2月18日(火)のパッチ5.2で実装されたばかりの「ルビーウェポン破壊作戦」。デザインやバトルメカニクス、BGMといった制作の裏側を開発スタッフが語る!
2013年8月に『新生エオルゼア』としてサービス開始以来、全世界累計登録アカウント数が1,800万人(*1)を突破しているオンラインRPG『ファイナルファンタジーXIV』(以下『FFXIV』)。2月18日(火)には最新拡張パッケージ『漆黒のヴィランズ』の大型アップデートとなるパッチ5.2「追憶の凶星」を公開し、新たなストーリーやバトルコンテンツなど多数の新要素が追加された。
*1 日本・北米・欧州・中国・韓国の5リージョンの累計アカウント数。フリートライアル版のアカウントを含む。
「ルビーウェポン破壊作戦」は、このパッチ5.2で実装されたばかりの最新コンテンツ。シリーズ作品『FINAL FANTASY VII』に登場した強敵が、『FFXIV』の世界でどのように表現されたのか。
パッチ5.2の公開に合わせ、スクウェア・エニックス『FFXIV』北米コミュニティチームのMatt Hilton氏が、リードバトルコンテンツデザイナーの中川誠貴氏をはじめとした開発チームに行なったインタビューをPlayStation®.Blogに寄稿してくれたので紹介しよう。
『ファイナルファンタジーXIV』パッチ5.2「追憶の凶星」特設サイトはこちら
皆さんこんにちは! 『FFXIV』コミュニティのMatt “Bayohne” Hiltonです。今回はPS.Blog読者の皆さんに向けて特別に、開発チームがどのように「ルビーウェポン破壊作戦」を制作していったか、その舞台裏をご紹介します。
ルビーウェポンと聞けば『FINAL FANTASY VII』の強敵を思い浮かべる方も多いかと思います。また『FFXIV』をプレイしている方なら、『FFXIV』がさまざまな過去ナンバリングタイトルの要素を取り入れていることから今回も、と思う方もいらっしゃるかもしれません。
最新のアップデート「追憶の凶星」で追加された「ルビーウェポン破壊作戦」は、8人パーティ用のバトルコンテンツです。このルビーウェポンを『FFXIV』に実装するにあたって、工夫した点・苦労した点などをご紹介します。
「極ルビーウェポン破壊作戦」の難易度
──まずは難易度という点で、「極ルビーウェポン破壊作戦」は他の極討滅戦と比べるとどれぐらい難しいのでしょうか?
難易度は人によって感じ方が違いますので、単純にほかの極討滅戦と比較してお答えするのは難しいのですが、開発内のバトルコンテンツ調整チームのスタッフたちはパッチ5.0の極ティターニアや極イノセンスを今回の極ルビーウェポンと比較したうえで、難しいとの感想を、口をそろえて言っていました。
極ルビーウェポンのメカニクスはこれまでの極にはなかった新しい要素が多く、クリアするにはそれらのメカニクスに対応するためにこれまでよりも多くの練習時間が必要になるかもしれない、と自分も感じています。ただし、それは新しい体験の可能性を感じられる時間でもありますので、プレイヤーにとって新鮮で、良いゲームエクスペリエンスになることを期待しています。
バハムートの雰囲気を取り入れたルビーウェポンのデザイン
──「ファイナルファンタジー」シリーズ作品からのキャラクターやボスとのバトルの多くと同様に、ルビーウェポンにはオリジナル版と差別化して個性的で特別な要素が取り入れられているように感じます。このような敵の制作では、オリジナル版の要素を残しつつ『FFXIV』感を出すというバランスをどのように取っているのでしょうか?
