ソニー・インタラクティブエンタテインメント(SIE)より10月25日(金)発売予定のPlayStation®4用ソフトウェア『コール オブ デューティ モダン・ウォーフェア』。本作は、シリーズ最高傑作とも言える「モダン・ウォーフェア」を、現在の世界情勢と最新のハードウェアによって再構築したもの。今回は1人プレイ用のキャンペーンモードが復活。プレイヤーはヨーロッパや中東を舞台に、国際的な特殊部隊員や自由のために戦う闘士といったさまざまな立場から、この戦いを体験します。
今回は、米国・ロサンゼルスで開催されたゲームイベント「E3 2019」会場にて実施された、本作のプレゼンテーションの模様を電撃PS編集部がお届けします。さらに、開発を担当するInfinity Wardのディレクター・Jacob Minkoff氏へのインタビューもあわせて紹介します。
今作は特殊部隊兵士と抵抗勢力双方の視点から多彩なシチュエーションの戦いを描く
プレゼンテーションは、ディレクターのJacob Minkoff氏とアートディレクターのJoel Emslie氏が登壇しての本作のキャンペーンモードの解説に続き、実際のプレイデモを公開しつつラウンドテーブル形式で開発者がトークするという流れで行なわれました。なお、現在公開中の第1弾トレーラーは、PS4 Proで動作している実機映像で、キャンペーンのほかマルチプレイヤーの映像も入っているとのことです。
まず今作は、2007年に発売された『コール オブ デューティ4 モダン・ウォーフェア』(以下『CoD4』)を再構築した作品であるとのこと。「モダン・ウォーフェア」は『3』まで続編が作られましたが、ロシア軍がアメリカ合衆国本土に侵攻するなど世界が混沌とした状況になったところで終わっていて、新たに今の時代に合ったものを構築する必要があったとのこと。登場人物も『CoD4』とは異なっていて、唯一名前だけが共通するプライスも『CoD4』とは別人、ボイスも新たな俳優が演じています。
今日、私たちが生きている世界は敵と味方の区別があいまいで、敵が軍服を着ていないこともあれば、戦いのさなかに一般市民が犠牲になることもあります。今回の『モダン・ウォーフェア』は、そんなシリアスな状況下にプレイヤーを入り込ませ、さまざまなことを体験してほしかったとのこと。
プレイヤーは特殊部隊などの兵士だけではなく、中東で自由の闘士として戦う人物の立場で戦うこともあり、一方の側から見た善悪で語られるストーリーにはなっていません。モラルのはっきりしない戦場において、プレイヤーがそこで見たこと、感じたことに対し、どう対応していくのか考えさせられる作品になっているそうです。
ストーリーは、兵士のなかでもとくに優秀な技能を持つ者への総称”Tier1オペレーター”と、彼らが戦う抵抗勢力の双方の視点から進行。戦いはTier1オペレーター対抵抗勢力だけではなく、Tier1オペレーター同士のものや旧式兵器を装備した者同士の戦い、さらには抵抗勢力がTier1オペレーターにゲリラ戦を仕掛けるシチュエーションも存在するそうです。
今作では、「コール オブ デューティ」、とくに以前の「モダン・ウォーフェア」シリーズでは定番だった、アサルトライフルの射程で撃ち合う以外にバリエーションのある戦闘状況を採り入れたかったとのこと。これまでのビデオゲームで体験してきた戦いから抜け出し、ニュース映像で見るような迫真の戦いを感じてほしいと考えてほしいそうです。
ロンドンと中東、異なるシチュエーションで展開するプレイ映像を披露
解説に続いてロンドンと中東が舞台の2つのプレイ映像を披露。披露後に、今回はストーリーでもとくにヘビーな部分をピックアップした、という言葉通り、いずれもプレイヤーの心に強い印象を与える内容で、開発者が今作にかける意気込みを強く感じさせるものとなりました。
ロンドンでテロリストの掃討を行なう”Piccadilly”
