ストイックな顔立ちのクレイトスからド迫力のリオレウスまで―それぞれのデベロッパーがPlayStation4®で表現可能になったキャラクターディテールについて語る
わたしたち人間は、だれもが優雅に年を重ねられるわけではありません。しかし優れたゲームデベロッパーたちは、自らが作り上げたキャラクターを進化の方向へと導くことができるんです。歴代のPlayStation®コンソールで初めて登場したヒーローたちは、PlayStation 4では見違えるほどディテールが作り込まれ、大きな進化を遂げています。今回は、PS4発売から7年目、そして初代PlayStation発売から25周年目に突入したことを記念して、デベロッパーの皆さんに、PlayStationを代表するキャラクターが、どのように進化してきたのかを紹介して頂きます。前世代機で登場した人気キャラクターたちのポリゴン数が、現行機のPS4でどれほど跳ね上がっているのか、必見です!
三島 一八(「鉄拳」シリーズより)
頭部に使われているポリゴン数の比較
PlayStation:~100(推定)
PlayStation 4:顔に2,800(髪と口内を含むと6,000)
マイケル・ムレイ(バンダイナムコエンターテインメント、『鉄拳7』プロデューサー):
初代『鉄拳』と『鉄拳7』の一八を見ると、その違いは歴然です。三島一八は、多くを語らない代わりに目と表情で自身を表現するキャラクターです。『鉄拳7』で一八のディテールがより細かくなり、年齢感や顔の傷をより細かく表現できるようになったことで、より正確に一八の人物像を映し出し、彼の物語を表現することができるようになりました。
クレイトス(『ゴッド・オブ・ウォー』より)
頭部に使われているポリゴン数の比較
PlayStation 2:1,200
PlayStation 3:5,700
PlayStation 4:32,000
ラファエル・グラセッティ(サンタモニカスタジオ、アートディレクター):
最新作の『ゴッド・オブ・ウォー』では、これまでサンタモニカスタジオで使用してきた技術から大きく進歩させるためにクレイトスのモデルを一から作り直しました。私たちは、表面にある皮膚の下にある筋肉の動きにもこだわり、より現実に近い表現をしたいという気持ちがあり、ジオメトリの密度を他のゲームより高く設定しました。
PS2のクレイトスには全身で5,700ポリゴンあり、そのうちの1,200ポリゴンが顔に使われていて、テクスチャーは5つ使用しています。PS3では、全身に6万4千ポリゴン、顔に5,700ポリゴン使用しており、PS2と比較すると大幅に向上しましたが、PS4のシステムで表現可能な力量と比べるとまだまだ足りません。最新作『ゴッド・オブ・ウォー』(PS4)では、クレイトスだけでも全部で8万ものポリゴンが使われていて、顔にはPS2時代の約30倍である3万2千ポリゴンが使用されています。
また、ポリゴン数がここまで増えたことで、ジオメトリを変形させるシステムを作ることが可能になり、今までにない筋肉の細かな動きを再現できるようになりました。それに加えて、以前はテクスチャーの数に制限があることで再現しきれなかったしわや毛穴が、テクスチャーレイヤーを何重にも重ねることで細部まで描くことができるようになったのです。実は、PS4のクレイトスには実に140枚ものテクスチャーが使われているんです。
リオレウス(「モンスターハンター」シリーズより)
頭部に使われているポリゴン数の比較
PlayStation 2:1,390
PlayStation 4:11,274
アイルー(「モンスターハンター」シリーズより)
頭部に使われているポリゴン数の比較
PlayStation 2:144
PlayStation 4:7,852
藤岡要(カプコン、『モンスターハンターワールド:アイスボーン』エグゼクティブディレクター/アートディレクター):
モンスターハンターは初代の頃より、”硬質な物は硬く”、”生物はより生物らしく”を目標に制作をしていたのですが、当時の技術では細かい質感やディティールを動的に処理する事が難しく、光の複雑な反射や色彩はテクスチャーに焼き付ける事しか出来ませんでした。
しかし近年では、ハードのスペックやCG技術の向上によって光の表現が格段に進歩したので、皮膚や鱗の艶やかな表現や毛のふわっとした質感、また、顔にとっては非常に重要な眼球の光の反射など、生命感のある表現がリアルタイムに処理出来る様になりました。さらに、そういった技術の恩恵で細かい表情の変化もより画面映えする様になっていると思います。
サー・ダニエル・フォーテスク(『MediEvil』(メディーバル)より)
頭部に使われているポリゴン数の比較
PlayStation:60
PlayStation 4:1,734
ジャスティン・ローゼンタール・ケンブリック(Other Ocean Interactive(アザー・オーシャン・インタラクティブ)、アニメーター):
主人公の騎士ダンについては、ポリゴン数が大幅に増えただけでなく骨の数が大幅に増したことにより(※ジョークです)、感情表現が豊かになり、死ぬ前のダンの姿や、甦りいう奇妙な体験をしたダンというキャラクターをより表情豊かに、描けるようになりました。特にダンの頭を伸ばしたり、逆に縮めたりすることが可能になったことで、ダンの感情を大げさに表現できるようになったのは良かったですね。中でも特に上手く表現できたと思っているのは自ら腕を引きちぎる場面や、チキンにかぶりついている場面です。
キャラクターたちのポリゴン数が増えていくにつれて、見た目も表現力も進化していく姿を見て、あらためてPlayStationの歴史を感じますね!皆さんのお気に入りキャラクターの進化についてもぜひコメント欄に書き込んでくださいね!
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