まずはデザイン面でご回答します。
過去の「ファイナルファンタジー」に登場しているキャラクターを『FFXIV』に登場させる場合、キャラクターのデザインの方向性は大きく分けてふたつのパターンがあります。
ひとつ目は、過去のキャラクターのデザインを基本的に踏襲するパターンです。凝ったオリジナル要素を加えず、できる限り過去に登場したキャラクターのデザインを尊重し、高品質なグラフィック環境で不自然にならないように再現します。最近の例で言うとこちらのパターンのデザインは、パッチ4.X「次元の狭間オメガ」シリーズに登場するキャラクターで採用されています。
ふたつ目は、過去のキャラクターの名前や特徴のみを尊重し、『FFXIV』の世界になじませるようにオリジナルデザインを加えるパターンです。サボテンダー、チョコボ、ガルーダ、タイタン、イフリート、リヴァイアサン、シヴァ、ラムウなどがあります。
今回の『FFXIV』版ルビーウェポンは、どちらかというとふたつ目の方法が採用されていますが、完全なオリジナルではなく原作のデザインを尊重し、特徴を”しっかり”と残しつつオリジナリティを出していくという方法になっています。アートデザインの担当者である長嶺裕幸は、『FFVII』版ルビーウェポンの特徴である”触手のような爪”をヒントに『FFXIV』版ルビーウェポンのアートを描いてくれました。また、デザインシルエットにはバハムートの雰囲気を取り入れることで『FFXIV』版のオリジナリティを出しています。これは『FFXIV』版ルビーウェポンのシナリオ、設定面にネール・ヴァン・ダーナス(*2)が強く関わっていることが理由になっています。
*2 編集部注:ガレマール帝国軍第VII軍団長。『FFXIV: 新生エオルゼア』の時点では死亡しているが、「大迷宮バハムート:侵攻編」に登場。
イメージアート
完成ビジュアル
次にバトル面での回答ですが、『FFXIV』版ルビーウェポンには、しっかりと練られた世界設定とシナリオが紐づいていますので、バトル内容は世界設定やシナリオを際立たせることを重視したうえで、『FFXIV』のバトルとして新鮮なメカニクスになるようなアイデアを出すことに多くの時間を費やしました。特にスピード感のある連続突進攻撃は、『FFXIV』のバトルの制約内で可能な限りアクションゲームのような体験ができるように、アイデアだけでなくアニメーション、エフェクトリソース作成やプログラム実装にも多くのコストをかけて作られています。
ほかには、爪や流砂を使った特徴的な攻撃を使用してきますが、これらは『FFVII』版ルビーウェポンからヒントを得たものです。爪と流砂の攻撃は、ルビーウェポン戦の中でも特に面白いメカニクスになったかなと思っています。
BGMは「究極幻想」をTHE PRIMALSがアレンジ
──ルビーウェポン戦のBGMを作曲する際に何から着想を得ましたか?
この質問については、サウンドディレクターの祖堅正慶からお答えします。
ルビーウェポン戦のBGMは、メインシナリオライターの石川夏子とふたりで議論していました。石川からのオーダーはふたつ。ひとつは「究極幻想」(*3)のアレンジであること、ふたつ目はバトル内容に合った疾走感のある楽曲であること、でした。
*3 編集部注:アルテマウェポン戦のBGM。ルビーウェポンは、ガレマール帝国軍第VII軍団の手で開発された、アルテマウェポンの後継機の1機。
別の案件でTHE PRIMALS(*4)のレコーディングの予定があることを思い出したのでそれを石川に伝えたところ、だったらルビーウェポンの楽曲をTHE PRIMALSのアレンジでやってみてもらえないか? と相談を受けました。「究極幻想」をTHE PRIMALSのアレンジで制作するなんて、制作魂が燃えるぜ!!! と強く感じたのですぐに準備を開始してモックアップの楽曲を作り、バトル内容と整合性をとったところ、よしこれならバトルとの相性はバッチリだ! イケる! となったのです。
*4 編集部注:サウンドディレクターの祖堅正慶氏を中心に結成された『FFXIV』オフィシャルバンドがザ・プライマルズ。心揺さぶる熱いパフォーマンスを世界に轟かせている。
疾走感のある楽曲に仕上げるべく、バンドメンバーとともにレコーディングしながら煮詰めていったのですが、これがとても難航してしまいました。半日で終わる予定だったレコーディングは延長に延長を重ね丸々一日を要することになり、レコーディングを終えてスタジオを出た頃には、世界はすっかり朝になっていましたね……(笑)。
ルビーウェポン戦のBGMが流れるパッチ5.2トレーラーはこちら
メカと有機生命体の融合をコンセプトとした報酬装備のデザイン
──この極討滅戦でプレイヤーが入手できる装備は、ルビーウェポンのどのような側面から着想を得て制作されたのでしょうか?
