ポーランドの小説を原作とする「ウィッチャー」シリーズの開発元として知られるCD PROJEKT RED。同スタジオが手がける11月19日(木)発売予定のPlayStation®4用ソフトウェア『サイバーパンク2077』は、プレイヤーの”選択と結末”に重きを置いた、一人称視点のオープンワールドアクションRPGだ。
人と機械との融合が進み、多国籍企業が権力を握る近未来。巨大都市「ナイトシティ」を舞台に、キャラクター、武器、装備、プレイスタイルをカスタマイズしながら、自らの道を切り開こう。
今回は、本作のメディア向け体験会で行なわれたプレゼンでの最新情報と、序盤を体験できたデモ版のプレイレビューをお届けしよう。
主人公V(ヴィー)育成の詳細や出自を設定できることが明らかに。PS4版を所有しているとPS5版を追加購入なしでプレイ可能!
プレゼンでは、主人公のV(ヴィー)の成長システムの詳細や、Vの出自を設定できる「ライフパス」といった新情報が発表された。また、本作が後方互換によってPlayStation®5でも遊べるのはもちろん、PS4版を所有していれば将来的に発売が予定されているPS5版を、追加購入なしでプレイできることも明らかに!
※PS4版のパッケージ版をご購入された方は、PS5のディスクドライブがないデジタル・エディションでPS5版にアップグレードを行なうことはできません。
裸体のキャラクターへの下着の着用や一部の性表現描写、人間の切断面などの表現は、海外版から演出に変更が加わるとのこと。ただし、いずれの変更に際してもイベント単位で削除されることはない。
自由度の高いキャラクターカスタマイズ! プレイスタイルに合わせてVを育成
『サイバーパンク2077』では、Vを成長させながら物語を進めていく。自由度の高いRPGには、キャラクターの豊富な成長要素は欠かせない。本作ではプレイヤーに自身のプレイスタイルを最大限に追求してもらえるよう、さまざまな仕組みを用意。Vには5つのステータスがあり、レベルを上げると獲得できる能力値ポイントを割り振って上昇させることができる。
<ステータス>
■肉体:物理的な力。体力、スタミナ、集弾性、肉弾戦におけるダメージに影響。
■反応:敏捷さ。クリティカル率、攻撃速度、敵の攻撃を躱す能力に影響。
■知力:知性や記憶力。ハッキングの難易度、プログラムのアップロード時間、メモリ容量に影響。
■技術:技術的な適正。防御力、クラフトに必要な素材の収集力に影響。
■意志:自制心や精神力。ステルス能力、クリティカル時のダメージ、耐性に影響。
<成長要素>
■レベル:経験値によって上昇するVのレベル。経験値は主にはクエストをクリアすることで取得できる。レベルアップすると、能力値ポイントとパークポイントを獲得できる。
■クレド:フィクサーの依頼や、賞金首の撃破、その他オープンワールドにおけるプレイヤーの行動によって変動するプレイヤーの評判。クレドの値によって利用できる店の種類や依頼される仕事が増え、より高品質なアイテムや報酬にアクセスできるようになる。
■スキル:プレイヤーが特定のアクションを行なうと、それに応じたスキルの習熟度がアップしていく。例えば銃で敵を倒すと、ガンスリンガーのスキルがアップ。習熟度を高めると、各アクションをより効果的に行なえる。
■パーク:各スキルには、アクションやパッシブボーナスを解除できるパークツリーが複数存在し、レベルアップ時に獲得できるパークポイントを使って、自分の好きなパークを獲得できる。
■アイテムと装備品(武器防具・サイバーウェア):レベルが上がって行動範囲が広がるにつれ、より多くの服装や武器、サイバーウェアと出会うことになる。サイバーウェアはプレイヤーのアクションを増やせる重要な要素だ。
■非固定性のクラスシステム:本作には厳格なクラスの概念は存在しない。プレイヤーは上記の要素を自分好みに成長させることで、プレイスタイルにあったVを作成可能だ。
Vは何しにナイトシティへ? 主人公の出自を設定できる「ライフパス」
主人公のVには、性別や容姿だけでなく「ライフパス」──出自を3つの中から設定できる。Vがなぜ『サイバーパンク2077』の物語を歩むようになったのかを、異なる地位や視点から体験できるのだ。
<ライフパス>
