11月2日(水)、ついに発売となった『フィリスのアトリエ ~不思議な旅の錬金術士~』では、前作『ソフィーのアトリエ ~不思議な本の錬金術士~』に引き続き、ゆーげん氏とNOCO氏がキャラクターデザインを担当。お2人がデザインしたかわいい&カッコイイキャラクターたちも、本シリーズが支持される理由の1つだ。そこで特集の最終回となる第5回目は、発売を記念してゆーげん氏とNOCO氏にインタビューを敢行。『ソフィーのアトリエ』『フィリスのアトリエ』ともに、お2人が込めた想いや意気込みを存分に語ってもらった!
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前回までの特集記事はこちら
「アトリエ」シリーズ最新作は世界を旅する女の子の物語!【特集第1回/電撃PS】
『フィリスのアトリエ』発売間近。来年20周年の「アトリエ」シリーズ振り返り特集【特集第2回/電撃PS】
『フィリスのアトリエ』の遊びの中心となる4つのシステムを紹介!!【特集第3回/電撃PS】
いよいよ発売目前! 動画で見る『フィリスのアトリエ』の世界!【特集第4回/電撃PS】
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まずはその前に『フィリスのアトリエ』の基本をおさらい!
本作は前作『ソフィーのアトリエ』から4年後を描き、世界観も共通となっている。物語の主人公フィリスは、ソフィーとプラフタとの出会いを機に、錬金術士になることを決意。そして、公認錬金術士となるため、故郷を出て試験が行なわれるライゼンブルクを目指す。
【ポイント1】広大なフィールドでの旅
本作は旅がメインのため、特定の場所にアトリエを持たず、携帯用のアトリエを使って錬金術を行なう。そして冒険する場所は険しい岩山から雪に覆われた氷雪地帯など、過去最大級のスケールで登場。それに合わせた衣装の着替えも大事で、環境に合わせた衣装を選べば探索や行動などに恩恵を受けることも可能だ。
【ポイント2】選択で変化するフィリスの旅路
旅のなかでフィリスはさまざまな出来事に遭遇し、それに対してアプローチしていく。このアプローチの手段はプレイヤーの手に委ねられており、それに対してどういった行動をとるかでその後の展開が変化していく。
【ポイント3】前作をベースにスケールアップした調合
本作の調合は『ソフィーのアトリエ』のパズル形式がベースで、それをアップグレードした形となっている。大きなポイントは、通常の必要材料に加えて「触媒」を追加投入できるようになったこと。本作ではすべて埋めることでボーナスが獲得できる「ライン」も登場。触媒を使うとパネルに新たなラインが発生し、さらなるボーナスが得られる。さらに、スケールが大きい「超弩級調合」も登場。帆船や人工太陽といった”超弩級”なアイテムを作ることが可能。これにより、新たな道が開けることもある。
【ポイント4】仲間との協力がカギを握るバトル
今回のバトルは、直前の行動で次に行動できるタイミングが変化する「コストターンバトル」を採用。また、戦いでは攻撃を行なうごとに「バーストゲージ」が上昇。このゲージは、フィリスを敵の攻撃から守る「サポートガード」の発動に使用するほか、最大までたまると味方の攻撃が連続して連携する「チェインバースト」が発生する。攻撃をつなげて連携率を高めると必殺技ともいうべき大技が発動。
「不思議」シリーズの立役者、ゆーげん氏&NOCO氏による『フィリスのアトリエ』対談!
(左)ゆーげん氏 (右)NOCO氏
ゆーげん氏 PROFILE
千葉県出身、東京都在住。イラストレーター。空気感を意識したイラストと、緩急つけたキャラクターを描き分け、小説などの挿絵を手掛ける。近年ではゲームなどでもキャラクターデザインをするなど活躍の場を広げている。代表作は「アウトブレイク・カンパニー」(講談社ラノベ文庫)など。
NOCO氏 PROFILE
埼玉県出身。1992年4月2日生まれのイラストレーター。代表作は「艦隊これくしょん-艦これ- 陽炎、抜錨します!」(ファミ通文庫)「大正空想魔術夜話 墜落乙女ジヱノサヰド」(電撃文庫)「祓魔科教官の補遺集授業」(一迅社文庫)など。ライトノベルを中心に活動している。
【最初は心配と不安が強かったダブルイラストレーターでの参加】
――”不思議”シリーズではダブルイラストレーターが最大の特徴ですが、1作目の『ソフィーのアトリエ』でこの展開を最初に聞いたときはいかがでしたか?
