【TGS2017】『Detroit Become Human』で描かれるアンドロイドたちの物語。選択の先に待ち受ける結末とは!?

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【TGS2017】『Detroit Become Human』で描かれるアンドロイドたちの物語。選択の先に待ち受ける結末とは!?

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アドベンチャーゲーム『BEYOND: Two Souls』や『HEAVY RAIN −心の軋むとき−』を世に送り出したフランスの開発会社Quantic Dream(クアンティック・ドリーム)が、PlayStation®4用ソフトウェアとして開発を進めている『Detroit Become Human』。

「東京ゲームショウ2017」のプレイステーション®ブース内には国内初の試遊台が設置され、男性型アンドロイド「コナー」が人質救出に挑むミッションを体験することができた。また試遊台近くのショーケース内にはアンドロイドが並び、『Detroit Become Human』の世界観を再現。多くの来場者はその様子に驚き、足を止めて注目していた。

そして「東京ゲームショウ2017」2日目には、『Detroit Become Human』のエグゼクティブ・プロデューサーを務めるGuillaume de Fondaumière氏によるプレゼンテーションが実施。ここではその様子をレポートしよう。

近未来のデトロイトで起こる人間とアンドロイドの不協和音

最初にGuillaume de Fondaumière氏の自己紹介があり、それに合わせ通訳を担当する『Detroit Become Human』日本語版ローカライズプロデューサー・石立大介を、「通訳は最新型のアンドロイドが行ないます。彼は15の日本語の方言を話すことができます。もし標準語が気に入らない場合は好きな方言で通訳させていただきます」と紹介。これにはメディア陣からも笑いが起こり、和やかな雰囲気でプレゼンテーションがスタートした。

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まずはこれまで公開されたトレーラーやインタビューなどで明らかになっている内容を改めて解説。簡単に紹介すると……。

【舞台と世界観】

現在から数10年後のアメリカ・ミシガン州のデトロイト。人間とそっくりなアンドロイドがあらゆる場所で利用されており、行政や交通機関など公共の場はもちろん、子守や運転、料理を作るなどプライベートな空間にも入り込んでいる。だがあくまでモノに過ぎず、人間のために働くという機能を持っているに過ぎない。またアンドロイドのおかげで人間は単純作業や繰り返しが必要な労働などから解放された社会を実現したが、同時に高い失業率も生まれた。

【アンドロイドの制約と特徴】

アンドロイドには非常に厳しい規則があり、移動範囲は著しく制限されている。またアンドロイドは自身がアンドロイドであることを明示するような服装の着用も義務付けられており、胸にはアンドロイドを示す四角のサイン、右のこめかみには円形のLEDがある。

【変異体】

ゲームの開始時点で何体かのアンドロイドは、失踪したり、持たないはずの感情を持っているかのような挙動を見せたりと、異常な兆候を示している。これらのアンドロイドのことを「変異体」と呼ぶ。

【プレイヤーキャラクター】

男性型アンドロイドの「コナー」「マーカス」、女性型アンドロイドの「カーラ」の3体がプレイヤーキャラクターとなり、3体のアンドロイドの視点から物語を体験していく。

「コナー」は変異体と呼ばれる異常が発生したアンドロイドのハンター。彼は特別な目的のために制作されたモデルのプロトタイプで、変異体が何故そのような挙動をするのかを調査するために製造された。

「カーラ」に関して今はまだ詳しく語れない。だが彼女はこの物語の原点とも言える存在で、2012年に発表したショートムービー『KARA』に登場している。

「マーカス」はほかのアンドロイドを「変異体」に変化させる特別な能力を持っている。彼は自らの所有者から逃亡しており、変異体のアンドロイドのグループに加わっている。彼らは人類に対して「アンドロイドはモノではなく生命である」というメッセージを送ろうとしている。ちなみに「マーカス」たちの動きはアメリカの俳優が担当。

解説のあとGuillaume de Fondaumière氏からは、「このゲームにおいて重要なのは、プレイヤーの行動や選択がストーリーを変化させ、その後の成り行きに大きく影響するということです。すべてのシーンにおいて多くの分岐があり、そのひとつひとつが物語全体に関わってきます。これからお見せするデモに関しても、多くのストーリーのうちのひとつだとお考えください」と説明があった。

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同じシチュエーションでも選択次第でまったく違う物語に

Guillaume de Fondaumière氏による実演では「マーカス」に焦点をあてたミッションが披露された。基本はショーウィンドウにモノとして陳列されている仲間たちを解放すべく行動するのだが、警報システムをダウンさせたところでドローンに見つかり警察が到着。1回目は「マーカス」を無事に帰還させることを優先してその場から逃げることを選択し、仲間を解放するというミッションは失敗してしまった。もちろんそれでも物語は続くのだが、その後描かれるのは仲間を解放していない未来となる。

