PS.Blogの『The Last Campfire』記事はこちら


『The Last Campfire』公式サイトはこちら(海外サイト)

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