2016年12月15日(木)より配信中のオンライン配信専用タイトル『The Witness(ザ・ウィットネス)』。本作は、インディーズプラットフォーマーの金字塔とも言うべき名作パズルアクション『Braid』を手掛けたジョナサン・ブロウ氏率いるThekla, Incが、PlayStation®4向けに開発したパズルゲームだ。
日本国内に先駆け、海外で先行配信されていた本作は高い評価を獲得し、数々の賞を受賞。日本国内でも少しずつ注目が集まっている。そこで今回は、プレイインプレッションによって、本作がどういったゲームなのかを紹介。世界中のプレイヤーを夢中にさせた、その魅力をお伝えしよう。
知性がうずく、孤島の冒険。各地に点在するパズルを解き明かそう
インプレッションの前に、まずはゲームの内容を簡単に紹介しておこう。『The Witness』の舞台は、オープンワールドで構成された美しい孤島。各地にパズルが点在しており、それらを解くことで仕掛けが作動したり、新たな道が開けて先へ進めたりするようになる。
パズルは500以上も用意されており、遊びごたえは抜群! ただし、ゲーム中は音声やテキストによる説明がほとんどなく、ストーリーや探索ルートはもちろん、パズルのルールさえも限られた情報を元にプレイヤー自らが考え、発見していくという仕組みだ。
「パズルのルールすらわからないって、かなり難しいのでは?」と不安に思う人もいるかもしれないが、ゲーム序盤はチュートリアルのような構成になっており、基本的なルールを学びながら進められるので安心してほしい。
本作はCERO:A(全年齢対象)となっており、大人から子どもまで幅広く楽しめる。親子で遊べば、子どもたちの柔軟な発想が複雑なパズルをスムーズに解き明かし、大人をビックリさせてしまうことも? 自分の考えが見事にハマり、新たなパズルを解いたときの快感は格別で、夢中になること請け合いだ。
公開中のトレーラーもチェックし、本作の雰囲気をその目で確認してほしい。
The Witness trailer — Japan version
https://www.youtube.com/watch?v=P04LCAuWBvk
ゲームスタート! 最初はパズルの基本ルールを覚えよう
ゲームを始めると、ストーリー紹介などのオープニングもなく、薄暗いトンネルの中から突然スタート。自分がいったい誰なのか、ここはいったいどこなのか、なぜこんな場所にいるのかさえもわからない。不穏な雰囲気にドキドキしながらも前へ進むと、パネル付きの扉を発見。
扉へ近づくと×ボタンのマークが表示されたので、押してみると画面がパネルに固定されてカーソルが出現。どうやら、このパネルが最初のパズルのようだ。
パネル内の模様の左側にある丸い部分にカーソルを合わせて×ボタンを押すと、そこから模様をなぞるように線を引くことができるとわかった。線を模様の右端まで引いて、再び×ボタンを押すと、扉がオープン! 不穏な雰囲気も相まって少し緊張したものの、最初のパズルは楽勝でクリア。
開いた扉の奥へ進むと、再びパネル付きの扉が登場。今度の模様は一直線ではなく途中で直角に曲がっていたが、最初のパズルと同じ要領で線を引くと扉を開けることができた。どうやら、模様の丸い部分が始点となり、終点まで線を引くことでパズルが解ける。これが基本ルールのようだ。
手探りの状態ではあるが、出だしはまずまず。プレイヤーの置かれた状況が不明なだけに、ルールをなんとなくでも把握できたことで心強さを感じた。さらに先へ進むと階段があり、登った先には青空が。今までいた場所は地下だったと判明したが、プレイヤーはなぜこんなところに閉じ込められていたのだろうか……?
ゲームが進むにつれ新たなルールも判明! 周囲の情報も利用しながらパズルを解く快感
外へ出ると、周囲は壁に囲まれていた。正面にパネルがあったので近づいてみると、これまでよりも少し複雑な模様が描かれている。このパズルに挑戦しているうちに、線は重ねて引くことができないということがわかった。つまり、ひと筆書きの要領で、線は始点から終点まで引かなければならないのだ。ちなみに、パズルに失敗したとしても何度でもやり直せる。時間制限もないので、じっくり挑戦できるのがうれしい。
無事にパズルを解くと、パネルに接続されていたケーブルが点灯。ケーブルをたどっていくと、新たなパネルが操作できるようになっていた。パズルを解くたびに点灯するケーブルをたどりつつ進んでいくと、白い金網のようなものが道をふさいでいる場所に出た。すぐそばにパネルがあるものの、カバーが付けられていて操作できない。
パネルを観察していると、これまでたどってきた点灯しているケーブル以外にも、点灯していないケーブルがいくつも接続されていることに気づく。これは「すべてのケーブルを点灯させないといけないのでは?」と思い、今度は点灯していないケーブルをたどってみることに。すると、その先で新たなパネルを発見!
