7月17日(金)発売予定のPlayStation®4用ソフトウェア『Ghost of Tsushima』(ゴースト・オブ・ツシマ)は、サッカーパンチ・プロダクションズが日本の時代劇映画へのリスペクトを込めて制作した超大作オープンワールドゲーム。本作に対する日本からの返答として、往年の時代劇映画の予告編を再現し、『Ghost of Tsushima』の魅力を伝える日本独自のトレーラーを本日公開! 超美麗・大迫力のゲーム映像と、どこか懐かしいテロップの組み合わせが生み出すユニークな雰囲気をぜひ楽しんでほしい。
『Ghost of Tsushima』時代劇風トレーラー
特集第2回では、開発会社であるサッカーパンチ・プロダクションズ 環境アートチームのジョアンナ・ワンが、豊かで鮮やかな色彩に満ちた“対馬”の自然描写がいかにして生み出されたかを解説する。
『Ghost of Tsushima』の発売まで間もなくとなりました。あと少しで、皆さんにもこの旅を味わっていただけます。中世の日本、あるいは時代劇映画の中へとワープして、故郷を守るために武士「境井 仁」となって、対馬の各地を回っていただけるのです。
対馬は実在の土地であり、日本本土と朝鮮半島の間に位置する日本の島です。本作の制作中、何度か対馬を訪れましたが、深い山と森に包まれた美しいところでした。緑の絨毯が島中を覆っているかのように、豊かな森林が山の峰から浜辺まで続いているのです。
ですが、本作の“対馬”は、実在する対馬を再現したものではなく、私たちから対馬への恋文のようなものです。対馬からは多くの要素を取り入れましたが、日本本土の風土から得た着想も組み合わせて、本作独自の“対馬”を作り上げました。対馬での取材旅行中には、鳥の鳴き声や自然環境音を収録し、さまざまな落ち葉などをスキャンしたのですが、それらのデータは製品版のゲーム内でも使用されています。このようにして、本物の対馬の要素を少しでも皆さんにお届けしたかったのです。
『Ghost of Tsushima』は、サッカーパンチ・プロダクションズが開発したどの作品よりもはるかに大きなゲームです。本作の“対馬”は、地図上で大きく三つの地域に分かれており、40パターン以上の植生があり、プレイヤーの興味を引く場所も無数にあります。オープンワールドのゲームの開発ではつねに「見える場所にはすべて行ける」ことを目指してきました。本作で皆さんは、樹木が生い茂る森を抜け、ぬかるんだ湿地を渡って、凍てつく雪山へと踏み入ることになるでしょう。私たちは映画やゲーム、絵画だけではなく、旅行パンフレットにいたるまでかき集めて、対馬の景色を生み出してきました。皆さんにお届けしたかったのです、実際に存在しそうな世界や、皆さんに語り掛けてきそうな世界、探索へと誘い、濃密で、たくさんの驚きにあふれた世界を。
本作の“対馬”を作り上げる際に、大きな柱がふたつありました。“自然の美”と“人工の理(秩序)”です。この世界を探索していると、並んでいる鳥居をくぐっているうちに拝む者すら途絶えた神社へとたどり着くかもしれません。あるいは、守りを固められた砦や城を襲うこともあるでしょう。もしくは、沿岸でうち捨てられた漁民の小屋を見つけるかも。“対馬”には、探し当てるべき場所や隠された宝もたくさんあるのです。
各地域には、さまざまな個性を持った場所が存在します。たとえば、湿地帯の低地に位置する赤島の薬師(くすし)の村。地表を苔が埋め尽くし、霧が地面から立ち上り、大きな鐘の周りではお香が焚かれます。あたりからは蛙の鳴き声が聞こえるかもしれません。神秘的で美しいところなのです。
“対馬”では、自然が大きな役割を担っています。本作のアートスタイルを特徴づける、豊かで鮮やかな色彩を生み出しているのも“対馬”の自然です。開発当初は、たんなる背景の一部でしかありませんでした。ですが、野原を作り始めたあたりで、これはひょっとしたら、思っていたよりもすごいものになるかもしれないと気づいたのです。今でも覚えていますが、みんなで画面をのぞき込んで、一面のススキの穂が風を受けて波立つように揺れて、白い毛が舞っている様子にずっと見入っていました。本当に美しかったのです。
