いよいよ、本日2月23日(木)に発売を迎えたPlayStation®4用ソフトウェア『NieR:Automata(ニーア オートマタ)』。PlayStation®を愛するすべての方へ遊び場を提供し続けていくイベント「PlayStation®祭」の一環として、2月13日(月)に東京・新宿ロフトプラスワンにて、本作の開発者によるスペシャルトークライブが開催された。発売を待ち切れないファンが集まり、開発陣の貴重かつ自由なトークで大いに盛り上がった模様をレポートしよう。
本イベントをダイジェストでまとめた動画も公開中! 熱気に満ちた会場の雰囲気までお伝えしているので、ぜひこちらもチェックしてほしい。
◆PlayStation®祭 Presents『NieR:Automata』スペシャルトークライブ
https://www.youtube.com/watch?v=PNJ3B2khk_o
“他言無用札”連発の爆笑トークセッションからスタート
MCの松嶋初音さんの進行により開演したイベントでは、まず『NieR:Automata』の開発者としてプロデューサーの齊藤陽介氏、ディレクターのヨコオタロウ氏、ゲームデザイナーの田浦貴久氏が登場。ゲームキャラクターのエミールのマスクを被ったヨコオ氏が現れると、会場は早くも大きな笑いに包まれた。
スクウェア・エニックス プロデューサー
齊藤陽介
ブッコロ ディレクター
ヨコオタロウ
プラチナゲームズ ゲームデザイナー
田浦貴久
本イベントはアルコール可のフリードリンク制ということで、出演者と参加者それぞれがグラスを手に取り、「こういった形でお話できる機会はなかなかないので、今晩の出会いに乾杯しましょう。カンパイ!」という齊藤氏の音頭でイベントがスタートした。
最初のコーナーのトークセッションでは、ネタバレや過激な内容に対して”他言無用札”が掲げられるルールに。これは来場者にSNSなどでの拡散を遠慮してもらうためのもの。実際、ざっくばらんな開発裏話や、とてもお伝えできない会話が飛び出すたびに”他言無用札”が掲げられており、イベントの参加条件に「口の堅い方」が加えられていたのも納得だ。
なお、ヨコオ氏はエミールマスクにステージを託し、本人は別の場所から声で出演。どうやらこのマスク、被ったまま飲んだり食べたりできないらしい。
開発現場ではクリエイター同士の個性がぶつかり合うことも
『NieR:Automata』のコンセプトについて質問が及ぶと、ヨコオ氏が「スクウェア・エニックスがプラチナゲームズを使ってひと儲けすること(笑)」と”ヨコオ節”を炸裂させる横で、齊藤氏は「ヨコオタロウのゲームを、みんながやりたいだろうと思って」と回答。『ドラッグ オン ドラグーン』や前作『ニーア レプリカント』でゲームファンを魅了したヨコオ氏に、また作品を出してほしいという思いがあったようだ。
田浦氏は開発にあたり、「前作があまりにすばらしかったので、その雰囲気を壊さないように意識しました。作り始めたころは普通のアクションゲームでしたが、敵が攻撃してくるイクラのような弾と、カメラワークをトップビューにすることでNieRらしさを出せるようになりました」と語る。
開発初期のプリプロダクションの段階で「ビックリするくらいNieRだった」(齊藤氏)という完成度に仕上げてきた田浦氏は、「怖かったんです。NieRのファンの方はすごく愛を持っていますが、その愛は裏返すとヤバイことになるので(笑)」と、自身も前作のファンだからこそ感じるものがあったという。
また、開発現場の裏話として、クリエイター同士の関係性についてのエピソードが披露された。
齊藤氏は「正直に言って、ヨコオタロウは難しい人間です。プラチナゲームズにも頑固な職人気質のクリエイターが集まるようなイメージがありますし、果たしてこの両者が合うのか、最初の半年間が山場だと思っていました。でも、そこがうまくいった。それこそ、ヨコオタロウと田浦さんはデキてるんじゃないかと思うくらいに(笑)」と、2人の親密すぎる(?)関係性を語った。
もっとも、開発を続ける中ではヨコオ氏とスタッフの間でぶつかり合いもあり、その解決にあたった田浦氏がフロアの真ん中で大号泣した事件もあったとか。
そして完成に至った『NieR:Automata』。田浦氏は「今回は60fpsのアクションをオープンなワールドで作ることを目指しましたが、PlayStation®3では厳しかったと思います。実現できたのは、PS4®の環境があってこそ」とコメントし、齊藤氏も「プラチナゲームズという世界最高峰のアクションゲーム開発峰と、PS4®という世界最高のプラットフォームで実現したゲーム。開発自体はスムーズに進みましたし、ヨコオタロウにとってもハッピーなプロジェクトになったと思います」と自信をのぞかせる。
なお、前作の主人公である「ニーア」の名前が今回のタイトルにも使われていることで、前作からのつながりを尋ねられたヨコオ氏は、「発売後に話します。ここで話すと、来てくれたみなさんが予約をキャンセルしかねないので」と謎めいたコメントで笑いを誘っていた。
初公開ステージを実機プレイ! ……と思いきや、まさかのミッション失敗!?
