PlayStation®4用ソフトウェア『New みんなのGOLF』は、自らの分身をつくり、みんなが集まるフィールドに飛び込んで、ゴルフをしながら「みんGOLファー」としての成長や暮らしを楽しむゴルフエンタテインメントゲーム。「誰でも楽しめる」という原点に立ち返りつつ、9ホール一体型のオープンコース、ゴルフ以外の遊び、キャラクターの育成要素などを取り入れた新生「みんなのGOLF」だ。
このたび、そんな『New みんなのGOLF』の発売時期が2017年夏になることが明らかに。さらに、2016年4月からシニアプロデューサーに本村健太郎が加わり、新体制で再スタートを切ることとなった。当初の予定より時間がかかった理由とは? 発売時期を変更してでも実現したかった”New”な楽しさとは? 初代『みんなのGOLF』を立ち上げたシリーズプロデューサー・小林康秀氏、制作を担う株式会社クラップハンズ エグゼクティブプロデューサー・村守将志氏、シニアプロデューサー・本村健太郎にインタビューを行なった。
左から「みんなのGOLF」シリーズプロデューサー・小林康秀氏、株式会社クラップハンズ エグゼクティブプロデューサー・村守将志氏、シニアプロデューサー・本村健太郎。
新しい血を入れつつ、「みんなのGOLF」らしさも大切に
――はじめに、制作体制を新たにした経緯、意図をお聞かせください。
本村:これまで「みんなのGOLF」シリーズを6作品制作してきましたが、このたび続編『みんなのGOLF 7』ではなく、『New みんなのGOLF』として新たに生まれ変わることになりました。こうしたコンセプトのもとで制作を続けてきましたが、”New”としてのアプローチをさらに強く打ち出すため、ソニー・インタラクティブエンタテインメント(SIE)側のプロデュースチームを再編成することに。そこで、これまで主にRPGを手がけてきた私が、シニアプロデューサーとして新たにチームに加わりました。
「みんなのGOLF」の制作に携わるのは初めてですが、今回の『New みんなのGOLF』にはキャラクターのカスタマイズや育成、釣りやカート、オンラインコミュニケーションといったゴルフ以外の要素を多数盛り込んでいます。そのため、これまでの知見を活かせるのではないかと思い、参加に踏み切りました。とはいえ新要素ばかり厚くしても、従来のシリーズファンには満足していただけません。シリーズプロデューサーの小林さん、過去のシリーズを制作してきた村守さんと共に原点の楽しさに立ち戻りつつ、万全な体制で制作に臨んでいます。
小林:「みんなのGOLF」は約20年続くシリーズですし、ずっと受け継がれてきたものがあります。いくら”New”とはいえ、こうした要素がパタッとなくなってはいけません。「そこはおろそかにしてはいけないよ」「それは『みんGOL』ではやらないほうがいいよ」と、ご意見番のような立場で口を出しています。
村守:私は、ずっと変わらず監督業に携わっています。「みんなのGOLF」のゲーム側を担うのが我々、リアルゴルフ側を担うのが小林さんです。「ゲームとしてはこうしたいけれど、実際のゴルフはどうですか?」と、毎回せめぎ合いをしながら制作しています。
小林:昔の話になりますが、私と村守さんでゴルフのコースを回ったことがありました。その時、村守さんがバンカーからなかなかボールを出せなかったんですよね。すると、次の日に村守さんがゲーム内のパラメータを調節して、バンカーがとても難しくなっていたんです(笑)。それを見て「いやいや、これでは難しすぎるでしょう。リアルゴルファーの中には、ラフよりもバンカーのほうが簡単だと思っている方もいますから」と調整してもらいました。そうやって、リアルゴルフとゲームとでちょうどいい落としどころを探るのが村守さんと私の役割です(笑)。
――村守さんと小林さんはこれまでにもずっとシリーズを制作してきました。本村さんと小林さんのご関係は?
