バトルはコマンドRPG方式に! 2020年1月16日発売、『龍が如く7』発表会レポート

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バトルはコマンドRPG方式に! 2020年1月16日発売、『龍が如く7』発表会レポート

新主人公・春日一番が、仲間と共に横浜を駆けめぐる! シリーズ最新作、2020年1月16日(木)発売!!

「大人向けのエンタテインメント作品」というコンセプトに基づき、巨大歓楽街に生きる熱き男たちの生きざまを描く「龍が如く」シリーズ。2005年から続いた桐生一馬の伝説は『龍が如く6 命の詩。』で最終章を迎えたが、現在は春日一番を主人公とする「新・龍が如くプロジェクト」が展開されている。

8月29日(木)、東京・秋葉原UDXシアターにて、シリーズ最新作の記者発表会が開催された。これまでタイトルが明かされていなかったが、ついに『龍が如く7 光と闇の行方』に正式決定! 2020年1月16日(木)、PlayStation®4用ソフトウェアとして発売される予定だ。初回特典は、ゲーム中で使える装備アイテム「真島建設試供品バット(春日一番専用武器)」と、「真島建設ヘルメット(防具・全キャラクター使用可能)」のプロダクトコード(*1)。パッケージ版には、「龍が如く」と人気ブランドの限定コラボグッズが当たる抽選券が同梱される(*2)。詳しくは、『龍が如く7 光と闇の行方』公式サイトを参照してくほしい。

発表会には、「龍が如く」シリーズ総合監督 名越稔洋氏、チーフプロデューサーの横山昌義氏、主人公・春日一番役の中谷一博さん、助演女優オーディションでグランプリに輝いた鎌滝えりさんが登壇。ストーリー、豪華出演キャスト、バトルシステムを解説するとともに、新作への意気込みを語った。

*1 パッケージ版、ダウンロード版共通。
*2 ダウンロード版は抽選方法が異なります。

シリーズのDNAを受け継ぎ、ナンバリングタイトルに!

イベントの開会にともない、総合監督の名越稔洋氏は「シリーズの分岐点になる作品の発表ということで、いつもと違う緊張感があります。まずはどのような作品か見届けてください」と挨拶。続いてティザートレーラーが公開され、映像の最後に『龍が如く7 光と闇の行方』という正式タイトルが発表された。

PS4『龍が如く7 光と闇の行方』ティザートレーラー

『龍が如く7』と銘打ったことについて、名越氏は「今回は主人公が替わり、ゲームの内容も大きく変更しています。でも、人間ドラマを楽しみながらゲームを遊んでいただくというベースは変わらず、シリーズのDNAは本作にも受け継がれています。ナンバリングタイトルにしたほうが、そのことがわかりやすく伝わると思いました」とコメント。

トレーラーの最後に「ドラクエ」という言葉が出てきたことに対しては、笑いを交えながら次のように話した。「『スクウェア・エニックスに怒られるぞ』と言われそうですが、許可は得ています(笑)。堀井雄二さん(「ドラゴンクエスト」シリーズの生みの親)と食事をし、使用許諾をいただきました。春日一番は、『ドラゴンクエスト』大好き、ゲーム大好きというニュータイプのヒーロー。『ドラゴンクエスト』に思い入れがあり、他にも作品にちなんだキーワードがところどころ出てきます。中途半端に濁すよりは、ストレートにタイトルを言わせたかった。小さいことですが、それによってごまかしのないドラマになるのではないかという思いもありました」

続いて、春日一番役の声優・中谷一博さんが、役柄そっくりの出で立ちで登場。収録の感想を問われると、「とにかく大変でした。主人公なのでセリフの量が多く、一つひとつのシーンや言葉の重みも今までとは違いましたし、長い期間をかけて収録を行ないました。偉大な作品に関わらせていただき、今回のトレーラーを見るだけで感無量です」と述べた。

中井貴一、堤真一、安田顕… 豪華俳優陣が出演!

