EDITOR’S CHOICE:『The Last of Us Part II』とは何だったのか? 心を揺さぶられた北米PSブログ担当がガチレビュー

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EDITOR’S CHOICE:『The Last of Us Part II』とは何だったのか? 心を揺さぶられた北米PSブログ担当がガチレビュー

感情を揺さぶる物語と技術的なこだわりの極致。これぞサバイバルアクションの最高峰

※本記事はUS版PlayStation®.Blogの日本語翻訳記事です。

PlayStation®.Blogスタッフが、最新作や話題のタイトルの中から厳選した「今、注目すべきタイトル」を紹介する『EDITOR’S CHOICE』! 今回は、世界中で絶賛された人気作『The Last of Us』の待望の続編、『The Last of Us Part II』を紹介します。

『The Last of Us Part II』 (日本語版)ストーリートレーラー

EDITOR’S CHOICE:『The Last of Us Part II』とは何だったのか? 心を揺さぶられた北米PSブログ担当がガチレビュー

※本映像には過激な表現が含まれます。視聴にはご注意ください。

ノーティードッグによる待望の続編が発売されて約一ヵ月。ゲームをクリアし、心をえぐられる出来事の数々を整理できた頃でしょうか。本記事は『The Last of Us Part II』の重大なネタバレを含むため、まだ本作をクリアしてクレジットロールを見ていないという方は、クリアしてから読まれることをオススメします。

ノーティードッグの言葉通り、2013年発売の前作『The Last of Us』のテーマが「愛」ならば、本作のテーマは「憎しみ」についての研究といえるでしょう。それは同時に、「怒り」「復讐」「暴力の連鎖」といったテーマも含みます。本作ディレクターのニール・ドラックマンはアートブック『The Art of The Last of Us Part II』の序文でこう尋ねています。「愛する人のために正義を行うとき、あなたはどこまでできますか? その経験はあなたをどう変えますか? それによってどのような影響を受けますか?」

この問いへのノーティードッグの回答は、不快であると同時に魅力的なものでした。また、不快なほど、極めて、なじみのあるものでした。本作の舞台は、現代文明が壊滅したもうひとつのアメリカ。そのような状況で、登場人物たちは極限にまで追い込まれます。ですが、彼らの動機と反応はどこかリアルに感じられ、共感しやすい。敵対する登場人物の視点を受け入れ難く感じるのも、非常にリアルです。この感覚こそが、予想外の二本立てストーリーを際立たせています。

突然始まるアビーの物語が短いエピソードではなく、本編の第二章であると気づき始めたときは辛いものがありました。しかし、少なくとも私は、アビーの章を終えたときにノーティードッグの狙いが見事に達成されていると感じることができました。エリーの物語と同じくらいアビーの物語にも感情移入してしまっていたのです。そして、今度は恐れ――心が釘付けになりました――ふたりの最後の対決はどう決着するのかに。

サウンドトラックは、アクションを盛り上げたり、あるシーンではキャラクターの身体の動きとシンクロしたり、80年代のクラシックポップを感動的に演奏したりと、全体を通して素晴らしいものとなっています。

劇場でのヒリつく戦いや、最後の浜辺での必死の決闘シーンには、葛藤を感じずにはいられませんでした。皆さんのなかには最後までエリーに感情移入してストーリーを進めた人もいるかもしれないし、気付くとアビー寄りになっていた人もいるかもしれません。この件に関して、少なくとも私のまわりでは、まごうことなき「夏の超大作」で直面させられるとは思いもしなかったテーマについて、深く真摯な議論が起こりました。本作が人の心をかき乱す作品であることは確かです。しかし、間違いなく重要な作品でもあります。

これほどまでに本作に感情移入したのには、これまで見てきたゲームの登場人物でも最も印象深く、リアルなレンダリングが一役買っていることは間違いありません。

プレイ中に、私は何度もフォトモードを起動して人物の表情にズームしました。オーウェンを追うアビーが見せる静かな自省の表情。生き残りをかけて再び戦ったエリーの日焼けした顔に浮かぶ明らかな興奮と消耗。登場人物の目を見ただけで彼らの心の動きをこれほどまでに感じられるゲームは初めてでした。モデルギャラリーからエリーとアビーの冒頭のモデルとエンディング間際のモデルとを比べてみてください。増えたのは傷だけでないことがわかります。対をなす、ふたりの旅で感じてきたさまざまな感情がそこにはあります。

自由度が高く広いフィールドには、アップグレードに使えるアイテムがそこかしこに隠されており、脅威に対しても何通りものアプローチができるよう工夫されています。視覚的にも魅力的で、廃墟と化した街並みの静かな美しさを堪能するためだけに、探索することも幾度となくありました。

本作のリアリズムは戦闘システムでも感じられます。前作からさらに洗練されたシステムによって緊迫感みなぎるステルスから、壮絶なバトルへと瞬時に切り替わるのです。どちらの戦い方でも完璧なプレイをするには少し時間がかかるかもしれません。

また、本作ではプレイヤーの装備は敵よりも劣るし、不利な状況で戦うことが多々あります。しかし、他のゲームと同じく、ゲームプレイのリズムをつかんでいくと確実に上達できます。その上達するまでの期間にうまくリアルなパニックの感覚を味わえるようになっています。たとえば、敵の反撃を恐れて射撃を外したり、自分自身の恐怖に負けてボタン操作をミスして敵へのパンチを外したり……。

この荒れ果てた世界で生き残るためには避けられない「暴力」を『The Last of Us Part II』が美化しなかったことには大きな意味があります。感染者の大群がフェンスを倒すシンプルな恐怖から胃が締め付けられるようなラットキングとの対決まで、前作から引き継いだおなじみのホラー要素を盛り込んだ名場面もありますが、今回ノーティードッグが特にフォーカスしていたのは人間同士の争いです。敵にはそれぞれ名前や個性があり、それが決断をより難しくして、状況の緊張感を表現しています。

本作に没入するにつれて、ノーティードッグはやすやすと私の感情をもてあそび、盲目的な復讐という荒波で私をさらって、怒りが静まるころに、善とも悪ともつかぬ責任の浜辺へと打ち上げました。喜びは嫌悪にとって代わられ、最後には生きるために諦めざるを得なくなる。人間の本性が生み出した分離と部族主義によって……。

ゲームらしい“強さ”はあります。クリッカーをパンチ一発でノックアウトしたり、楽々と見張りに気づかれずすり抜けるなどできない。しかし、そこに分かりやすいカタルシスはなく、スキルの解放や戦闘での成長は、徐々に大きくなる“強さ”の喪失という恐怖と、注意深く併存させられているのです。

プレイヤーはふたつの破壊的な復讐の旅と、それが生み出す容赦のない暴力の連鎖に巻き込まれる――あるいは共犯となります。しかし、そこに含まれる悲劇を伝えることが大切であり、自分が本当はどんな人間かにハッキリと気づく可能性もまた、そこにあるのです。エリーにとっても、アビーにとっても、私たちにとっても。

『The Last of Us Part II』には最高のストーリーと最良のサバイバルアクションがあります。

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The Last of Us Part II

・発売元:ソニー・インタラクティブエンタテインメント
・フォーマット:PlayStation 4
・ジャンル:アクション
・発売日:好評発売中
・価格:パッケージ版 通常版 希望小売価格 6,900円+税
    ダウンロード版 通常版 販売価格 7,590円(税込)
    ダウンロード版 デジタルデラックス版 販売価格 8,690円(税込)
・CERO:Z(18才以上のみ対象)

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