2回目も仲間を解放するべくミッションを開始。今度は「マーカス」が持つ”起こりうる状況をシミュレートすることができる能力”を使いドローンを無効化。邪魔者がいなくなったところで、奪ったトラックを使ってショップに乗り込み仲間たちを「変異体」として解放させることができた。また解放後は人間たちにメッセージを残すエピソードへと続くのだが、街を破壊せず平和的にメッセージやシンボルマークだけを残すのか、それとも車や街を燃やし暴力で人類にメッセージを送るのかの選択を迫られる。もちろん単純な2択ではなく、何度か登場する選択肢(行動)でどちらに傾くか決まっていく。そしてここでの結果がその後の物語の展開や3体のアンドロイドの未来、そしてデトロイト市全体の運命を大きく左右することになる。

ちなみにGuillaume de Fondaumière氏は平和的な選択をしていたが、「東京ゲームショウ2017」のプレゼンテーションでは初めてのことと語っていた。余談だが「E3 2017」の会場では、圧倒的に破壊的メッセージを選ぶ人が多かった。そして実機を使っての実演は終了に。その後は質疑応答タイムとなった。

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物語の鍵は、女性型アンドロイド「カーラ」!?

――なぜデトロイトを舞台に選んだのですか?

まずアメリカを舞台にしたいというのは決めていました。その中で大規模なアンドロイド製造業が成立する都市を探しました。デトロイトはモーターシティと呼ばれるほど自動車産業が発展した街でありましたが、その後大きな没落を迎えています。その場所でアンドロイド産業が誕生するのは、非常に面白い可能性だと思ったんです。

例えばこれから数ヵ月後、あるいは数年のうちに小さなスタートアップ企業が誕生して、アンドロイド産業がそこから興隆していく、というのは可能性として十分あると思います。またデトロイト市も都市を再建しようとしている最中。20年後どのような姿になっているのか想像するのも非常に面白い仕事のように思えました。

まだほかにもいくつか理由はあるのですが、それらの理由を総合したうえでデトロイト市を舞台として選びました

――「コナー」は状況を再現する能力があります。「マーカス」は未来を予知する能力を持っています。では「カーラ」もそれとは別の能力を持っているのでしょうか?

もちろん「カーラ」にも特別な能力があります。3体の主人公のアンドロイドはそれぞれ違った目的のために作られており、またそれぞれが、多くのアンドロイドたちが置かれた状況を代表する立場にいます。ただ「カーラ」の詳しい能力に関しては本日明かすことはできませんので、続報をお待ちいただければと思います。

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――3人の主人公がそれぞれ複雑に絡み合っているということですが、何故主人公を3人にしたのでしょうか?

まずいろいろな面からストーリーを描きたいということがひとつ。またキャラクターが死んでしまってもゲームは続きますので、キャラクターの人数が少ないとプレイがとても短いものになってしまうかもしれない。その2つの理由から複数のキャラクター、2人ではない3人を選びました。

あとこれはディレクター/ライターのDavid Cageのゲーム制作の仕方でもあるのですが、最初は今よりも多い、5、6人の主人公からシナリオを書き始めました。ただ制作が進むにつれ、より特徴的な立場を持つアンドロイドを主人公として絞っていき、最終的には3人という数に落ち着きました。最終的な製品をご覧になっている限りは気付かれないと思うのですが、実際にはゲームになっているよりも多くのシーンを作成しており、そこから約15~20パーセントほど削っています。

というのも開発の初期段階においては大体の道筋は見えているのですが、実際に脚本や開発を進めるなかで、ドラマティックでそれぞれのキャラクターの心情を体験できるようなストーリーになっているかどうか、試行錯誤しながら詰めていきました。その過程において制作ボリュームが絞られ、最終的にはベストだと思えるキャラクター数になったと思います。

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――プレイヤーの選択によって物語がいろいろ変化しますが、エンディングは大体何パターンくらい用意されているのでしょうか。

すべての分岐がちゃんと機能しているかを確かめるために、特別なシステムを作らなければいけなかった、というくらいエンディングは多いです。またエンディングだけではなくて物語の途中での分岐もありますので……詳しい数はいえませんが、テキストの分量は『BEYOND: Two Souls』の2倍以上ですね。

またエンディングまでどのような体験をするかの選択肢がかなりありますので、実際には分岐のパターンよりも多くのストーリー体験があると思っています。試遊台で体験できた「コナー」のミッションでも、少女を救って非常に誇らしい気持ちになることもできますし、ある種の罪悪感を抱くような過程を経て少女を救うというパターンもあります。その違いはどこから生まれるかと言うと、それぞれのシーンにおけるプレイヤーの決断と、ほかのキャラクターとの関係性なんです。同じエンディングを迎えたとしても違う気持ちになっていることはあり得ますし、エンディングの数以上の体験ができる。2人のプレイヤーが同じストーリーを体験したとは思えないくらいの違いがあると思います。

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と、なかなか濃い話を聞くことができたプレゼンテーションは以上で終了に。最後のアンドロイド「カーラ」に「マーカス」「コナー」がどう関係してくるのか、ますます気になるところ。今後の続報に期待したい。

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Detroit Become Human

・発売元:ソニー・インタラクティブエンタテインメント
・フォーマット:PlayStation®4
・ジャンル:未定
・発売日:2018年上期予定
・価格:未定
・プレイ人数:未定
・CERO:審査予定

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『Detroit Become Human』公式サイトはこちら

©Sony interactive Entertainment Europe. Developed by Quantic Dream.

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