続いて、チーフプロデューサーの横山昌義氏が登壇し、ストーリー、キャラクター、システムについての説明を行なった。

『龍が如く7』は、2019年、神室町の今を描いた作品。物語の序盤では、春日一番がどのように生きてきたのか、彼の半生が語られていく。そんな彼の運命が激変したのが、2000年12月31日。東城会荒川組に所属する一番は、組長の荒川から若頭・沢城丈の罪をかぶって出頭するよう頼まれる。「ティザートレーラーにもありましたが、春日一番は組織のために犠牲になり、若頭の身代わりとして刑務所に入ります。そして18年後、2019年の神室町に戻ってきた一番を待ち受けるのは、荒川に銃口を突き付けられるという出来事です。すべてを失った一番がたどりついたのは、横浜・伊勢佐木異人町。そして彼は、ゼロから、いやマイナスから仲間と共に成り上がり、物語の謎を追っていきます」(横山氏)

さらに、トレーラーにも登場したキャラクターについても解説。今回紹介した豪華俳優陣のほかにも、大塚明夫、上坂すみれ、岡本信彦、中村悠一、鳥海浩輔の出演が決定している。

荒川 真澄(あらかわ ますみ)
出演:中井 貴一

八代目近江連合 若頭代行 直参荒川組組長。かつては東城会の三次団体「荒川組」の組長だったが、東城会の内部情報を警視庁へリークしたことで、結果的に神室町からの東城会の排除と、近江連合の神室町進出に大きく貢献。その功績が認められ、現在では近江連合内でも実質的なナンバー2である、若頭代行を任されている。

荒川について、横山氏は次のように解説する。「荒川は、一番の親父替わり。一番がグレてやんちゃしていた時に、自分の指と引き換えに命を救ってくれました。一番にとっては、生涯をかけてこの人の背中を追いかけていこうと決めた人物。しかし、出所して神室町に戻ってきたら、いきなり『死んでくれ』と言われてしまいます。荒川はなぜそんなことを言ったのか。2019年の神室町で何が起きているのか、この18年間で何があったのかの鍵を握る重要人物です」

中井貴一さんの演技に対し、中谷さんは「中井さんのお芝居は、立体感があります。目をつぶって声を聞いているだけで、臨場感が伝わってくるんです」とコメント。横山氏も「声を聞くだけで、荒川が動く姿が浮かんできます。後からモーションアクターの動きを重ねても、何のズレもない。このシリーズに長く関わっていますが、このシンクロぶりには心底びっくりしましたし、足が震えました。荒川という人間が、本当にそこにいると感じてもらえるでしょう」と絶賛した。

沢城 丈(さわしろ じょう)
出演:堤 真一

八代目近江連合 直参荒川組若頭。東城会時代より荒川真澄に仕える武闘派極道。春日一番を毛嫌いしており、18年の歳月が流れても、その嫌悪感は変わらない。荒川が近江連合の若頭代行となってからは、近江連合直参幹部クラスと同等の権力を持つ。

横山氏は沢城について、こう述べる。「荒川組のナンバー2であり、組の金庫番。極道っぽくない、チャラけた一番に対して当たりがキツく、極道としてのあり方を厳しくしつける人物です。18年経っても、相変わらずナンバー2。荒川に会いに行こうとする一番に対し、『覚悟があるのか』と問いかけますが、その言葉にも意味があります。荒川と並び、物語の鍵を握る重要人物です」

実は横山氏、沢城を演じる堤真一さんのファンだそう。「収録時に『うわー!』と声を上げ、名越さんに『黙れ、落ち着け』と言われるくらい浮き足立ってしまいました。あて書き(演じる俳優をあらかじめ決めておいてから脚本を書くこと)に近いことをしたキャラクターなので、演技も想像していたとおり。僕の中の沢城が、そこにいました」と述べた。

ナンバ
出演:安田 顕

元看護師のホームレス。勤めていた病院の薬を闇で横流ししていたことから、看護師免許をはく奪され、「どん底の街」伊勢佐木異人町へと流れつく。荒川真澄に撃たれ、意識を失っていた春日一番の命を救ったことをきっかけに、春日と行動を共にするようになる。

横山氏いわく、ナンバは一番の「命の恩人」。「荒川に撃たれたあと、一番はなぜか横浜にいます。そこで出会ったホームレスがナンバ。警察が来ると面倒なので、一番の傷を釣り糸で適当に治療してくれた恩人です。さらに、無一文の一番に対し、空き缶の拾い方など生きていくために必要なことを教えてくれます。それが友人関係に発展し、仲間になる。一番とは目的が違いますが、ここから這い上がっていく同志であり、ずっと一緒にいる相棒です。中谷さんの次に収録が多く、それだけ重要な人物と言えるでしょう」と語った。

マップは神室町の3倍以上! バトルはコマンドRPG方式に!!