この質問については、リードコンセプトアーティストの茂木雄介からお答えします。
基本的に討伐・討滅戦で手に入る武器に関しては、ボスのデザインをモチーフにしてデザインするようにオーダーしています。クリアした証! みたいなものが周囲のプレイヤーにわかるってことも大切な要素だと考えていますので、その装備を見てまだ挑戦していないプレイヤーと、クリアしたプレイヤーの間で新たなコミュニケーションのきっかけになればと考えています。
デザインの詳細に踏み込んで話すと、今回のルビーウェポン報酬装備は、メカと有機生命体の融合というコンセプトで作成しています。これは80年代から90年代の日本アニメで採用されていたデザインコンセプトに近いもので、少し懐かしい雰囲気と同時に、さらに新しい”なにか”を感じとることができるようにこだわってデザインしました。
『FFVII』版ルビーウェポンの要素を感じ取る楽しさ
──オリジナル版『FFVII』のルビーウェポンと戦った経験のあるプレイヤーに向けて、「ルビーウェポン破壊作戦」の攻略アドバイスをお願いします。また、オリジナル版に挑んだことがある人に、今回のバトルでどのような点を楽しんでもらいたいとお考えですか?
先程も述べたように『FFXIV』版ルビーウェポンが使用する技には、『FFVII』版ルビーウェポンが使用する技からヒントを得たものがいくつかあります。「ルビーウェポン破壊作戦」をプレイしていただければ、すぐにそれを感じることができると思います。『FFVII』のルビーウェポンと戦った経験があるプレイヤーには、そういったものを見つけて『FFXIV』版ルビーウェポン戦の面白さを別の角度から感じつつ、楽しんで攻略していただきたいですね。
もちろん、『FFVII』版ルビーウェポンを知らないプレイヤーにとっても最大限楽しんでいただけるように、『FFXIV』版ルビーウェポンにはしっかりと練られた世界設定とシナリオが紐づいています。パッチ5.2のシナリオをプレイしただけではまだ謎のままな要素もあります。今回のルビーウェポンはネール・ヴァン・ダーナスのデータをロードしていましたが、まだ見ぬウェポンシリーズにはどのようなシステムが搭載されるのかなど、次の展開にも想像を膨らませて楽しんでいただければと思います。
「FFVII REMAKE x FFXIV W購入特典テーマ -Prelude-」が2月26日(水)より配信!
PlayStation®4用のオリジナルテーマ「FFVII REMAKE x FFXIV W購入特典テーマ -Prelude-」が2月26日(水)より配信開始! 『FINAL FANTASY VII REMAKE』(ファイナルファンタジーVII リメイク)をPlayStation™Storeにて予約し、かつPS4版『ファイナルファンタジーXIV』の製品版プレイ権を所有していると手に入れることができる。詳しくは下記の記事をチェック!
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ファイナルファンタジーXIV: 漆黒のヴィランズ
・発売元:スクウェア・エニックス
・フォーマット:PlayStation 4
・ジャンル:MMORPG(オンラインゲーム)
・発売日:好評発売中
・価格:パッケージ版 通常版 希望小売価格 4,200円+税
パッケージ版 コレクターズエディション 希望小売価格 19,800円+税
ダウンロード版 通常版 販売価格 4,620円(税込)
ダウンロード版 コレクターズエディション 販売価格 6,600円(税込)
・プレイ人数:1人(オンライン専用)
・CERO:C(15才以上対象)
※本製品は『ファイナルファンタジーXIV』の拡張パッケージのため、基本パッケージである『ファイナルファンタジーXIV: 新生エオルゼア』が必要です。
※本製品には『蒼天のイシュガルド』および『紅蓮のリベレーター』をプレイできる権利が付属されています。
※プレイには所定のサービス利用料金が必要となります。詳しくはこちらをご覧ください。
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