7年目を迎えてますます盛況! インディーズゲームの祭典「BitSummit」に期待の新作が大集合!
6月1日(土)と2日(日)に、京都市勧業館「みやこめっせ」で日本最大級のインディーズゲームの祭典「BitSummit」が開催された。7年目を迎えた今年の「BitSummit 7 Spirits(ビットサミット・セブン・スピリッツ)」では、24カ国から100タイトル以上が出展。会場は多くのゲームファンであふれかえり、過去最大級の盛り上がりを見せていた。
ソニー・インタラクティブエンタテインメント(SIE)は、インディーズディベロッパーサポートの一環としてPlayStation®ブースを出展。会場の様子やステージイベントの模様をお届けしよう。
PlayStation®ブースに出展された注目タイトルをプレイ!
PlayStationブースでは、PlayStation®4、PlayStation®VRの新作インディーズゲームを18タイトル試遊出展。未発売のインディーズゲームをいち早く体験できるとあって、終日多くの来場者でにぎわっていた。その中から、PS.Blogスタッフが注目した8タイトルのプレイレビューをお届けしよう。
『Bloodstained: Ritual of the Night (ブラッドステインド: リチュアルオブザナイト)』
「悪魔城ドラキュラ」シリーズを手掛けた五十嵐孝司氏による横スクロールアクションゲーム。18世紀イギリス、錬金術師に呪いをかけられた女性ミリアムは、召喚者ゲベルを倒すため城を探索することになる。
今回試遊したのは、船のステージ。フルオーケストラのBGMが重厚かつ荘厳な雰囲気を盛り上げる中、複雑な構造を成す船内を探索することができた。宙を滑空する海洋生物、フレイル(トゲのついた鉄球)を振り回す敵、火球を発射する砲台などさまざまな敵が出現するため、瞬時に攻略法を考えながら倒していくのがスリリング。魔法の力「シャード」は威力が高いうえ、炎を飛ばして砲台に着火し、壁を壊すといった謎解きのような使い方も。また、ステージ上に置かれた宝箱からは、さまざまな武器やアクセサリーが出現。これらを装備したり、敵を倒してレベルアップしたりしながら、ミリアムを強化していくのも楽しい。麻や砂糖などの素材も入手可能だったので、本編ではアイテムなどの錬成もできそうで期待が高まる。
『Wattam (ワッタン)』
『塊魂』や『のびのびBOY』を生み出した高橋慶太氏による待望の新作。すべてが失われた世界でひとりたたずむ町長に、楽しみと友情を与えて記憶を呼び起こし、世界に活気を取り戻していこう。
ゲームが始まると、そこは箱庭のような世界。最初は町長がぽつんと立っているだけだが、やがて小石を見つけ、岩と出会い、さらには草花、鼻(!)へと友達の輪が広がっていく。草花や小石にも名前がついており、すべてのキャラクターを操作可能。原っぱを走ったり、手をつないで輪になったり、縦に連なってタワーを作ったりと、自由に遊びまわることができる。町長が帽子を脱いで挨拶すると、マジックボムが爆発し、草花や小石もキャッキャと大笑い。何気ない喜びを友達と共有し、その楽しさがどんどん伝わっていくようなハッピーな空気にあふれている。会場ではお子さんが試遊する姿も見られたが、町長や草花が笑う姿を見て子どもも笑顔に。既存のゲームルールに縛られず、心をまっさらにしてこの不思議で楽しい世界に浸りたい。
『F.I.S.T (フィスト)』
頭部はウサギ、体は人間の主人公が敵に立ち向かう、サイドビュー型のアクションゲーム。
ウサギというとかわいらしい動物を思い浮かべるかもしれないが、この主人公はワイルドかつハードボイルド。巨大な機械アームの拳を振るい、次々に現われる敵を殴り倒す豪快なアクションを楽しめる。敵に一定以上ダメージを与えると、○ボタンで「処刑」を行なうことも可能。スペシャルな画面演出とともに、相手を文字どおりひねりつぶすことができる。世界観は、機械油にまみれたディーゼルパンク風。中国語のネオン看板をバックに、ジャンプを駆使したり拳で床をブチ割ったりしながら鋼鉄の世界を探索するのが楽しい。ちなみに、セーブポイントで体力を回復すると、ウサギの体をマシンでワシワシ洗う演出も。いかつい主人公だが、このシーンは可愛い!