■ストリートキッド:ナイトシティの住民として育ち、ストリートでも一目置かれている存在。コネも豊富で、コンクリートジャングルでの生き方を心得ている。そんな出自なだけあって、野心には事欠かない。人生を乗りこなすのは大変だが、どうせ乗るなら派手に乗り回してやろう。
■ノーマッド:基本的にはファミリーとともに生活するノーマッドだが、あなたは一匹狼としてナイトシティ郊外のバッドランズにやってきた。道を外れたノーマッドの目に、ナイトシティという大都会はさぞや魅力的に映ることだろう。
■コーポレート:超一流企業アラサカ社のエージェントとして、軍用レベルのサイバーウェアを惜しみもなく装着。一流の生活を送る人生の成功者だ。多大なるストレスとプレッシャーを抱えながらも、凡人が「ブレインダンス」と呼ばれるエンタメでしか経験できない日々を謳歌している。
ナイトシティでの危険かつ自由なアウトロー生活を満喫! 『サイバーパンク2077』デモ版プレイレビュー
ここからは、デモ版のプレイレビューをお届けしよう。デモ版は、主人公であるVのキャラメイキング後に設定したライフパスに対応するプロローグから始まる。さまざまな人物と出会い、依頼をこなしながら、アラサカ社の試作型テック「Relic」強奪作戦に向かうという序盤の展開を、日本語吹き替え版で体験することができた。
急転直下!? 一流の生活から落ちぶれる、コーポレートのプロローグ
まずはVのキャラメイキングからゲームスタート。顔の特徴はもちろん、肌の色やタトゥー、傷跡、そして顔に埋め込まれたサイバーウェアの形状など、さまざまな項目を設定できる。自分の分身となるため本来なら容姿にはこだわりたいところだが、プレイ時間には限りがあるので、今回は用意されたパターンの中から選択してみた。デモ版のキャラメイキングでも、さまざまなプレイヤーのニーズに応えるこだわりの容姿を作成できそうだと感じたが、製品版ではさらに多くのデザインが追加されるという。
そして出自となるライフパスは、アラサカ社のエージェントとしてすでにナイトシティで暮らしているという設定のコーポレートを選択。アラサカ・タワー上階の洗面所からプロローグはスタートする。超一流企業だけに施設は上品かつ清潔で、雑多なネオンに照らされる薄汚れたストリートや荒廃した外界という”いかにも”なサイバーパンクの世界観をまだ感じられないのは面白いところだ。
アラサカ社の防諜部に所属しているVは、直属の上司であるジェンキンスからの信頼は厚いうえに、部下とのやりとりを見ると、そこそこ上の地位にいる模様。防諜部というキナ臭い部署だけに苦労は絶えないようだが、成功者といって差し支えない暮らしを送っていた。
しかし、対立する上層部の暗殺を上司のジェンキンスから持ちかけられ、事態は一気にヤバイ展開に……。断ることを許されない立場のVは依頼を遂行するために、友人でありビジネスパートナーでもあるジャッキーの力を頼ることになる。出自がコーポレートのVにとって、ジャッキーはすでに信頼の置ける相棒というわけだ。
ジャッキーと合流して暗殺計画を進めるVだったが、なんと暗殺対象の社員は自分が狙われることを知っていた。Vはその地位や高価なサイバーウェアなどのすべてを奪われ、”サイバーパンク”と呼ばれるアウトローとしての生活を余儀なくされてしまう──。
ここまでが、コーポレートであるVのプロローグ。一流の暮らしを送っていることだけでなく、ジャッキーとはすでに友人だという設定も大きな特徴だ。
ちなみに、ストリートキッドのライフパスを選択した場合は、顔見知りであるバーテンの借金を帳消しにするため、地元フィクサーの依頼を受けるところから物語がスタート。ジャッキーとの出会いは必ずしも友好的とは言えないが、その後に意気投合するそうだ。ノーマッドのライフパスを選択した場合は、あるモノをクライアントに届けるべく、ナイトシティの郊外「バッドランズ」をクルマで疾走。ジャッキーとは、取引相手として初めて出会うことになるらしい。
どのライフパスを選んでも、Vはストーリーの大きな流れへと巻き込まれていくそうだ。出自の違いはさまざまなシーンに影響を及ぼし、プレイ中には選んだライフパス専用の選択肢が出現することもあるという。一度クリアしたとしても細部の変化が気になって、他のライフパスでも遊んでしまいそうだ。
サイバーパンクな要素が満載! 近未来生活を体験できる!
