さまざまなメディアで展開され、爆発的な人気を集めている「ソードアート・オンライン」シリーズ。作品自体がオンラインゲームを題材に扱っていることもあり、ゲームとの親和性が非常に高く、バンダイナムコエンターテインメントより過去3タイトル発売されたゲーム版も、原作に負けずとも劣らない人気を得ています。今回、その最新作である『ソードアート・オンライン -ホロウ・リアリゼーション-』が、PlayStation®4/PlayStation®Vitaで発売されることになりました。前作からあらゆる要素がさらに進化している本作の魅力を、電撃PlayStation編集部が紹介していきます。
「ソードアート・オンライン」の世界の一端を担うゲームメディアとしての「SAO」
“ゲーム内での死=現実世界での死”というデスゲームと化した架空のVRMMO(フルダイブ型オンラインゲーム)《ソードアート・オンライン(SAO)》を舞台に、主人公の少年・キリトたちの生死を懸けた冒険を描く人気小説「ソードアート・オンライン」シリーズ。いまや日本のみならず全世界で累計1,900万部の超ヒットを記録し、2本のTVアニメシリーズも放映されて来春には劇場公開も決定! さらにはハリウッドでは映画化も進行中という、まさにモンスターコンテンツです。
そんな「ソードアート・オンライン」のマルチメディア展開の1つとして、《SAO》の世界を家庭用ゲーム機で楽しめるように制作されたのが、2013年にPSP®「プレイステーション・ポータブル」で発売された『-インフィニティ・モーメント-』を皮切りに始まった一連のシリーズです。
このシリーズには2つの大きな特徴がありまして、まず1つ目に”原作・アニメの「SAO」とは異なるオリジナルストーリーが展開していく”ことが挙げられます。原作では《SAO》の冒険の舞台《アインクラッド》の第75層でゲームがクリアされたのに対して、前述の『-インフィニティ・モーメント-』では第76層以降もゲームが続行。キリトを始めとした、各キャラクターに関する”その後”の設定なども変化していきます。また、原作にはいないゲームオリジナルのヒロインが登場したり、原作では《SAO》にはログインしなかったリーファ、シノン、ユウキなど、別のVRMMO出身のキャラクターが《SAO》の世界にログインしてくる点も注目です。
この原作とズレが生じているという設定は、家庭用ゲーム機版「SAO」ではシリーズで共有しており、以降の作品でも設定を引き継いで物語が展開していきます。まさにもう1つの「SAO」と言えます。
そしてもう1つの特長が、作品のテーマでもあるオンラインゲーム(MMO)をオフラインのゲームながらも擬似的に再現しているところ! 基本システムが既存のMMORPGを大いにモチーフにしているということもあるのですが、何よりもMMO感を出しているのがAIが操作する”プレイヤーNPC”の存在です。初めてシリーズに触れる人にはややこしいかも知れませんが、彼らはほかの作品でいうところの一般的なNPCではなく、《SAO》などのMMOに参加する1人としてゲームを攻略中なのです。
フィールドを歩けばレベル上げをする姿が見られたり、ボス戦などでは共闘することもあります。ユーザー(本記事内ではゲームを遊ぶプレイヤーの意)が操るのは基本的には主人公のキリトとなり、原作でおなじみのアスナたちキャラクターも、これらのプレイヤーNPCとして登場します。パーティを組む際は、彼らは独自の思考や嗜好のもとに行動し、戦闘中も適度に声をかけてくれたりなどの仕様・演出が絶妙で、まさに別のユーザーと一緒にプレイしているような感覚が味わえるのです。
擬似MMORPGとしての魅力がさらに!