ゆーげん:正直戸惑いました(笑)。ガストさんの作品は、イラストレーターの特性を活かしつつ、作品に取り込んでいくやり方が持ち味だと思っていました。だから、僕とNOCOさんの良さを残しながら1つの作品に放り込むことに、最初は少し違和感を抱きまして。それで、NOCOさん側がこのことを了承しているのかを、最初に確認させていただきました。
NOCO:『ソフィーのアトリエ』のときは自分が先行していたんです。とにかく初めての大きな仕事で緊張して、責任の重さに相当のプレッシャーがありまして。だから、ゆーげんさんの参加はむしろ刺激になりましたね。
ゆーげん:ありがとうございます。2人でデザインするやり方には利点もあって、テンションとかモチベーションの低下で行き詰まったとき、2人でカバーし合えるという強みは感じました。また、NOCOさんのことは知っていて尊敬もしていたので、並んで名前が出てしまう以上、これは負けられないぞって気持ちもありましたね。
NOCO:こちらとしても、先に進めていたので、それこそ負けないようにという意識はありました。ただ、当時はいろいろなプレッシャーに押しつぶされそうになりながら描いていた覚えがあります。
ゆーげん:あとはダブルイラストレーターで取り組むならば、うまく融合ができないと仕方ないですからね。ではどうやってそこを達成するのかというと……、ガストさんは「2人でやってください」って感じでわりとおまかせなんですよ(笑)。だから、なんだかんだで2人で直接やり取りさせていただきました。
NOCO:そうなんですよ。それで最初はゆーげんさんが気を遣ってくれて、「ため口でいこうよ」って(笑)。
ゆーげん:僕から見た感じだと、NOCOさんは人のことを考えてあえて口にしないこともあると思ったので、そこを取っ払いたくて「ため口でいいよ」って。でも、踏み込んだ結果、最初は逆に警戒されてしまって(笑)。
NOCO:でもありがたかったですよ! 当時私は先行していて、目の前のことでいっぱいいっぱいで「あーしよう、こうしよう」と考えながらやれてなかったんです。
ゆーげん:まあ、最初に警戒された理由は、そんな一番大変なときに「さあ、やろうぜ!!」っていうウザイ奴が来たってところかもしれないですね(笑)。
NOCO:たしかに最初の頃は、シリーズを受け継いで世界観とイラストのイメージを守っていく立場だったので、どうしても保守的にならざるを得なかったんです。そのテンションで合作していたから、ちょっとズレがあったかもしれないです。メインビジュアルも当時は大ラフを切って、2人でオブジェクトをどこに配置して……、とか絵チャットでやり取りしたりしたんです。
ゆーげん:でも、結局最後は喧嘩になって(笑)。
NOCO:そうなんですよ(笑)。最初はうまくいっていたけど、仕上げに近付くにつれてやりたいことがぶつかっていくんです。ただそこの妥協がなかったから、最終的にユーザーさんの心に届く作品になったと思います。
ゆーげん:補足しておきますが、衝突といっても悪いことじゃなくて、思っていたことを吐き出すってことです。相手の想いをあらためて理解できるので、本心を知るには大事なことかなと思います。最初にガストさんとお話したときも、喧嘩ができるくらい根を詰めた作品作りをしてみたいという話をさせていただきました。本心を隠しながらだといいものはできないと思うし、どこか尖ったものを作りたい気持ちもありましたね。
――そうやってぶつかり合うからこそ、いいゲームができ上がるんですね。
ゆーげん:やはりゲームって1人で作るものじゃないじゃないですか。たまたまこうして僕がインタビューを受けてますけど、実際は僕らだけが関わっているわけではなくて、モデリングしたり、モーションキャプチャーしたり、いろんなことをしている人たちの作業の集合じゃないですか。僕も以前はゲーム会社にいたので、そういう現場にいる人たちがどれだけ頑張っているかでゲームの良し悪しって変わってくるのはわかっているので、そこをどうするかというのを務めようと思いましたね。
――ちなみにお仕事を受ける前から「アトリエ」シリーズはご存知でしたか?
