■みんなで楽しむVR体験! 『THE PLAYROOM VR』の
最新デモコンテンツ『Cat&Mouse』をプレイ!!
『THE PLAYROOM VR』はPlayStation®4本体にプリインストールされている『THE PLAYROOM』のVR版として、SCE JAPANスタジオが開発を担当しているファミリー向けデモコンテンツ。VR(仮想現実)対応ヘッドマウントディスプレイPlayStation®VRを使って遊ぶゲームであり、今年6月に米国ロサンゼルスで開催されたE3 2015でも注目を集めていた。
9月17日(木)に行なわれたメディアセッションでは、SCE JAPANスタジオでクリエイティブディレクター兼プロデューサーを務めるNicolas Doucet(ニコラ ドゥセ)氏が登壇。Doucet氏は『THE PLAYROOM VR』の解説に先立ち、自身の経歴を紹介した。フランスに生まれ、少年時代は日本のアニメに夢中だったDoucet氏は、やがて世界的に有名な玩具メーカーのLEGOに入社。ここでみんなが集まって楽しめる、ファミリー向けコンテンツ制作の考え方が養われ、仕事に対する姿勢が大きく変わったという。
メディアセッションのプレゼンターを務めたNicolas_Doucet(ニコラ ドゥセ)氏。
その後、SCEワールドワイド・スタジオのLondonスタジオに仕事の場を移し、PlayStation®2のマイク付きUSBカメラであるEyeToy™対応のファミリー向けゲームの制作に携わり、そしてPlayStation®3でもEyeToy™の後継機とも言えるPlayStation®Eyeで、やはりファミリー向けのゲームを手掛ける。
SCE JAPANスタジオに移籍してからは、PS4®のPlayStation®Cameraを使って新しい遊びを研究するチーム「ASOBI! Team」を結成し、PS4®にプリインストールされている『THE PLAYROOM』を完成させた。現在は『THE PLAYROOM VR』の制作を進めており、まさに、ファミリー向けコンテンツのエキスパートと言える経歴を持つ人物だ。E3 2015では『THE PLAYROOM VR』のミニゲームとしてのデモコンテンツ『Monster Escape』を出展。1台のPS4®を使ってPlayStation®VRのヘッドセットと、DUALSHOCK®4でプレイする通常のモニターとで異なる映像を同時に表示させ、そのアイデアはもちろん、技術力の高さで注目を集めた。
今回の「東京ゲームショウ2015」でも、『Monster Escape』と同じくPlayStation®VRを着けた1人と、DUALSHOCK®4を持つ4人が一緒に遊べる、『THE PLAYROOM VR』の新たなミニゲーム『Cat&Mouse』を公開。最新のVR技術とプレイヤー同士で盛り上がれるゲーム性は、Doucet氏のバックボーンを考えれば納得だ。
メディアセッションはその後、Doucet氏の「まずは実際に遊んでみてください」という声で体験会へと移行。「ASOBI! Team」と一緒に、『Cat&Mouse』をプレイすることができた。
ミニゲームの内容はタイトルにあるように、ネコとネズミたちの対決。PlayStation®VRを着けたネコ役のプレイヤーは、カーテンの向こうでウロチョロするネズミたちを全て捕まえると勝利。一方のネズミ役のプレイヤーたちは、カーテンの近くに落ちているチーズの欠片を全て集めれば勝利だ。
ネコ役のプレイヤーが頭を突き出すと、ネコがカーテンから顔を出して、動いているネズミたちをバシンと捕獲! ネズミたちは操作をしていないあいだ、持ち歩いているカップなどの物陰に隠れてネコの捕獲から逃れられるため、ルールとしては”だるまさんが転んだ”のイメージに近い。
ネコ役がずっと顔を出していれば有利と思うかもしれないが、そうしていると犬型ロボットに顔をベロベロ舐められて、ネズミたちを自由にしてしまう。非常にシンプルなルールでありながら、心理戦にも似た間の取り合いは、童心に返った気持ちで夢中になれる。
一緒に遊ぶプレイヤー同士で予想以上に盛り上がれるのも、魅力のひとつだ。シンプルなゲーム性ですぐに楽しめることに加え、PlayStation®VRを着けたときの没入感も大きな理由。子どもを交えて楽しむのはもちろん、いい大人同士でスカッと遊びたいときにもおすすめだ。
『Cat&Mouse』をプレイしながら行なわれた質疑応答では、「ASOBI! Team」のファミリー向けコンテンツ制作に対する強いこだわりが語られた。
「PlayStation®VRを着けた本人だけがVR体験を楽しむのではなく、PlayStation®VRを着けない複数のプレイヤーとともに遊ぶゲームにしたのはなぜか」という質問に対し、Doucet氏は「元々の『THE PLAYROOM』はAR(拡張現実)コンテンツで、そのメリットは大勢のプレイヤーが一緒にインタラクションできることです。私たちは、この”みんなで遊べる”ということをいつも意識してきました。VRの技術を使うことでさまざまな素晴らしい体験をできますが、それが1人のものだけで終わらず、みんなで楽しめるようにすることが私たちのチャレンジだったのです」と回答。
コンピュータと対話できるような優れたVRゲームが多く生まれていることを認めつつも、あくまでファミリー向けコンテンツの開発を目標にしたのだという。もっとも、PlayStation®VRとモニターを連動させたゲーム開発は、予想以上にハードルの高いもので、ハードウェアのエンジニアとともに研究を重ね、ようやく実現に至ったとのことだ。
ファミリーで楽しめる、マルチなVR体験への追求。今後もみんなが夢中になれるような遊びを、Doucet氏をはじめとする「ASOBI! Team」はこれからも送り出してくれることだろう。
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