読めば遊びたくなる『テイルズ オブ ベルセリア』のおもしろさを熱弁!【特集第4回/電撃PS】

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読めば遊びたくなる『テイルズ オブ ベルセリア』のおもしろさを熱弁!【特集第4回/電撃PS】

ついに本日8月18日(木)に発売を迎えた、バンダイナムコエンターテインメントの人気RPG「テイルズ オブ」シリーズ最新作の『テイルズ オブ ベルセリア』。この夏最大の注目作の魅力に斬り込む特集企画第4回では、ゲーム全体の総まとめに加え、実際にプレイしてどこにハマるのかを、電撃PS編集部の視点のレビューでお伝えしよう!

いのまたむつみ氏や藤島康介氏など、人気イラストレーターが描く魅力的なキャラクターたち。人気アーティストのテーマソングで紡がれるオープニングアニメ。そして、操作がダイレクトにキャラクターに反映され、戦っている感覚がダイレクトに伝わるバトルなど、数多くの魅力を持つ「テイルズ オブ」シリーズ。その最新作となる『テイルズ オブ ベルセリア』は、どのように進化し、そしてどのような新しい驚きを与えてくれるのか? その答えを「テイルズ オブ」シリーズをこよなく愛するスタッフがお伝えする。さらに、知っておくと物語がさらに楽しくなる、この世界にまつわる重要キーワードなども解説。

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前回の特集記事はこちら

「テイルズ オブ」シリーズ最新作は初の女性単独主人公による壮大なる復讐劇!【特集第1回/電撃PS】

さらに爽快感を増した『テイルズ オブ ベルセリア』のバトルシステムの魅力を追跡!【特集第2回/電撃PS】

ゲーム性がさらに広がる!! 『テイルズ オブ ベルセリア』の新システムの数々を紹介【特集第3回/電撃PS】

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『テイルズ オブ ベルセリア』のポイントを総まとめ!

シリーズで初となる単独女性主人公を採用した本作。救世主・アルトリウスにより秩序を保たれたミッドガンド聖導王国を主な舞台に、その彼にすべてを奪われた主人公・ベルベットの復讐の旅が描かれていく。

バトルでは、シリーズ伝統だった基本操作が変更され、フリーラン、4ボタンによるダイレクトな攻撃、自由なカメラ操作を取り入れたLiberation-LMBS(リベレーション リニアモーションバトルシステム)を採用。よりアクション性の高いバトルを実現している。

チャットシステム、料理システム、バトル後の掛け合いなどなど、「テイルズ オブ」シリーズでファンに支持されるシステムはしっかり継承。さらに異海に探索船を派遣し、レアなお宝を探し出す異海探索などの新たな遊びも用意されている。シリーズとしてのおもしろさを守りつつも、さらに一歩踏み込んだ奥深いゲーム性に、遊べばきっとトリコになるはず!

オープニングアニメーションをはじめ、本編の重要シーンにはアニメシーンが挿入されるのもこのシリーズが支持されるポイント。もちろん本作でも多くのシーンが収録されており、それらを手掛けるのは、これまでも圧倒的なクオリティでシリーズファンを唸らせてきたufotableだ。なお、キャラクターたちの掛け合いが楽しめるチャットでも、同じくufotableが描くキャラクターたちが、さまざまな表情を見せてくれる。

【電撃PSのココに注目 ストーリー編】
序盤から急展開するストーリーに釘付け!

まず初めに、これまでほとんどのシリーズをプレイしてきた自分ですが、今回のゲームをプレイして個人的に強く感じたのは、序盤から復讐という目的に向けて突き進む物語の力強さと、主人公ベルベットの持つ人間臭い魅力でした。

そこで今回のインプレッションでは、その主人公・ベルベットと、彼女を中心にしたストーリーについて重点的に語っていきたいと思います。ちなみに、特集の最後にはストーリー&キャラクターに関するキーワードもまとめています。こちらに目をとおしておくと、よりいっそうドラマに深みが出ますよ!(文:本Go!)