ゆーげん:僕は子どもの頃からゲームが好きだったので、『マリーのアトリエ』は小学生くらいのときに拝見していて、懐かしいなという思いがありました。当時はSLG要素が強くて今みたいに3Dフィールドを歩き回ることもなかったですが、錬金術に的を絞ってアイテム同士を合成してというのは斬新で印象に残ってます。ただ小学生にはハードル高かったですね(笑)。
NOCO:私の場合、最近の話ですが、左さんや岸田メルさんがやっておられたキャラクターとかイラストをよく見かけていて、そこが一番印象強かったですね。
ゆーげん:ダブルイラストレーターという話を聞いたときは、「アトリエ」シリーズのためになるのかどうかと自問自答しました。ただ、僕に声をかけていただいたときにはもうNOCOさんはスタートしていたので、いっそ割り切っていつもの「アトリエ」シリーズとは違う作風で作って、舞台背景とかで引き立てられればいいんじゃないかなと。それでガストさんともしっかりお話をさせていただいて、おかげさまで良い形で進めていただけたなと安心しました。
【『ソフィーのアトリエ』を経たことで安心してまかせられるように】
――2作目の『フィリスのアトリエ』もご担当されることになりましたが、仕事での変化は何かありましたか?
ゆーげん:『フィリスのアトリエ』になってからは、基本的にはガストさんに仲介してもらっています。
NOCO:メインビジュアルなども、ラフと仕上げをどちらが担当するのをまず決めて、ラフを切った人が最後の仕上げを担当する形でやっています。『ソフィーのアトリエ』のときには密にやり取りして決めていたのですが、時間もかかりますし、衝突もあったりするので(笑)。
ゆーげん:でもその経験を経たからこそ、互いに感覚を掴めたと思います。あと、正直そこまで気負わなくていいんじゃないかって、プロデューサーの岡村(佳人氏)さんの意見もあって、今のスタイルになりました。おかげでだいぶやりやすくなりましたね。
NOCO:合作というスタイルが『ソフィーのアトリエ』で一度受け入れてもらえたことも、お互い安心してまかせられる理由の1つだと私は思ってます。
ゆーげん:あと『ソフィーのアトリエ』のときのNOCOさんの苦労が、今回の『フィリスのアトリエ』でメインを担当してすごくよくわかりました。今度は僕がシリーズの伝統を守りながら、新しいことを組み込んでいかなくてはならなくて。それがどんなに難しいか、よくわかりましたね(苦笑)。緊張感やプレッシャーを感じます。
NOCO:今回はそういう意味では私は気楽です(笑)。
ゆーげん:そうそう。『フィリスのアトリエ』で最初に連絡したとき、「超気楽です」って言っていた(笑)。
――今回ゆーげんさんが主人公やメインどころをデザインするにあたって、何か変化はありましたか?
ゆーげん:じつは『フィリスのアトリエ』が始まる前から、イラスト自体は何枚か描いていたんです。今回、コンセプトデザインとしても参加させてもらっていますけど、旅をテーマにいろいろ景色があって……といったイメージは固まっていました。でも、主人公はいろいろとありまして。ガストさんとして守りたい部分と、こちらとして攻めたい部分の凌ぎ合いで、そこは喧々諤々、何度もお話をして詰めていった感じです。思えば岡村さんをだいぶ困らせたりもしましたが(苦笑)。
――フィリスのデザインは難産だったのですか?