前置きが非常に長くなってしまいましたが、間もなく発売されるのがゲーム版「SAO」シリーズ最新作となる『ソードアート・オンライン -ホロウ・リアリゼーション-』です。ゲームシステム的には、シリーズ第2弾『-ホロウ・フラグメント-』の流れを汲んでいますが、とくに戦闘面はかなり進化しているところが多いです。
一番大きいのが通常攻撃のオートアタックが廃止になったこと。 □ボタンを押すことで自由に武器を振るうことができ、そのままポン、ポンとボタンを連打すれば、通常攻撃から「ソードスキル(武器による必殺技)」までがコンボで出せるなど、プレイ感覚的にはアクションゲームに近づきました。敵の攻撃の予兆を見て、移動し効果範囲から避ける、防御する、敵の背後に回りこむ……など、スピーディかつ爽快感溢れる戦闘が体感できます。
それに加えて、従来シリーズにもあった自己強化や回復などの「バトルスキル」などをタイミングよく効果的に使うことで、効率のよく立ち回ることが可能です。こう書くとかなり忙しく思えますが、慣れるまではボタン連打プレイでOKですし、何よりも前述の仲間──プレイヤーNPCのAIが強化されたことで、自動で任せてしまってもかなり活躍してくれるのです。
本作では、最大パーティ人数がキリト(ユーザー操作)+3人の4人となり、純粋に戦力がアップ! プレイヤーNPCは、基本的に独自のAIで戦闘を行ないますが、ユーザー側から指示をしたり、プレイヤーNPCが取った行動を評価することで、ある程度は思考をコントロールできるようになります。
とくに本作では、「エモーションボイド」と呼ばれる、AI育成とも言える新システムが取り入れられました。これは「優しい」、「仲間想い」などのAIの行動の指針となる感情のキーワードを各キャラクターに持たせて、先の戦闘中の評価や街での交流などにより、その感情が占める割合を変化させていくものです。対応によっては新たな感情が芽生えることもあるようなので、積極的にプレイヤーNPCとのコミュニケーションを交わしてベストパートナーを作り上げるのも楽しそうです。また、その真逆でプレイヤーNPCのAIに合わせてユーザー側がフォローするように立ち回る”全肯定プレイ”も、MMOらしい遊び方と言えるかもしれません。
ちなみに本作では、スイッチの要求や「ソードスキル」の連携などを行なうときは、該当するキャラクター間にラインが引かれるようになり、”誰と誰が連携を取るのか”が視覚的にも確認しやすくなりました。こういった細かな部分にも手が入れられているので、過去作からのユーザーもより遊びやすさを感じられると思います。
また、従来作にもあったマルチプレイが、本作ではさらにパワーアップ! オフラインで育てたキャラクターとともに、インターネットを介して世界中のプレイヤーとパーティを組んでクエストに挑めます。ユーザーが操るキリトも、名前はもちろん、見た目だけでなく外見や性別(!)までもカスタマイズ可能です。
新VRMMO《ソードアート・オリジン》を舞台に始まるオリジナルストーリー
《SAO》事件から2年後の西暦2026年。《SAO》のデータをベースにした新たなVRMMORPGとして《ソードアート・オリジン(SA:O)》が発表。デスゲームの再発も危惧されたが、対応ハードを《アミュスフィア》へと変更して、安全面への配慮は徹底的に行なわれるとして不安の声を押しのけてクローズドβが開催される。キリトやアスナをはじめとした《SAO》からの《帰還者》たちは、《ALO》で知り合ったロシアのVR技術の天才科学者・セブンの招待もあって一同でβテストに参加することになる。ゲームを始めて程なく、キリトは差出人不明の奇妙なメッセージを受け取る。書かれていたのは「I’m Back to Aincrad」という一文だけ。そのときにキリトは自分を見つめている1人のNPCの存在に気づく。しかし、視線の主である”少女”は何も語らずに雑踏のなかへと消えていった……。
2人の再会は、意外にもすぐ果たされる。街で偶然にも謎のNPCの少女と接触したキリトは、彼女が受け持っている”クエスト”を受諾することに。その依頼は、彼女と連れ添って近郊のフィールドに向かうだけというもの……しかも、報酬はたったの”1コル”。あまりに単純過ぎる設定に、逆に興味を覚えたキリトは調査を開始。だが、それこそは《SA:O》を舞台に展開する新たなデスゲームの幕開けとなっていく。
『ソードアート・オンライン -ホロウ・リアリゼーション-』のメインストーリーは、こんなプロローグから始まります。従来作では、ストーリーこそオリジナルであっても原作に登場したVRMMOの世界で描かれてきました。しかし、本作ではついに完全に新規のVRMMO《ソードアート・オリジン》が舞台! 《SAO》と似て否なるこのVR世界では、”死んだNPCが二度と復活しない”というNPCにとってのデスゲームの仕様が判明していきます。そのなかでキリトは謎のNPCの少女・プレミアとどう交流し、どう護っていくのか──。原作やアニメにも負けない、ドラマティックな戦いとストーリーに注目してほしいです。
「SAO」を語る上で欠かせない個性的なキャラクターたち
システム面ばかりを推してきましたが、やはり原作モノの作品。キャラクターの魅力に触れないわけはいきません。とはいっても、前述のように原作のキャラクターたちがクロスオーバーするのが、ゲームシリーズのウリの1つでもあります。一気に紹介すると収集がつかなくなりそうなので、連載第1回目の今回は、シリーズ通しての主人公・キリトと正ヒロイン的ポジションのアスナ、そして本作のキーパーソンとなるオリジナルキャラクター・プレミアの3人にスポットを当てていきましょう。
キリト(Kirito)
CV:松岡禎丞
本名、桐ヶ谷和人(きりがや・かずと)。デスゲームと化した《SAO》に囚われるも、最前線で戦いゲームクリアに導いた立役者の1人です。
盾を持たない敏捷度を重視した近接アタッカーで、VRMMOの世界では重要視される反応速度にとくに優れています。そのおかげもあって、《SAO》では彼の代名詞の1つであるユニークスキル《二刀流》を習得。その剣技と黒系統を好む服飾センスから、《黒の剣士》という二つ名で呼ばれることも多いようです。
