今やオープンワールドRPGの代表格として挙げられることも多い「Fallout」シリーズ。終末戦争によって壊滅してしまったアメリカ各地を舞台とした、ポストアポカリプス系の作品です。戦闘だけでなく、隠密やハッキング、交渉などを駆使して、プレイスタイルに応じた攻略を行なえるゲームシステムや、それを可能にするキャラクターの成長要素の幅広さ、レトロフューチャーかつブラックユーモア満載の世界観など、多くの魅力が世界中のファンを虜にしています。
シリーズ最新作となる『Fallout 76』では、シングルプレイ専用からオンラインマルチプレイタイトルとして生まれ変わり、複数のプレイヤーで世界を共有することになりました。今回は、そんな新たなステップへと踏み出した『Fallout 76』ならではの魅力を解説していきます!
舞台となるのは終末戦争から25年後のウェストヴァージニア州
「Fallout」シリーズでは、2077年に勃発した戦争で崩壊したアメリカ合衆国の各地域を舞台として取り上げてきました。場所だけでなく、時代設定もそれぞれ異なり、作品ごとのつながりなどを追うのもファンの楽しみのひとつとなっています。
本作の舞台となるのは、”アパラチア”と呼ばれる2102年のウェストヴァージニア州。プレイヤーは、戦争で崩壊した文明を再建させることを目的とした核シェルター”Vault 76″の住人として、この地に降り立つことになります。
2102年……つまり”終末戦争から25年後”という年代は、シリーズの中でももっとも過去にあたる時間軸。前作の『Fallout 4』より約200年も前となります。これまではゲーム中に登場する資料でしか読み取れなかった時期を扱うだけに、シリーズファンにとっても見逃せない年代といえるでしょう。
過酷な環境で生き抜くサバイバル感も、本作の持つひとつのテーマ。食事や水を定期的に摂取したり、十分な休息が必要になったりと基本的なことはもちろん、放射線が強い場所ではその対策をしなければならないなど、「Fallout」世界ならではの要素もあります。放射能汚染された食べ物や水などはシリーズ定番のアイテムでしたが、本作ではそういった物も飲み食いしなければならないときもあるかもしれません。
劣悪な環境下にいると、病気にかかったり、変異が起きてしまうことも……。戦闘を繰り返すうちに装備は摩耗し、やがては壊れてしまいます。さらに、武器防具をはじめ、弾薬、食料などすべてのアイテムには重量があり、持てる量も限られます。このように、あらゆることに注意を払いながら過酷な世界を生き抜いていく。それが『Fallout 76』の醍醐味でもあるのです。
荒野には放射能の影響で生まれたさまざまなクリーチャーが生息しています。シリーズ恒例のスーパーミュータントや、戦前に生産されていたロボットたちをはじめ、本作から新登場となる敵も数多く登場! 彼らを倒しながら各地を探索し、さまざまなクエストに挑戦したり、自分なりの生き方を探究することが、本作の目的となります。
広大なフィールドは、なんと前作の4倍以上の広さ! これまでのシリーズでも、各地のシンボル的な建造物などが描かれていたため、さまざまなロケーションを見て回るだけでも楽しめるハズ。遠距離に瞬間移動できるファストトラベルも可能ですが、スタート地点である”Vault 76″などの特定の場所以外には別途キャップ(ゲーム内通貨)が必要となるため、お財布事情と相談のうえ使用しましょう。
サバイバルといえば、安全な拠点作りも重要なポイント。前作『Fallout 4』では、フィールドに点在する居住地に建物を建て、拠点化することができました。本作に導入された”C.A.M.P.”はその発展形。フィールド上で自由に展開することができ、そこを中心とした自分の拠点を作ることができます。装備の開発や修理をする作業台を作ったり、料理をするための鍋を配置したりといった実用的なものから、ソファーや楽器などを置いてゆっくりくつろぐことも。外敵から拠点を守る防衛設備も設置できます。
また、一度設置した家具などの配置を記憶しておき、別の場所ですぐに拠点を展開することも可能です。万が一敵の襲撃で破壊されても、資材さえあれば瞬時に元通りに直すことができるため、時間をかけて作り上げた拠点をバラバラにされて、復旧に1日費やすといった事態も防げます。
キャラクターを個性付けるPERKは、トレーディングカード形式に!