続いてのコーナーでは、最新プレゼンテーションとして田浦氏による実機プレイが披露された。舞台となったのは、シナリオ中盤にあたるという工場ステージでのボスバトル。この日が初公開のシーンだ。
バトル前には主人公の2Bが機械生命体のパスカルを同伴する様子も見られ、会場からは思わず「カワイイ!」との声が挙がる。ここで齊藤氏から「パスカルは声優の悠木碧さんが演じていますが、このキャスティングは田浦氏が大ファンだからという理由。ゲーム業界の闇を見た気分でした(笑)」と暴露され、どんなところが好きかを問われた田浦氏は「すべてです!」と即答していた。
工場の奥で出現した大型のボスは、ある仕掛けによってバトル序盤はダメージを与えることができないという強敵。ようやく攻撃が通じるようになってからは見事な戦いぶりを見せていたものの、さきほどの暴露で動揺していたのか、まさかの失敗。ショックでグラスを倒し、テーブルがびしょ濡れになる大ハプニングに!
「初出しでレアな実機プレイ映像でしたが、田浦さんがやられるのもレア映像ですよ。しかも、自分が作ったボスにやられてますから!」(ヨコオ氏)、「これで終われないでしょ! オートバトルにすれば?」(齊藤氏)と冷やかされつつ挑んだリベンジマッチでは、田浦氏も本気モードに突入。慎重かつ華麗なアクションを見せ、ボスの撃破に成功した。
会場から大きな拍手を送られた田浦氏は、「プラチナゲームズのアクションゲームを好きな方に楽しんでもらえると思います。また、オートバトルで華麗に回避できたり、スキルのセッティングで戦いやすくできたりと、さまざまなサポート機能があります。アクションが苦手という方も、ぜひ遊んでみてください」とアピール。ハプニングもあったが、美しいグラフィックと爽快なアクションを見せてくれた。
イクラたっぷりの「ニーア丼」をお供に最新映像を鑑賞!
ここで、参加者に食事が振舞われることに。田浦氏が丼を作り、ヨコオ氏が獲った鮭からイクラを取り出すという合成感丸出しの写真が紹介された。
再び登場したヨコオ氏がこぼれるばかりにイクラをかけ、この日のスペシャルメニュー「ニーア丼」が完成! なぜイクラ丼が「ニーア丼」になるかといえば、敵の弾がイクラに似ているとファンの間でも有名だからだ。
その後、スクリーンでは公開されたばかりの最新トレーラーと、ロックバンド「amazarashi」とコラボレーションしたミュージックビデオ「NieR: Automata meets amazarashi “命にふさわしい”」を上映。「ニーア丼」をほおばりながらの鑑賞タイムとなった。
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NieR: Automata meets amazarashi “命にふさわしい” Music Video
この日の会場には、ミュージックビデオのクリエイティブディレクターを務めた本山敬一氏も訪れており、急遽ステージに呼んでスペシャルトークを展開。ヨコオ氏によれば、amazarashiとのコラボレーションは、お互いにやりたいという強い思いで実現したものであり、それをつなげてくれたのが「NieR」とamazarashiさんが大好きだという本山さんだったとのこと。
本山さんの紹介でamazarashiのライブを見たヨコオ氏は感銘を受け、その日のうちにミュージックビデオの企画となるプロットを仕上げたそうだ。
ヨコオ氏と本山氏の想いは、特設サイトにて公開されているので、ぜひチェックしてみよう。
NieR:Automata meets amazarashi「命にふさわしい」特設サイトはこちら
スペシャルトーク後には、「プラチナゲームズ突撃インタビュー」と題した、プラチナゲームズの開発スタッフがコメントを寄せたインタビュー映像も上映された。それぞれのスタッフに対して、田浦氏とヨコオ氏による紹介という名の暴露話も披露され、会場は爆笑の嵐。ふだんは聞くことのできない開発者の生の声と個性は、来場者たちにとって貴重な体験となったようだ。
『GRAVITY DAZE 2』チームが参戦! 1970年生まれのクリエイターにはどんな共通項が?
