■PS4®の機能をフル活用! 神様の力もステージも物語もさらにビッグに!!
10月1日(木)発売予定のPlayStation®4専用ソフトウェア『Tearaway PlayStation®4』は、紙の世界を舞台にしたアクションアドベンチャー。「東京ゲームショウ2015」初日にあたる9月17日(木)に行なわれたメディアセッションでは、イギリスの開発会社Media MoleculeのディレクターRex Crowle氏、プロデューサーMichelle Ducker氏が登壇し、ゲームのコンセプト、PS4®版の見どころについて語った。
左からローカライズ担当の片見龍平氏、Media MoleculeのディレクターRex Crowle氏、プロデューサーMichelle Ducker氏。
2013年にPlayStation®Vitaでリリースした『Tearaway~はがれた世界の大冒険~』は、ハードの機能をフル活用し、PS Vitaへのラブレターのような思いで作り上げたと語るRex氏。さまざまな機能を詰め込み、それらを通じて感動的な体験を提供した同作は、多数のアワードを受賞し、ユーザーからも高い評価を得た。
今回のPS4®版は、PS Vita版を作り終えた時に構想を思いついたとのこと。「PS4®はパワフルでさまざまな機能が満載されたマシン。このハードをベースにすることで、魅力的な世界を作れるのではないかと思いました」とRex氏は語る。とはいえ、PS VitaとPS4®では機能が大きく異なる。「ハードの機能をすべて使うというコンセプトを継承し、革新的な遊び方を実現するには、ゲームを最初から作り直すこともいとわない」との思いで開発に臨んだそうだ。
開発にあたっては、DUALSHOCK®4の機能をいろいろと試すところからスタートしたと言う。PS Vita版をコンセプトアートととらえ、これをベースにどのような新しいことが実現できるか模索。コントローラーを観察し、どうすれば自分がパワフルな存在だと感じられるか、どんな面白いことができるのかひたすら考えたそうだ。そして生まれたのが、PS4®の機能を使った新しい力である。タッチパッドをスワイプして風を起こしたり、ライトバーの光を世界に当てて照らしたり、ゲームから飛び出したキャラクターをコントローラーの中に閉じ込めたりと、その力はいろいろ。
また、新しい力を活かすためにゲームの世界も大きく拡張。PS Vita版は小さな港が舞台だったが、今回は島や湾全体を探索できるようになっている。ストーリーはPS Vita版と同じく三部構成だが、新しいステージを追加したり、既存のステージに探索できるエリアを増やしたり、ゲーム自体の規模が大きく拡大したとのこと。紙飛行機で世界を飛び回るなど、新たな遊びも取り入れられている。
新たなゲームプレイを考えるにあたり、物語も大きく広がったと言う。プレイヤーが操作するイオタとアトイという2人のキャラクターの役割を広げたうえ、紙の世界の住人たちも新たに追加。Rex氏は「神様であるプレイヤーに対して彼らがどんな思いを抱いているかなど、バックストーリーも増やしました」、Michelle氏は「今回はスクラッピーという敵をより深く描写できました。面白い関わり方ができると思います」と語った。さらに、PS4®のマシンパワーを活かして影やライティングを追加したり、サウンドトラックで世界観に広がりを持たせたりすることで、リアルな世界の表現にも成功したそうだ。
セッション中盤では、開発ツールを使い、紙のキャラクターを完成させる工程を披露。紙をハサミで切ったり、折り曲げたり、立体物を組み立てたり、しわをつけ加えたりしながら、わずかな時間でRex氏そっくりのキャラクターが完成した。
続いて披露されたのは、Michelle氏によるデモプレイ。1080p/60fpsの高精細かつ滑らかな映像で、新たな操作の数々が紹介された。DUALSHOCK®4のタッチパッドを使って紙細工をデザインするシーン、PlayStation®Cameraを使って撮影した画像をゲーム内に取り込むシーンなども見られたが、中でも目を引いたのが風を起こすアクション。タッチパッドをスワイプすると、ゲームの中に風を吹き込まれる。はためく旗を足場にしたり、敵を吹き飛ばしたり、さまざまなシーンで使われる操作のようだ。紙の世界が風の力によってダイレクトかつダイナミックに反応するため、プレイヤーが大きな力を得たかのように感じられる。Rex氏も「PS Vita版は紙を1枚めくるだけだったのが、PS4®では風を起こしてステージ全体が震えるようなドラマティックな演出を加えることができた」と自信を覗かせていた。
また、DUALSHOCK®4のライトバーを使い、暗闇に光を当てるのもPS4®版ならではの機能。氷を溶かすといった効果があるほか、光を当てたキャラクターの反応も楽しめるそうだ。さらに、ゲームの世界から画面の外へモノを投げるというユニークなアクションも。コントローラーを傾けると世界の外にモノを投げることができ、投げられたモノはコントローラーの中に閉じ込めることができる。たとえば、敵キャラクターを閉じ込めたコントローラーを振るとDUALSHOCK®4から怒り声が聞こえたり、タッチパッドをなでると喜ぶ声が聞こえたりと、かわいい仕掛けも。閉じ込めたキャラクターを外に放り出し、やっつけることもできるそうだ。
セカンドスクリーン機能にも対応。PlayStation®Appを使えば、カメラによる画像取り込みができ、タッチパッドを使った紙細工などは手持ちのスマートフォンやタブレットでも行なえる。
最後の質疑応答では、ストーリーやエンディングについての言及も。Rex氏によると、「PS4®版は冒険自体が変更されるので、最終的に届けられるメッセージもPS Vitaとは違います。プレイヤー個人個人で体験も違うので、パーソナライズされたメッセージが届くでしょう」とのこと。Michelle氏も「PS Vita版を最後までプレイした人でも、PS4®版をプレイするとまったく違う感動が得られます。開発スタッフでは涙する人もいました」と語った。
また、海外版の『Tearaway Unfolded』という名称に関しては、「PS Vita版とゲームの根幹は似ていますが、PS4®になって広がる、展開するという意味を込めました」とRex氏。「PS Vita版では、紙の世界は手の中に握られるもの。PS4®は画面の向こうの世界という立ち位置です。この変化を無視するのではなく、重要なこととして捉えました。ゲームプレイのさまざまな場面で、ソファに座っている自分とテレビとの距離を意識した展開があります。距離を使った遊びも取り入れています」と語っていた。
最後に、「『Tearaway』のファンの方、応援ありがとうございます。今回新しい『Tearaway』を世に出すので、楽しんでいただけると光栄です。『Tearaway』は日本のゲームからもインスピレーションを得ています。日本のユーザーにこのようなゲームを発表できてうれしく思っています」(Rex氏)、「日本のユーザーが交流サイトTearaway.meにアップする写真、作品が見られる日を楽しみにしています」(Michelle氏)というファンへのメッセージでセッションを締めくくった。
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『Tearaway PlayStation®4』公式サイトはこちら
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©Sony Computer Entertainment Europe. Developed by Media Molecule
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