最初に披露されたのは”Piccadilly”。ピカデリーサーカスでも知られるロンドンの中心地で起きた爆弾テロのシーンからゲームはスタート。プレイヤーは、イギリス特殊部隊SASの隊員として、住宅街に潜伏する爆破犯を含むテロリストの制圧に向かいます。
プレイヤーは建物の1階から内部へ突入、狭い屋内で部屋をひとつずつ制圧しながらテロリストを探します。問題なのは、ここにはテロリスト以外の住民もいて、彼らとの区別がほとんどつかないということ。プレイヤーの目の前に現れる住民?には、ただベビーベッドに寝ている赤ん坊を抱えたかっただけの人もいれば、突然銃をこちらに向けてくるものもいてまったく油断ができません。テロリストが壁越しにこちらを銃撃し、貫通した銃弾に仲間の隊員が倒されるなど非常にハードな戦いが描かれていました。
中東のエピソードは抵抗勢力のリーダーの過去を描く
続いて披露されたのは”Piccadilly”から20年前を描くエピソード。主人公は抵抗勢力の女性リーダーで、当時は小さい子供でした。
ストーリーはガレキの下に埋まった主人公が目覚めるところからスタート。彼女はまもなく助け出されますが、そのとなりでは母親らしき人物が死んでいる姿が。母の死体から引き離された彼女は父親と再会しますが、今度は空爆ののちにロシア兵らしき軍隊に襲撃を受けます。
空爆によるものらしき毒ガスのようなものが立ち込めるなか、兵士から逃走するシーンは、あちこちに隠れながら避難場所まで進む一種のステルスミッションとなっているようです。無事に目的の家まで避難したのもつかの間、今度は家に兵士が押し入り、主人公の父親は撃たれてしまいます。そこからは、主人公とその兄が家のなかを隠れて逃げながら、スキを突いて兵士をナイフやドライバーで倒していく展開に。最後の1人を奪った銃で倒した2人ですが、父はすでに助からない状態。兵士から奪ったガスマスクを着けて兵士が暴れる町を後にした2人は、ケシらしき植物が美しい花を咲かせる湖にたどり着いたところでデモ映像は終了しました。
開発者インタビュー――新たな『モダン・ウォーフェア』はプレイヤーごとに異なる感想を持てる作品に
Infinity Ward ディレクター
Jacob Minkoff氏
今回のキャンペーンは善悪の物差しではかれない、複雑な立場状況下での戦いを描く
――これまで「モダン・ウォーフェア」はシリーズとして『3』まで発売されていましたが、今作で改めてナンバリングのつかない『モダン・ウォーフェア』になった理由を教えてください。
これまで発売してきた「モダン・ウォーフェア」シリーズは、ロシアの超国家主義者がアメリカに攻撃を仕掛けるなど、現在の世界情勢から見るとかなりはかけ離れたものになっていました。今回発売するタイトルは、これまでのナンバリングされたシリーズとは異なる、再構築(reimagine)された『モダン・ウォーフェア』となります。
――「コール オブ デューティ」は十数年の歴史を持ち、毎年新作の話が出るたび世界中から注目を集める期待のシリーズですが、新作を作るにあたってどのような議論が行なわれるのでしょうか。
まずは前作に対して寄せられたファンからの反応を見ます。さらに、開発チームはシリーズの大ファンでもあるので、自分たちがどういったゲームを作りたいか、プレイしたいのかアイデアを出し合っていきます。また、発売するタイミングも考えています。今回発売する『モダン・ウォーフェア』は、開発チームが作りたいと思っていたところでしたし、ファンのみなさんからも『モダン・ウォーフェア』の帰還を待ち望んでいる声を多数受けたので開発に至りました。
――会場で拝見したデモプレイを見ると、キャンペーンモードはさまざまな立場からのプレイを通して、かなり複雑な感情を抱くストーリーになりそうです。たとえば善悪といった単純な価値観から結論を出すのは難しく思えるのですが、ストーリーはどの立場で結論を出すのでしょうか?