小林:最初の出会いは、2000年ごろだったっけ。プロデューサーとアシスタントプロデューサーという関係で、PlayStation®2で『ダーククラウド』を作ったよね。そこから長く一緒に仕事をしてきたので、阿吽の呼吸です。
本村:小林さんはすでにSIEを退社されていますが、僕にとっては育ての親のような存在です。
小林:村守さんを前にして言うことではありませんが、本村は猛獣使いなんです。これまでにも、名だたるクリエイターと渡り合ってきましたから。村守さんは、こう見えても猛獣(笑)。本村はダメな時にはダメだと言う男ですから、村守さんもどんどんわがままを言ってください。
村守:ゲームの面白さに守るためには、僕も譲りません。頑固と言っていいでしょうね。昔よりは丸くなったと思いますけれど(笑)。
いかにして”New”を打ち出すか。バランスを精査するため発売時期を変更
――このたび、発売時期が2017年夏に変更されることが発表されました。まず、これだけの時間を必要とする理由、変更の背景についてお聞かせください。
本村:いかにして”New”を打ち出すか、その点を突き詰めるために時間が必要だと判断しました。去年、アメリカや台湾のゲームイベントで「ホール争奪戦」というチーム戦を試遊していただいたんです。これは、ゴルフゲームでありながらパーティーゲームでもあるというユニークなアプローチ。実際に試遊された方からも好評でした。こうした楽しさをさらに伸ばすべきだと思いましたが、新しさばかりを追求するあまりゴルフゲームとしての大事な部分が薄れてもいけません。そのバランスを精査するための時間を取るために、発売時期を変更しました。
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――『New みんなのGOLF』はオンライン要素が強いので、サーバの調整などに時間がかかっているのかと思いました。その点についてはいかがでしょう。
村守:確かに、やらなければいけないことは山積みです。オンラインゲームはバグチェックに時間がかかるのも事実です。ただ、その点についてもクリアされつつあるので、現在は作り込む段階にようやく差し掛かってきました。
――変更を決めた理由ではそこではない、と。
村守:”New”とうたっていますから、名前にふさわしいインパクトを与えなければなりません。従来作品との差別化を図るためにいろいろと足掻いてきましたし、時間も費やしました。ただ、現在はようやく完成形が見えてきたので少しホッとしています。
小林:シリーズを重ねていくと、”続編のジレンマ”にハマっていきます。つまり、「みんなのGOLF」ファンが喜ぶものを考えるようになっていくんです。もちろん、ファンのみなさんに楽しんでいただけるものにするのは当たり前。でも、それを続けていくと「みんなのGOLF」ではなく「”みんGOLファー”のGOLF」になってしまうんです。もう一度「みんなのGOLF」に揺り戻すにはどうすべきか、開発陣みんなで考えました。
――その結果、改めて方向転換されたのでしょうか。
小林:いえ、方向転換ではありません。すでに発表している『New みんなのGOLF』から、まったく違うものにしたわけではないんです。同じでありながら、重点の置き方、本当にこれが「みんなのGOLF」かを精査していきました。
――順調に開発を進めながらも、ずっと試行錯誤をされていたんですね。
小林:ゴルフゲームとして、外せないことってありますよね。こうした「みんなのGOLF」の核、変わらない部分は今までどおり継承しています。しかもさらに進化を遂げ、PS4®に対応する初めての「みんなのGOLF」として、シリーズで最も完成度の高いゴルフゲームになったと言えるでしょう。でも、それではただの”続編”にすぎません。そこから”New”にふさわしいゲームにするために試行錯誤を重ねていたんです。
――現状では、ある程度答えが見えてきたのでしょうか。
村守:骨格はできてきたので、あとは作り込みです。過去の「みんなのGOLF」をどのようにして極めていくか。そこに新しさをどれだけ入れられるか。悩みどころは、大きくわけてその2点です。前者で言うと、現時点で非常に気持ちのいい弾道がつくれたので満足しています。過去のどのシリーズ作品と比べても、ショットははるかに気持ちいいですよ。ボールの挙動も、さらにリアルになりました。
――ボールの挙動は、一から作られたのでしょうか。
村守:ベースとなる弾道はありますが、そこに手を入れて調整しました。反るような弾道というのでしょうか。物理計算による弾道はリアルかもしれませんが、プレイすると意外と素っ気なく、それだけだと感動が薄いんです。そこをうまく脚色した結果、驚くほどの気持ちよさを実現できました。
――新要素については、どのような落としどころを見つけたのでしょうか。
村守:これまでのシリーズ作品とは骨格が違うので、新しい骨組みの中で各要素が成り立つかどうかを模索しつづけてきました。でも、これまでは釣りやカートなど新要素がそれぞれケンカしてしまい、いびつなバランスだったんです。現在は、歪んだ多角形だったものがようやくひとつの円になったようなイメージです。もしくは、点でしかなかったものが線で結ばれるようになったと言えばわかりやすいでしょうか。バラバラだった要素が関連性を帯びて、共存できるようになってきたんです。
――9ホール一体型のコースを歩き、ゴルフをしたり、ゴルフ以外の遊びを楽しんだりという構造自体は変わっていないのでしょうか。
村守:その点は変わっていません。ただ、以前はとにかく”歩く”という動線にこだわっていたんです。でも、オープンコースをすべて徒歩で移動すると、とても時間がかかってしまいます。それこそ実際のゴルフコースを歩くような感覚でしたから、プレイしていて面倒ですし疲れてしまって……。そこで”いいとこ取り”をして、「ここは歩きましょう」「ここは徒歩以外の手段で移動しましょう」と変化をつけました。新要素を取り入れたことによるネガティブな部分を取り払った結果、各要素がケンカしなくなったんです。
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――制作途中から参加された本村さんは、試行錯誤の過程をどう見ていましたか?