『ウエスト オブ デッド』
その名の通り、西部劇のような世界でゾンビと戦うクォータービュー型シューティングゲーム。
主人公はゾンビが待ち受ける建物内を探索していくのだが、中には闇に包まれた部屋も。そのため、ゾンビの攻撃をかわしつつ、部屋の明かりをつけながら敵を倒すことになる。明かりをつけるとゾンビが一瞬ひるむので、そのタイミングが攻撃のチャンスだ。なお、銃を連射できる回数には限りがあるが、弾薬は一定時間経過すれば復活する。ゾンビの出現に焦ってしまうが、むやみに乱射せず、ガンマンのように的確に仕留めたいところだ。また、探索を進めていくと、新たな武器が手に入ることも。ただし、装備できる武器はふたつまで。装填できる弾数など武器によって特性が異なるので、どれを選ぶかが勝負の分かれ目になりそうだ。さらに、武器以外にアビリティも装備可能。武器とアビリティを使い分け、ゾンビワールドを生き延びよう!
『No Straight Roads (ノーストレイトローズ)』
インディーズロックバンドのメンバーとなり、EDM(エレクトロニック・ダンス・ミュージック)以外の音楽を禁止したレーベル「NSR」に立ち向かう音楽アクションアドベンチャー。
今回の試遊では、主人公のMayday(メイデイ)とZuke(ズーク)が巨大なDJと対決するステージをプレイ。配下の敵を倒してから最後にボスキャラと対決するのではなく、いきなりボスと戦うステージ構成になっている。音符を集めて敵めがけて放ったり、ギターを奏でてオブジェクトを武器に替えたりと、プレイヤーの攻撃は音楽にちなんだものがメイン。敵の攻撃も、音楽に合わせて繰り出される。最初は敵の動きを目で追いながら攻撃を回避していたが、リズムにノッてプレイしたほうが有利に戦えるうえに楽しさも倍増。ぜひヘッドフォンを着用して、大音量でプレイしてほしい!
『Lethal League Blaze (リーサルリーグ ブレーズ)』
ひときわ大きな歓声が上がっていたのがこちら。個性豊かなキャラが激闘を繰り広げる対戦アクションだ。
対戦ゲームとは言うものの、相手を直接殴るわけではなくボールをぶつけ合うのが特徴。打撃やバント、特殊能力などを駆使してボールを放ち、対戦相手に当てるというドッジボールのようなルールになっている。ラリーが続くとボールのスピードが速くなり、目にも留まらないほどの豪速に! ステージは壁と天井で囲まれているため、ボールが跳ね返って思わぬ角度から攻撃が降りかかってくるので気が抜けない。4人対戦ともなれば攻守が目まぐるしく入れ替わり、コントローラーを握る手が汗まみれになるほど白熱の対戦を楽しめる。パワー型、スピード型、リーチの長いタイプなど、キャラクターの特性もさまざま。気軽にサクッと遊べるが、究めるとなると奥が深そうなタイトルだ。
『Budget Cuts (バジェットカッツ)』
ロボットの採用により、従業員を削減する巨大企業。同社で働く主人公も解雇の対象となり、警備ロボットから命を狙われるはめに。そんな近未来のオフィスを舞台にした、異色のVRステルスアクションゲーム。
本編ではナイフを使ったアクションなどもあるようだが、試遊では謎解きの一部を体験することができた。今回の目的は、オフィスから隣のビルへと移動すること。ファックスで指示を受け、書類をチェックしたり、ツールボックスのカギを開けたりしながらオフィスを探索していく。主観視点のVRゲームということもあって、リアル脱出ゲームのような感覚を味わうことができた。ポインタで指定した場所にワープする移動するシステムなので、VR酔いの心配もなし。ルーペをはじめとする各種ツールを使った謎解き、警備ロボとのバトルも楽しみだ。
『FOCUS on YOU (フォーカスオンユー)』
女子高生のハン・ユアと、写真撮影を通じて恋をはぐくむ韓国製恋愛アドベンチャーゲーム。主人公は、写真好きの男子高生。ある日、バイト先のカフェに現われたユアと出会い、彼女に写真のモデルになってもらうことに。
このユアちゃんが、とにかく可愛い! 何かを言い出そうとしてためらう時の揺れる瞳、軽く下唇を噛んで恥じらうような表情、カメラを向けられて照れながらもポーズをとるしぐさなどがいきいきとしていて、目の前にホンモノの彼女がいるかのよう。PlayStation®Moveモーションコントローラーでカメラを手に取り、自分の顔に近づけるとファインダーモードに切り替わるシステムも面白い。プレイ中に会話選択肢が何度か出現したが、選択によってストーリーや彼女の反応が変わるのかも気になるところ。恋の甘酸っぱさ、ドキドキ感を存分に味わえそうだ。