線の細い女性のような顔立ちですが内面はかなり熱く、ある事件からソロプレイにこだわっていた時期もあるものの、本来は仲間に大切にする思いやりのある少年です。ゲーム版の世界では、《SAO》のあとに《ALO》を経て、《SA:O》のクローズドβに参加しました。
アスナ(Asuna)
CV:戸松 遥
本名、結城明日奈(ゆうき・あすな)。キリトと同じく、《SAO》のサービス開始日にログインしてデスゲームに囚われた少女。穏やかで物腰が柔らかく、数少ない女性プレイヤーのなかでもトップクラスの美貌のため、プレイヤー内にもファンが多いです。
また、見た目だけではなく剣士としての実力も高く、《SAO》では屈指の攻略ギルドと言われた《血盟騎士団》の副団長を務めるほど。とくに攻略の最初期は、現実世界に戻ることを渇望して攻略の最前線を駆け抜けていた過去もありました。
キリトと交流を続けるなか、ある事件を経て互いに相思相愛であることに気付き、ゲーム内システムである《結婚》を果たします。《SAO》クリア後も、ゲーム内外で恋人同士として良い関係を築いているようです。ゲーム版の世界では、《SAO》クリア後に《ALO》に囚われることなく、キリトたちと一緒に現実へ帰還しています。
プレミア(Premiere)
CV:巽 悠衣子
『ソードアート・オンライン -ホロウ・リアリゼーション-』からの登場となる、ゲームオリジナルキャラクターの”NPC”の少女。
通常、NPCは《SA:O》上での設定を何かしら与えられるのですが、彼女には名前を始めとしたキャラクター設定が一切用意されていません。”プレミア”という名前も、じつはアスナからのちに与えられる仮のものです。そんな彼女に隠された”真の役割”こそが、本作の物語を動かす大きなカギとなっていきます。
一見、いわゆる無感情系のヒロインに思えますが、交流を重ねていくうちに次第に感情豊かな一面も見せてくれるように。この変化もプレミアの大きな魅力となるのではないでしょうか。
こんなところにもMMOらしい仕掛けが!
お伝えするべき要素が多すぎて、軽い概要だけでも長い記事になってしまいましたが、最後に擬似MMORPGを謡う本作ならではの興味深い先行プレイの情報をお届けします。
このほかにも、すでに年内の大型無料アップデートや2017年には全3章で構成される有料DLCシナリオの発売も決定しています。本当のMMORPGのように本編の発売がある意味スタート地点とも言える作品なので、ぜひ今後も動向を追いかけていければと思います。
・βeater’sプレイヤー権
パッケージ版のほかにもPlayStation®Storeでのダウンロード販売も行なわれる本作ですが、現在ダウンロード版を予約購入すると”発売日の1週間前からゲームプレイが解禁”される「βeater’sプレイヤー権」が特典として付いてきます! オンラインゲームを経験したことのある人ならおなじみかもしれませんが、いわゆるβテストの雰囲気が味わえる先行プレイ権です。実際にプレイできる部分はレベルキャップなどを始め、一部制限されますが、正直先行プレイ時間分たっぷり遊び倒せるほどのボリューム! もちろん製品版へデータ移行もできますし、発売日からはオンラインプレイも解禁されますので、事実上のスタートダッシュが可能です。
ちなみに、「βeater(ビーター)」というのは「SAO」の用語(スラング)の1つで、”チーターのようにズルイ攻略の知識を持ったβテスター”を指しています。劇中ではキリトに対して別のプレイヤーが揶揄して発された言葉ですが、今回に限っては誇ってよいことだと思います。
・早期購入者特典”いにしえの装備 メイド服”
こちらはダウンロード版だけではなく、パッケージ版の早期購入者にも付いてくる特典のDLCコードです。ゲーム内で使えるコスチューム「いにしえの装備 メイド服」。コスプレとしてはド直球ですが、今回はキャラクターのモデリングのクオリティがさらに上がっていますので、お気に入りのヒロインに着せればプレイが楽しくなること間違いなし! ぜひ手に入れて下さい。
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ソードアート・オンライン -ホロウ・リアリゼーション-
・発売元:バンダイナムコエンターテインメント
・フォーマット:PlayStation®4/PlayStation®Vita
・ジャンル:RPG
・発売日:2016年10月27日(木)予定
・価格:
PS4® 通常パッケージ版 希望小売価格 7,200円+税
通常ダウンロード版 販売価格 7,776円(税込)
限定パッケージ版 希望小売価格 限定版 10,980円+税
プレミアエディション 販売価格 10,476円(税込)
シーズンパスアップグレード版 販売価格 2,700円(税込)
シーズンパス 販売価格 2,700円(税込)
PS Vita 通常パッケージ版 希望小売価格 6,100円+税
通常ダウンロード版 販売価格 6,588円(税込)
限定パッケージ版 希望小売価格 9,880円+税
プレミアエディション 販売価格 9,288円(税込)
シーズンパスアップグレード版 販売価格 2,700円(税込)
シーズンパス 販売価格 2,700円(税込)
・プレイ人数:1人(オンライン時:1~4人)
・CERO:B(12才以上対象)
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『ソードアート・オンライン -ホロウ・リアリゼーション-』公式サイトはこちら
©2014 川原 礫/KADOKAWA アスキー・メディアワークス刊/SAOII Project
©BANDAI NAMCO Entertainment Inc.
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