シリーズ初のPlayStation®2用ソフトウェアとして登場した『ファイナルファンタジーX』は、グラフィックが大幅に進化しただけでなく、レベルアップ制を撤廃した独自の成長システムや、シリーズではおなじみのATB(アクティブタイムバトル)ではなく、より戦略性を重視したバトルシステムを採用するなど、ゲーム性においても、それまでの『FF』シリーズとは異なるアプローチをとった作品です。さらにシリーズ初となるボイスも導入され、キャラクター性も強化! やり込み派の人にも、またストーリー性を望む人にも支持され、シリーズの大きな転機となる作品となりました。
ここでは改めて『ファイナルファンタジーX』の登場キャラクターや主なシステムなどを振り返っていきましょう。
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前回の記事はこちら
HDリマスターでよみがえる不朽の名作。今度はPS4™でさらに美しく!【特集第1回】
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■【キャラクター&ストーリー】壮大な物語を紡ぐ7人のキャラクターたち
物語の舞台となるのは、「シン」と呼ばれる魔物により、破壊と再生の輪廻を繰り返す世界スピラ。「シン」とは人々を襲う謎の存在で、これを倒すには究極召喚と呼ばれる召喚術を使うしか術はない。うまく「シン」を倒せたとしても、しばらくすると復活し、再び人々を襲い始める。世界はつかの間の平和と「シン」の恐怖を1000年にわたって繰り返してきたのです。そうしたスピラと呼ばれる世界に迷い込んだティーダは、「シン」を倒すための究極召喚を求める少女ユウナと知り合い、彼女の旅に同行することに……。その旅のなかで多くの仲間たちと出会い、困難を乗り越え、やがて世界に隠された真実を知ることになっていくのです。
ティーダ
CV:森田成一
スピラの世界に迷い込んだ青年で、物語の主人公。偶然出会った召喚士ユウナのガードとして、究極召喚を求める旅に出ることになる。何事にも前向きで、他人を思いやれる優しさを持つ。
ユウナ
CV:青木まゆこ
「シン」を倒す使命を果たそうとする召喚士の少女。「シン」の唯一の対抗手段である究極召喚を求めて旅をする。その過酷な旅の結末を知りながらも、「シン」を倒すという自らの使命を果たすべく、強い覚悟を持って仲間とともに戦う。
ワッカ
CV:中井和哉
ティーダを自らのブリッツボールのチームに誘った、「ビサイド・オーラカ」の選手。召喚士であるユウナを守るガードでもある。面倒見のいい好青年だが、意外に繊細で、優柔不断な一面も。
ルールー
CV:夏樹リオ
ユウナを守るガードの1人。過去にもガードとして何度か旅に出たことがあり、その知識と経験で、パーティを支える。ワッカの幼なじみでもあり、その弟であるチャップとは恋人同士。
キマリ=ロンゾ
CV:長克巳
ロンゾ族と呼ばれる、獣のような姿をした種族。ユウナとは旧知の仲であり、ガードとして、彼女を常に見守り続けている。無口で誇り高い性格だが、ときにはオキテを無視するなど、信念を持って行動する。
アーロン
CV:石川英郎
ティーダをスピラの世界に導いた剣士。かつてはユウナの父ブラスカのガードを務めたことから、伝説のガードと呼ばれる。港町のルカでティーダたちと合流ののち、ユウナのガードとして旅に同行する。
リュック
CV:松本まりか
機械を扱うことを得意とするアルベド族の少女。明るく元気なムードメーカーで、本人いわくニギヤカ担当。ユウナとは従姉妹の間柄で、彼女の身を案じ、最初はその旅をジャマしようとすることも。
■自由なカスタマイズ性をうたった、独特な成長システム「スフィア盤」
本作のシステムの最大の特徴は、スフィア盤と呼ばれる成長システム。本作ではレベルの概念がなく、戦闘で得られるSPというポイントを消費しながら、スフィア盤と呼ばれる「すごろく」のようなボード上のマスを開放。ポイントを消費して開放したマスに設定された効果(アビリティの修得やステータスアップなど)を得ることで、キャラクターは強くなっていく。マスを進むルートや、アビリティの修得順はある程度自由になっており、プレイヤーの判断によるカスタマイズが可能に。スフィア盤は通常と上級者向けの2種類が存在し、ゲームの最初に選択できる(途中変更はできないので注意)。
■次の行動を考えてのコマンド選択がカギとなるカウントタイムバトル