「違いを乗り越えることが大きなテーマ」──高橋慶太氏とSIE 吉田修平が『Wattam』を語る
会場内メインステージでは、インディーズゲームクリエイターによるトークショーも多数開催された。6月1日(土)には、『塊魂』や『のびのびBOY』を生み出した高橋慶太氏とSIE ワールドワイド・スタジオ プレジデント 吉田修平が登壇。吉田が司会進行役を務め、新作『Wattam』を制作中の高橋氏とともに「『塊魂』から『Wattam』の開発へ、高橋さんの歩み方」と題したトークイベントを行なった。
右からゲームデザイナー・高橋慶太氏、SIE ワールドワイド・スタジオ プレジデント 吉田修平。
2019年夏発売予定のPlayStation 4用ソフトウェア『Wattam』は、ひとりぼっちの町長が石や草花、顔のパーツなどと出会い、友達の輪を広げていくゲーム。愛らしいキャラクターたちがマジックボムを爆発させて笑いあったり、手をつないで駆け回ったりと、世界がハッピーな空気で満たされていくのが心地いい。
高橋氏によると、このゲームが生まれた背景にはふたつの出来事があったとのこと。ひとつは、お子さんとの積み木遊びだ。「当時2歳だった息子と積み木を組み立てて、タワーを作って遊んでいたんです。子どもはタワーを壊してはケタケタと笑っています。それを僕がまた組み立て直して、息子が壊すという繰り返し。積み木にAIが搭載されていて、ひとりでにタワーができてくれないかなと思っていました」
そして、もうひとつはカナダのバンクーバーへ引っ越した時の発見だ。「バンクーバーではさまざまな人種の人々が暮らし、母国語は違うのに英語で話しながらみんなで仕事を成し遂げていました。頑張って違いを乗り越えている姿が、日本人の僕にはすごいことだと感じられたんです。その一方で、世界では宗教、国益、人種、性別などの違いから争いや問題が起きています。僕にとって、違いを乗り越えることは大きなテーマ。日常生活から生まれたこの考え方と、子どもと遊んだ時のアイデアを頭の中でミックスしてできたのが『Wattam』です」。
ひと言ではなかなか説明できないゲームだが、既存のゲームジャンルに当てはめることには意味がないと話す高橋氏。”『wattam』はゲームなのか、デジタルトイなのか”という問いに対しても、次のように語る。「僕自身、ゲームとは何か、おもちゃとは何かという境目をまだ認識できていません。カテゴライズできない、むしろカテゴライズしたくないと思っています」。
高橋氏によると、『塊魂』は「最初に作ったゲームなので、既存のゲームルールを踏襲しました。制限時間内に塊を大きくしていくというわかりやすい仕組みを使う以外にアイデアがなかったんです」とのこと。第2作『のびのびBOY』については、「AIを使い、その世界でBOYが生活しているようなものにしたかった。でも、とてもそこまでは到達できませんでした」と話す。新作『Wattam』では高橋氏が思い描く世界がどのように描かれているのか、発売を楽しみに待ちたい。
ハイクオリティなフライトシューティングが人気! UNTIESのブースも大盛況
ソニー・ミュージックエンタテインメントのインディーゲームレーベル「UNTIES(アンティーズ)」もブースを出展。「東方Project」の二次創作アクションレーシング『幻走スカイドリフト』、ファンタジックな謎解きアドベンチャー『ジラフとアンニカ』など、10作品以上の試遊台が設置されていた。
中でも注目を集めていたのが、PlayStation 4用ソフトウェア『有翼のフロイライン Wing of Darkness』。気鋭のクリエイター集団Production Exabilitiesが制作するフライトシューティングゲームだ。兵器となった少女たちを主人公に、大空を舞台とした過酷な戦いが描かれる。ドラッグブーストや高速回転を駆使して敵の攻撃を回避し、弾薬を無制限に放ちながら敵機を撃墜する爽快感あふれるシステムとなっている。
近年インディーズゲームの高品質化が目覚ましいが、このゲームのクオリティは別格。モニターの前で足を止める来場者も多く、試遊中に「絶対買う!」と話す声も聞こえたほど。配信時期は未定だが、今から注目しておきたい1本だ。
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