自分の推理が当たっていたことに、思わずニヤリ。確かにテキストや音声による直接的なヒントはないが、周囲を観察することで「もしや」と思わせる間接的なヒントが用意されている。パズルを解くことはもちろん、周囲を注意深く観察して隠されたヒントを見つけ出すことも本作のパズル的な要素であり、大きな魅力だと感じた。
パネル内の模様は少しずつ複雑になっていき、まるで迷路のようなものも。始点が複数あるパズルも登場し、どこから線を引くか、といったことも重要になってくる。とはいえ、まだまだこの辺りは基本の応用レベルに過ぎないので、サクっとクリア!
パズルを解き、すべてのケーブルを点灯させて白い金網の場所へ戻ると、パネルのカバーが外れており、操作できるようになっていた。そのパズルを解いて進んだ先には、広々とした景色が広がっている。
次々と登場するパズルを解くことやヒント探しに夢中になり、時間や設定を忘れてプレイしてしまったが、ここが海に囲まれた孤島であることを実感する瞬間だ。
ここから先は行動範囲が広がり、さまざまな場所へ自由に行くことができる。どのように孤島を探索するか、どのパズルから解いていくかは、プレイヤー次第。手探りの状態はまだまだ続くが、それだけに知恵を振り絞ってパズルが解けたときは感動! これこそがパズルゲームの醍醐味であり、本作はそれを存分に味わうことができる。
ひと癖もふた癖もあるパズルが続々と登場!!
ここまでのパズルは、ひと筆書きで始点から終点へ線を引くだけという簡単なものだったが、これ以降はさらに特殊なルールのパズルが登場する。ただし、新たなルールが適用されるパズルは、最初はカンタンなものが用意されている場合が多い。「こういうことかな?」と実際にパズルを解きながらルールを推理し、それが確信に変わった時のうれしさはひとしおだ。
このパズルは、パネル内の白いマークと黒いマークを分断するように線を引く必要がある。同色のマークは分断しなくてもOK。
こちらは、パネル内の模様にある黒い部分を必ず通るように線を引かなくてはならない。黒い部分が多いと、ひと筆書きができるルートの模索にひと苦労。
2つの始点から2つの終点へ、同時に左右対称の線を引くことになるパズルも。ただし、模様は左右対称とは限らないため、2本の線をうまく同時に終点へ導く適切なルートが求められる。
透明なパネルの向こう側に移る背景がヒントという、特殊なパズル。しばらくはパネルだけを見ていて背景まで気が回らなかったが、まさかね……と思いながらも線を引いてみたところ、見事にクリア。うれしさのあまり、思わずガッツポーズ!
これらのパズルはゲームに登場するほんの一部であり、複数のルールが組み合わさったパズルも次々と登場。プレイヤーを悩ませるが、自分の力で解法に気づいたときの喜びは、何物にも代えがたい。ヒントはどこかに必ずあるので、難しいパズルに直面した場合は周囲をよく観察したり、他の場所に同じルールでカンタンなパズルがないか探したりしてみよう!
島の各地には意味ありげなオブジェも! パズルを解き明かした先に待つものとは?
最初に紹介した通り、本作には音声やテキストによる説明がほとんどない。今回プレイした限りではプレイヤー以外の登場人物なども現われず、ストーリーは謎のベールに包まれている。しかし、直前まで人が住んでいたと思われる痕跡は多数あるうえ、今にも動き出しそうな人の像といった意味ありげなオブジェも、島の各地で発見できる。
地下に閉じ込められていたプレイヤーは何者なのか? 無人島のような状態となった孤島の謎とは? 最初は目の前の扉を開けるだけだったパズルも次第にスケールが増していき、島全体を巻き込むような規模になっていく。
パズルを解いた先で少しずつ得られる断片的な情報が想像を呼び、物語を夢想させるのも本作の魅力のひとつだ。この先にはいったいどんな展開が待ち受けているのかと気になり、パズルに挑む手が止まらない。もはや、孤島そのものが大きな謎を内包したパズルと言っても過言ではないだろう。
すべてのパズルを解き明かした先には、いったい何があるのか……。ぜひ実際にプレイし、あなたの知恵と発想で、その結末を確かめてほしい!
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The Witness(ザ・ウィットネス)
・発売元:Thekla, Inc.
・フォーマット:PlayStation®4
・ジャンル:パズル
・発売日:好評発売中
・価格:ダウンロード版 販売価格 3,980円(税込)
・プレイ人数:1人
・CERO:A(全年齢対象)
※ダウンロード専用タイトル
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