「Fallout」といえば、自由度の高いキャラクター成長要素がウリ。本作でもその魅力は変わりません。幅広いキャラクターを作れる秘訣は、”S.P.E.C.I.A.L.”と呼ばれるキャラクターステータスの割り振りと、それに付随する”PERK”と呼ばれる特殊能力の組み合わせです。もちろん、キャラクターの容姿も細かくカスタマイズできるため、外見・能力ともに自分の理想のキャラクターを作り上げることが可能です。
“S.P.E.C.I.A.L.”とはキャラクターの能力値を表すもの。
それぞれ以下の能力を示しています。
S …… Strength(筋力)
P …… Perception(知覚)
E …… Endurance(持久力)
C …… Charisma(カリスマ)
I …… Intelligence(知性)
A …… Agility(敏捷性)
L …… Luck(運)
キャラクター作成時やレベルアップ時などに、これらに数値を振り分けてキャラクターの能力バランスを決めていきます。力自慢のキャラクターでプレイしたいならS(筋力)を高めにしたり、俊敏さを生かした戦い方をしたいならA(敏捷性)を高めにしたりなど、イメージ通りのキャラクターを作れます。
PERKでは、”S.P.E.C.I.A.L.”に加えて、さらにキャラクターに個性を付け加えることが可能です。過去に存在したものを例にあげると、カギをこじ開ける能力を向上させるものや、特定のアイテムが手に入る確率を上げるもの、特定の系統の威力を上げるものなど、種類はさまざま。
このように、”S.P.E.C.I.A.L.”とPERKの組み合わせにより、さまざまな特徴を持った自分の分身を生み出すことができるのが、シリーズ最大の魅力でもあります。
ちなみに、本作ではPERKはトレーディングカード形式になりました。レベルアップ時にカードパックが手に入り、ランダムでいくつかのPERKを入手できます。もしカードが重複しても、合成してカードの効果を向上させられるため、無駄にはなりません。
PERKカードにはそれぞれ”S.P.E.C.I.A.L.”のアルファベットとコストが記載されており、対応する”S.P.E.C.I.A.L.”に割り振った数値をコスト上限として、カードをセットしていきます。効果が大きい反面コストも高いPERKを使うか、コストが低いPERKを複数セットするかなど、プレイヤーによって大きく変わる部分となりそうです。
オンラインマルチプレイならではの出会いが楽しめる
冒頭でも触れた通り、本作はオンライン専用のマルチプレイタイトル。シングルプレイ専用だったこれまでの作品では、プレイヤーが作中で出会う相手はすべてNPCでしたが、本作で出会う人間は、すべてほかのプレイヤー。旅先で出会った相手と協力して冒険するのも、関与せずに1人での旅を続けるのも、すべて自由です。もちろん、フレンドを同じサーバーへ招待して、一緒にプレイすることもできます。
とはいえ、あなたが荒廃した世界で偶然ほかの人間とであったときに抱くのは、仲間を見つけた喜びか、身の危険に基づく警戒心か、はたしてどちらでしょうか。
本作ではPvP(対人戦)の要素も導入されているため、プレイヤー同士が腕を競い合うことも可能です。ただし、問答無用で一方が相手を倒せるというものではなく、いくつかのルールが存在します。
PvPを成立させるには、攻撃を受けたプレイヤーが、その攻撃をしてきたプレイヤーに撃ち返す必要があります。これで互いが同意したことになり、正式なPvPが開始されます。逆に、この状況が成立しなければ、他のプレイヤーを攻撃しても大きなダメージは入りません。そのため、超強力な攻撃を最初に撃ち込むことで、一方的に相手を倒すことはできないようになっています。
しかし、微量といえどもダメージは通るため、攻撃を諦めなければ無抵抗の相手を倒すことはできてしまいます。とはいえ無抵抗の相手を倒したプレイヤーは賞金首として登録され、懸賞金がかけられることに……。賞金首になると、他のプレイヤーをマップで視認できないようになるうえ、他のプレイヤーのマップには常に居場所が表示されるようになります。
賞金首状態はプレイヤーによって自身が倒されるまで続きます。賞金首を倒したプレイヤーは、かけられた懸賞金を入手できるため、賞金稼ぎとして活動するプレイヤーも登場するかもしれませんね。
プレイヤーが能動的に世界に干渉できる”アトム”の力も登場
「Fallout」シリーズのイメージの中心には”アトム”の力の存在がありますが、なんと本作ではプレイヤーが実際にミサイルを起動し、発射することが可能です。
高難易度のエリアに行き、起動までに複数の手順を踏まなければならないなど、高レベルプレイヤー向けのコンテンツとして用意されているようですが、世界を滅亡へと追いやった兵器をプレイヤーが発射できるというのは、ブラックユーモアが詰まった本作ならではといえるでしょう。
ミサイルが着弾した場所は地形が変ぼうし、強い放射能汚染地帯に……! そこには放射能の影響を強く受けた強力なクリーチャーが出現するほか、そこでしか入手できない資源なども発生するとのこと。ただし、あまりにも強い放射能のために、通常の装備では足を踏み入れることさえ困難なようです。パワ―アーマーなど、放射能を防げる装備が必要かもしれません。
ミサイルを落とせる場所は多少制限があったり、変化した地形は時間経過で徐々に回復していくとのことで、フィールド全体が放射能まみれになることはなさそうです。始めたばかりの頃は手が出ない要素ですが、冒険の目標のひとつとして覚えておくといいかもしれません。
なお、日本時間10月30日(火)からは予約者がアクセスできるベータテストが開催中! サーバーが稼働している時間は限られるものの、すべての要素が解禁されているうえ、データを製品版に引き継げるので、予約済みの方はぜひプレイしてみてください! 次回は、そのベータテストをプレイしたうえで、本作の魅力をさらに掘り下げていく予定ですので、ご期待ください!
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Fallout 76
・発売元:ベセスダ・ソフトワークス
・フォーマット:PlayStation 4
・ジャンル:アクションRPG
・発売日:2018年11月15日(木)予定
・価格:パッケージ版 通常版 希望小売価格 7,980円+税
パッケージ版 Tricentennial Edition 希望小売価格 9,980円+税
パッケージ版 Power Armor Edition 希望小売価格 24,980円+税(*)
ダウンロード版 通常版 販売価格 8,618円(税込)
ダウンロード版 Tricentennial Edition 販売価格 10,778円(税込)
・プレイ人数:1人
・CERO:Z(18才以上のみ対象)
*Power Armor EditionはAmazon.co.jp専売となります。
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