スクウェア・エニックスよりついに発売された、PlayStation®4用ソフトウェア『シャドウ オブ ザ トゥームレイダー』。本作は、20年以上もの歴史を持つアクションアドベンチャー「トゥームレイダー」の最新作にして、シリーズの主人公のララ・クロフトが駆け出しの考古学者だったころを描く3部作の完結編となります。ララが挑むのは、中南米に眠る古代マヤ文明の謎。世界を滅ぼしうるとされる”マヤの予言”を阻止するため、うっそうと茂るジャングルや朽ちかけた遺跡で、彼女の冒険が始まります。
今回は、本作の開発を手がけるEidos Montrealのディレクター、ダニエル・ビッソン氏と、シニアプロデューサーのマリオ・シャブティーニ氏に電撃PlayStation編集部がインタビューを敢行。最新作の気になる部分について語っていただきました。
写真左からダニエル・ビッソン氏、スクウェア・エニックスでローカライズディレクターを務める山本大輔氏、マリオ・シャブティーニ氏。
敵のAIからトラップ満載の遺跡まで、細部にわたり進化を遂げた最新作
インタビューに先立ち、開発者のプレイを見ながら本作の進化したポイントの解説を受けるセッションが設けられました。
まず、本作では、これまで決められた配置とルートが設定されていた敵キャラクターがそれぞれAIで独自に行動するとのこと。さらに、敵に怪しまれてもすぐにララが発見されることはなく、実際に彼女を見つけるまで周辺を捜索するなど、より人間味のある行動をとるように作られているそうです。行動をAIが担うことで、プレイするたびに違った反応が起きるため、プレイヤーには臨機応変な行動が求められてより充実したゲームプレイが楽しめるとのことでした。
また、従来作にもあった寄り道要素”チャレンジトゥーム”は、アスレチックやパズル、トラップといったさまざまなタイプが存在。今回プレイを見せてもらった場所はトラップが満載の場所で、当たると大ダメージを受ける罠をジャンプなどで回避しつつ、仕掛けを起動していくスリリングなアクションが用意されていました。
インタビューでは「ララがトゥームレイダーになる」意味があきらかに?
インタビューでは、数ある世界の謎からゲームの題材となるロケーションを選ぶ過程や、シリーズのこれまでから最新作へ至るララの成長についてお聞きしました。
――現在の「トゥームレイダー」シリーズは、”邪馬台国”やシベリアの”キーテジ”といった、世界でも幻とされるロケーションが登場します。今作で、世界の数あるロケーションの中から中南米をゲームの舞台を選んだ理由について教えてください。
ダニエル・ビッソン氏(以下、ダニエル):2013年にリリースした『トゥームレイダー』は、主人公のララが「まわりの世界によって冒険家に変わる」というテーマがありました。その続編となる『ライズ オブ ザ トゥームレイダー』は、「冒険家となった彼女がよりたくましく成長する」というのがテーマでした。そして、『シャドウ オブ ザ トゥームレイダー』は、「ララが世界をコントロールする、サバイバルのマスターになる」がテーマです。
今作のロケーションについては、「これまでより危険で過酷な場所を」という条件でリサーチをしていました。その過程で「ジャングルというのは、実は地球上でもっとも危険で過酷な場所ではないか?」と考えました。ジャングルという場所は、たしかに空腹やのどの渇きで死に至る危険は少ないかもしれません。しかし、飲んだ水に寄生生物がいたり、夜寝ている間にジャガーや未知の野生生物に襲われる危険があるでしょう。ララが冒険家としてより強く成長する場所として、ジャングルほどうってつけのロケーションはないと私たちは感じたのです。
そして、中南米といえばマヤやインカ、アステカの文化があります。マヤ文明にはピラミッドが登場するなどミステリー要素も豊富ですし、なによりジャングルに埋もれた遺跡のなかでララがあのタンクトップを着てたたずむ姿が、シリーズのノスタルジックを感じつつも新しさがあって素晴らしいと考えました。
――シリーズを作る過程においてはさまざまな手法があると思うのですが、現在の「トゥームレイダー」シリーズは、大学を出たばかりの新米考古学者だったララがトゥームレイダーに成長する、1996年の『トゥームレイダー』のプリクエル的な物語を描いていました。このアプローチになにかこだわりはあるのでしょうか?