続いてのコーナーでは、好評発売中のPS4®用ソフトウェア『GRAVITY DAZE 2/重力的眩暈完結編:上層への帰還の果て、彼女の内宇宙に収斂した選択』のディレクターを務めた外山圭一郎と、宣伝担当の北尾泰大が登場。『NieR:Automata』の発売を盛り上げるべく、トークに参加することとなった。
SIE WWS JAPAN Studio/『GRAVITY DAZE 2』ディレクター
外山圭一郎 (写真左)
SIEJA/『GRAVITY DAZE 2』宣伝担当
北尾泰大 (写真右)
にぎやかなトークの中で、ヨコオ氏と齊藤氏、外山の3人が1970年生まれの同い年であることが話題に。ここで、ヨコオ氏が朝4時まで作っていたというプレゼン資料をもとに、「ヨコオタロウPresents 1970生まれのゲームクリエイター図鑑」が開幕!
ヨコオ氏のまとめでは、ゲームディレクターには1970年生まれが多く、ステージの3人以外にもさまざまなディレクターが活躍しているという。他にもあの人もこの方も70年生まれ?という話で盛り上がったが、そこは、仔細は避け会場だけのお楽しみとしたい。
1970年生まれにディレクターが多いことについて、外山は「ドット絵から3Dに移る、ドラスティックな変化の時に若手としてゲーム業界に入った世代」と分析。また、下の世代の勢いを感じるという齊藤氏は「そろそろ老害?」と苦笑していた。
『NieR:Automata』と『GRAVITY DAZE 2』のコラボが実現!?
イベントの最後は、来場者から募った質問に出演者たちが答えていくコーナー。本作の気になるエンディングや、『NieR:Automata』と『GRAVITY DAZE 2』のコラボレーションに発展するかもしれない話など、いくつかの回答を紹介しよう。
まず、「2Bのスリーサイズを教えてください」という質問に対しては、「僕がしっかり調べました。ここでお答えすることはできないのですが、予約受付中の設定資料集『NieR:Automata World Guide』に載っているので、楽しみにしていてください」(田浦氏)とのこと。ファン垂涎の設定資料集は、今回も見逃せないものになりそうだ。
Amazonの売れ筋ランキングで1位になったことについて、「予約好調で調子に乗ってる?」という質問も。齊藤氏は「これはうれしいですよね。人気のゲームがたくさんあるので、発売前は難しいかと思っていましたが、1位になりました。SIEさん、やりましたよ!」と笑顔で答えてくれた。
続いて、「今までで一番困ったムチャぶりは?」という質問が出たところで、北尾から「ムチャぶりということで僕からひとつ。『GRAVITY DAZE 2』にはたくさんコスチュームが登場して、ユーザーのみなさんに好評です。ぜひ、2Bのコスチュームを出させてもらえませんか?」とコラボレーションが提案された。これには齊藤氏も「キトゥンに着てもらえるなら出しますよ!」と乗り気になっており、実現に期待したい。
ヨコオ氏がさまざまなインタビューで『NieR:Automata』がハッピーエンドになるとコメントしていることについて、「本当にハッピーエンドですか? トゥルーエンドなどはありますか?」という核心を突くような質問も挙がった。「俺はずっとハッピーエンドだと言い続けているのに、みんなからヨコオはそんなことしないと言われてるんです。”ウルトラハッピーエンド”だと思っているけど、みんなに言われているうちに自分を信用できなくなってきました(笑)」(ヨコオ氏)とのことなので、本当のところはゲームで確認してみよう。
こうして2時間以上にわたったトークイベントも終演の時間が迫り、出演者からメッセージが送られた。
「私はプロデューサーの中でも比較的ゲームを実際に遊ぶ方の人間です。その目で見て、本当に面白いゲームになっていると思います。ぜひ、発売日を楽しみにお待ちいただき、ヨコオタロウワールドとプラチナゲームズの圧倒的なゲーム力を体験してください」(齊藤氏)
「プラチナゲームズとしてはこれまでと毛色の違う作品になっていますが、NieRファンの方にとって、懐かしくもあり新しくも感じるゲームです。気軽な気持ちで楽しんでいただければと思います」(田浦氏)
最後はヨコオ氏が「言いたいことはみんなが喋ってくれたので、僕から話すことはありません。今日はくだらない話をたくさん聞いてくれてありがとうございました!」と、いつもの”ヨコオ節”!
出演者と来場者の記念撮影も行なわれ、イベントは大盛況のうちに終了となった。
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NieR:Automata(ニーア オートマタ)
・発売元:スクウェア・エニックス
・フォーマット:PlayStation®4
・ジャンル:アクションRPG
・発売日:好評発売中
・価格:パッケージ版 希望小売価格 7,800円+税
ダウンロード版 販売価格 8,424円(税込)
・プレイ人数:1人
・CERO:D(17才以上対象)
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