今をさかのぼること30年前、1985年12月に発売された初代『三國志』は、歴史ファンのみならず多くのゲームファンに驚きを持って迎えられた。これまでのナンバリングタイトルは12作。作品ごとに新たな進化が付け加えられ、そのたびファンをうならせ続けてきた。
そして2016年1月28日には、シリーズ30周年記念作品となる『三國志13』がいよいよ発売される。作品テーマは「これぞ三国志。百花繚乱の英傑劇。」。シリーズの集大成ともいえるこの作品の魅力を、電撃PlayStation編集部が徹底チェック! その第1回では、本作を象徴する3つのキーワードを紹介していこう。
1人の武将となって動乱の中国大陸を生きる! 目指すは立身出世か自分の野望か――?
6本のシナリオで、三国志の激動のドラマを追体験! 三顧の礼や赤壁の戦いなど、有名なエピソードはイベントとして再現される。
■主人公は700人!? 英傑たちの”絆”が生む人間ドラマ
『三國志13』は三国時代の動乱の中国大陸を舞台に、1人の武将となって己の人生を生きる歴史シミュレーションゲーム。従来作の多くは一勢力の君主となって大陸統一を目指すのが目的であったが、本作では自分だけの人生をいきてゆける。
曹操や袁紹のように大陸統一を目指すのもいいし、夏侯惇や諸葛亮のように勢力のなかで忠義を尽くすのもいい。あるいは呂布や孟達のように裏切りを繰り返すのもひとつの生き方だ。また、武将同士はそれぞれお互いの関係性を持っている。仲のいい武将同士は互いを助け合い、内政や戦闘に影響を及ぼす。
武将には君主、都督、太守、重臣、一般、在野という6つの身分が存在する。どの身分でスタートするかで、序盤のプレイの方向はまったく異なるものになるだろう。
人間関係を相関図で表現! 互いの親近感や存在感を視覚的に理解できるようになっている。劉備と深い絆で結ばれた関羽。その関羽から派生する、張遼や周倉との縁。三国志ファンならニヤリとできる関係図だ。
【人間ドラマのポイント①】任務を手伝って親近感をアップ!
本作の内政や軍事といった勢力コマンドは、君主や重臣が発行できる”任務状”によって行なわれる。勢力内の武将たちは任務状に沿った仕事に従事しているのだが、ときにプレイヤー武将に手助けを求めてくることも……。任務を手伝えば、その武将との親近感がアップ! 勢力としての富国強兵を進めつつ、武将同士の関係も深めることができるわけだ。
困ったときはお互いさま? 積極的に任務を手伝うことで、いろんな武将との親近感が上昇する。
手助けは、任務の効果そのものにも好影響。実行効果の上昇や、作業期間の短縮が期待できる。
【人間ドラマのポイント②】仲が深まると、武将間の”絆”が成立!
親近感が一定値に達したあと、さらに相手を”感謝”などの感情状態にすれば専用のイベントが発生! このイベントをクリアすると、2人の間に”絆”が成立する。通常の絆は「朋友」や「大親友」という名称だが、一部の武将同士には専用の絆も存在。劉備、関羽、張飛間の「桃園の誓い」、曹操と荀彧の「我が子房」、孫策と周瑜の「断金の交わり」などがそれ。また、絆を結んだ武将からは、内政や戦闘でさまざまな支援が得られる!
専用の絆を探すのも、本作の楽しみのひとつ。異なるのは名称だけではなく、通常の絆よりも、支援効果が高いのも特徴だ。
任務で力を借りるほか、戦場では絆を結んだ武将の支援も得られる。こちらは、一騎討ち中の関羽に劉備の支援が……!
【人間ドラマのポイント③】英雄たちの物語を描く「英傑伝」
本編とは別に用意された、ミッションクリア型のステージが「英傑伝」だ。本モードでは、劉備、関羽、張飛の出会いを描く「桃園結義」をはじめ、三国志の有名な場面を短時間で楽しむことができる。また、各ミッションはチュートリアルも兼ねており、プレイを進めれば自然に本作の各種システムを学べるわけだ。
劉備、曹操、孫堅ら、主要人物たちの有名エピソードを網羅! 本編プレイ前に、ぜひ一通り触っておきたいモードだ。
本編では描かれなかった名場面も、こちらでバッチリ再現!
■ルールが異なる戦闘シーン! 激しい戦いが生む、戦場のスペクタクル!!
敵勢力と雌雄を決する戦闘シーン! 本作での戦闘は、大きく分けて野戦、水上戦、攻城戦、関戦の4つのシチュエーションが存在する。いずれの戦闘も、直接采配するかどうかの選択が現れ、采配する場合は通常マップから専用フィールドに移行。簡易戦闘の場合はマップ上で直接オートバトルになる。采配戦闘の場合、プレイヤーが君主の場合は全部隊を直接操作するが、配下武将プレイの場合は自部隊並びに、指揮権を与えられた部隊を操作することに。リアルタイムに展開する戦闘で、勝利目指して突き進もう!
戦闘は敵軍勢と接触すると発生。都督や君主軍事重臣など権限のある身分であれば、自由に出兵の命令を下せる。
都市の武将たちで部隊を編制! 攻城戦、水上戦用の、兵器、艦船もここで設定する。
【戦闘のポイント①】挟撃! 火計! 縦横無尽の戦術で勝利を目指せ!!