主人公が春日一番に替わったことで、バトルシステムも大きく変化した。横山氏によると「一番は、金もない、権力もない、強さもない未熟な男。そんな彼が成り上がるためには、仲間が必要です。仲間に助けられることで一番も成長していく。仲間との出会い、絆が重要なファクターです」とのこと。

そんな一番のキャラクター性を考慮し、バトルは従来の喧嘩アクションからコマンド式RPGに刷新! 意外すぎる発表に、会場には驚きが広がった。その意図について、横山氏は次のように話す。「一番を一から作り上げる中で、彼はこれまでの主人公のように力で壁を乗り越えるタイプなのか、そういう戦い方をする人ではないんじゃないかと思うようになりました。一番は、明るい性格とバイタリティが特徴。信頼できる友と、互いに手を取り合って壁を乗り越えていく人物です。従来通りのバトルアクションが正しいのか、フラットな目線で見つめ直した結果、コマンド式RPGに変更しました」

ここからは、ゲームのプレイ映像を見ながらシステムの解説を行なった。

今回の舞台は、横浜・伊勢佐木異人町。マップは神室町の3倍以上の面積で、過去最大規模とのこと。街歩きの自由度も、従来のシリーズ作品と変わらない。「飲食店で食事したり、スナックで酒を飲んで歌ったりできます。プレイスポットも用意され、”街を遊ぶ”楽しみもそのまま味わえます」(横山氏)

大きく変わったのは、バトルシステム。画面左のコマンドを選び、標的となる敵を選んでから攻撃するというコマンドRPG形式のバトルシステムになっている。とはいえ、単なるコマンドRPGではないとのこと。「リアルタイムの物理制御でキャラクターを動かしているため、敵との距離、近くにどんなものが置いてあるかによって戦況が毎回変わります」(横山氏)

仲間にはそれぞれ職業があり、仕事や能力によって動きが変化する。「ハローワークに行くと、転職できるんです。例えばガードマンは力があるなど、その職業に基づきジョブスキルを学んでいきます」(横山氏)

火を噴いたりハトを飛ばしたり、魔法使いのように戦うナンバ。「普通のRPGでは魔法使い的なポジションですが、それを現代の職業に落とし込んでいます。どのように成長させるかは、ユーザーの自由。仲間と一緒に成長し、物語を進めるシステムになっています」(横山氏)

パーティメンバーの中には、ドスを振り回す女性の姿も。彼女は、「『龍が如く最新作』助演女優オーディション」でグランプリに輝いた鎌滝えりさん演じるエリというキャラクターだ。

ここからは鎌滝さんが登壇。「声の仕事は初めて」という鎌滝さんに収録の感想を求めると、「相手のセリフを聞いて返すお芝居ではなく、ひとりで演じるのが新鮮でした。『日本を代表するゲームを一緒に作らせていただいているんだ』と実感し、とてもうれしかったです」との答えが返ってきた。なお、鎌滝さん演じるエリは「意外と激しいキャラクター」とのこと。「ドスを振り回したり、普段発することのない激しいセリフもあったりして面白かったです」と語った。

最後に、名越氏、横山氏から「龍が如く」ファンへのメッセージが送られた。横山氏が「ファンの方ほど、今回の変化に驚いたのではないかと思います。ゲームを一から生まれ変わらせるつもりで、開発チーム一同取り組んでいます」と述べると、名越氏も「今回の情報は、ごく一部にすぎません。まもなく開催される東京ゲームショウでは、試遊台を用意し、トレーラーにも新情報を追加する予定です。続報にご期待ください」と力強く語った。

アクションゲームを手掛けてきたスタッフならではの新バトル。このシステムが受け入れられるか見届けたい

発表会終了後に、会場に集まったメディアによる質疑応答が行なわれた。その模様をお届けしよう。

──バトルに大胆な変更がありました。その意図をお聞かせください。

名越:「龍が如くスタジオ」では、約15年間続けてきた「龍が如く」シリーズやスピンオフ作品、『JUDGE EYES:死神の遺言』などアクション要素の強いゲームをたくさん手掛けてきました。ひとつの完成形を見たと言うと語弊があるかもしれませんが、現代を舞台にしたソロプレイのアクションゲームというくくりで考えると、ここからさらに工夫するより、もっと大胆に変化してもよいのかもしれない。アクション要素の強いゲームを作れるスタッフが、目線を全く違うところに置き換え、大胆な変化を提案してもよいのではないかと考えました。ゲームジャンルは変わりましたが、アクションゲームを多彩に作れるスタッフならではのテイストを持つ、既存のRPGとは違う一種バカバカしくも面白いゲームになっていると思います。そもそも「龍が如く」のアクションも、カッコいいだけでなく時に笑えたり驚きがあったりするものでした。その目線は変わっていません。主人公も替わりましたし、今までの延長戦上で小さく積み上げるよりは、大きな積み上げをやるべきだろうと判断し、大胆に変更しました。