ダニエル:2013年リリースの『トゥームレイダー』の制作にあたり、「ララをもう一度作り直すとすれば、どうすべきか?」と考えました。従来シリーズのララは、すでに強くてスマート、魅力的でまさに完璧と言えました。そこに足りないものがあるとすればなにか。思い立ったのは彼女の弱みであるとか、未熟なところ、もしくは悪いところ……そういった部分が不足していると考えました。
主人公がララ・クロフトという時点でキャラクターはしっかりと立っていたのですが、そこにさきほどの弱みや悪さをプラスすることで、今までは単なるゲームキャラクターだった彼女が人間味を帯びてくるのではないか、と思いました。そして、彼女の性格を形成するにあたり「彼女が現在のようになる以前を描くべきなのではないか」と考えたのです。だからこそ、シリーズ1作目は大学を出たばかりのララを主人公としたのです。
このシリーズが完結するときは、彼女がトゥームレイダーになるときだと考えていました。1作目の段階ではそこに至る展開はまだ決まっていませんでしたが、彼女が成長する過程で生まれるさまざまな感情、思いがテーマになることは明確でしたね。
――先ほどのお話で、「シリーズの完結はララ・クロフトがトゥームレイダーになること」とおっしゃってましたが、「トゥームレイダーになる」とは具体的にどういうことなのでしょうか?
ダニエル:トゥームレイダーというのは、目に見える概念ではなく、”結果をちゃんと理解したうえで行動する人”のことを指します。たとえば遺跡のなかでの行動、それによって起きる出来事についてです。『シャドウ オブ ザ トゥームレイダー』でも、この”行動によって起きうる結果”がテーマとなっています。今回の物語で、ララはとある遺跡で短剣を手にするのですが、”遺跡から短剣を取り出す”という行為によって、世界は崩壊の危機に瀕してしまいます。彼女はその後、父の仇である組織”トリニティ”の人物、ドミンゲスとの対峙、ペルーにあるとされる幻の都市”パイティティ”での出来事を通じて成長を遂げていきますが、最終的に「結果をちゃんと理解したうえで遺跡などの探検をしなければならない、そして探索の結果に対して責任を取らなくてはならない」ということを学んでいくのです。
――次はローカライズについてお聞きします。シリーズを通してララは大学を出たばかりの新米からトゥームレイダーへと成長していくのですが、その過程について、吹き替えの方にどんなリクエストを行ないましたか?
山本大輔氏:今作のララも甲斐田裕子さんに吹き替えを担当していただいたのですが、収録に際してそういった特別な演出のディレクションは行なっていませんでした。ただし、英語版のララのボイスを担当している方が感情の制御が非常に巧みなうえ、甲斐田さんもその英語のボイスに合わせて感情を乗せていくのが非常にうまく、今作も素晴らしい収録になりました。ですので、ララの成長を示唆する演技は甲斐田さんによって忠実に再現されています。このあたりの技術については、甲斐田さんの右に出る人はいないな、と個人的には思いますね。
――最後に日本のプレイヤーにメッセージをお願いします
ダニエル:今回は3部作の完結ということで、エンディングまでぜひ楽しんでください。ここまでの制作を通じて、ララを娘のように誇りに思っています。作品を通じてララがどういう学びを得て成長したか、彼女の人となりを理解して好きになってもらえたらうれしいです。
マリオ・シャブティーニ氏:日本のプレイヤーにはゲームそのものを楽しんでもらいたいと思いますが、本作はストーリーも非常に深みのあるドラマチックなものとなっています。本編のストーリー以外にもマップ内の文献や集落の人々との会話からもいろいろなことがわかります。キャラクターの背景や歴史的なもの、さまざまな物語が詰め込まれているので、ぜひ世界をくまなくめぐって楽しんでください。
ソフトの発売以降、7カ月にわたってDLCを配信しますが、それぞれキャラクターのより深い人となりがわかる内容となっているので、楽しみに待っていただけたらと思います。
――今回はありがとうございました。
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SHADOW OF THE TOMB RAIDER (シャドウ オブ ザ トゥームレイダー)
・発売元:スクウェア・エニックス
・フォーマット:PlayStation 4
・ジャンル:サバイバルアクション
・発売日:好評発売中
・価格:パッケージ版 希望小売価格 7,980円+税
ダウンロード版 通常版 販売価格 8,618円(税込)
ダウンロード版 DIGITAL DELUXE EDITION 販売価格 9,720円(税込)
ダウンロード版 CROFT EDITION 販売価格 12,830円(税込)
・プレイ人数:1人
・CERO:Z(18才以上のみ対象)
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