本村:僕がプロジェクトに参加した時点では、「あれを入れる予定」「これも入れる予定」という新要素が非常に多かったんです。確かにひとつひとつのアイデアは面白いのですが、全部の要素を投入した時にゴルフの比重が下がってしまうのではないかと懸念しました。新要素だけを比べても、「これがあるなら、こっちはいらないのでは?」というものも。各要素を精査・整理し、現在はかなりシェイプアップされてきました。
――どのような基準で取捨選択したのでしょう。
村守:バランスです。ゴルフとゴルフ以外の要素を、どのようなバランスで配置するか。クラップハンズのプランナーを含めて、話し合いを重ねました。
――これまでに発表されたゲームの全体像から、大きく変わった点、削った要素はありますか?
本村:いえ、それはありません。
小林:変更したとすれば、あくまでも発表していない要素です。そのウェイトが変わったとお考えください。
ひとりでもみんなでも! 誰もが楽しい『New みんなのGOLF』
――では、新しくなった『New みんなのGOLF』について、その楽しさ、見どころのアピールをお願いします。
村守:オンラインとオフラインで、それぞれ楽しみ方が違います。『みんなのGOLF 6』ではロビーがあり、そこからオンライン対戦や大会に参加しましたが、『New みんなのGOLF』ではコース上でチャットしたり、他のプレイヤーと一緒にラウンドしたりできます。しかもゴルフゲームだけでなく、ゴルフ以外の遊びも充実。こうした融合により新しい世界が生まれているので、ぜひその点を楽しんでいただきたいです。
小林:もちろん、「ひとりで遊びたい」という方にも楽しんでいただけます。今回はキャラクターの成長要素が特徴ですよね。
村守:ボールをガンガン飛ばしていると飛距離が伸びたり、スピンばかりかけているとボールにスピンがかかりやすくなったり、プレイスタイルとキャラクターの成長が紐づいているんです。ひとりでプレイして、キャラクターの成長を突き詰めていくのも楽しいですね。
――9月15日(木)から始まる東京ゲームショウでは、試遊台を設けているそうですね。
本村:9月17日(土)はチーム対戦モード、18日(日)はオープンコースモードを楽しんでいただく予定です。チーム対戦では活躍度によってMVPが決まるので、ぜひ獲得を目指してほしいですね。また、遊びに来たお客様には、ゲームショウのPSブースのアテンドスタッフと同じ衣装をプレゼントします。
――東京ゲームショウ以外での試遊、βテストなどの予定は?
本村:「PlayStation®祭 2016秋」にも出展予定です。βテストも、ゆくゆくは実施したいと考えています。ただし、時期については未定です。
――最後に、リリースを楽しみにしている方に向けてメッセージをお願いします。
小林:長くお待ちいただくことになりますが、その分今まででいちばん「みんなのGOLF」と称するにふさわしいタイトルになっていると思います。これまでのファンの方も、初めてプレイする方も、昔遊んでいたけれど最近は……という方も、どこから入っても楽しめるゲームになっています。発売まで、もうしばらくお待ちください。
村守:お待たせしてしまった分、超気持ちよくて超面白い、原点回帰した「みんなのGOLF」をお届けします。東京ゲームショウに来ていただければ、我々が目指す「みんなのGOLF」が伝わると思いますので、ぜひ足を運んでください。
本村:東京ゲームショウでの試遊、お待ちしています。また、来年「みんなのGOLF」は20周年を迎えます。節目の年にふさわしいタイトルになっていますし、まだ発表できない企画もいろいろと仕込んでいます。どうぞご期待ください!
【東京ゲームショウ2016『New みんなのGOLF』試遊内容】
9月17日(土):チーム対戦モード
『New みんなのGOLF』で新しく加わったゲームモード「ホール争奪戦」を体験できます。アテンドスタッフと一緒に4対4のチームに分かれ、制限時間内にオープンコース内のホールをチームメンバーと協力して奪取する、新感覚のゴルフをお楽しみください。
9月18日(日):オープンコースモード
『New みんなのGOLF』の特徴の1つであるオープンコースを、じっくり体験! オープンコースでは通常のラウンドはもちろん、「カート」を乗り回したり、「釣り」や「アイテム探し」に興じたりといった、さまざまな遊びが楽しめます。
他にも試遊特典やステージイベントが用意されている。詳しくは『New みんなのGOLF』TGS 2016特設サイトをチェック!
なお、現在PlayStation®Storeでは、PS3®/PS Vita『みんなのGOLF 6』期間限定セールを実施中。詳しくはこちらの記事をチェック!
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New みんなのGOLF
・発売元:ソニー・インタラクティブエンタテインメント
・フォーマット:PlayStation®4
・ジャンル:スポーツ
・発売日:2017年夏予定
・価格:未定
・CERO:審査予定
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©Sony Interactive Entertainment Inc.
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