プレイする前は、ベルベットに対するイメージは、復讐のため世界の秩序を乱そうとする、クールなアンチヒロイン的なものでした。世界に混乱をもたらすピカレスク小説のような展開になるのかと思い込んでいたのですが、その予測はあっという間に裏切られることになります。いきなり始まる回想シーンでのベルベットは、家族思いで表情豊かな普通の少女という、事前情報で知っていた彼女とは正反対だったのです。まずここでいい意味で不意打ちを受けました。

優しかった少女からどうして笑顔が消えたのか、どうして復讐の道へと走ってしまったのか……。その答えが明確に提示され、彼女の目的がハッキリします。普通なら中盤で明かされるような衝撃の過去を突きつけられ、それが、自分とベルベットを一気にシンクロさせてくれました。そして、回想シーンが終わると”今”へとつながるわけですが、そこには人間とはかけ離れた能力を手に入れたベルベットがいます。ここでの彼女は監獄に1人収監され、業魔を喰らい続けるという衝撃的な描かれ方をしているのですが、その頃にはもう完全に目が離せない存在になっていました。

こうしてベルベットという主人公に魅せられてからは、まるで坂道を転がり落ちていくかのように、一気に物語に没入していくことになります。これだけ最初から復讐という感情だけで動く主人公もめずらしく、今までのシリーズとは違うと感じさせてくれたからです。善悪で割り切れない戦いをしてきた多くのシリーズ歴代主人公と違って、ただ復讐という感情のみで突き進む行動原理は、おそらく異質といえるでしょう。しかし、それこそがもっと彼女を知りたい、もっと彼女の未来を見たいという、強いモチベーションを与えてくれることになったのです。

もちろん、ただ復讐のため突き進んでいけるほど、世界は単純でもありません。ベルベットの本当の魅力は、復讐に生きるだけの鬼になりきれない、人間くさい一面なのです。彼女は、旅のなかで出会った仲間たちと過ごすうち、やがてその思いを変化させていきます。そして、じつに人間らしく悩み、葛藤するのです。

なかでも、ゆきずりで旅に同行することになるライフィセットとの関係は、絶対に見逃せないポイントでしょう。出会った頃は、自分の意思を示さないライフィセットに対し、ベルベットはただただ苛立つだけでした。しかし、少しずつ自我を取り戻し、年相応の少年らしさをみせ始める彼に対し、彼女自身も自分を見つめ直すことになるのです。

ベルベットに影響を与え、一緒に成長していくライフィセットの姿からは、まるでもう1人の主人公のような存在感を感じることができました。

【電撃PSのココに注目 仲間編】
仲間たちにも魅力満載!

ストーリーにのめり込んだ理由は、ベルベットだけではありません。本作で集まる仲間たちも、とにかく個性抜群なのです。先述した、道具として扱われていて意思を持たなかった状態から、冒険をとおして成長していく聖隷ライフィセットはもちろん、同じく聖隷なのに、己の信念を貫き、多くの部下から信頼されるアイゼン。業魔病に冒されながらも理性を保ち、その力を前向きに利用しようとするロクロウ。人を食ったような態度と言葉で、決して本心をみせないマギルゥ。敵対する組織、聖寮に属しながら、やむを得ない事情で行動をともにするエレノア。ベルベットの側には、それぞれの事情を抱えたクセの強い連中が集まってきます。種族も、目的も、考え方も異なる彼らが織りなす人間関係は、どこか危うさを感じさせながらも、絶妙なバランスのうえに成り立っているのです。

それは、決して純粋な仲間意識ではないですし、家族や兄弟の絆でもありません。まさに、打算と計算に満ちたパーティであり、だからこそ、道中の掛け合いが楽しく、あれこれと深読みすることができるのです。そして、物語の展開とともに、違うベクトルを向いていたそれぞれの目線も、ちょっとずつ重なりあっていきます。ベルベットの感情の変化と合わせて、彼らとの関係の変化にも注目していくと、旅はより楽しめるはずです。

そんな仲間キャラクターで、とくに気になったのがビエンフーでしょうか。リボンつきシルクハットを被ったような、珍妙ともいえるその姿のインパクトもさることながら、「でフー」という独特の語尾と言い回しで場をかき乱してくれる、その強烈なキャラクター性ときたら!(笑) 初登場のときから、強引なセリフと空気を読まない行動で圧倒的な存在感を脳裏に焼きつけてくれます。

しかも、聖隷として対魔士の支援をしながらも、しっかり自我を確立し、それはそれは楽しそうに生きているのです(よっぽど扱いにくいのか、契約している対魔士も持て余している様子ですが)。じつは意外に一番したたかで、図太い性格なのかもしれません。

そして、マギルゥとの関係も、ベルベット&ライフィセットと同じくらい、見逃せないポイントといえます。まるでド突き漫才のように息の合った2人には、それが信頼関係なのかどうかはともかく、尋常ならざる因果関係を感じさせてくれるのです。いろいろな意味で、本作のベストパートナー同士であることは間違いありません!