ライフパスのクエストが終わると、メインクエストを進めるだけでなく、チュートリアルで操作を学んだり、ナイトシティを自由に動き回ったりできるようになる。ナイトシティは広大だが、メインクエストやサブクエストの目的地にはマーカーが設置されるうえに、マップにはそこまでのルートも表示されるため、無駄に迷うことはなかった。新たなサブクエストの発生場所もマップに記載されるので、つい寄り道したくなってしまう。
動けるようになったナイトシティを見渡してみると、きらびやかなネオンによる広告がひしめいており、”これぞまさにサイバーパンク!”といった雰囲気だ。サイバーパンクのお約束とも言える”過剰な消費至上主義”を表現するとともに、ディストピア的なストーリーにも独特の深みを加えている。
チュートリアルでは、監視カメラをハッキングして映像を見つつ、ふたりの警備員を排除するというシーンも。映像越しに警備員の通信用サイバーウェアをハッキングしてもう片方を呼び寄せ、そのうえでグレネードを強制自爆させて一網打尽にした際は、「こんなにヒドイことをしていいの!?」と驚いてしまった。
また、一部ハッキングはマトリックスから正しい数字を次々と選択していくミニゲーム的なものになっており、それ自体は難しくないものの時間制限のせいで、焦って失敗してしまうこともあった。とはいえ、敵や対象を直接見なくても、監視カメラの映像越しにハッキングできるのは面白い。潜入や脱出の際は周囲をよく観察し、監視カメラの位置を把握することも重要になりそうだ。
また、ストーリーを進めている最中は、本作のダークな未来を語るうえで欠かせない「ブレインダンス」が登場。ブレインダンスとは2077年の世界において、もっともポピュラーなエンタテインメント。人間の記憶を感情や感覚まで含めて記録&編集し、シンプルなヘッドセットで再生することを可能にする高度なテクノロジーだ。
Vはブレインダンスの編集機材を使用し、記憶をただ再生するだけでなく、記憶の中の風景を移動して情報を集めることもできてしまう。早送りや巻き戻し、一時停止といった基本的なことだけでなく、会話だけをピックアップすることも可能。ヨリノブ・アラサカという重要人物のペントハウス内部を収録した記憶では、サーモグラフィー機能まで駆使し、強奪作戦の目標である試作型テック「Relic」の隠し場所を突き止めることができた。
記憶を再生&編集し、その中を移動までできるというのは面白いものの、自分の記憶が他人に見られたらと想像すると恐ろしくもある。現代では不可能な空想の技術だが、客ウケのいい過激な記憶を扱うインフルエンサーもいるという設定には、個人の映像配信が盛んとなっている現代ならではのリアリティがあって面白い。
さまざまな対処法が存在するクエストも。自分だけの展開を楽しもう!
