ディズニーとスクウェア・エニックスによって誕生したRPG『キングダム ハーツ(以下、KH)』。2002年3月28日(木)にPlayStation®2で1作目が発売されたこのシリーズが、まさに今年2017年3月に、15周年を迎える。
その15周年に合わせて、2017年3月9日(木)にPlayStation®4で『キングダム ハーツ HD 1.5+2.5 リミックス(以下、KH 1.5+2.5)』が発売。シリーズ6作品がまとめて楽しめる本作を、電撃PlayStationが紹介していこう。特集第1回は「KH」シリーズの魅力を紹介するほか、シリーズをプレイしてきた面々による思い出を掲載!
シリーズの魅力
1. ディズニーのワールドを舞台にした夢のような冒険
「不思議の国のアリス」「アラジン」「ピーター・パン」など、有名なディズニーの作品が数多く登場する「KH」シリーズ。ゲーム中にはディズニーの作品を舞台にしたワールドが用意されており、自分の手でキャラを動かして自由に探索することができる。各ワールドは、ディズニー特有の温かみのある絵柄がバッチリ再現されており、まるでディズニーの作品に入り込んだかのような体験が味わえる。
もちろん、各ワールドではその作品のキャラクターたちが登場。ディズニーの作品が好きな人には、たまらない冒険となるはずだ。
2. カンタンな操作で誰でも楽しめるアクションバトル
「KH」シリーズは、アクションバトルがメインとなるRPG。しかし、バトルで複雑な操作は要求されず、アクションゲームが苦手な人でも問題なく遊べる。バトル中に使えるコマンドは、ボタン連打で繰り出せる武器コンボのほか、魔法や召喚など多彩な種類が存在。そのどれもが派手でダイナミックな効果であり、誰でも爽快なバトルを繰り広げることができる。
3. 友だちとのキズナを描いた”心”をテーマにした物語
明るく前向きな少年・ソラを中心に広がる、「KH」シリーズの物語。”友だちとのキズナ”を常に描くシナリオは温かくもせつないもので、プレイヤーをどんどん作品に引き込んでいく。また、作品ごとに次回作への伏線が巧みに散りばめられており、先が気になるストーリー展開になっているのも魅力だ。
シリーズを振り返る
1. ゲーム業界に入るきっかけになった、かけがえのない作品(電撃PlayStation編集部:スズタク)
「KH」シリーズも今年で15周年! 初めてプレイしたのは中学生ぐらいの頃で、今では僕のゲーム人生における一番重要なタイトルになりました。このシリーズにハマったのが影響でゲーム業界に入りたいと思うようになり、今はゲームライターとしてこの記事を書いています。自分の進路を決めるきっかけになったという意味でも、「KH」はかけがえのない作品ですね。
そんな「KH」のシリーズ作はほぼ全部プレイしており、どれもけっこうやり込んできました。可能なら1作ずつ語りたいところですが、スペースの都合もありますので、ここはグッと堪えてナンバリング2作にしぼって振り返りたいと思います。
記念すべき1作目となる『KH』ですが、発売日からプレイしたわけではありません。むしろ最初に手に取ったのは『KH ファイナルミックス(以下、KH FM)』のほうで、オリジナル版はそのあとに遊びました。じつは初めてプレイしたときは、序盤のワンダーランドの冒険で3D酔いに苦しみ……クリアまでかなり時間がかかった記憶があります(笑)。当時、PS2®のソフトでバリバリの3Dアクションを遊んだのは『KH FM』が初だったので、酔いやすかったのかもしれません。
と、このように思いがけぬ試練(?)とぶつかった1作目ですが、ゲームをクリアしたときの達成感がすべての苦労を忘れさせました。絶妙なタイミングでテーマソングの「光」が流れるエンディングや、まだ冒険が続いていくことを期待させるエピローグは、今見ても感動モノです。多感なお年頃の時期にこの作品に出会えたのは、本当に幸運だったと言うほかありません。『KH FM』で完全に心を奪われたあと、日本語版も遊んでみたくなってオリジナル版にも触れてみました。
しばらくはエンディングを見ただけで満足していたのですが、その後、この作品には条件を満たすと見られる”シークレットムービー”があることを知りました。どうしてもそれを見てみたかった僕は、初めて自分のお金で攻略本を買い、ゲームを隅から隅まで遊び尽くしましたね。このように、攻略情報を見ながら1本のゲームをとことんやり込むという楽しさに気づいたのも、『KH』のおかげだと思います。さらに言うと、ゲームの攻略本やそれを書く出版関係の職業に興味を持ち始めたのも、これがきっかけだったかと。