さてもう1人、聖隷で語らざるを得ない人がいます。そう、アイゼンです。彼は誰も頼りにせず、己の信じた道をただ突き進む、ひたすらカッコいい男として描かれています。しかも、多くの部下を率いて海賊の副船長をやっており、船員からは揺るぎない信頼を得ているのです。悪運(?)の持ち主で、死神とあだ名されようとも信念を曲げないその生き様は、ただ純粋にあこがれますね。それでいて、クセのある仲間をまとめ作戦の指揮を取るなど、デキる大人の余裕も見せつけてくれるのだからたまりません。

気がつけば聖隷たちの話ばかりになってしまいました。これは、それだけ聖隷という存在が世界観的にも大きいからです。もちろん、兄と敵対しながらも信じた道を極めようとするロクロウにも、聖寮を信じながらもベルベットとの旅のなかで感情を揺らしていくエレノアにも、不意にみせるミステリアスな一面からどこか冷たさを感じさせるマギルゥにも。気になるポイントはたくさんあります。

物語を進めれば、ベルベットの仇であるアルトリウス側の事情も見えてきます。これらをすべて書き出していると本当にきりがないので、あとはどうかプレイして、自分の目で確かめてほしいと思います。プレイすれば必ず誰かしら気に止まると思うので、ぜひ自分のお気に入りをみつけてください。

余談ではありますが、今回はチャットでカットインが多様され、それがキャラクター同士の会話をより楽しく演出してくれています。これも、感情移入に一役買っているように感じました。いつもどおりの膨大な数が用意されていますが、それでも物足りないくらい。もっともっと見たかったですね。

【電撃PSのココに注目 バトル編】
これまで以上に爽快感抜群のバトルシステム!

ここからはバトルシステムに触れたいと思います。まず、これまでの連載で紹介したように、バトルでは基本的な操作方法が大きく変わりました。自分で移動し、位置取りして攻撃していくことが重要になるので、アクション性は増しています。しかし、基本的にターゲットしている敵をしっかり追尾してくれるので、戦いの操作感覚は、これまでの「テイルズ オブ」シリーズと大きくは変わっていないと感じました。シリーズ特有の、”操作しているだけで楽しい”という感覚は健在です。

そんなバトルの根幹になるのが、ソウルの奪い合いです。ソウルは攻撃するたびに減少し、ゲージがなくなるまで術技をつなげられるシステム。ソウルが多いほどコンボも長くなるので、バトルではこのソウルを増やすことが最大のポイントとなるわけです。そしてソウルは敵も持っており、スタンや弱点攻撃で奪うことができるので、敵のソウルを奪うことで一方的な攻撃も可能! これがうまく波に乗ったときの爽快感は、本当に気持ちいい! まさに「テイルズ オブ」らしいバトルの醍醐味を味わえました。

一方で、こちらがスタンさせられたり、弱点攻撃を受けることで、逆に奪われることもあります。1つのバトルでこうした攻防の変化が起こるので、まさに一瞬も気が抜けません。事前に4つのボタンに術技を設定できるので、どう組み合わせて攻撃すれば効率よく相手のソウルを奪えるか、人によっては、そのあたりの戦略性も楽しみとなってきそうです。

ちなみにアクション性が増していることに心配している人もいるかもしれませんが、×ボタンへの術技設定を「おまかせ」にすれば、基本的に状況に応じた術技を勝手に出してくれます。また、難易度はゲーム中にいつでも変更できるので、自分にあわせた難易度でプレイすれば、初心者でも問題なく楽しめます。ちなみに難易度によってバトルの内容がかなり変わってくる(高いほどレアな装備品が出やすくなったり、ワンダリングエネミーが出現しやすくなる)ので、状況にあわせて細かく変えていくというのも1つの戦略ですね。

【電撃PSのココに注目 まとめ編】
テンポよく進むゲーム展開と「テイルズ オブ」らしさ

シリーズの伝統ともいえますが、本作でもゲーム全体のテンポはとても軽快です。移動からバトル、メニュー操作に至るまで、ボタン入力のレスポンスがよく、バトル突入時やエリア切り替えの読み込みも一切感じさせません。気持ちよく遊ぶことができるので、経験値稼ぎやスキルの習得がとにかくはかどります。

最後にもう1つ語りたいのが、「テイルズ オブ」シリーズらしさは失われていないか? という点。これについては、まったく心配する必要はありません! 例えば料理システムなら作ったキャラクターごとに追加効果が変わるなど、シリーズ定番システムもしっかり進化しています。このあたりは古くからのファンも、満足できるのではないでしょうか。