ゲーム内で起きる出来事について、”どうしてこうなったのか?”といったことをユーザー自身が考えながらプレイしてほしい、ということが私たちの制作の根本にあります。同じプレイをしたとしても、おそらくプレイヤーごとに異なる感情を抱くのではないかと思います。本作ではプレイヤーはさまざまな立場からゲームを体験しますが、最終的な結論はプレイヤー自身で考えてほしいですね。
――デモプレイのなかには、誰が敵かわからないシチュエーションで戦うシーンがありました。もし、プレイヤーが”間違った”行動をとってしまった場合は、ミッションが失敗したり、あとで評価されることがあるのでしょうか?
ゲーム全体の展開自体は決まっているので、たとえ”間違えた”としても大勢に変化はありません。ただし、そのミッション内で登場人物の会話や敵の配置が変わることはあります。
――ゲーム機が進化してグラフィック機能が向上していくなかで、ゲームソフトは見た目だけではなく、内面の感情を含めた人間そのもののドラマを描く流れに向かっているように感じています。そういった状況についてどう思われますか?
ゲームのなかでドラマの比重が大きくなってしまうと、プレイヤーの感じる楽しさが薄くなってしまうのでバランスに気をつけながら開発しています。グラフィックといったハードウェアの進化をドラマとゲーム性、両方に生かせるように意識してやっていきたいですね。
キャンペーンとマルチプレイヤー、Co-opを一貫した世界観と武器バランスでまとめる
――次はマルチプレイヤーについて聞かせてください。今作ではどんなゲームモード(ルール)が用意されているのでしょうか。
現時点でマルチプレイヤーのゲームモードについてはっきり言えることはありません。ひとつ言えることは、初めての取り組みとして、キャンペーンとマルチプレイヤー、Co-op(協力)プレイの各モードが一貫しているこということです。世界観のほか、同じ武器であればどのモードでも同じ性能、使用感で遊べるようになっています。
――一貫しているということは、キャンペーンのプレイでマルチプレイヤーで使えるものをアンロックできるようになるのでしょうか。
キャンペーンで獲得したリワードをマルチプレイヤーで使う、ということは可能です。
――発売後のDLCやアップデートの計画について教えてください。
こちらも現時点で話せることはないですね。開発チームは製品版のリリースに向けて全力を注いでいる段階です。
開発にあたり、従来の5倍のパフォーマンスを持つゲームエンジンを採用!
――今回新しいゲームエンジンを採用したとのことですが、その特徴について教えてください。
新しいゲームエンジンはこれまで使っていたものの5倍の性能があり、現実世界にあるものをスキャンして取り込むことで忠実に再現できます。
――今年に入り、あちこちから次世代機情報が公開されつつありますが、新しいエンジンは次世代機の登場を見こして作られたのでしょうか。
このエンジンは『モダン・ウォーフェア』のために作られたものですが、かなり出来がよいものになっています。今回は現行機種向けに制作されていますが、今後のマシンへの対応は考えられていると思います。
――今回はありがとうございました。
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コール オブ デューティ モダン・ウォーフェア
・発売元:ソニー・インタラクティブエンタテインメント
・フォーマット:PlayStation 4
・ジャンル:ファーストパーソンシューティング
・発売日:2019年10月25日(金)予定
・価格:パッケージ版 希望小売価格 7,900円+税
ダウンロード版 デジタルスタンダード版 販売価格 8,532円(税込)
ダウンロード版 オペレーター版 販売価格 10,584円(税込)
ダウンロード版 オペレーター改 販売価格 12,852円(税込)
ダウンロード版 改アップグレード 販売価格 4,320円(税込)
・CERO:審査予定
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『コール オブ デューティ モダン・ウォーフェア』公式サイトはこちら
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