ネットワーク技術を駆使する「ネットランナー」や、高い身体能力で戦う「ソロ」など、さまざまなプレイスタイルでゲームを進めていけることが魅力の本作では、クエストを達成するための手段が豊富に用意されている。デモ版の後半で挑む「回収」というクエストのクリア後に日本のローカライズスタッフに話をうかがってみると、3つや4つどころではなく、それ以上の手段と展開があったと聞き、目を丸くしてしまった。
「回収」というクエストの目的は、フィクサーのひとりであるデクスからの「Relic」強奪作戦の下準備として、ミリテク社製の軍用ボットを回収すること。デクスはボットを強奪したギャングから購入するための代金を支払っているが、その後にギャングのリーダーが代替わりしたため、取引が反故にされる可能性が高いという内容だ。
このクエストに挑んだ際には、ギャングのアジトへジャッキーとともに乗り込み、目的のボットを前にして新リーダーのロイスと交渉。しかし、ロイスがさらなる代金を要求してきたため、不意打ちで倒してボットを奪い、戦闘の末にアジトから脱出するという展開だった。
スタッフの話では、もちろん追加の代金を支払って平和的に解決することも可能とのこと。そしてアジトへ乗り込んだ際に、すぐに手下のギャングを撃ち殺してしまうとロイスとの交渉イベントが発生せず、ボットを自力で探す展開になるそうだ。しかも、クエストの後半で強化外骨格に乗ったロイスが襲ってくるというから驚きだ。
また、ギャングのアジトへ行く前にミリテク社のエージェントから話を聞くこともできるという。エージェントから渡されたウイルス入りのチップをロイスに渡すと、その影響でギャングのネットランナーが焼かれてロイスと敵対。Vのハッキング系スキルが高いとウイルスを解除できるが、ミリテク社がアジトを襲撃してくるそうだ。
これだけでもひとつのクエストに対する手段と展開が豊富なことがわかるが、ギャングやミリテク社と敵対して脱出する際も、敵を倒しながら進んでもいいし、見つからないようにこっそりと脱出してもいい。さらに、その道中にはギャングの元リーダーが閉じ込められており、助けるかどうかでその後の展開に影響があるという徹底ぶり。
「繰り返しプレイしてもすべての展開を見るのは難しいかもしれません」という、スタッフの言葉が胸に刺さる。今回はプレイ時間に限りがあったため、あっさりとした手段でクエストを達成してしまったが、これもまた自分だけの体験。「あのクエストはどうやってクリアした?」と、あとで体験談を友人と交わすのも楽しそう。
また、戦闘では、銃器を使った戦いがメインになると思われるが、拳や刀などを使った近接攻撃も可能。敵の近接攻撃を直前でガードすると、攻撃をはじいて強烈なカウンターを叩き込めるのが気持ちいい。ステルス能力を鍛えて、接近戦に特化してみるというのも面白そうだ。
相棒のジャッキーを襲う展開は? キアヌ・リーヴスが演じるジョニーの登場も待ち遠しい!
アンダーグランドな世界観はもちろん、ライフパスによる出自の選択、下準備やVのステータスなどによって展開が変化する自由度の高さなど、さまざまな魅力が詰め込まれた『サイバーパンク2077』。今回のデモ版では相棒のジャッキーと行動をともにすることが多く、しかも旧知の仲という設定だったためか、ジャッキーに対する愛着が急上昇。強面なのにどこか可愛らしいところがある、本当にいい奴なのだ。
しかし以前公開されたシネマティックトレーラー内で、ジャッキーが亡くなってしまうという悲しい展開が、すでに明かされている……。また、俳優のキアヌ・リーヴスが演じるジョニー・シルヴァーハンドも、デモ版では未登場。今回はオミットされていたクラフト要素などの、気になるシステムも。デモ版で体験できた内容のあと、物語がどのように進んでいくのかが気になる!
サイバーパンク2077
・発売元:スパイク・チュンソフト/CD PROJEKT RED
・フォーマット:PlayStation 4
・ジャンル:オープンワールドRPG
・発売日:2020年11月19日(木)予定
・価格:パッケージ版 通常版 希望小売価格 7,980円+税
パッケージ版 コレクターズエディション 希望小売価格 29,800円+税
ダウンロード版 販売価格 8,778円(税込)
・プレイ人数:1人
・CERO:Z(18才以上のみ対象)
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