都市間の街道で、軍勢同士が接触すると野戦が発生する。敵本陣の攻略か、敵部隊の全滅を目指し、自軍部隊を指揮することに。各部隊は騎兵、槍兵、弓兵という3すくみの兵科が設定されており、相性の有利な相手と戦うのが勝利のカギとなる。また、各部隊には士気ゲージも存在し、戦況によって増減。敵の士気ゲージを0にすると、その部隊は一定時間無防備な状況に……。敵の士気は、火計などの計略、挟撃や敵陣の制圧、敵部隊の撃破、一騎討ちでの勝利などにより大きく低下させることが可能だ!
任務や提案は、画面左下に表示される。達成すれば、味方全体の士気を大きく上昇することができる。
画面上部のバーに表示されたマス目は「采配」ゲージ。こちらを消費することで、各武将の戦法を発動できる。火計などの強力な戦法は、戦況を劇的に変化させる力がある!
【戦闘のポイント②】士気低下を防ぐ「連環」! 特殊なルールで行なわれる水上戦!
長江や黄河の水上では、軍勢同士が接触すると水上戦が発生する。水上戦は、「水練」の特技を持たない武将は常に士気が低下。艦船同士を鎖でつなぐ「連環」コマンドを実行すると、士気低下を防ぐことができるうえ、部隊の攻守の能力を高めることもできる。反面、移動速度が低下し、さらに相手の火計に弱くなってしまい……。まさに赤壁の攻防を再現するシステムである。
「水練」を持たない北国の武将たちにとって、「連環」は水上での必須コマンド。これで士気低下を防げるのだが……。
しかし、火計に非常に弱い! 周瑜が持つ強力な「神火計」によって、連環した曹操船団が炎に包まれる……!
【戦闘のポイント③】攻城兵器を使った城門前の攻防! 都市に迫る攻城戦!!
都市上で攻撃軍勢と防衛軍勢が接触すると、攻城戦が発生する。防御側は堅い城壁に守られており、攻撃側に対して有利に戦うことができる。攻撃側がこれを打ち崩すには、城門を突破して城内に突入しなければならない。しかし、防御側には城を守る兵器群があり……。攻撃側は、城門に大ダメージを与えられる「衝車」、壁を昇り守城兵器の破壊を目指す「雲梯」といった攻城兵器を用いることが勝利のカギとなる。
堅固な城門と、それを守る守城兵器。攻城戦は、防御側が圧倒的に有利な立場での戦いになる。
しかし、城内に突入すればあとは五分と五分。敵本陣を目指し突入せよ!
■広大な中国大陸を3Dの1枚マップで再現した、ダイナミズムあふれる世界観!
本作の戦略マップは、『11』以来となる3Dの1枚マップを採用。河北の豊かな平原、雄大な長江、砂塵舞う西涼の砂漠地帯などが、臨場感あふれるグラフィックで再現される。また、都市の中もシームレスに切り替え可能で、各都市は発展度合によって見た目も変化していく。このリアルな三国志世界で、プレイヤーの没入感はより高まること間違いなし!
流れゆく黄河と、漢帝国の首都・洛陽。三国志ファンなら、地形を見ているだけでもいろいろな発見が……?
中原とはまるで異なる雰囲気の西涼地方。馬一族をはじめ、優れた騎兵指揮官がこの地から誕生した。
豊かに発展した、襄陽の町。コツコツ内政して、都市を育てていくのも本作の楽しみのひとつだ。
『三國志13』のポイントを大まかに説明したわけだが、ほかにも本作の魅力は盛りだくさん。猛将同士の一騎討ち、根回しや舌戦が成否を決める外交交渉、各武将に設定された戦法や特技の個性などなど。これからも『三國志13』の魅力をお伝えしていくので、次回の更新を期待してほしい!
また、本作のプロデューサーである鈴木亮浩氏への、ひとことインタビューも毎回掲載していくことが決定! 第1回目の更新となる今回は、「三国志」の魅力について語っていただいた。
鈴木亮浩プロデューサーは、「三国志」、そして「三國志」シリーズについて以下のように語った。
「三国志」の面白さは、やはり登場人物たちの魅力に尽きると思います。たくさんの個性的な英傑たちによる数多のエピソードが複雑に絡み合い、三国志という大きなストーリーを形成していて、とてもドラマティックです。また、三国鼎立という政治的な面白さに加え、スッキリとした終わり方ではないことも、面白さを引き立てていると思います。最後に統一を果たしたのが、魏呉蜀のどれでもない晋であり、三国が滅びていく姿がIF心を擽ります。
そんな「三国志」の面白さを体験できるのが、「三國志シリーズ」です。約30年前に始まったこのシリーズは、既に発売していた『信長の野望』との差別化として、三国志の魅力を再現するよう英傑たちにスポットを当てたゲームシステムを構築してきました。最新作『三國志13』では、「これぞ三国志。百花繚乱の英傑劇。」をコンセプトに掲げ、相関図や絆など新たなゲームシステムを導入して英傑たちの活躍を描いています。また、三国志演義のエピソードを追体験できる「英傑伝」モードにより、三国志の世界を時代を追って楽しむことができます。
―――鈴木亮浩
鈴木プロデューサーのコメントから、さらに「三國志」シリーズ、そして『三國志13』への期待が膨らむ。2回目以降の更新では、もう少し具体的なことについてお話しをうかがう予定なので、そちらも期待してほしい。
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