ゆーげん:僕としてはあまりデザイン案を重ねたくなかったんです。最初に決まったコンセプトで描いたものを相手に提示しているので、細かく直していくと、ジグソーパズルに違うピースがはめ込まれていく感じで、自分の画でなくなっていく感じがするんです。それでもいいときはいいですが、やはりイラストとして描かなくてはならないものが多いので、まず僕がキャラクターを好きじゃないといけないと思ったんです。あまり直しを入れて嫌いになると困るので「パッと見てダメならば、全部描き直します」とお願いはしていました。
――ちなみに「不思議」シリーズは主人公ともう1人という構図になっていますが、お互いのキャラクターは意識してデザインされていましたか?
NOCO:『フィリスのアトリエ』では、お互いのデザインはまったく見てないですね。ただ、被らないだろうなってラインだけは意識していました。
ゆーげん:似ていたってキャラはいました?
NOCO:ゆーげんさんの好み的にフィリスはおそらく青系になるだろうと予想してたんです。で、今回は姉妹って設定があるので姉の方も青系にしたっていうのがあります。そういう意味ではドンピシャでしたね(笑)。
ゆーげん:なんか、プロファイリングされてる(苦笑)。
NOCO:やはり1年以上一緒に仕事をしてきたおかげですかね。類似があって変更したキャラクターは、たしかレヴィの髪色くらいだったと思います。
【キャラクターデザイン以外からのアプローチにも挑戦!】
――ゆーげんさんは町や世界のイメージボードなど、コンセプトデザインとしても参加されていますね。
ゆーげん:すごく楽しかったですね。僕はテーブルトークRPGが趣味だったのと、世界遺産とか好きなので、あれこれ想像を膨らませながら描くのは楽しかったです。コンセプトとしてなるべくキャラクターに寄り添いつつ、風景に視点をおいた絵柄作りを考えてました。
――キャラクターデザインの人が世界観のイメージもしていると、キャラクターと世界がマッチングしているので、旅をしていて楽しい予感がします。
ゆーげん:ありがとうございます。本当にスタッフのみなさんががんばって、なるべく僕の絵に近づくようにモデリングをしてくださって感謝しています。
NOCO:デザインのほうでも、今回は町がたくさんあって、それぞれ環境が違うので、服装の素材だったりとか工夫しました。海辺で暖かい町は綿のような生地でとか。その辺は一番こだわりましたね。
――ゆーげんさんがコンセプトデザインという形でも参加されていますが、NOCOさんが何かやってみるとしたらどんなことに挑戦してみたいですか?
NOCO:『フィリスのアトリエ』ではアトリエ内に飾る家具やオブジェクトを作れるんですが、そういったオブジェクトのデザインをやってみたいですね。自分で作ったオブジェクトを配置できるというのは楽しそうだなと。
――DLCでNOCOさんデザインの家具や装飾品があるとうれしいですね。
NOCO:それはぜひお願いしたいですね(笑)。
ゆーげん:最終的にどれだけ親和性があるのかだとは思いますが、ゲームに出ているアイテムがイラストにも描かれているとか、イラストにあるアイテムがゲームで出てくるって面白いですよね。
【それぞれのお気に入りキャラクターと描いてみたいキャラクターは?】
――それぞれお気に入りのキャラクターはいますか?
NOCO:今回はアングリフっておじさんのキャラクターがいるんですが、描いていてすごく楽しかったです。いつも美少女系のキャラクターばかり描いてきたので、気合を入れておじさん描くことはあまりなかったし(笑)。あとはやはり二枚目担当のレヴィさんも好きですね。
ゆーげん:僕はやっぱりフィリスとイルメリアですね。イルメリアはじつは主人公の初期案だったんです。イメージコンセプトデザインを描いたときには、もうイルメリアができていたのですが、主人公のオーダーが出る前に描いたものなので、ちょっと設定とは違うところがあって没になりました。でもキャラクターとしては完成されていたので、こちらをライバルキャラクターに、となりました。「別のキャラクターにするならば描き直します」って申し出たのですが、岡村さんが「いや、このデザインがいいんです」って言ってくださいまして。
――たしかにイルメリアは美少女キャラクターの要素の塊で、かなりキャッチーですよね。
ゆーげん:彼女が没になったのは設定を乗せにくいという点もありましたが、フィリスと比べて成長の余地を感じられないのもあったんです。これで完成されているので、プレイヤーが自己投影をしにくいというか。
――となると、フィリスに関してはイルメリアから対照的なイメージで作っていったのですか?