そのほかにも感覚的にわかりやすいメニュー画面、移動やバトルでの快適な操作、お馴染みの効果音、チャットや戦闘後会話などの馴染みのシステム、さらには、そこかしこに仕掛けられた、シリーズのファンなら思わずニヤリとできる仕掛けの数々……。これらの要因があわさって、プレイ感覚は間違いなく「テイルズ オブ」シリーズそのもの。その点においては、期待を裏切ることはけっしてありませんね。

こちらも余談ですが、先述のシリーズのファンが楽しめる仕掛けの最大の要素が、今回新たに搭載された異海探索です。探索できる海域や入手できる財宝は、すべてシリーズ作品に由来のある名前という、ファンサービスが満載だったりします。キャラクター同士が語る解説文も、こだわりが詰め込まれており、ぜひ全部ゲットしてみてほしいですね。

覚えておくとより楽しいキーワードを紹介!!

ここからは、実際にプレイして気になった、物語の鍵となるキーワードをピックアップして紹介。これらの意味をしっかり把握してプレイすれば、世界背景や物語の展開もよりわかりやすくなる。

◆海賊アイフリード
アイゼンが捜している海賊の船長。シリーズでは伝説の海賊として扱われることが多いが、本作では実在する生きた海賊として登場。ただし、現在は行方不明となっている。

◆救世主アルトリウス
ベルベットの復讐のターゲットとなるのが、救世主ことアルトリウス。聖隷を率い、世界を救った人物として、国や民衆から絶大な支持を得ている。

◆業魔と業魔病
業魔病とは、人間を魔物に変化させる病気のこと。そして業魔病に侵された人間の慣れの果てが、業魔と呼ばれる。ただし、完全に獣の姿になっている業魔もいれば、人間の姿と理性を保っている業魔もいて、一概に必ずしも魔物に変化するとは限らないようだ。

◆聖寮
アストリウスが創立した、対魔士(業魔を倒す力を持った者たち)による組織。能力で階級がわかれている(二等、一等、特等)。彼らは、白を基調にした服を着ており、民衆からは正義の象徴となっている。そして所属する者の多くは、自分たちが正義だと信じている。圧倒的な支持と力を持ち、実質世界を支配しているともいえるが、当然、大きな組織の宿命として、決して一枚岩ではない部分もある。とくに地位の高い特等対魔士の1人であるメルキオルは、聖寮の使命がきれいごとだけでは済まされないことを理解し、自ら汚れ役を担っている。そうした聖寮内での思想の違いや軋轢なども、物語を楽しむポイントとなる。

◆聖隷
聖隷とは、自我をもたず、多くが対魔士に使い魔のように使役されている種族のこと。対魔士と契約することで、その対魔士に業魔に対抗する力を与えてくれる存在として知られている。聖寮と呼ばれる組織の人々は、彼らを使役する力を持っており、多くはまるで道具のような扱いを受けている。一方で、そんな常識に捉われず、例外的に、自分の力のみで生きていくアイゼンのような聖隷もいる。謎の多い種族だが、ライフィセットやアイゼンを見れば、本来はれっきとした自我を持つ人であることがわかる。それは、少しずつ自我に目覚め、成長していくライフィセットの姿をとおして確認できるはずだ。

◆緋の夜
緋色の月が昇る夜のことで、業魔病と大きなかかわりがあるとされる現象。3年前、ベルベットを襲った事件は、この緋の夜に起った。また、その7年前にも一度起きている。この緋色の月のもとで、ベルベットの左手は魔物を喰らう力を持つ異形の手に変貌を遂げた。

◆羅針盤・櫛・リンゴ
本作の物語の鍵となるアイテム。本作の物語とキャラクターに深くかかわってくる。

ベルベットの個人的な復讐という、これまでのシリーズとは一線を画す視点でストーリーが展開していく本作。やがては、世界の「理(ことわり)」をも歪ませる、壮大な物語へと発展。なお次回は発売後、過去作品を元ネタにした小ネタの紹介や、効率よくゲームを進めるためのコツなど、『テイルズ オブ ベルセリア』を120%楽しむためのポイントを紹介していく。

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テイルズ オブ ベルセリア

・発売元:バンダイナムコエンターテインメント
・フォーマット:PlayStation®4/PlayStation®3
・ジャンル:君が君らしく生きるためのRPG
・発売日:好評発売中
・価格
 PS4®:パッケージ版 希望小売価格 8,200円+税
     ダウンロード版 販売価格 8,856円(税込)
 PS3®:パッケージ版 希望小売価格 8,200円+税
     ダウンロード版 販売価格 8,856円(税込)
・プレイ人数:1人~最大4人
・CERO:B(12才以上対象)

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©いのまたむつみ
©藤島康介
©BANDAI NAMCO Entertainment Inc.

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