攻略本を手にプレイしてから、このゲームにはミニゲームや寄り道要素が膨大にあることに気づきました。グミシップ、コロシアム、101匹わんちゃん、トリニティマークなど、本編以外の遊び要素のあまりの多さに驚いたものです。『KH』をやる前からいろいろなゲームを遊んでいたので、子ども心ながらに「この作品は今まで遊んだものと違う!」と感動を覚えました。
また、下村陽子さんの手掛ける楽曲や宇多田ヒカルさんが歌うテーマソングなど、音楽面での影響も大きかったです。とくに、宇多田さんはちょうどこの頃に大ブームを巻き起こしていたアーティストだったので、その人がテーマソングを歌うゲームという触れ込みだけでも注目されていたと思います(『KH FM』に興味を持ったのも宇多田さんの歌だった気が……)。下村さんの作る数々のフィールド曲やバトル曲も素晴らしく、今まで下村さんの名前を知らなかった僕は『KH FM』を機にすっかりファンになりました。ちなみに、1作目で一番好きな曲は「光 -KINGDOM Orchestra Instrumental Version-」です!
『KH FM』と『KH』、そして『KH チェイン オブ メモリーズ』をプレイして完全にシリーズのトリコになった僕は、『KHII』の発売が心の底から待ちきれませんでした。当時、『KHII』のプロモーションビデオが収録されたディスクを持っていたので、発売日の2005年12月22日(木)まで何度も何度も繰り返し見ていましたね。テレビのCMも録画し、あれこれ妄想をしながらテンションを高めていた記憶があります。
そして、ついに解禁された『KHII』。新衣装のソラを動かしていざ冒険へ、と勇んだ僕の目に飛び込んできたのは謎の少年でした。しかも、彼を動かすパートはたっぷり数時間以上もあり、それを終えて初めてタイトルロゴが表示されます。初めのうちは早くソラを動かしたい気持ちでいっぱいでしたが、その少年があまりに魅力的な存在だったので、気付けばトワイライトタウンの冒険を満喫している自分がそこに……。ソラへと交代するシーンで彼がつぶやくひと言は、「KH」シリーズ屈指の名セリフだと思います。『KHII』は、このようにプロローグから不意打ちと感動を与えてくれるのがニクイところですね。
『KH』と比較すると、『KHII』はアクション面が大幅に進化しています。1作目にあった魔法や召喚などの要素は引き継ぎつつ、新たにフォームチェンジ、リアクションコマンド、味方との連携コマンドなどが加わり、よりアクションバトルに磨きがかかった印象です。もともと僕はアクションゲームが大好きなので、『KHII』の進化したバトルにたちまちのめり込みました。
アクション部分でとくに印象的だったのが、敵を”打ち上げる”という攻撃。打ち上げられた敵は無防備になり、そのまま空中コンボで追撃できます。この打ち上げからの追撃が操作していてとても気持ちよく、バトルの爽快感を増す一因になったと個人的に思います。打ち上げはアビリティの”スラッシュアッパー”やフォームチェンジ時の衝撃波など、序盤から使用できるコマンドで行なえるので、プレイ中は何度もお世話になりました。前述のプロモーションビデオにも打ち上げコンボが映っており、『KHII』を遊ぶ前から強く印象に残っていたというのもありますね。
ストーリー、バトル、音楽、ボリュームなど、どれを見てもハイクオリティな『KHII』ですが、その完成度をさらに高めたのが『KHII ファイナルミックス(以下、KHII FM)』。オリジナル版に新たなボス戦やミニゲームを追加した『KHII FM』は、単なる”+α”に収まらない満足度に仕上がっています。10年以上シリーズを追いかけてきましたが、今のところ僕が思うシリーズ最高傑作はこの『KHII FM』です。
1作目にあったシークレットムービーはもちろん『KHII』にも『KHII FM』にもあり、シリーズの新たな展開を描いたムービーが収録されています。『KHII FM』をプレイしていた当時、新シークレットムービーは『KHII』と同じくジミニーメモを完成させれば開放されると思っていたのですが、実際はより条件が厳しくなっていました(※難易度はスタンダードモード)。そこであきらめるのもくやしかったので、意地と根性でほかの必要条件も満たしたのですが、その苦労に見合うだけの価値が新シークレットムービーにはありましたね。これから『KHII FM』をプレイする方がいたら、ぜひシークレットムービー”Birth by Sleep”を見届けてください!