それがとても素晴らしかったので、自然の描写をどのように際立たせ、印象づけるかを探り、いろいろな手法を試しました。区画内に生える植物の種類を限定してみたり、色彩豊かになるような色味を入れてみたり、光の透過性を高めてみたり、テクスチャのノイズを減らしてみたり。最終的には、自然の中の色彩を大胆に表現することが本作のテーマになりました。一定の植生にある植物の種類も意図的に減らして、それぞれの植生の印象を明確にしたことで、強く心に残る風景を生み出せたと思います。
本作では、風がプレイヤーを導いてくれることはすでにご存じかもしれません。いつでも、一陣の風を呼んで、進むべき場所へと導いてもらえるのです。風が吹くとき、周りのものが風を受けて動くのに気づくでしょう。植物、衣服、胞子、塵などが、風に流されることで行くべき方向を示してくれるのです。
しかし、風の役目はそれだけではありません。往年の時代劇映画を思い出してみてください。ふたりの侍が草原で向かい合い、鯉口(鞘の口の部分)を持ち上げてにらみ合う。互いに微動だにせず、息を止めて、相手の出方をうかがっている。すべての動きが止まったかのような静寂の中で、草が揺れ、木の葉が宙を舞い、着物が風にはためき、やがて、天から雨だれが落ちてきて地面を打つ。このように、緊張が高まるにつれ、周囲の景色が緊迫感を盛り上げ、静と動の対比によって時代劇のあの瞬間を感じていただけるようにしたかったのです。
数年をかけて本作のために独自の“対馬”を作り上げるにあたって、たくさんの難問に行き当たりました。一番大きかったのはサイズの問題です。本作は私たちにとって過去最大の作品であったため、草を一本ずつ手描きしていくことなどできそうにありません。開発の終盤に草の種類や群生の密度を変更することになったら? とても作品を完成させることはできないでしょう。ですから、プロシージャル(自動生成)のツールを使うことで、大量の植生を驚くべき速さで描けるようにしたのです。これによって、いったん作成した環境を変更することもかなり容易になりました。ツールによって、これまでよりも多くのことを試し、自由な表現ができるようになりました。以下の動画で、ツールを使っているところをお見せしましょう。
“対馬”は、濃密で多くの顔を持つ土地ですが、つねにその姿を変えていきます。崖の上に立って、水平線の彼方に嵐を見ることもあるでしょう。橋を渡っている間に、雲が太陽を隠して、にわか雨に打たれることもあるかもしれません。霧に煙る夜、モンゴルの拠点を迂回しようとしている馬上で、愛馬と共に、東の空を染める曙にふと気づくかもしれません。諸行無常。すべては変わり続けているのです。
この島の探索は、本作のゲームプレイでも中心となるもののひとつです。ですから、島の環境も登場人物のようなものとして開発しました。息づいていて、動きがあり、個性を感じさせ、魅力的で、たくさんの顔を持つ存在になるように。
島を巡ることで、たくさんの物語に出会い、発見の驚きを感じていただけることでしょう。プレイヤーの皆さんが、7月17日にこの島を訪れてくださるのを楽しみにしています。
サッカーパンチ・プロダクションズ
環境アートチーム リード
ジョアンナ・ワン
Ghost of Tsushima(ゴースト・オブ・ツシマ)
・発売元:ソニー・インタラクティブエンタテインメント
・フォーマット:PlayStation 4
・ジャンル:オープンワールド時代劇アクションアドベンチャー
・発売日:2020年7月17日(金)予定
・価格:パッケージ版 希望小売価格 6,900円+税
ダウンロード版 通常版 販売価格 7,590円(税込)
ダウンロード版 デジタルデラックスエディション 販売価格 8,690円(税込)
・プレイ人数:1人
・CERO:Z(18才以上のみ対象)
PS.Blogの『Ghost of Tsushima』記事はこちら
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