※本記事はUS版PlayStation®.Blogの日本語翻訳記事です。
開発会社Graceful Decayがどのようにして“再帰的シミュレーションパズル”を生み出したのか
『Maquette』はパズルゲームですが、単なるパズルゲームではなく、物語の中にパズルが散りばめられているようなゲームです。今作の再帰的な世界を探索していくうちに、プレイヤーの皆さんは、恋愛中の若いカップルの思い出を掘り起こし、クリエイティブな思考でパズルを解いていくこととなります。
再帰的な世界
私たちのゲームは、再帰的な世界(世界がそれ自身の中で入れ子になったような構造のこと)で行なわれます。これだけではわかりにくいと思いますので、今すぐにできる思考実験をしてみましょう。
この実験では、『Maquette』 の世界全体が家になっていて、プレイヤーのアクションはすべてその家の中で行なわれていると想像してみてください。次にその家と全く同じ見た目をした小さな模型がリビングルームのコーヒーテーブルの上に置かれていると想像してください。模型の家を覗くと、実際の家の中にあるものと全く同じものが、小さくなって実在しています。そして、これらの家はふたつの異なる家ではなく、同時に存在している同じ世界の現象であるため、世界はそれ自身の中に入れ子になっていると考えられるのです。
この場合、家のドアを開けてから走って模型のところに戻ると、模型のドアも開いていることになります。逆に、模型のドアを指で閉めると同時に、本物の家のドアもバタンと閉まるのです。
もののサイズと操作
ここからもっと奇妙になっていきます。実際の家で持ち上げるには重すぎるものでも、コーヒーテーブルの上にある模型のものは簡単に移動することができます。そして、小さい家のものを動かすと通常サイズの家でも同様に移動するのです。
それだけではありません。ドアを開けて通常サイズの家から外に出てみると、ありえないほど巨大な家の、ありえないほど巨大なリビングルームにある、ありえないほど巨大なコーヒーテーブルの上に自分が立っていることに気がつきます。そして、ありえないほど巨大なドアもまた開いているはずです。『Maquette』では、このアイデアを一軒の家だけでなく、さまざまな空想的なロケーションで用意しています。
頭を混乱させるチャレンジ
『Maquette』のパズルは、私たちが住む世界のルールとは異なる、魔法のルールから生まれています。そのため、初めてプレイしてみると難しく感じられるかもしれません。パズルの解き方が思いつかないときは、再帰的な世界のことを考えて、それが私たちの世界とどう違うのか、そしてその違いが、現実の生活ではできないことをどう可能にするのかを考えてみてください。
私たちは、再帰的なシミュレーションを構築してから、そのユニークさを追求することで、パズルを作るのに必要な私たちだけのシチュエーションを思いついてきました。プレイヤーの皆さんが世界の秘密を解き明かしていくなか、皆さんが学んだことをベースに、ひねりを加えて新たなシチュエーションを用意していきます。
『Maquette』には、パズルとストーリーの両方の面で感動を与えてくれるものが多くあります。 まず何よりも、物理的に不可能な世界を探検したときの驚きと畏敬の念。そしてストーリーが皆さんを愛と喪失と受容の旅に連れていくなかで、パズルと再帰的なリアリティを体験して感じる「そうだったのか」、「びっくりした」という瞬間。このふたつは物理的な世界、頭の中、そして心の中で”理解”を促すメッセージなのです。
※本記事で紹介しているトレーラーは英語版となります。
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