ちなみに、『KHII FM』が発売された当時、店舗予約特典として”KINGDOM HEARTS -Another Report-“というブックレットが付属しました。僕の宝物の1つで、今でも大切に保管しています(笑)。
あらためてシリーズを振り返ってみると、さまざまな思い出がよみがえったと同時に、「KH」がいかに大きなタイトルであるかを再認識しましたね。そんな感動を1つのパッケージで体験できる『KH 1.5+2.5』。ここからシリーズに初めて触れてみようと思っている人もいるのでは? そんな人たちを少しうらやましく思いつつ、これからのシリーズの広がりにも期待せずにはいられません。
2.「KH」シリーズ誕生15周年のメモリーズ(電撃PlayStation編集部:Z佐藤)
いつごろから「KH」に携わっていたのか……このレポートを仕上げるためにノートパソコンのハードディスクに保存されている過去のデータを探してみたところ、電撃PlayStation Vol.200という、15年前に初めて担当した紹介記事が! 情報としては第3報くらいでしょうか? 100エーカーの森(「くまのプーさん」の世界)と、アトランティカ(「リトルマーメイド」の世界)を紹介していました。あとニュースページでは、『KH』の主題歌を宇多田ヒカルさんが担当。楽曲のタイトルは「光」とお知らせしていて、ここからすべてが始まったのか……と、感慨にふけってしまいました。
その後、必死になって「101匹わんちゃん」の宝箱を探し回ったり、『KH FM』の記事ではセフィロスの超長い剣をどうやってページに収めようか思案したのを覚えています。『KHII』ではグミシップの制作に没頭。単純明快でわかりやすいシーソルトアイスの形の船を作った気がします。『KHII FM』ではXIIIキノコに勝利して銅の王冠をゲット、XIII機関の再現データ全員を倒して銀の王冠をゲット……と、ここまではよかったですが、”留まりし思念”に大苦戦。何度もチャレンジして倒し、ようやく金の王冠をゲットしました。本当にツラかった(笑)。
さらにそのあと『KH バース バイ スリープ』の紹介、そして攻略記事ではアクアを担当。ただ、3人ぶんの結末を知っておかなければなりませんので、時間をかけて3人ともクリアしました。あと通信協力プレイもやりましたね。かなり白熱して、キャラを育ててやり込んだのを覚えています。
1つ1つ取り上げると長くなってしまうので簡単に振り返ってみましたが、もう15年ですかぁ……。実際のところ長い時間ですが、振り返ると、けっこう覚えていますね。『KH 1.5+2.5』をプレイすると、もっといろいろと思い出せそう?(笑) 永久保存版としても、個人的に『KH 1.5+2.5』は手元に置いておきたいなと密かに思っています。
さて次回の特集では、『KH 1.5+2.5』に含まれる6作品のうち、3作品をピックアップ! 各タイトルのシステムや見どころなどを紹介する予定です。
ちなみに、現在発売中のPS4®タイトル『KH HD 2.8 ファイナル チャプター プロローグ』には、今後発売を予定しているPS4®『KHIII』へとつながる3つの作品が収録。『KH 1.5+2.5』と合わせれば、PS4®で『KH』シリーズをほぼ全作プレイすることが可能。これまでシリーズを遊んだことがない人も、これを機にぜひ始めてみてはいかがでしょうか?
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キングダム ハーツ HD 1.5+2.5 リミックス
・発売元:スクウェア・エニックス
・フォーマット:PlayStation®4
・ジャンル:RPG
・発売日:2017年3月9日(木)予定
・価格:パッケージ版 希望小売価格 6,800円+税
・プレイ人数:1人
・CERO:A(全年齢対象)
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『キングダム ハーツ HD 1.5+2.5 リミックス』公式サイトはこちら
©Disney
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