横山:春日一番には仲間が多くいます。それを正しく表現するには、RPG形式が良いのではないかと考えました。今回のバトルも、これまで作ってきた「ドラゴンエンジン」で制御しています。我々の持っている強みを活かし、RPGという形を取らせていただきました。

──本作は、新たな主人公、新たな舞台、新たなゲーム性で作られた新鮮な「龍が如く」です。ただ、タイトルに『7』とついていることで、これまでのシリーズとのつながりが気になります。その点はいかがでしょうか。

名越:まあ、「桐生は二度と登場しない」と言った覚えはないですからね(笑)。ビジネスとしては、成功事例をしゃぶりつくしたい。でも、それでは次にいけないというジレンマがあります。今回は、従来のシリーズ作品とは一度縁を切ったという形です。だからこそ、ゲームジャンルまで変えたわけです。それを前提としつつ、こういうくすぐり方もまだ許されるんじゃないかという部分については、応えていきたい。とはいえ、そのくすぐり方が新しいファンにはわからないものにする気はありません。良い感じでつながりを出せればいいなと思います。

──『龍が如く7』では、神室町もプレイできるのでしょうか。

名越:メインは横浜です。ほかにどんな場所が出るのかは、お楽しみに。

──ロゴの書体が変更になりました。その狙いをお聞かせください。

名越:主人公のキャラクターに沿ったイメージチェンジと考えてください。春日一番はやんちゃな主人公なので、渋い雰囲気よりは元気のある感じにしています。裏社会というダークなテーマとの兼ね合いを考えつつ、これくらいまで針を振ってもいいんじゃないかというデザインにしました。

──冒頭の挨拶で、「この作品はシリーズの分岐点」とお話しされていました。今後このシリーズをどう成長させたいと思いますか?

名越:まずは、このシステムが受け入れられるかどうか見届けたいですね。僕らは、今回のシステムを押し売りする気はありません。「やっぱりアクションあっての作品だよね」という声が大きく、僕らが提案するものがその声に叶わなければ、その時はまた戻したいと僕は思っています。とはいえ、僕らとしては「こういうのも面白いよね」と提案したいし、『JUDGE EYES』など別の作品ではアクション要素も出していきたい。IPとゲームジャンルの当て込み方も、いろいろなバリエーションがあったほうがクリエイターとしての選択肢も増えると思います。まずは『龍が如く7』を成功させ、選択肢のカードを1枚増やしたいですね。

現時点で、本格的な現代劇のRPGはほとんどありません。『龍が如く』が登場するまでは、現代劇のアクションRPGもほぼありませんでした。10数年前と同じような新鮮味をもってトライしていますし、当時と同じようにこの作品を成功させたいと強く願っています。

──「ドラゴンクエスト」の名称を作中に登場させるにあたり、堀井雄二さんとお話されたそうです。ほかに、どんなお話をされましたか?

名越:堀井さんは、「龍が如く」をユニークで面白い存在だと非常に褒めてくださいました。すごくうれしかったですね。『JUDGE EYES』も面白いと言ってくださり、「あ、プレイしてくれているんだ」とうれしくなりました。売り上げも、社会やゲーム文化に対する貢献度も、我々は堀井さんの足元にも及びません。でも、そういう方が我々のゲームを気にしてくださっているのはとてもうれしいですね。僕も大学時代から、堀井さんの作品をプレイしていましたから。「名越君は面白いゲームを作ってくれる。そういう人が大事に扱ってくれるなら、キーワードとしてタイトルを出すのはかまわないよ」と言ってくださり、一生懸命仕事をしてきて良かったなと思いました。

──東京ゲームショウでの試遊内容について教えてください。

横山:今日ご覧になっていただいた横浜の街を実際にまわり、敵と戦うことができます。試遊時間は15分程度なので、全体の一部分を切り出して遊んでいただくことになります。何回かプレイしないとすべて遊び尽くせないかなというボリュームは用意できると思います。

なお、インタビュー中には名越氏から意外な事実も明かされた。実は名越氏、3週間前に心臓の手術を受けたとのこと。「今日発表会ができ、感無量です」と、入院生活を振り返り、作品への意気込みを語り、取材を締めくくった。

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龍が如く7 光と闇の行方

・発売元:セガゲームス
・フォーマット:PlayStation 4
・ジャンル:ドラマティックRPG
・発売日:2020年1月16日(木)予定
・価格:パッケージ版 希望小売価格 8,390円+税
    ダウンロード版 販売価格 8,390円(税別)
・プレイ人数:1人
・CERO:D(17才以上対象)

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