バトルシステムは、先にとった行動によって行動順が変化するCTB(カウントタイムバトルシステム)を採用。例えば、強力な技を使うと次に行動できるまでの順番が遅くなり、防御といった手軽な行動を選べば、すぐに次の行動順が回ってくる。敵の行動を遅くする追加効果などを生かすなど、うまく行動順を組み立てながら戦っていくことが攻略のポイントとなっていく。
シリーズのバトルでは欠かせない召喚獣もパワーアップして登場。呼び出すことでメンバーの代わりに戦ってくれるように(コマンド入力も可能)。また、ゲージをためることで、キャラクターごとに設定されたオーバードライブ技を繰り出すこともできる。
■序盤のストーリーを、PS4™版をプレイしながらおさらい
ここからは、実際にPS4™版を使った体験プレイレポートで、懐かしの物語を振り返っていきましょう。PS2®版のときも、電撃PSで攻略を担当したライターが、当時の記憶を呼び覚ましながらレポートしていきます。
プレイを開始すると、ザナルカンドでのシーンから始まります。すでにPlayStation®3&PlayStation®Vita版のHDリマスター経験者は、グラフィック的には大きな変化は感じないかもしれませんが、やはり全体的に、とくに水や炎の表現がキレイになっていることを感じます。このシーンは重要なネタバレ要素を含みますので詳細は省きますが、こんな序盤から後半の伏線が張られていたことがわかると思います。
スピラの世界に迷い込んだあとは、謎の遺跡での戦闘、アルベド族との出会い、海底調査、そしてビサイド島でのユウナとの出会いと、かなり怒濤の展開で進んでいきます。異世界に迷い込んだティーダと同様に、プレイヤーは意味もよくわからず、この状況に流されていくことになりますが、ここでもあちらこちらに伏線が散りばめられています。PS2®版含め、一度プレイしたことがある人は、こうした部分からストーリーを少しずつ思い出していくのもいいのではないでしょうか。ただ懐かしいだけでなく、新しい発見もあるかもしれません。
ルカに向かう船では、「シン」に襲われるバトルイベントが発生! ここはその迫力から、PS2®の実力を思い知った名シーン。PS4™版でも、水の表現がさらに美しくなり、大海原で巨大生物と戦うというスペクタクルを存分に味わうことができます。思い出のシーンをより美しい画面で楽しめるのだから、懐かしさよりもむしろ、その迫力に感動してしまいました。
次に訪れるキーリカ島では、ユウナの代名詞ともいえる、異界送りのシーンが描かれます。この世界で死ぬということ、モンスターたちのこと、召喚士のこと……いろいろなことが推測できる名シーンです。ちなみにキーリカ島をはじめ、各寺院で行われる謎解きは、ほとんどヒントがありません。すっかり忘れていることもあって、結構な手ごたえを感じながら改めて攻略しました。初見だと、ちょっと手こずるかもしれません……。
続く港町のルカでは、ティーダがユウナに口笛の吹き方を教えるシーンが見られます。プレイした人はご存じのとおり、このシーンは今後かなり重要になってくるのですが……こんなに序盤からあったとは驚きでした。久しぶりのプレイだと、やはり思い違いもあるようで、そうしたことを確認しながらプレイするのも、ちょっとおもしろいなと感じさせられた次第です。そしてここでは、オマケとは思えないボリュームの「ブリッツボール」も解禁です。当時はこればっかりを遊んでいた人もいるくらいのミニゲーム! 懐かしさもあって、ついつい意地になってプレイしてしまいました(笑)。
このルカまでが、いうなれば序盤といったところでしょうか。ここから、ティーダは正式にユウナのガードとして、この旅を続けることになります。2人の運命に大きくかかわるシーモアも登場し、物語も大きく動き出していきます。本作は、プレイ済みの人はもちろんですが、できれば『ファイナルファンタジーX』シリーズ未経験の人にこそ、プレイしてもらいたい作品。この先の展開は、ぜひ自分の目で確かめてほしいところです。
さて次回は、今回紹介した『ファイナルファンタジーX』の続編『ファイナルファンタジーX-2』のキャラクターやシステムの紹介していきます。こちらでも、PS4™版をプレイしての体験レポートをお届けしていく予定です。お楽しみに。
『FINAL FANTASY X/X-2 HD Remaster』公式サイトはこちら
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