ゆーげん:最初はイルメリアをちょっと変えた形でデザインしたのでが、行き詰まってしまって、一度リセットしてゼロから作り直しました。旅をテーマにするなら大きなバックパックを背負っていて、それをメインにどういうキャラクターが入るのかなと考えていきました。
NOCO:たしか、フィリスが着替える衣装のデザインもゆーげんさんが描いていらっしゃるんですよね?
ゆーげん:すべて描いています。主人公の衣装に注力したいという話を聞いて、予定を大きく超える枚数のイラストを描きました。特典とかDLC用の衣装も「時間がないならこっち(ガスト側)で作ります」って話でしたが、「いやいや僕が描きます」って(笑)。
NOCO:今回は衣装によってバックパックも違っていて、かなりこだわりが伝わってきます。
ゆーげん:そうですね、衣装によってリュックも全部変わるんですよ。バックパックを含めてのフィリスということで、ノリノリで三面図とかも用意してました。モデリングチームががんばってくださったおかげで、かなり再現度の高いモデルになっていると思います。
――前作の『ソフィーのアトリエ』をふまえたキャラクターについて、デザインで気にした点はありますか?
ゆーげん:前作に登場したフリッツの娘であるドロッセルは、どちらかというと難産でした。当然どこか親子関係が見えるデザインは必要だったので、腰回りを同じ衣装にしたり、あとは色使いで親子関係を意識しています。
NOCO:逆にソフィーとオスカーに関しては、そういうのは全然感じなかったですね。
ゆーげん:僕はソフィーが成長したってところを、このデザインで表現できているってところはさすがNOCOさんだなと思いました。
――ちなみに、前作では一人前になってからのキラキラ衣装が人気でしたが、あれはもう着ないのですか?
NOCO:一応、キラキラ衣装バージョンもデザインしましたが、どうにもしっくりこなくて(苦笑)。
ゆーげん:ええ、レオンさんが泣いちゃうよ(笑)。
NOCO:キャラクターとして成長したからこそ元の姿というか、原点に立ち返った方がソフィーらしいかなと。そのほうが、ユーザーさんもなつかしさを感じてもらえるというのも大きかったです。一応、キラキラ衣装バージョンもデザインしましたが、どうにもしっくりこなくて。あとオスカーに関しては、やせるのは最初から決まっていました。『ソフィーのアトリエ』の時点で、やせた状態の顔は描いていたんです。なので今回は思いっきりカッコいい方向に振っていくぞって。
ゆーげん:前作と比べて気楽にデザインできたぶん、なんだか楽しそうですね(笑)。
NOCO:そうですね、今回はだいぶゆるい感じでした。全体的にメインとははずれたところを埋めていく感覚でやらせていただいたので。先ほどのアングリフも、かっこいいおっさんでというオーダーだけでしたし(笑)。
――なるほど。サブキャラクターについては、どんな感じでしたか?
ゆーげん:RPGでは本来、町娘的なものってあまりデザインしないじゃないですか。でも「アトリエ」シリーズでは町娘的というか牧歌的なキャラクターを要求されることが多いですね。
NOCO:普通に街で暮らしてるキャラクターというのが今回はとくに多かったですね。半分は町の人という感じなので、珍しいのかなと思いますけど、それが積みあがることで世界観ができてくるのかなと。
ゆーげん:街人のなかではけっこう特殊なパメラのデザインは難しかったですか?
NOCO:パメラはパメラで受け継がれてきたものなので、味付けが違う感じでよかったんですけど、メイン級のキャラクターを別の人がデザインするのって「アトリエ」シリーズでも初めてで、緊張しました。
ゆーげん:過去作のキャラといえば、エスカとロジーを描いたのはどうでした?
