7月9日(土)と10日(日)の2日間、京都・みやこめっせで開催されていた日本最大規模のインディーゲームイベント”BitSummit 4th”。初日の最後を飾ったソニー・インタラクティブエンタテインメント(SIE)によるステージイベントにて、PlayStation®VRコンテンツのコンテスト企画 “Made With Unity Contest with PlayStation®VR” の詳細がアナウンスされた。
コンテンツの存在自体は、4月に行なわれた”Unite 2016 Tokyo”で発表されていたが、詳細が明らかになったのはこのイベントが初となる。これは、新しい発想を活かせる場として注目されているPS VRにおいて、Unityとクリエイターを応援する会社が集い、企画からタイトル成立までのサポート体制を用意するのが目的となるコンテスト。Unityでの制作を前提としたVRコンテンツの企画があれば、企業や個人を問わずに誰でも応募できるのが特徴だ。
専用サイトのエントリーフォームを通じて企画案を提出することで、企業と個人を問わずに誰でも応募ができる。企画案の提出フォーマットは問わず、文字だけの企画書でも、映像を使った企画紹介でも、その企画内容がわかればOK。もちろんすでにUnityで開発しているデモがあれば、そちらでの応募も可能だ。
応募受付期間は7月下旬から8月31日(水)となっており、当選発表は9月中旬。当選者にはPS VRの開発環境サポートが提供され、パブリッシャーがつけば、PS VRのコンテンツとしてリリースされる可能性もあり、デベロッパーにとって大きなチャンスだ。
審査は、SIEとユニティ・テクノロジーズ・ジャパン(Unity)、Cygamesといったパブリッシャーが担当。特別審査員としてCygames CTOの芦原栄登士氏、ユニティ・テクノロジーズ・ジャパン日本担当ディレクターの大前広樹氏、SIEからワールドワイド・スタジオプレジデントの吉田修平と、ソフトウェアビジネス部次長制作技術責任者の秋山賢成が行なうことが明らかになっている。
“Made With Unity Contest with PlayStation®VR”応募概要
応募期間:2016年7月下旬〜8月31日(水)予定
応募コンテンツ:Unityで制作されたVRコンテンツ
応募方法:専用サイトよりエントリー
当選発表:2016年9月中旬予定
副賞:PlayStation®VR開発環境サポート
※審査のうえ、該当者なしの可能性があります。
※制作進行上パブリッシュまで至らない可能性がございます。
PS VRコンテストの詳細について秋山賢成インタビュー!
本ステージでは、コンテスト企画の特別審査員となるCygamesの芦原氏、Unityの大前氏、SIEの吉田&秋山らも登壇。コンテスト応募者への激励や、VRの可能性などを語るトークセッションなども行われた。
ステージ終了後、本コンテストを取り仕切るSIE秋山賢成がコンテストについて語ってくれた。
──PS VRコンテストを行なう狙いを教えてください。
秋山:インディーデベロッパーや個人開発者でゲームを作られている方は、非常によいアイデアを持っている方が多いのですが、PS VRでどうやって開発するのか、どうやって販売するのかは、まったくわからない状態なんです。
ですが、PS VRが非常に盛り上がっているなかで「ぜひ、やってみたい」という声をたくさんいただいています。そういった方たちの想いを、入口から出口までちゃんとサポートして、世界に広めていくというのが狙いです。
ご賛同いただいているパブリッシャーの方々と組んでコンテストを行ない、SIEによる機材の提供とパブリッシャーのサポートを受けた形で、インディーデベロッパーや個人開発者たちの想いを世に出していくことが、我々がやりたいことなんです。
──とにかく、わかりやすい入口を提供するということですね。
秋山:入口と出口の両方です。コンテンツを作って終わりではなくて、それを世の中に、ユーザーさんに届けるところまでをキチンとやっていきたいと思っています。
──コンテストの時期としては7月下旬から8月31日(木)まで。期間が短い気もしますが?
秋山:今から作り始めようとすると、短いと思います。ですが、すでにたくさん、VRコンテンツを作られている方もいらっしゃいます。そうした方々がPS VRで配信したいのでコンテストに応募してもらうのはもちろん、今から一生懸命考えて応募してもらうのもアリだと思います。Unityなら、この期間で形にすることも可能だと思います。
──例えば、OculusのRift用のコンテンツも、Unityで制作されていれば応募対象になりうるということでしょうか?
秋山:もちろんです。OculusのRiftやHTCのViveでも、Unityで作られていれば問題ありません。それらをPS VRで出すところまでをサポートしたいと考えています。
──最終的に何タイトルくらいをサポートする予定なのでしょうか?
秋山:基本的には取り扱うパブリッシャーしだいではありますので、具体的な数に関しては、現時点ではわかりません。
──コンテストの審査を通過して出せる状況にあれば、サポートをしていくということですね。
秋山:そうですね。ですから、1等賞を1作品だけ選ぶという話ではありません。パブリッシャーさんがたくさん出したいという話になれば、SIEとしてもできるだけがんばってサポートしていく予定です。
──コンテストの審査員にCygamesさんが入っていますが、Cygamesさんもパブリッシャーとしてかかわってくるということでしょうか?
秋山:Cygamesさんは、本コンテストにご賛同いただいている1社ではありますが、Cygamesさんがパブリッシャーとなりえるかは、まだ決まっているわけではありません。
まずは、Cygamesさんから審査員を1人たてていただいて協賛、協力をしていただいているという形になります。コンテストの結果、どこのパブリッシャーさんが手をあげるのかはまだわかりません。Cygamesさんだけではなく、いろいろなメーカーさんにご協力のお願いをして、賛同していただいています。
──審査員に”パブリッシュ予定社”とありますが、これからさらに新しいパブリッシャーが入ってくる可能性があるということでしょうか?
秋山:そうですね。もうすでに、手をあげていただいているパブリッシャーさんも何社かあります。
──基本的には審査員に入ったSIEやCygamesさん、これから入るであろうパブリッシュ予定社といった、審査員を担当しているところから、PS VRコンテンツが出てくると考えていいでしょうか?
秋山:いえ、そこは違います。審査員はあくまで今回のコンテストに対してご賛同いただき、応募コンテンツを審査するという立場。その方々からパブリッシュすることを確約しているわけではありません。
審査員による審査を通過し、パブリッシャーの方々がその作品を世に送り出したいと手を挙げたとき、初めてコンテストに合格したことになるわけです。
──落選したコンテンツへは、なにかしらのフォローはされるのでしょうか? たとえば、秋山さんの立場からアドバイスやサポートをするといったこともありえるのでしょうか?
秋山:必要であればアドバイスなどを行なうことはあるかと思います。たとえば”ここを直せばもっとよくなる”という部分が明確にあれば、そういった審査員からのフィードバックもあるでしょう。
現時点ではどれだけのコンテンツの応募があるのかわからないので、すべてに対してフィードバックできるのかは、はかりかねるところです。
──最後に、コンテストへの応募を考えている方々にメッセージをお願いします。
秋山:今VRは、すごくチャレンジできる場所だと思います。今までテレビの画面上でしかできなかった表現が、360度どこでも見える表現に変わるわけです。自分が作りたいものをVRにぶつける想いで、ぜひチャレンジしてもらいたいと思っています。
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