NOCO:今回は2回目なので慣れましたが、前回はかなり気を使いました。元のキャラクターのイメージもそうですし、左さん(「黄昏」シリーズを担当したイラストレーター)のイラストのイメージにも意識は必要ですし。貴重な経験なので、嬉しいは嬉しいんですけど、やっぱり緊張しました(笑)。
ゆーげん:外野から見ると「いいな」って感じでしたけど、そう思ってたんだというのは新鮮です。でも、とてもNOCOさんの優しい絵柄にマッチしていますよ。きっと僕が描いたら文句いわれると思うんですが(苦笑)。
NOCO:そうやって意識させるデザインって、やっぱり難しくなりますよね。
ゆーげん:条件が多いほどデザインはしにくくなりますね。新規でキャラクター1人描いてくれっていわれたときに、例えば髪は長めで小柄で程度のオーダーなら楽ですが、スカート履いていてソックスでバックを背負ってといわれると、どんどん描かなきゃいけない制約が増えてしまいますので。
――では、お互いのキャラクターで、自分で描いてみたいというキャラクターはいますか?
NOCO:エーデルを描いてみたいですね。
ゆーげん:エーデルは最初広報イラストがないのに描いて、ノリに乗って漫画まで描いてしまいました(笑)。
NOCO:やっぱりそうですか(笑)。パッと見てもかなり気合を入れて描いているのがわかりました。
ゆーげん:僕の場合、やはりソフィーを描いてみたいですね。ソフィーって多様な顔ができるので挑戦し甲斐があります。NOCOさんの絵柄って尊敬できるし、デザインの作り方とか僕とは全然違うので、NOCOさんの集大成であるソフィーを描いて勉強してみたいと思います。
NOCO:描くとしたらキラキラ衣装ですか?
ゆーげん:キラキラになっちゃうでしょうね。で、「こんなの違う」って怒られそう(笑)。
――それでは最後に読者の皆さんにメッセージをお願いします。
ゆーげん:今回はキャラクターデザインをがんばらせていただいてます。ガストさんが総力をあげていて、今までより広がった世界観で、テーマである旅のワクワク感を楽しめると思うので、ぜひ楽しんでいただきたいです。
NOCO:キャラクターがたくさん出てきて、本当に多くの出会いとお話を体験できると思います。『ソフィーのアトリエ』のキャラクターもたくさん出てきますし、前日譚を描いた『ソフィーのアトリエ』のDLCも配信されます。まだこちらを遊んでいない方は、『フィリスのアトリエ』の発売までにぜひ遊んでいただきたいですね。
5回にわたって『フィリスのアトリエ ~不思議な旅の錬金術士~』の魅力を伝えてきた連載も今回が最終回。本作は旅をテーマにRPG色を全面に出した広大なフィールド、わかりやすく&錬金術の偉大さを実感できる”超弩級調合”など、新たな試みが満載で従来のファン&新規ファンも楽しめる内容となっている。来年20周年を迎える「アトリエ」の新たな時代につなぐ作品と言っても過言ではないので、ぜひ手に取ってその未来を感じ取ってほしい。
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フィリスのアトリエ ~不思議な旅の錬金術士~
・発売元:コーエーテクモゲームス
・フォーマット:PlayStation®4/PlayStation®Vita
・ジャンル:錬金術再生RPG
・発売日:好評発売中
・価格:PS4® 通常パッケージ版 希望小売価格 6,800円+税
ダウンロード版 販売価格 7,344円(税込)
プレミアムボックス 希望小売価格 9,800円+税
スペシャルコレクションボックス 希望小売価格 18,400円+税
PS Vita 通常パッケージ版 希望小売価格 5,800円+税
ダウンロード版 販売価格 6,264円(税込)
プレミアムボックス 希望小売価格 8,800円+税
スペシャルコレクションボックス 希望小売価格 17,400円+税
・プレイ人数:1人
・CERO:B(12才以上対象)
※ダウンロード版は発売後2週間10%OFFとなります。
※ダウンロードコンテンツ対応予定
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©コーエーテクモゲームス All rights reserved.
※画面はすべてPlayStation®4で開発中のものです。
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